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自作スピーカー制作のまとめ 動機 ・オーディオが好きで、スピーカー、アンプなど作っていたから 新しい作品として ・いい音楽は、いい音で聞きたい、聞いて欲しいと思ったから ・ものを作るのが好きだから ・遊び半分の実験で始めた 目的 ・最終的に、原音(録音された元の音)に近い音にする ・聞いて、いい音・好きだと思える音にする 内容 ・スピーカー BOX(エンクロージャ)の設計 BOX の作成 ・改良 自分の理想とする BOX の形・音 ・ネットワークを通さない ・フルレンジを使う ・レスポンスが良い ・フラットな f ・レンジのひろい特性 ・点音源 BOX が、余計な振動をしない ・定在波などない ・解像度が高く、情報量が多い ・反射音などがない など 自分の求める形を目指し、スピーカーを制作していきます
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2013 研究 自作スピーカー

Nov 30, 2015

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Michelle Clark
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Page 1: 2013 研究 自作スピーカー

   自作スピーカー制作のまとめ

  動機

    ・オーディオが好きで、スピーカー、アンプなど作っていたから 

     新しい作品として

    ・いい音楽は、いい音で聞きたい、聞いて欲しいと思ったから

    ・ものを作るのが好きだから

    ・遊び半分の実験で始めた

  目的

    ・最終的に、原音(録音された元の音)に近い音にする

    ・聞いて、いい音・好きだと思える音にする

  内容 

    ・スピーカー BOX(エンクロージャ)の設計    ・BOXの作成    ・改良

  自分の理想とする BOXの形・音    ・ネットワークを通さない

    ・フルレンジを使う

    ・レスポンスが良い

    ・フラットな f特    ・レンジのひろい特性

    ・点音源

    ・BOXが、余計な振動をしない    ・定在波などない

    ・解像度が高く、情報量が多い

    ・反射音などがない

                  など

    自分の求める形を目指し、スピーカーを制作していきます

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  BOXの設計始めに書いた理想とする形を求め、設計していく

  1.スピーカーユニットの選択まずは、使用するスピーカーユニットを選ぶ。

条件として、ネットワークを通さない

        フルレンジを使う

        レスポンスが良い 

        レンジがひろい

        点音源

が挙げられる。

まず、ネットワークを通すと、コンデンサ・コイル・抵抗などを通ることになり、

そこで音質的に劣化する。また、位相歪みなどがあり、合成波が音源と違

う形になるため通さない。マルチウェイの場合ネットワークを通すので、フ

ルレンジを使う。

レスポンスの良さは、ユニットの口径が小さいほど、軽く、制動が効きやす

いため、できるだけ小口径の方がいい。けれど、面積が小さいほど低音

が出にくいためレンジが狭くなる。そこで、小さめの 8cmを使い、2本載せることでレスポンスを向上させ、面積も稼ぐという形にした。

また、点音源という面でも、8cm2本を縦に並べても、大口径スピーカーの直径にも満たないような大きさなため、ある程度、点に近い形と考えられ

るだろう。

スピーカーユニットと言っても安いものから、高いものまで様々だが、今回

は、片側 2発載せるため、安価ながら割りとしっかりした音の出る   「ダイトーボイス  AR-7 」というユニットを使うことにした。

スペックは以下インピーダンス………8Ω

最低共振周波数………130Hz再生周波数帯域………fo~18kHz出力音圧レベル………85 d B入力……………………10Wバッフル開口径………75mmφ重量……………………300g

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  2.エンクロージャの種類エンクロージャには様々な形があるので、どういったエンクロージャにする

