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サイエンスデータを繋ぐ: 国立極地研究所の取組み 2017.6.30 専門図書館協議会研究集会 第5分科会: オープンアクセスとオープンサイエンス ~専門図書館の役割とこれからの課題~ 機械振興会館 情報・システム研究機構 国立極地研究所 南山 泰之 [email protected] ORCiD ID:0000-0002-7280-3342
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20170630_サイエンスデータを繋ぐ:国立極地研究所の取組み

Jan 22, 2018

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Page 1: 20170630_サイエンスデータを繋ぐ:国立極地研究所の取組み

サイエンスデータを繋ぐ:国立極地研究所の取組み

2017.6.30 専門図書館協議会研究集会第5分科会: オープンアクセスとオープンサイエンス~専門図書館の役割とこれからの課題~於 機械振興会館

情報・システム研究機構 国立極地研究所南山 泰之

[email protected] ID:0000-0002-7280-3342

Page 2: 20170630_サイエンスデータを繋ぐ:国立極地研究所の取組み

目次

1. 導入

2. データの共有、公開

3. ライブラリアンに期待される役割

4. 国立極地研究所の取組み

Page 3: 20170630_サイエンスデータを繋ぐ:国立極地研究所の取組み

1. 導入

http://www.h2020.md/en/open-science-

and-open-data-ict2015

Page 4: 20170630_サイエンスデータを繋ぐ:国立極地研究所の取組み

オープンアクセスの歴史

https://openaccess.mpg.de/Berlin-Declarationhttp://www.budapestopenaccessinitiative.org/

Page 5: 20170630_サイエンスデータを繋ぐ:国立極地研究所の取組み

定義

anyone can freely access,

use, modify, and share for any purpose

http://opendefinition.org/

Page 6: 20170630_サイエンスデータを繋ぐ:国立極地研究所の取組み

オープンアクセスの広がり

http://www.openaccessmap.org/

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オープンアクセスの広がり

0

50000

100000

150000

200000

250000

300000

Chart 1: Open access articles published by

OASPA Members

- different CC licenses in fully OA and

hybrid journals

Fully OA: CC BY-NC Fully OA: CC BY-NC-SA

Fully OA: CC BY-NC-ND Fully OA: CC BY

Hybrid: CC BY-NC Hybrid: CC BY-NC-SA

Hybrid: CC BY-NC-ND Hybrid: CC BY

Combined total (all articles)

https://oaspa.org/steady-growth-

fully-oa-journals-ccby-license/

Fully OA:

CC BY-

NC

Fully OA:

CC BY-

NC-SA

Fully OA:

CC BY-

NC-ND

Fully OA:

CC BY

Hybrid:

CC BY-

NC

Hybrid:

CC BY-

NC-SA

Hybrid:

CC BY-

NC-ND

Hybrid:

CC BY

Combine

d total

(all

articles)

2000 55 55

2001 523 523

2002 931 931

2003 52 1650 1702

2004 17 3279 3296

2005 0 5265 5265

2006 11 10139 1 10152

2007 873 12434 1 14 13337

2008 912 21251 1 2 54 22276

2009 972 29164 2 134 30406

2010 943 37 41732 297 43343

2011 1375 197 60852 218 1 438 63717

2012 4101 6 266 93492 1463 105 14 607 100941

2013 4054 766 2652 124755 1494 418 498 2271 142329

2014 4463 1498 3170 145481 2423 301 247 11735 184470

2015 5001 400 1358 165155 4009 621 1341 18686 217956

2016 14328 314 1324 189529 4564 331 2837 25425 268238

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オープンサイエンスの潮流

G8科学大臣会合における研究データのオープン化を確約する共同声明(2013.6)

→日本も調印(2013.6)

内閣府「国際的動向を踏まえたオープンサイエンスに関する検討会」報告書(2015.3)

→公的研究資金による研究成果のうち、論文及び論文のエビデンスとしての研究データは原則公開

→2015年度以降フォローアップ検討会を実施

第5期科学技術基本計画(2016.1)

