2016 年10 月、神戸に LOD の国際会議がやってくる! 国立情報学研究所 NPO リンクト・オープン・データ・イニシアティブ 大向 一輝
2016年10月、神戸に
LODの国際会議がやってくる!
国立情報学研究所
NPOリンクト・オープン・データ・イニシアティブ
大向一輝
2016年10月、神戸で国際セマンティックウェブ会議(ISWC)が開催されますhttp://iswc2016.semanticweb.org
セマンティックウェブ?
LOD?(Linked Open Data)
オープンデータ?
セマンティックウェブとは何でしょうか?オープンデータやLinked Open Dataの文脈から説明したいと思います
神戸市は公共オープンデータの先進的自治体のひとつですhttp://www.city.kobe.lg.jp/information/opendata/
オープンデータ一覧から「ロケ地情報一覧」をダウンロードすると…http://www.city.kobe.lg.jp/information/opendata/catalogue.html
このような(読みやすいとはいえない)テキストデータが表示されますhttp://www.city.kobe.lg.jp/information/opendata/img/filming_location_kobe_ttl.txt
このファイルは4つ星・5つ星データの要件であるRDFで記述されていますhttp://5stardata.info/ja/
RDFはWorld Wide Web Consortium(W3C)で標準化されていますhttp://www.w3.org/TR/rdf11-primer/
さきほどのデータを可視化すると、このような情報の構造が現れますRDFは情報の構造を記述するための汎用的な枠組みです
RDFデータに対する問い合わせ言語SPARQLも標準化されていますhttp://www.w3.org/TR/sparql11-query/
SPARQLに対応したクラウド上のデータベースもありますhttps://dydra.com
DydraにさきほどのデータのURIを登録するとSPARQLで問い合わせができるようになります
SPARQLで「中央区」にある施設の名称を問い合わせると(画面右上)結果のリストが表示されます(右下)
具体的にはareaが「中央区」である施設IDを検索し(左向き矢印)施設IDのstring_locationを表示するという問い合わせをしています(右向き)
SPARQLに対応したデータベース(RDFストア)は商用製品やオープンソースソフトウェアとして提供されています
Linking Open Data cloud diagram, by Richard Cyganiak and Anja Jenvtzsch. http://lod-cloud.net/ CC BY-SA
標準化やソフトウェアの整備が進むにしたがいRDFでのデータ公開やSPARQLに対応したサイトが世界中で増加しています
データの構造化:RDF
クエリ言語:SPARQL
DB・クエリ実行環境:RDFストア
データがそのままウェブAPIになる
データ作成とアプリ開発の分業
セマンティックウェブはこれらの技術でデータのウェブを作る取り組みです開発者からはデータとアプリを分離する技術と捉えることもできます
Tim Berners-Lee. Information Management: A Proposal (1989)
この理想像を描いたのはウェブの創始者ティム・バーナーズ=リーです1989年の提案書にその片鱗を伺うことができます
DBpedia (Wikipedia)
Google Knowledge Graph
IBM Watson
WikipediaのデータをRDF化して公開するDBpediaは巨大IT企業の情報基盤として活用されていることが知られています
ISWCはこれらの次世代ウェブ技術に関する研究者・開発者が一堂に会して議論する世界最高峰の学術会議です
今年のISWC2015はアメリカ・ベツレヘムで開催されました36カ国から450名以上が参加しました
22 Workshops / 8 Tutorials
Research / Empirical Studies and Experiments / In-
Use and Software
Datasets and Ontology (60)
Industry (20)
Poster and Demo (99)
Doctral Consortium (12)
Semantic Web Challenge
セッション構成として産業界・実際の利用事例やポスター・デモに重きが置かれているのが特徴です。コンテストも毎年開催しています
個人的にはナレッジマネジメントへの実用化事例やRDFストアの大規模化・高速化の研究に興味を持ちました
国際会議ではバンケットやレセプションも重要ですベツレヘムは製鉄所跡と大学とカジノの街でした
コンテストの最優秀賞はミラノ万博の行動支援サービスに与えられましたhttps://www.3cixty.com
2012年の奈良での国際会議にてLODを用いた行動支援アプリを提供しましたスケジュールと英語の観光情報を見ることができます
データとアプリの分離によって開発者への負荷を減らしつつ最新の情報を配信できる環境を構築しました
ISWC2016ではコミュニティの力で神戸のオープンデータを徹底的に活用した新たな行動支援アプリを開発したいと思います!ぜひご協力を!!!