2015年(平成 27 年) 1 月 30 日(金曜日) (購読料1部65円・年間購読料・郵送料含む4,800円) (第三種郵便物認可) 甲府市出身者でつくる首都圏甲府会は、北杜市の和菓子メーカー金精軒とタイアップして武田信玄が流通させた甲州金をモチーフにした「甲州金まんじゅう」を考案、国内外に売り出す計画を進めている。昨年2月の総会で作家の渡辺房男さん(甲府市出身)が「黄金の国の通貨・甲州金」をテーマに講演したことが契機となり、役員会で商品化の話が持ち上がったという。武田氏率いる常勝無敵を誇った甲州軍団の強さは金山開発で鋳造された甲州金の財力が背景にあり、江戸時代の貨幣制度のルーツにもなった。「山梨・甲府」を情報発信するにはうってつけのストーリー性がある。商品化に向けて甲斐黄金村・湯之奥金山博物館(身延町)、山梨中銀金融資料館(甲府市)への視察や菓子メーカーとの交渉を手掛けるなど企画、宣伝の実務を担当しているのが同会理事(会計)を務める朱宮明美さん(55 )だ。甲州金は1両15 ㌘(4匁もんめ)だったことにちなみ、現在試作中のまんじゅうは同じ重さにし、表面を金きんぱく箔で包むという。既に同会の会長を務めるシミックホールディングスの中村和男CEOが設立した中村キース・へリング美術館が「甲州金まんじゅう」の商標登録を取得した。来月14 日の総会では試食会を開き、アンケートを実施。「菓子メーカーと共同でブラッシュアップさせ、数年後の販売を目指す」としている。狙いは「ビジネスモデルの構築」。地域に埋もれた資源を掘り起こし、地元企業、山梨の活性化に向けサポートをするという県人会の新たな試みで、甲州金まんじゅうはその第1弾との位置付けだ。実家は平安時代の万寿元(1024)年創業とされる老舗の朱宮神仏具店(甲府市)。甲府一高、明治大政経学部を卒業後、外資系のシティバンク銀行に就職。結婚を機に退職したが、「子育てしながらできる仕事」として30 歳で数珠や経典、仏像の企画販売会社「ジャパンアートメモリー」を立ち上げた。海外には太いパイプを持つ。国内だけでなく、精神的な癒しを求める顧客は欧米やブラジル、台湾など国外にも多いほか、「知り合いに頼まれて始めた」という日本の企業の持つ技術力を海外企業へ紹介するコンサルタント業も展開。さらには先月、輸出入業務を請け負う会社も設立した。仕事を通じて築いた人脈や経験を生かし「外国人観光客に日本を代表する土産として甲州金まんじゅうを認知してもらうことが当面の目標」と意気込む。その原動力は「古里への恩返しと貢献」にある。「山梨の活性化は首都圏にいても実現できるという新しい形を示し、次世代につなげていきたい」(今村友芳会長)はこのほど新宿区内で新年会を開いた。新年会には15 人が出席。今村会長は「高齢化が進み70 代以下の会員がいない。近親者にも声を掛けてほしい」と呼び掛けた。「久那土」の地名は現在ではJR身延線久那土駅として残されているだけだが、県人会としての歴史は古く、約半世紀前に発足。地元中学、高校を卒業後、縁故を頼って上京、千代田区界かいわい隈の卸問屋や建材店に就職する人が多く、一時は90 人近い参加者があったという。母校の久那土小は昨年の入学者がわずか5人で在校生は現在37 人。久那土中の在校生は23 人で、小学校は2017年3月に、中学校は16 年3月にそれぞれ廃校が決まっている。参加者はカラオケや、くじ引き抽選会を楽しんだ後、「朝夕に流れつきせぬ三沢の川辺、さながらに幾代つたえて、わが校舎は尊くたてり」と、久那土小校歌を全員で斉唱した。♢県人会連合会女性の会新年会=7日午後1時、八王子日本閣♢首都圏甲府会総会=14 日午前11 時半、アルカディア市ケ谷♢大泉会総会=15 日午前11 時、新宿ワシントンホテル小金井市県人会(武井正明会長)の総会・新年会(新春の集い)が、このほど市内のレストランで開かれ、約30 人が出席した。武井会長は「山梨県も県人会組織も活性化してきている。リニア中央新幹線開通の見通しが立つなど新しい時代の幕開けを山梨が迎える中、(その活力を)小金井市県人会の活動に生かしたい」と挨拶。来賓に弦間明県人会連合会長や布施智樹県東京事務所長、稲葉孝彦小金井市長(千葉県出身)、木村基成都議(東京都出身)らが招かれた。弦間会長は「初めて参加したが、ユニークでアットホームな会の雰囲気に和み、発展の意欲を心強く感じた。