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2012 年度 建築情報教育の実態調査アンケート 報告書 2013 年 3 月 一般社団法人 日本建築学会 情報システム技術委員会 3 次元設計教育小委員会
39

2012 年度 建築情報教育の実態調査アンケート 報告書 · 2017-03-28 · 建築情報教育の実態調査アンケート報告書(2012 年度) 2...

Aug 01, 2020

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2012年度

建築情報教育の実態調査アンケート

報告書

2013年 3月

一般社団法人 日本建築学会

情報システム技術委員会

3次元設計教育小委員会

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建築情報教育の実態調査アンケート報告書(2012 年度)

1

目次

はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 02

調査概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 03

調査結果

1.教育機関のプロフィール

1-1. 教育機関分類 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 05

1-2. 学科カテゴリー ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 05

1-3. 一学年あたりの学生数(大学院を除く) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 06

1-4. 教員数(常勤) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 06

1-5. 教員数(非常勤) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 07

2.建築情報教育環境の現状

2-1. 建築教育用ハードウェア(コンピュータ等)環境の整備状況 ・・・・・・・・・・・・・・ 08

2-2. 学科専用のコンピュータの台数 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 08

2-3. 授業で活用している主なソフトウェアの利用状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 09

2-4. ハードウェア及びソフトウェアのメンテナンスの対応 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 09

3.建築情報教育の実践

3-1. 授業名称による授業分類 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10

3-2. 必修/選択による授業分類 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10

3-3. 授業の形式による授業分類 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11

3-4. 授業担当者数(教員) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11

3-5. 授業担当者数(技術職員または TA) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11

3-6. 履修年次 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12

3-7. 履修学生数 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12

3-8. 授業で情報技術を活用する目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13

3-9. 授業で利用しているソフトウェア ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14

3-10. 授業で使用しているテキスト ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15

3-11. 授業で意識的に工夫している点 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15

3-12. 授業の横断的な連携 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19

3-13. 授業の教育上の問題点 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21

4.現状の問題点と今後の方向性

4-1. アンケート回答者の職名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23

4-2. アンケート回答者の専門分野 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23

4-3. アンケート回答者の教育課程における立場 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24

4-4. アンケート回答者の設備やソフトウェア導入における立場 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24

4-5. 建築情報教育に関するビジョン ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24

4-6. 建築教育の情報化における問題点 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 27

4-7. 建築教育の情報化に関して建築学会に期待すること ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 28

5. 「国内の建築情報教育の実態調査」発表資料 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 29

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建築情報教育の実態調査アンケート報告書(2012 年度)

2

建築情報教育の実態調査アンケート(2012年度)