→知の基盤の強化向けてオープンサイエンスを推進

科学技術・学術審議会学術分科会学術情報委員会「学術情報のオープン化の推進について(審議まとめ)」(2016.2)

→研究資金配分機関、大学、NII、JST、学協会、国の役割の明確化

日本学術会議 オープンサイエンスの取組に関する検討委員会「オープンイノベーションに資するオープンサイエンスのあり方に関する提言」(2016.7)

→研究データ基盤の整備、データ戦略、キャリアパス

http://www.nii.ac.jp/csi/openforum2017/track/pdf/

20170607PM_R_10_ojiro.pdf

Page 9: 20170630_サイエンスデータを繋ぐ:国立極地研究所の取組み

JSTのオープンサイエンス方針策定

https://www.jst.go.jp/pr/intro/ope

nscience/index.html

Page 10: 20170630_サイエンスデータを繋ぐ:国立極地研究所の取組み

オープンサイエンスの系譜

https://www.slideshare.net/takeda/ss-63707802

Page 11: 20170630_サイエンスデータを繋ぐ:国立極地研究所の取組み

様々な利害関係者との協働

https://mtrl.net/kyoto/events

/160108_open-science/

https://aurora4d.jp/

Page 12: 20170630_サイエンスデータを繋ぐ:国立極地研究所の取組み

成果発信の変化

“一図論文”

http://f1000research.com/articles/4-268/v1

Nature Publishing Group2014年にデータジャーナル”Scientific Data”創刊

http://www.nature.com/sdata/

Page 13: 20170630_サイエンスデータを繋ぐ:国立極地研究所の取組み

2. データの共有・公開

https://researchdata.ands.org.au/theme/open-data

Page 14: 20170630_サイエンスデータを繋ぐ:国立極地研究所の取組み

研究データとは

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データの取得方法

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データの価値

Australian National Data Service (ANDS)による試算(2014年)

公的な研究データの価値→ 19億~60億$(2,030億~6,410億円)

リポジトリの価値→ 18億~55億$(1,920億~5,870億円)

※円価は2014年 USD 年間平均TTSレートにより算出

http://ands.org.au/__data/assets/pdf_fi

le/0019/393022/open-research-data-

report.pdf

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EUDATの事例

https://www.eudat.eu/use-cases

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データ公開基盤

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再利用性の向上

http://www.codata.org/working-

groups/legal-interoperability

※日本語での紹介記事↑

http://current.ndl.go.jp/e1871

Page 20: 20170630_サイエンスデータを繋ぐ:国立極地研究所の取組み

発見可能性の向上

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https://www.rd-alliance.org/

データに関するコミュニティ

http://japanlinkcenter

.org/rduf/index.html

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3. ライブラリアンに期待される役割

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報告書「我が国におけるオープンサイエンス推進のあり方について:サイエンスの新たな飛躍の時代の幕開け」(平27.3.30)

各省庁、資金配分機関、大学・研究機関等

実施方針及びオープンサイエンスの推進計画を策定

公的研究資金による研究成果

論文及び論文のエビデンスとなる研究データ=原則公開

その他研究開発成果としての研究データ=可能な範囲で公開

公的研究資金

競争的研究資金及び公募型の研究資金

国費が投入されている独立行政法人及び国立大学法人等の運営費交付金等

ステークホルダーに求められる役割

図書館=研究成果等の収集、オープンアクセスの推進、共有されるデータの保存・管理を行う基本機能

国際的動向を踏まえたオープンサイエンスに関する検討会

http://www8.cao.go.jp/cstp/sonota/openscience/

Page 24: 20170630_サイエンスデータを繋ぐ:国立極地研究所の取組み

研究データの流通

第8期学術情報委員会(第8回) 配付資料4 オープンイノベーションに資するオープンサイエンスのあり方

http://www.mext.go.jp/b_menu/s

hingi/gijyutu/gijyutu4/036/shiryo/_

_icsFiles/afieldfile/2016/10/27/137

8712_002.pdf

Page 25: 20170630_サイエンスデータを繋ぐ:国立極地研究所の取組み

海外の動向

https://www.rd-alliance.org/system/files/documents/23Things_Libraries_For_Data_RDA%EF%BC%BFjp.pdf

http://libereurope.eu/blog/2016/10/13/research-data-services-europes-academic-research-libraries/