のかを決める。

エンクロージャの種類と言っても、本当に多種多様で、いろいろな形があ

るので、条件を満たすものだけを挙げていく。

条件は、フラットな f特      レンジがひろい

      レスポンスが良い

      解像度が高く、情報量が多い

が挙げられる。

まず、レンジがひろく、フラットな f特にするには、小口径で出にくい低音をエンクロージャで引き出す必要がある。低音を増やすようなものは、

「バスレフ型」「バックロードホーン型」「共鳴管型」などがあげられる。

バスレフ型は、バスレフポートの空気の共振を利用し比較的容易に低音

が引き出せる。そのため、製品など圧倒的にこの形が多い。だが、共振を

利用しているため、本当の低音ではないという人もいる。

バックロードホーンは、ユニット背面の音をホーンで大きくするという形に

なっている。だが、ホーンで低音を増強するためには、ホーンの長さが、

現実的ではない長さになるため、ある程度の長さにし、折り曲げて作る物

が多い。また、ホーンで増強される音は、低音だけではないため、ホーン

鳴きをしたりする。解像度の高い音にするのは、難しそうに感じる。

共鳴管型は、パイプオルガンのように、共鳴管の共鳴を利用し、低音を出

す形になっている。ただ、共鳴を利用しているため「ホーホー」と言った感

じのなりをすることがあり、中音に音がかぶるなどし、あまり解像度の高い

音にはならなさそうに感じる。

ここでは、比較的容易に低音が出せる、「バスレフ型」を選択する。

「バックロードホーン型」「共鳴管型」などは、あまり、低音を増強させるに

は向かないように感じたため、バスレフ型にする。

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  3.エンクロージャのサイズ、バスレフポートの設定

条件としては、レスポンスが良い

         フラットな f特         レンジの広い特性

が挙げられる。

まず、レンジが広く、フラットな f特にするには、バスレフで低音を引き出す必要がある。バスレフは、ポートの共振を利用しているため、BOXの容積、ポートの断面積、長さなどで共振周波数が変わってくる。

まず、BOXのサイズを決める。自由に決めることができるが、一応次の表

が目安となる。

ユニットの公称

口径

目安の箱容量

(L)

8cm 3~6

10cm 5~10

12cm 6~12

16cm 10~40

20cm 20~60

大きすぎても、小さすぎても、低音再生は難しくなる。ユニットの振動板面

積は、8cm2本で 10~12cmほどの面積になるため、5~12L程度にするのが普通だ。だが、今回は実験的に、ユニットに対して大きすぎると思わ

れる、25Lの大きさにする。ユニットの振動板面積に対してこの容量だと、

通常、BOX内の空気を振動させるパワーがないため、低音が出ない。だが、今回は板面積はそれほど大きくないが、磁気回路が 2 つあるため、

駆動力があり、低音が出るのではないかと見ている。また、これほど容量

が大きいと、ポートから出てくる音が遅れる可能性があるが、8cmのレスポンスを考えれば、無視出来る程度だと考えられる。

次に、ポートの断面積を決める。断面積は、大きすぎても小さすぎても低

音が出ないため、普通、振動板面積の 10%~50%で決まる。AR-7はユニットの詳細データが少ないため、振動板面積がわからないが、8cmユニットなので、実行振動板半径は 3cmだろう。振動板面積は、2本で3*3*3.14*2=56.52cm^210%~50%は、

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56.25*0.1=5.652cm^256.25*0.5=28.125cm^2の間で決める。だが、今回は、箱の容量が大きいため、バスレフポートも

大きくしてみる。呼び径 75の塩ビ管をバスレフポートに使用する。これは、

断面積が、振動板面積の 70%近い大きさだ。うまく作動すれば、量感の

ある低音が出るのではないかと思っている。しかし、ユニットが、ここまで

大きな箱、ポートをしっかり、駆動できるかわからないため、もしうまく行か

なければ、小口径のポートに替えることも考えている。

そして、ポートの長さを決める。共振周波数をどのくらいにするかで長さが

変わってくる。共振周波数は、次の計算式で求められる。

f =共振周波数(Hz)S =ダクトの断面積 (cm^2)V =箱の容量 (L)l =ダクトの長さ(cm)r =ダクト半径(cm) フルレンジの場合、通常、共振周波数は、ユニットのデータシートの最低

共振周波数(f0)に近い値にする(AR-7の場合は 130Hz 前後)。f0より低すぎると、低域にディップができたり、高すぎると中域にかぶり、ピークが

できてしまう。しかし今回は、箱が大きいため、共振周波数を低めにとって

も、十分中低域が出るのではないかと考え、ダクトの長さは 20cm、共振周波数を 50Hzにする。普通は、8cmでこれをすると、低域は殆ど出ない。

もし、この設計でうまく行けば、レンジは 40Hz~18kHzと、ワイドレンジで、低音は大型ウーファーの、遅れた低音とは違う、ハイスピードで、レスポン

スの良い低音が出ると思われる。

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  4.エンクロージャの設計箱の容量、ポートの断面積、長さが決まったので、細かい形状などを設計