情報システム技術委員会

3次元設計教育小委員会

はじめに

私共の小委員会では、CAD が徐々に普及し始めた 1980 年代から建築教育における CAD 利用をテーマとして、調

査・分析・実践活動を進めてきました(小委員会の名称やメンバーは変わっています)。1985年には第1回の建築

教育組織への CAD利用状況調査を実施し、その後、1987、 1990、 1991、 1992、 1993、 1994、 1995、 2006年

と計 9 回の調査を行ってまいりました。1995 年の「建築 CAD 教育の現状」と題したアンケートでは、まだ CAD 利

用そのものが定着しておらず、CAD 導入が大きな課題であることが浮き彫りになりましたが、それから約 10 年後

の 2006 年に実施した「建築教育の情報化に関するアンケート調査」(前回調査)では、社会全体の急速なデジタ

ル化やネットワーク化、無償 3DCAD の普及等とも相まって、建築教育の現場に各種デジタルツールが急速に浸透

したことが明らかになりました。しかし、CADやデジタル環境は普及したものの、建築教育の現場における情報化

については十分に進んでないという状況も確認できました。

これらと前後し、耐震強度偽装事件を受けた建築確認申請の厳格化により実質的な設計作業のファーストロー

ディングが強く求められる中で、建築教育も縦割り方式から総合化方式への変化が見られるようになりました。

そして、その後のデータ互換性の向上による多業種間の協働の可能性の拡大、BIMの概念の普及を通した環境解析

への需要の高まり、プログラミング技術の応用による構造家と建築家のコラボレーション等、前回のアンケート

以降、情報技術は直接・間接的に建築実務やデザインの潮流に、それまでにない大きな変化をもたらし、建築教

育の現場においても、様々な変化が生じていることが予想されます。

このような背景から、3次元設計教育小委員会では、現状の建築情報教育(※)の課題とニーズを把握することを

目的として、建築情報教育を担当している、あるいはサポートしている教員の皆様に対し、「建築情報教育の実態

調査アンケート」を実施いたしました。アンケートは、WEB システムによりインターネット上で回答していただ

ける形式としました。当小委員会 では、アンケートの回答を建築教育組織単位で集計・分析すると共に、回答者

の見解や学会に期待すること等も含めて、報告書としてまとめました。また、この報告書を当小委員会のホーム

ページで公開し、ダウンロードできるようにいたしました。

本アンケートにご協力いただきました教育機関並びにご回答いただきました教職員の皆様に対し、ここに記し

て感謝の意を表します。この調査報告書が、建築情報教育の実態を正しく伝え、教育機関や教育担当者に対して

有益な情報となることを願っております。

※ 建築情報教育とは、高度情報化時代の建築業務に応える人材を育成するため、情報技術を積極的に活用し

た建築教育を指します。

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建築情報教育の実態調査アンケート報告書(2012 年度)

3

調査概要

本調査は、「大学(建築関係学科)名簿 2010年版(日本建築学会)」に掲載された、大学 137校、短期大学 4校、

厚生労働省所管大学校/短期大学校 9校、工業高等専門学校 14校の「学科」、「専攻」、「コース」等(以下学科と

する)を対象とした。合計 232学科へアンケート回答依頼メールを送信した。

宛先不明等で実際に届かなかったメールを除き、最終的にはアンケート回答依頼メールを 192 学科へ配信する

ことができた。回答数は 57学科で、回答率は約 3割であった。表 0にその内訳を示す。

表 0 アンケート回答数と回答率

調査依頼数 回答数 回答率

総 数 192 57 29.7%

大学(大学院) 172 46 26.7%

高等専門学校(含専攻科) 13 8 61.5%

短大 3 0 0%

大学校 4 3 75%

アンケートとして以下に示す 4つの質問項目群を設け、全 32問のウェブアンケートを実施した(図 0)。

(1) 教育機関のプロフィール

1. 教育機関名

2. 教育機関分類

3. 学部・学科名

4. カテゴリー

5. 学年あたりの学生数

6. 教員数

(2) 建築情報教育環境の現状

1. 建築教育用ハードウェア環境の整備状況

2. コンピュータの台数

3. 授業で活用している主なソフトウェアの利用状況

4. 学科所有のハードウェア及びソフトウェアのメンテナンス

(3) 建築情報教育の実践(授業単位で回答)

1. 授業名

2. 授業概要

3. 必修/選択

4. 授業の形式

5. 授業担当者数

6. 履修年次

7. 履修学生数

8. 情報技術の活用目的

9. 利用ソフト・装置・教材、およびその用途(自由回答)

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建築情報教育の実態調査アンケート報告書(2012 年度)

4

10. 使用しているテキスト

11. 意識的に工夫している点(自由回答)

12. 他専門領域との横断的な連携(自由回答)

13. 教育上の問題(自由回答)

(4) 建築情報教育における現状の問題点と今後の方向性

1. 回答者の職名

2. 回答者の専門分野

3. 教育課程における回答者の立場

4. 授業用の設備やソフトウェアの導入における回答者の立場

5. 貴学科の建築情報教育に関するビジョン(自由回答)

6. 貴学科の建築教育の情報化における現状の問題点

7. 建築教育の情報化に関して建築学会に期待すること

8. ユニークな建築情報教育の自薦・他薦

(5) 本アンケートに関する意見

図 0 ウェブアンケート画面

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建築情報教育の実態調査アンケート報告書(2012 年度)