古里を介した出会いが交流となり、やがて大きな絆に広げることが大切だ」などと述べた。武井会長は都留市出身で、上京して日本電信電話公社(現NTT)に就職。30 歳で小金井市議に当選以降、7期28 年務めた。地元商工関係者とのつながりは強く、会員に法人会員が多いことも同会の特徴となっている。県とやまなし観光推進機構はこのほど、大阪と名古屋両市で旅行業者対象に2015年秋、冬シーズンの観光説明会と商談会を開いた。毎年2回実施し、今回は両会場で計70 社が参加した。説明会では県の担当者らがスライドを使いながら7年に1度行われる甲斐善光寺の御開帳(今年4~5月)に合わせて昇仙峡や湯村温泉など甲府市周辺の観光コースや、現在増穂インターチェンジ(富士川町)まで開通している中部横断道が2016年度以降、身延町や南部町方面に延伸されることに伴い、身延山久遠寺や西山温泉など峡南地域5町の名所を紹介した。その後の商談会は各旅行業者と県内観光事業者(大阪会場30 社、名古屋会場38 社参加)が個別に情報交換した。説明会と商談会は来月10 日、都内でも開催を予定している。南アルプス市県人会(有野征雄会長、旧白根町出身)はこのほど役員会と新年会を市桃源文化会館で開き、首都圏や県内から約40 人が参加した。役員会では総会を5月に市内で開催することや、甲府市在住の作曲家・望月吾郎さんの作曲で、ユネスコエコパークに登録された南アルプス・北岳をテーマにした「北岳絶唱」を同県人会の愛唱歌にすることなどが承認された。有野会長は、リニア中央新幹線の開業を引き合いに「国の地方創生に山梨も遅れを取らないように進める必要がある」などと挨拶。来賓の中込博文市長は6月にレストラン、直売所エリアが開園予定の農林業の6次産業化施設「南アルプス完熟農園」について触れ、「東京圏と農村交流のモデルとなる町づくりを進めたい。多くの集客に向け支援を」と呼び掛けた。同農園は中部横断道南アルプスインターチェンジの近くに整備。市が出資する株式会社「南アルプスプロデュース」が12 ㌶の用地を活用し、農産物の加工品販売や果物狩り体験ができる農園やバーベキュー広場などを運営する。役員会では同社の担当者が施設の概要を説明、第三者割当増資で財務基盤の強化を図るとして、一口10 万円の出資を要請した。新年会では甲府市出身の演歌歌手・美南ひろこさんや望月さんの歌謡ショーもあり、出席者は交流を深めていた。同県人会は合併に伴い、2011年に旧町村単位にあった県人会を再編。従来の首都圏在住者だけでなく、市内在住者も参加し、総久那土村(現身延町)出身者でつくる久那土郷友会文科省の県出身職員、OBらでつくる文科省山梨県ゆかりの会(会長・山中伸一事務次官、都留市出身)がこのほど千代田区の全国町村会館で開かれた。山中会長は「文科省は地方創生が大きなテーマ。山梨が元気になる活動をしたい。地域医療の充実など働く場がある山梨にするため山梨大学や県教育機関の活動がポイントになる。山梨をより楽しく明るくしたい」と抱負を述べた。来賓の赤池誠章・文部科学大臣政務官(甲府市)は「文科省には県出身者が多く、古里に帰った思いがした。山梨は教育人材輩出県として知られている。教育再生に向けOBも含めてスクラムを組んで前進したい」と挨拶。今春で退任する前田秀一郎山梨大学長や、新学長に内定している島田真路山梨大医学部付属会を都内と市内で交互に開催するなど〝地元密着型〟の活動を展開していることでも知られている。病院長、阿部邦彦県教育長らも出席した。総会・新年会で挨拶する武井会長(左から2人目)。志村恒雄 副会長(甲府市出身)が進行を担当、法人会員を代表して本間 敏弘氏(北海道出身・本間不動産経営)が乾杯の音頭を取った 歌謡ショーなどで親交を温めた南アルプス市県人会の新年会(24 日)久那土郷友会の新年会。深沢岩雄氏が司会を 務め、内藤智雄副会長が乾杯の音頭を取った 約60人が参加した文科省県ゆかりの会 「甲州金まんじゅう」世界へ古里への恩返しビジネスモデル県人会だよりジャパンアートメモリー社長 首都圏甲府会理事 朱宮明美 さ ん 2月の予定山梨を元気に文科省県ゆかりの会名阪地域へPR県・ やまなし観光推進機構「山梨の活力 活動に生かす」 新年会に法人会員も参加 小金井市県人会 古里で新年会親交深める「北岳絶唱」を愛唱歌に南アルプス市県人会会員拡充を呼び掛け廃校惜しみ校歌斉唱久那土郷友会・新年会