していく。

設計には、「Sped」というエンクロージャ設計ソフトを使用する。

条件として、点音源

        BOXが、余計な振動をしない        定在波などない 

        反射音などがない

エンクロージャをどういった形にするのかを決める。

最初に、バッフル面のサイズを決める。バッフル面はできるだけ小さくした

い。バッフル面が大きいと、ユニットから出た音が反射し、指向性が強くな

り、音の広がりがなくなり、音場が狭くなる。また、反射音は、遅れて聞こえ

る。点音源という点でも、反射音があると点とは言えない。だが、奥に長い

形というのも、あまり現実的でない形になるため、ある程度横幅が小さく、

縦に長い形にする。そして、反射音を減らすため、ユニットの周りのみ、少

し高さを上げる。奥行きを考えると 60*20cmといったところになる。奥行き

を考える前に、板をどれぐらいの厚さのものを使うかを考える。箱の共振

を考えると、24㎜厚ほどの板が剛性が高く理想的だが、コストを抑えるた

め、12㎜厚の板を使う。25L 確保すると、61*20*27cm(板厚含む)といっ

た大きさになる。

次に、ユニットの位置を決める。できるだけ、ユニットがリスナーの耳に近

いほうが良い。そのため、ユニットが取り付けられる最も高いところに設置

する。

そして、すでに決まっているが、バスレフポートの形状を決める。

これは、断面積が同じなら、長方形でも、楕円でもいいが、定在波を極力

減らすため、円形のバスレフポートにする。

続いて、ポートの位置を決める。まず、前後どちらに設けるか考える。前

面にした場合は、直接耳に届くため、量感スピード感がよい。理論的に正

しい位相となる。だが、ポートからでる中高音の雑音が聴こえやすい。後

面の場合は、ポートからでる中高音の雑音が聞こえにくい。間接的になる

ので、量感スピード感に劣る。ポートからの空気を妨げないため、壁との

距離が必要になる。前面のほうが、メリットが大きく、雑音は、吸音材で吸

音できるため、前面にする。次に、ポートの高さを決める。ポートがユニッ

トに近すぎると、ポートの動作に箱の一部しか使えない。ポートから漏れる

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中高音が目立つなど、デメリットがある。逆に遠すぎれば、低音が遅れ、

位相的に好ましくない、というデメリットがある。そこで、できるだけ箱の底

に近く、ユニットから離れすぎていない適当な 45cmの高さに設置する。

以上の値を、「Sped」に入力すると、次のようになった。(AR-7のユニットデータが少なく、計算できなかったため、同じ 8cmユニットの FE83enというユニット 1本で計算した)

右のグラフが、このスピーカーの f特の計算値となる。予想通り 50~150Hzにかけて大きなディップがある。だが、この計算値は、ユニット 1本での値で、2本乗せると、このディップが小さくなると予想している。

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  5.材の選択エンクロージャに使用する材を決める。

できるだけ、高密度で、剛性の高い板を使用するのが望ましいが、材質

が良い物ほど、高価になってくる。今回は、コストを抑え、パネコートを使

用する。剛性が低いが、補強材を入れ、強度を上げることでカバーする。

また、パネコートは、つるつるとしている面があり、それを内側にすることで、

空気抵抗を減らすことができるのでは、と考えている。

バスレフポートには、すでに決まっているが、塩ビ管を使用する。円形の

ものを作るのは、大変なため、手軽な塩ビ管を使用する。塩ビ管には、肉

薄のVU管と、肉厚のVP管があり、強度の高い、肉厚のVP管を使用する。

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  BOXの制作設計した BOXを作っていく

いよいよ、エンクロージャを作る過程に入る。

まずは、板を切り出すために、けがきをする。

次に、けがき線に沿って、丸ノコでカットをする。

片側 6 枚、計 12 枚の板を切り出した。

あまり精度が高くないので、接着の時に修正する。

この板を、接着して、箱にしていく。接着には、木工用セメダインを使う。

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接着を、しっかりとするため、バケツにおもりを入れて、載せておく。

天板は、あとから作業するために、ネジ止めにしておく。

次は、箱にユニットと、バスレフポートを取り付けるための、穴を開ける。

穴あけには、自由錐を使う。

次に、反射音を減らすため、ユニットを少し浮かすための、板をジグソー

できっていく。(写真撮り忘れ)

切った板に、穴を開ける。

次は、箱に色を塗る。今回は、特にあまり考えず、無難な黒を塗る。

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スプレー塗装も考えたが、分厚く、しっかりと塗装するため、ペンキ塗装に

する。

塗装に入る前に、ヤスリがけをし、塗装しやすくする。

表面が、つるつるとするまでかけ、塗装に入る。

綺麗に仕上げればいいが、手間がかかるので、ある程度均一に塗れれ

ば良い。

次は、ユニットを付ける前に、ユニットを改造する。

ここでの改造は、振動板を硬くする。振動板は、空気に振動を伝えるため

の部分になるので、正確に空気を振動させるためには、硬いほうが有利

だと考える。硬くするために、振動板にセラックニスを塗り、硬化させる。

今まで、この改造をしたときは、低音の量感が増え、解像度が上がったよ

うに感じられた。だが、高音が少し耳につくようになった。高音のきつさは

少し難点だが、他のメリットのほうが大きい。また、ユニットを複数にすると、

低音の増幅のほうが大きいため、高音が減衰する。そのため、結果的に

バランスが良くなると考えている。

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もう一つ改造をする。振動板に墨を塗る。ある人が、この改造をしたところ、