5

調査結果

1. 教育機関のプロフィール

1-1. 教育機関分類

分類 回答数

大学(大学院) 46

高等専門学校(専攻科を含む) 8

短大 0

大学校 3

合計 57

教育機関分類では 46学科(81%)が大学(大学院)、8学科(14%)が高等専門学校(専攻科を含む)であった。

1-2. 学科カテゴリー

カテゴリー 回答数

建築系 47

芸術系 2

総合系 2

情報系 0

土木系 2

その他 4

合計 57

学科をカテゴリー別に見ると、47学科(82%)が建築系であった。

表 1-1 教育機関分類

建築系 82%

芸術系 3%

総合系 4%

情報系 0%

土木系 4%

その他

7%

図 1-2 学科カテゴリー

表 1-2 学科カテゴリー

図 1-1 教育機関分類

大学(大学院)

81%

高等専門学校

(専攻科を含む)

14%

短大 0% 大学校 5%

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建築情報教育の実態調査アンケート報告書(2012 年度)

6

1-3. 一学年あたりの学生数(大学院を除く)

学生数 回答数

40 人以下 22

41~80人 22

81~120 人 7

121~160 人 2

161~200 人 1

201人以上 3

合計 57

40人以下と 41~80人がそれぞれ 22学科(39%)で最も多く、両者で全体の 78%を占めた。続いて 81~120人

が 7学科(12%)であった。120人以下で 9割を占めた。なお、最少は 10人、最多は 300人であった。

1-4. 教員数(常勤)

教員数(常勤) 回答数

10 人以下 21

11~20人 21

21~30人 8

31~40人 3

41~50人 3

51 人以上 1

合計 57

常勤の教員数は 10人以下と 11~20人がそれぞれ 21学科(37%)で最も多く、両者で全体の 74%を占めた。続

いて 21~30人が 8学科(14%)であった。30人以下で約 9割を占めた。最少は 5人、最多は 60人であった。

表 1-3 一学年あたりの学生数

40人以下

39%

41~80人

39%

81~120人

12%

121~160人

3%

161~200人

2%

201人以上

5%

図 1-3 一学年あたりの学生数

10人以下37%

11~20人37%

21~30人14%

31~40人 5%41~50人 5% 51人以上 2%

表 1-4 教員数(常勤)

図 1-4 教員数(常勤)

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建築情報教育の実態調査アンケート報告書(2012 年度)

7

1-5. 教員数(非常勤)

教員数(非常勤) 回答数

10 人以下 29

11~20人 14

21~30人 6

31~40人 6

41~50人 1

51 人以上 1

合計 57

非常勤の教員数は 10 人以下が 29 学科(51%)と最も多く、続いて 11~20 人の 14 学科(25%)、21~30 人と

31~40人がそれぞれ 6学科(10%)であった。最少は 0人、最多は 60人であった。

表 1-5 教員数(非常勤)

図 1-5 教員数(非常勤)

10人以下51%

11~20人25%

21~30人10%

31~40人10%

41~50人2%

51人以上 2%

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8

2. 建築情報教育環境の現状

2-1. 建築教育用ハードウェア(コンピュータ等)環境の整備状況

ハードウェア環境整備状況 回答数

他学科(専攻、コース) との共有のコンピュータ室を利用 41

入出力装置やネットワーク設備を学生に提供 34

学生個人のコンピュータを利用 26

研究室(教員)所有のコンピュータを利用 24

学科(専攻、コース)の専用のコンピュータ室を利用 19

もっとも多い回答であったのは、「他学科(専攻、コース)との共有のコンピュータ室を利用している」で、41

学科(72%)であった。一方、もっとも少ない回答であったのは、「学科(専攻、コース)専用のコンピュータ室

を利用している」で、19学科(33%)であった。

2-2. 学科専用のコンピュータの台数

コンピュータ台数 回答数

50 台以下 15

51~100 台 1

101台以上 2

不明 1

合計 19

「学科(専攻、コース)専用のコンピュータ室を利用している」と回答した 19学科のうち、15学科(79%)が

コンピュータの所有台数が 50台以下であった。51台より多く所有していたのは 3学科だけであった。

表 2-1 建築教育用ハードウェア環境の整備状況(複数回答)