Page 26: 20170630_サイエンスデータを繋ぐ:国立極地研究所の取組み

大学図書館の動き

https://jpcoar.repo.nii.ac.jp/

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書誌事項

国際連携 研究データ対応助成情報

統制語彙対応

APC情報学位情報

junii2 Ref:

http://www.nii.ac.jp/csi/open

forum2017/track/pdf/2017060

7PM_R_08_kagawa.pdf

JPCOAR

Schema

Page 28: 20170630_サイエンスデータを繋ぐ:国立極地研究所の取組み

RDMトレーニングツール作成

http://id.nii.ac.jp/1458/00000023/

Page 29: 20170630_サイエンスデータを繋ぐ:国立極地研究所の取組み

データレスキュー

Ref:

http://www.slideshare.net/amanoeriko/ss-52460500

A university

B university

C Institution

機関リポジトリ

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NIMSのデータライブラリアン募集

■図書・文献・研究データの収集・分類

■外部DBからの機械的な文献収集・テキスト/データマイニング、データ処理

■オンラインジャーナル等の契約・ライセンス交渉

■電子リソース管理・キュレーション・データサービスデザイン

■サービスの評価等

http://www.nims.go.jp/employment/data/hdfqf1000008sc9m.html

Page 31: 20170630_サイエンスデータを繋ぐ:国立極地研究所の取組み

4. 国立極地研究所の取組み

Page 32: 20170630_サイエンスデータを繋ぐ:国立極地研究所の取組み

4-1. 国立極地研究所学術情報リポジトリ2014.10.24 正式公開●コンテンツ:約10,000件紀要論文、南極・北極の観測データ報告書が中心

http://irdb.nii.ac.jp/analysis/shousai.php?ir_

no=420

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0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

ファイルダウンロード回数

南極資料

観測データ報告書

観測隊報告

紀要類

英文誌

シンポジウム

ニュースレター

その他

国立極地研究所学術情報リポジトリ統計

(FY2016)

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000 詳細ページへのアクセス回数

南極資料

Polar Science

観測データ報告

書観測隊報告

紀要類

英文誌

南極資料,

12,659 view

(25.1%)

観測データ…

観測隊報告,

2,275 view

(4.5%)

紀要類,

9,399 view

(18.8%)

英文誌,

17,884 view

(30.9%)

シンポジウム,

6,827 view

(8.9%)

ニュースレ

ター, 2,501

view

(4.6%)

その他, 1,690

view

(3.2%)

南極資料, 8,668 ,

26%Polar Science,

1,290 , 4%

観測データ報告

書, 2,213 , 7%

観測隊報…

紀要類, 1,654 ,

5%

英文誌,

3,426 ,

10%

シンポジウム,

3,724 , 11%

ニュースレター,

1,357 , 4%

その他, 8,123 ,

24%

資料別の割合(アクセス数)

資料別の割合(ダウンロード数)

Page 34: 20170630_サイエンスデータを繋ぐ:国立極地研究所の取組み

2005

1219553

810

228

276

282

277

228317

日本(外部) アメリカ合衆国 中華人民共和国 インド

ウクライナ ロシア連邦 フランス 大韓民国

イギリス フィリピン

国立極地研究所学術情報リポジトリ統計

(FY2016)