大きく音が変わり、とても音が良くなったと言っていたのを見て、実験的に

やることにした。(写真撮り忘れ)

次に、バスレフポートに使う塩ビ管をカットする。(写真撮り忘れ)

次は、吸音材を、BOX内に入れる。役割は、定在波対策・BOX内の中

高音を減衰させることだ。入れ過ぎると、低音が出なくなったりするため、

後に調整することを考え、側面片側と背面の 2面に貼る。貼る吸音材は、

ニードルフエルトという分厚い布のようなものを使う。

あとは、ユニットを取り付けるなどの作業をすれば、ひとまず完成となる。

ユニットの配線だが、直列につなぐと、2 つのユニットに差がでてしまうた

め、あまり好ましくない。並列につなぐと、インピーダンスが 4Ωになり、負

荷が大きめになってしまうが、4Ω 対応のアンプも少なくないため、並列に

つなぐ。

Page 13: 2013 研究 自作スピーカー

  試聴

ひとまず完成したスピーカーの音を聞く

いよいよ、完成したスピーカーの音を聞く。

試聴には、自分と同じくオーディオ好きの父と、音楽の好きな母にも付き

合ってもらい、感想を聞いた。

・解像度が高く、細かい音が出る。小さい音でも、はっきりと聞こえる。

・フルレンジとは思えない低音が出る。音量が小さくても、低音が聞こえる。

・重低音まで、はっきりとなる。

・低音のレスポンスが良い。とても早い低音。

・中低域で、少しだけディップを感じる。

・中域に、少しだけホーホーといった鳴りを感じる。

・高音も出る。

・バイオリンなど、少し伸びが物足りない。

・少し高音がきついところもある。

・臨場感がある。

・迫力のある音がする。

・音量を上げても、うるさい音がしない。

など、好印象な音だった。フルレンジとは思えないワイドレンジで、驚いた。

中低域に、少しディップがあるようだったが、予想していたより気にならな

かった。

これをもとに、更に、改良をしていく。

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  改良

 完成したスピーカーの音を更に良くしていくため改良をしていく

 改良することで、どのように変わったのかをまとめる

 

   ~つっかえ棒 補強材~

   箱鳴りを抑えることを目的に行った

                

  結果

    余計な「箱鳴り」、「ボンつき」が減る

箱の振動が小さくなる

     ↪解像度が上がる

  考察

    箱の剛性を上げることによる効果

    箱の剛性が低いと、ユニットの振動で箱鳴りが起きるため、補強材

    で剛性の低い部分を補強し、振動が抑えられたためではないか 

          

    ・ユニットからの音だけになり、よりピュアな音になったと考えられる

  結果

   低音の量が大きく増える

   締まった低音になる

Page 15: 2013 研究 自作スピーカー

  考察

    箱鳴りによってかき消されていた低音が

    聞こえるようになり、増えた、締まったように聞こえるのではないか

    ・低音の量が増え、よりフラットな特性に近づけたと考えられる

Page 16: 2013 研究 自作スピーカー

   ~砂利を底に入れる~

   重量加算による BOXの安定化と、   砂利の振動による箱の振動の打ち消しを狙い行った

  結果

    低音が澄んだように感じられ、量感が増えた

  考察

    重量が少ないと、ユニットの振動で箱が動き、安定した音が

    出せないが、重量加算によって安定したことで、低音が

    出しやすくなったのではないか

    また、箱の振動で、砂利が振動し振動を打ち消しあう効果を狙い

    行ったが、狙い通りに動作し、箱鳴りを抑えられたのではないか

    ・低音の量が増え、よりフラットな特性に近づけたと考えられる

    ・低音の余計な音が減り、解像度が上がったと考えられる

Page 17: 2013 研究 自作スピーカー

   ~斜めに板を入れる~

   定在波を減らすことと、 

   ユニット背面の音をポートに伝えやすくすることを目的に行った

  結果

    中音の抜けが良くなる

    低音がしっかり出るようになる

  考察

    平行面が減ったことで定在波が減り、中音にかぶっていた

    音が消え抜けが良くなった

    また、板によってユニット背面の音が反射し、ポートからしっかりと 

    低音が出るようになった

   ・定在波が減りよりピュアで、フラットな特性に近づいたと考えられる

Page 18: 2013 研究 自作スピーカー

   ~角材をランダムにつける~

   平行面を減らすことで、定在波を減らすことを狙い行った

  結果

    中高音が澄んだような音になり、しっかりと出るようになった

    解像度がとても上がったように感じられた

     ↪ボーカルなどの定位もしっかりとした

      小さな音などもはっきりと聞き取れ、情報量がとても増えた

    低音がしっかりとした音になった

  考察

    定在波が減ることによって、澄んだ音・解像度の高い音になった

    それにより、定位もしっかりとし、情報量が増えたのではないか

    