表 2-2 学科専用のコンピュータの台数

図 2-1 建築教育用ハードウェア環境の整備状況(複数回答)

72%

60%

46%

42%

33%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

他学科(専攻、コース) との共有のコンピュータ室を利用

入出力装置やネットワーク設備を学生に提供

学生個人のコンピュータを利用

研究室(教員) 所有のコンピュータを利用

学科(専攻、コース)の専用のコンピュータ室を利用

図 2-2 学科専用のコンピュータの台数

50台以下79%

51~100台5%

101台以上11%

不明 5%

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建築情報教育の実態調査アンケート報告書(2012 年度)

9

2-3. 授業で活用している主なソフトウェアの利用状況

ソフトウェア利用状況 回答数

学科(専攻、コース) で授業に必要な台数分のライセンスを用意 48

フリーウェアを利用している 34

学生個人がライセンスを持っている 14

学生や教員が学内外で無制限に利用できる 9

その他 3

独自開発のソフトウェアを利用している 1

「学科(専攻、コース) で授業に必要な台数分のライセンスを用意」との回答が最も多く、48学科(84%)であ

った。一方、「フリーウェアを利用している」との回答は 34 学科(60%)と半数以上あった。独自開発のソフト

ウェアを利用している」との回答は 1学科(2%)のみであった。

2-4. ハードウェア及びソフトウェアのメンテナンスの対応

メンテナンス対応 回答数

担当教員が対応 36

技術職員やサポートスタッフが常駐し、 対応 26

業者あるいは外注で対応 16

TAを含めた学生スタッフが対応 9

特に対応していない 3

「担当教員が対応」との回答が最も多く、36 学科(63%)であった。次いで多かったのが「技術職員やサポー

トスタッフが常駐し、対応」との回答で、26学科(46%)であった。「業者あるいは外注で対応」は 16学科(28%)

に留まった。

表 2-3 授業で活用している主なソフトウェアの利用状況(複数回答)

84%

60%

25%

16%

5%

2%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

学科(専攻、コース) で授業に必要なライセンスを用意

フリーウェアを利用している

学生個人がライセンスを持っている

学生や教員が学内外で無制限に利用できる

その他

独自開発のソフトウェアを利用している

図 2-3 授業で活用している主なソフトウェアの利用状況(複数回答)

表 2-4 ハードウェア及びソフトウェアのメンテナンスの対応(複数回答)

図 2-4 ハードウェア及びソフトウェアのメンテナンスの対応(複数回答)

63%

46%

28%

16%

5%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

担当教員が対応

技術職員やサポートスタッフが常駐し、 対応

業者あるいは外注で対応

TAを含めた学生スタッフが対応

特に対応していない

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建築情報教育の実態調査アンケート報告書(2012 年度)

10

3. 建築情報教育の実践(大学院を含む)