48 45

26 26

84

59

72

102 105

127

106

125

0

20

40

60

80

100

120

140

【アクセスのあった国数】

国別アクセス件数

Top 10

国別アクセスの分布

0

100000

200000

300000

400000

500000

600000

700000

800000

900000

1000000

2012年度 2013年度 2014年度 2015年度 2016年度

OPAC

リポジトリ

件数

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データの利活用促進

http://www.nipr.ac.jp/info/notice/

20150116.html

Page 36: 20170630_サイエンスデータを繋ぐ:国立極地研究所の取組み

データの利活用促進

Page 37: 20170630_サイエンスデータを繋ぐ:国立極地研究所の取組み

4-2. IUGONET紹介

サイエンス成果の創出に向けたデータアーカイブと解析環境の融合. 梅村宜生ほか

第3回オープンサイエンスデータ推進ワークショップ@京大を一部改変

http://search1.iugonet.org/list.jsp

オーロラ

研究者

研究機関 A

観測データ

大学 B

大学 N

観測測器観測データ公開サーバ

観測測器

観測測器

・・・

オーロラデータ

はこっち。 地磁気のデータ

はどこにある?

地磁気

研究者

IUGONETメタデータ・データベース

メタデータ

観測データに関する情報例:観測開始日時、終了日時、データ詳細情報、URL, 測器情報,

観測所情報、利用ポリシー、コンタクト先情報..

メタデータデータベース

太陽のデータと

比較したい。メタデータ

メタデータ

メタデータ

メタデータ

メタデータ・・・

観測データメタデータ

観測データ

メタデータ

メタデータを集積し、検索や閲覧を可能にしたもの様々な機関で公開されている観測データに対するメタデータを、

横断的に検索することができる。

メタデータを介して、実際の観測データにアクセスすることができる。

観測データ公開サーバ

観測データ公開サーバ

メタデータデータベース

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パイロット開始(2016年6月~)

38

No. 難易度 内容 所感 (図書) 所感 (IUG)

1 低 既存のメタデータ(XML)を機械的に修正する ◎ 容易 ◎ OK

2 中- 既存のメタデータ(XML)を新しいスキーマバージョンに則したものに変更する

○ 出来た ○ OK

3 中 PIにインタビューしながら新しくサイエンスメタデータを作成する

○ 出来た ○ OK

4 中 外部サーバを使って単純なデータ公開・更新を行う (予定)

5 中+ 自前サーバを使って単純なデータ公開・更新を行う (予定)

6 高 IUGONETのようなサービスのデータ公開部分を運用する

(予定)

7 高+ IUGONETのようなサービスのデータ登録部分を運用する

(予定)

図書職員とのコラボレーション

サイエンス成果の創出に向けたデータアーカイブと解析環境の融合. 梅村宜生ほか第3回オープンサイエンスデータ推進ワークショップ@京大を一部改変

ライブラリーによるサービスの境界線

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メタデータの作成・編集

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4-3. Polar Data Journalの創刊

https://pdr.repo.nii.ac.jp/

・データ論文を扱うジャーナル→ 原著論文と同じ出版プロセス(査読・審査)→ 「査読」によるデータの品質保証、再利用性の

向上が目的

・データジャーナルによって1. データの利用者拡大2. 検証可能性の向上3. データ作成者、データ取得者の業績を明確に表現

・JAIRO Cloudを使用

Page 41: 20170630_サイエンスデータを繋ぐ:国立極地研究所の取組み

査読プロセス

事務局

査読者著者

編集委員

(1) 原稿の投稿(8) 原稿の受信

(10) 査読コメントを返信

(13) 査読結果の受信

(1)’ 受理されるまで(1)-(13)の繰返し

実データのアップロード

UR

Lの発行

(6) 実データの確認

(9) 実データのレビュー

(3) 実データの確認

(4) 投稿時の実データの複製

(14) 受理時の実データの複製

(17) 査読レポートの発行

(16) 査読コメントの校正

(2) 投稿情報の受信

− 査読中のワークフロー:(1) ~ (13)− 受理後のワークフロー:(14) ~ (18)

データリポジトリ

(15) データDOI発行の要求