    ・定在波のない、とても澄んだクリアな音になったと考えられる

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  セッティングについて

スピーカーの音というのは、スピーカのセッティング、部屋の状態で大きく

変わってくる。セッティングの仕方は、人によって全く違うため、ここでは、

自分なりのセッティングの仕方を紹介する。

まず、部屋からだが、部屋の響きがあった方がいい、響きがないと音が生

き生きとしない、という人がいるが、反射音・フラッターエコーなどは、全く

ないのが理想だと考えている。

原音に近づけるという考え方で行くと、音の響きは、すでに録音する段階

でソースに含まれる。ホールなどで録音すれば、音源から出た音がマイク

に入り、ホールの響きもマイクに入る。それをスピーカーで再生すれば、

ホールの響きも再生され、響きも再現される。それを、更に部屋で響かせ

れば、原音からは遠ざかると考えられる。

それを考えると、壁や障害物の全くない屋外が一番いいと考えられる。実

際に、オーディオシステムを外に持ち出し、聞いたことがあるが、部屋の

中で聞いた時とは、全く別物の音に聞こえた。だが、外で聞くというのは

現実的ではないため、部屋の中で、できるだけ反射音を殺すということに

なる。

反射音を殺すには、カーテンを閉める、布を壁、天井に垂らす、カーペッ

トをしくなどして対策する。

実際に、自室では天井に布を垂らす、カーペットをしく、カーテンを閉め

るなど対策をとってある。

他にもまだまだ紹介したいことがあるが、とても長くなるのでここではこれく

らいにしておく。

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  システム全体について

このスピーカーに使うアンプも、今回自作をした。

アンプ本体には、TA2024という ICを使った、基板と基板上の部品だけ

入った nfjのアンプキットを使った。そのまま使うのではなく、部品を変え

たり、改造したりし使った。

基板のみなので、ケースや、端子などは、自分で加工し、作った。

電源などは別でどうにかするが、今回は、電源は、完全自作した。

製作過程などの細かい説明はあまりしない。

本体は、コンデンサーなどの交換や、電源の安定化などをした。

電源部は、トランス電源にし、ショットキーバリアダイオードをブリッジ接続

にし、平滑コンデンサを容量の大きいものから小さいものまでを並列に、

大量につなぐことで、瞬間的な大電流の供給や、ノイズ削減を狙った。

また、本体とケースを別にし、アースシールドをすることで、トランスの磁束

漏れの対策をとった。コンデンサーも別にしたかったが、小型化するため

に、同じケース内に入れることにした。

Page 21: 2013 研究 自作スピーカー

結果、ハイレスポンス、高解像度、高音質の高価なアンプにも劣らないよ

うなアンプが完成した。高音から低音まで、レンジはしっかり出ている。

プレイヤーは、繊細な音を出すため、ポータブルプレイヤーをバッテリー

駆動で使用する。

バッテリー駆動だと、パワーが無いため、電源を自作したかったが、今回

はバッテリーでいく。

Page 22: 2013 研究 自作スピーカー

  まとめ

今回のスピーカー作成では、自分の理想の音にすごく近いものができた。

この夏休みに、大阪や名古屋に行き、高級オーディオ店で試聴させても

らったが(B&W802など)、100~500 万クラスのシステムをいくつか聞い

てから自分のシステムを聞いても、そこまで悪いとは感じなかった。

今回自分としては、1人で設計から、制作、まとめまで全て行ったが、完

成した音を聞き、予想以上の音が出て、とても満足している。

これからは、今回の作品も時間の都合で出来なかった、改造などもあり、

それらを実験していきたい。

また、8 月号の Stereoという雑誌の付録スピーカーを使ったコンテストが

あり、それに参加をしたいと思う。

この 2 つだけでなく、次々新しく、色々作っていきたい。

最終的に、自分だけでなく、もっと多くの人に手軽に良い音で音楽を聞

いてほしいと思い、オーディオを仕事にできたらと思っている。

Page 23: 2013 研究 自作スピーカー

  今までの作品

 

ここに載せていないものや、中途半端で完成しなかったものなども多いが、

今まで作ってきた作品になる。