3-1. 授業名称による授業分類

授業名称 回答数

CAD・CG などの授業 47

コンピュータ・情報処理などの授業 30

設計・製図・基礎造形などの授業 34

構造・施工・環境などの授業 4

その他授業 9

合計 124

124科目について回答が得られた。

「CAD・CGなどの演習」や「コンピュータ・情報処理などの演習」など、コンピュータ利用の授業であることを明

示する授業名が 77 授業(62%)あり、約 6 割を占めた。次いで、「設計・製図・基礎造形などの演習」を明示す

る授業名が 34 授業(28%)あり、約 3 割をしめた。「構造・施工・環境などの演習」を明示する授業名は 4 授業

(3%)しかなかった。

3-2. 必修/選択による授業分類

授業名称 回答数

必修 42

選択 57

選択必修 25

合計 124

「選択」としている科目数が最も多く、57科目(46%)を占めた。続いて「必修」が 42科目(34%)、「選択必

修」の 25科目(20%)が占めた。

表 3-1 授業名称による授業分類

表 3-2 必修/選択による授業分類

図 3-1 授業名称による授業分類

CAD・CGなどの授

業38%

コンピュータ・情報

処理などの授業24%

設計・製図・基礎造

形などの授業28%

構造・施工・環境な

どの授業3%

その他授業7%

図 3-2 必修/選択による授業分類

必修 34%

選択 46%

選択必修 20%

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建築情報教育の実態調査アンケート報告書(2012 年度)

11

3-3. 授業形式による授業分類

授業名称 回答数

実習・演習 112

講義 11

その他 1

合計 124

「実習・演習」としている科目数が最も多く、112科目(90%)を占めた。

3-4. 授業担当者数(教員)

教員数 回答数

1 人 50

2 人 46

3 人 15

4 人 7

5 人以上 6

合計 124

教員が「1人」で担当している科目が 50科目(40%)で、4割を占めた。

3-5. 授業担当者数(技術職員または TA)

技術職員および TA数 回答数

無記入+0 人 58

1 人 26

2 人 18

3 人 10

4 人 4

5 人 8

合計 124

「無記入」を授業をサポートする技術職員・TA がいない「0 人」と見なすと、当該科目は 58 科目(47%)で

あり、約半分を占めた。残り半分は少なくとも 1人は授業をサポートしているという結果となった。

表 3-3 授業形式による授業分類

表 3-4 授業担当者数(教員)

表 3-5 授業担当者数(技術職員または TA)

図 3-4 授業担当者数(教員)

1人 40%

2人 37%

3人 12%

4人 6%5人以上 5%

図 3-5 授業担当者数(技術職員または TA)

無記入24%

0人23%1人

21%

2人15%

3人8%

4人3%

5人以上6%

実習・演習90%

講義9%

その他1%

図 3-3 授業形式による授業分類

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建築情報教育の実態調査アンケート報告書(2012 年度)

12

3-6. 履修年次

履修年次 回答数

学部 1 年 34

学部 2 年 46

学部 3 年 28

学部 4 年 1

工専専攻科 2

博士前期課程(修士課程) 6

博士後期課程 1

無記入 6

合計 124

履修年次が「学部 2年」の授業が最も多く、46科目(37%)であった。ついて「学部 1年」が 34科目(27%)、

「学部 3年」が 28科目(22%)であった。学部 3年までで履修する授業が 9割弱を占めた。

3-7. 履修学生数

履修学生数 回答数

~20 人 33

21 人~40 人 44

41 人~60 人 16

61 人~80 人 17

81 人~100 人 3

101人~120人 2

121人~ 7

無記入 2

合計 124

履修学生数が「21人~40人」の授業が最も多く、44科目(35%)であった。次いで「~20人」が 33科目(27%)

であった。40人以下の授業が約 6割を占める結果となった。

表 3-6 履修年次

表 3-7 履修学生数

図 3-6 履修年次

学部1年27%

学部2年37%

学部3年22%

学部4年1%

工専専攻科2%

博士前期課程

(修士課程)5%

博士後期課程1%

無記入5%

図 3-7 履修学生数

~20人27%

21人~40人35%

41人~60人13%

61人~80人14%

81人~100人2%

101人~120人1%

121人~6%

無記入2%

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建築情報教育の実態調査アンケート報告書(2012 年度)

13

3-8. 授業で情報技術を活用する目的

技術職員および TA数 回答数

プレゼンテーション能力の育成 65

製図に関する知識と作図能力・技術の育成 63

3 次元モデリング技術の習得 54

設計・デザイン能力の育成 43

計画に関する情報処理や提案能力の育成 39

CGや画像処理技術の習得 34

プログラミング技術の習得 23

その他ソフトウェア操作法の習得 19

データの相互運用技術の習得 17

環境解析技術の習得 10

設計情報を管理するマネジメント能力の育成 9

GIS・GPS関連技術の習得 9

その他 8

コラボレーション・コミュニケーション能力の育成 5

構造解析技術の習得 4

ロボティクス・センシング技術の習得 3

デジタルファブリケーション技術の習得 2

124 科目のうち、情報技術を活用する目的として「プレゼンテーション能力の育成」と回答した科目が最も多

く、65 科目(52%)であった。次いで、「製図知識と作図能力・技術の育成」が 63 科目(50%)、「3 次元モデリ

ング技術の習得」が 54科目(43%)であった。設計や計画に関する能力を育成する「設計・デザイン能力の育成」

や「計画に関する情報処理や提案能力の育成」はそれぞれ 43 科目(35%)、39 科目(31%)であり、3 割強に留

まった。

表 3-8 授業で情報技術を活用する目的(複数回答、5つまで)

52%

50%

43%

35%

31%

27%

19%

15%

14%

8%

8%

7%

6%

5%

4%

2%

2%

0% 20% 40% 60%

プレゼンテーション能力の育成

製図知識と作図能力・技術の育成

3次元モデリング技術の習得

設計・デザイン能力の育成

計画に関する情報処理や提案能力の育成

CGや画像処理技術の習得

プログラミング技術の習得

その他ソフトウェア操作法の習得

データの相互運用技術の習得

環境解析技術の習得

設計情報を管理するマネジメント能力の育成

GIS・GPS関連技術の習得

その他

コラボレーション・コミュニケーション能力の育成

構造解析技術の習得

ロボティクス・センシング技術の習得

デジタルファブリケーション技術の習得

図 3-8 授業で情報技術を活用する目的(複数回答、5つまで)

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建築情報教育の実態調査アンケート報告書(2012 年度)

14

3-9. 授業で利用しているソフトウェア

ソフトウェア名 回答数

Jw_cad 33

Microsoft Office(Excel, PowerPointを含む) 25

VectorWorks 22

AutoCAD 19

SketchUp 17

Illustrator 11

Photoshop(Elements を含む) 10

MicroGDS 8

Autodesk Revit Archiecture 6

Shade 5

ArcGIS 3

ArchiCAD 3

Rhinoceros 3

Design Builder 2

Eclipse + Cygwin 2

Ecotect Analysis, Radiance 2

FormZ 2

GIMP 2

Pov-Ray 2

Grasshopper 2

Visual Basic for Application 2

124科目のうち、利用 CADとして最も多かったのは「Jw_cad」で 33科目(27%)であった。次いで、「Vector Works」

の 22科目(18%)、「AutoCAD」の 19科目(15%)、「SketchUp」の 17科目(14%)、「MicroGDS」の 8科目(6%)、

「Revit」の 6科目(5%)、「Shade」の 5科目(4%)であった。

非 CAD系ソフトで最も多かったのは「Microsoft Office」で 25科目(20%)であった。次いで、「Illustrator」

の 11科目(9%)、「Photoshop」の 10科目(8%)であった。

図 3-9 授業で利用しているソフトウェア(複数回答、3つまで)

表 3-9 授業で利用しているソフトウェア(複数回答、3つまで)

その他(回答数が 1 であったもの)

Acrobat、Artlantis、ARToolkit、Autodesk 3ds Max Design、

Fortran、gfortran、GLOOBE、GPS ロガー、 iMovie、JAVA、

MIDAS/Gen、Piranesi、SIS、SolidWoks、TCIForm(独自開発ソ

フト)、turbo-C、UC-Win/Road、Visual C/C++、VRML ブラウ

ザ、weka、WindPerfect、環境解析ソフト、秀丸エディタ・

TeraPad、十進ベーシック

27%

20%

18%

15%

14%

9%

8%

6%

5%

4%

2%

2%

2%

2%

2%

2%

2%

2%

2%

2%

2%

0% 10% 20% 30%

Jw_cad

Microsoft Office(Excel, PowerPointを含む)

VectorWorks

AutoCAD

SketchUp

Illustrator

Photoshop(Elementsを含む)

MicroGDS

Autodesk Revit Archiecture

Shade

ArcGIS

ArchiCAD

Rhinoceros

Design Builder

Eclipse + Cygwin

Ecotect Analysis, Radiance

FormZ

GIMP

Pov-Ray

Grasshopper

Visual Basic for Application

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建築情報教育の実態調査アンケート報告書(2012 年度)

15

3-10. 授業で利用しているテキスト

テキスト 回答数

オリジナルテキスト 71

市販書籍 54

付属マニュアル 12

特になし 11

オンライン教材 9

その他 1

124科目のうち、授業で利用しているテキストとして最も多かったのは「オリジナルテキスト」で 71科目(45%)

であった。次いで、「市販書籍」の 54科目(34%)であった。一方、「付属マニュアル」は 12科目(8%)を占め

るに留まった。

3-11. 授業で意識的に工夫している点

「この授業で意識的に工夫されている点があれば自由にお答えください」という質問に対して、127科目のうち

62 科目(49%)から回答が得られた。得られた記述内容から、下記の 7 タイプに分類した。表 3-11 に分類結果を

示す。

A. 3D モデル利用による立体認識力・表現力向上(9 件)

3DCAD/CGの特徴を活かし、立体で設計案を発想し、検討し、創り上げることを通じて、立体の認識力や表現力

を向上させる。また、3Dで検討した後、2Dの図面を作成することで、3D実体である建築と 2D表現である図面

との関係を理解させる。

B. 計画・構造・環境など分野横断連携(9件)

計画(意匠)・構造・環境といった単分野の検討だけでなく、データ流通や解析の親和性が高いデジタルの特徴

を活かして、分野横断的演習を実施する。ソフト連携時に起こりうるデータ互換の課題、視認できない構造・

環境の可視化を通じた理解の深化を図る。

C. デジタルと実世界・手書きとの連携(8 件)

仮想世界だけでの検討では失われがちといわれる寸法感覚、手書き経験、表現内容の精査不足といった課題に

対応するため、印刷物での確認、寸法実測、手書き演習等を実施する。また、建築・都市という実世界・実体

を創るという着地点に向かって、実世界と仮想世界との行き来の状況を理解する。

D. デジタル技術の使いこなし・開発(8 件)

CAD(設計)と CG(プレゼン)をはじめとする複数のソフトウェア間のデータ連携、インターネットによる事

例調査、メールによる課題提出、BIMや ARなどの新たな技術を用いた演習など、デジタル技術を積極的に使い

こなし、場合によっては開発する。

表 3-10 授業で利用しているテキスト(複数回答)

45%

34%

8%

7%

6%

1%

0% 20% 40% 60%

オリジナルテキスト

市販書籍

付属マニュアル

特になし

オンライン教材

その他

図 3-10 授業で利用しているテキスト(複数回答)

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建築情報教育の実態調査アンケート報告書(2012 年度)

16

E. 授業の進め方・教材開発(16 件)

情報リテラシーの差・理解度や進度の差を含む受講生に対して細やかに配慮しながら授業を進める。e-learning

等の自習教材を活用・開発する。

F. 演習を通じた理論や本質の習得(9 件)

演習時に単なる作業(余り理解せずにマニュアルに沿って手を動かすのみ)に陥らないよう、また、座学(講

義)で学んだ内容を体得するために、建築・都市や情報に関する理論、学ぶべき本質について演習を通じて理

解する。

G. 実践的演習の実施(6 件)

空想で設定された演習課題だけでなく、実社会でのコンペ参加、実務者による授業など、実践的な演習内容を

実施することを通じて、目標像を明確化し、演習へのやる気を向上させる。

授業番号 工夫の概要

A. 3Dモデル利用による立体認識力・表現力向上

56

2Dから 3Dへとステップアップするのではなく、先に 3Dのモデリング方法を習得した後に、3Dから 2Dの平面図や断面図を切

り出して作図するプロセスを通して、実世界の 3Dの建築と2Dの図面の関係について理解を深め、立体的な思考力を高めて

いる。

87 3DCADの特徴を生かし、常に立体で設計案を確認する癖を身につけさせる。また、3DCADの特徴を生かし、チーム内でのプ

レゼン、教員へのプレゼンを頻繁に行わせ、意思伝達がいかに重要かを学ばせる。

100 3 次元ソフトの操作技法の習得ではなく、3 次元ソフトを用いることで生み出される造形を考えることを中心に授業を進めてい

る。ただし、この内容に切り替えてからまだ2年目なので、思考錯誤の段階である。

2 3Dモデルを用いたデザインの把握を行うことを中心に、説明能力の涵養をはかっている。

8 スケッチアップによる立体認識力の育成。これになれると、設計課題のエスキスが進むと、自ら立体図を作成し、細部の検討

を行うようになった。

29

・実務での CAD 使用事例を適宜提示・解説して、技術習得後に獲得できる表現の多様さについて伝え目標を明らかにさせ

る。

・有名建築の3次元化を通じ、その建築の魅力と考え抜かれた空間の構成を追体験させるとともに、経験と発見にもとづいて

自らの発想で3次元上での増築に取り組ませる。

59 3 次元モデル(パース)や図面のクオリティを高めさせるために、提出されたものを全員分赤ペンチェックし、返却しています。

それらを修正させた後、最後にプレゼンテーション紙面として提出させています。

60

底上げを意識している。昨年度まではテーマを自由に設定させて空間造形を実施していたが、シンプルな案を作成して簡単

に済まそうとする学生層が存在した。この状況への対処として、今年度からは、一度既存建築物のモデルを入力して空間分

析をさせ、建物を 3 次元的に理解してもらう課題を組み入れた。そこから先のデザインアレンジ課題は人によって取り組み方

が異なる。

90 コンピュータを使って立体を構成することに慣れるため、また、効果的なプレゼンテーションのため、カメラの設定について意

識的に指導している。

B. 計画・構造・環境など分野横断連携

86

室内環境と建築形態の関係、構造力学と建築形態の関係を視覚化によって理解させる授業。座学で得た知識を、建築と結

びつけることに CAD や解析ソフトを利用している。意匠、構造、環境の各分野の教員が参画。もちろん、CAD や解析ソフトの

操作法、利用法も同時に教える。

88

建築デザインと室内光環境、風環境の関係を考察するために、光や風をうまくデザインに租借して取り入れている国内外の

著名建築を各自取り上げ、その解析を行う。授業の目的は、あくまでデザインの理解である。もちろん、それを達成するため

のソフトの利用は学ぶ。

110 熱環境設計の考え方を修得するのに、熱環境解析ソフトを実践的に活用し、熱環境の可視化の有効性等を確認する。

120 (1)1/50 スケールの詳細な平面図、矩計図の入力により、構成部材についての知識を深める。

(2)木造在来住宅における構造・構法=骨組、環境工学=高気密・高断熱に関する講義部分を内包する。

122 必ずしも図形処理に頼らない、プログラミングやデーターベースを重視し、建設 CALS/EC、 CAE、 BIM、 アルゴリズミック・

デザイン等の建築分野での高度な ITC、 CAD活用に繋げる

6 図面の建物単体はもちろん周辺環境にも配慮して計画するように指導している。

45 「建築設計表現」は、「建築設計基礎」・「図学(建築図学)」と共に連携した授業内容(学部 1 年前期の 8 週間の集中授業)と

し、全てを横断的に学び、建築設計の基本的な表現を修得することを目標とする。

表 3-11 意識的に工夫している点

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建築情報教育の実態調査アンケート報告書(2012 年度)

17

32 全 14回の内、数回は建築情報に関する講義を実施している。

66 学生の興味を引き付けるために、他授業や卒業研究において役立つプログラムの作成を課題としている。

C. デジタルと実世界・手書きとの連携

73

設計製図 1(1 年後期の設計製図科目)において、前川國男邸の図面コピーを手書きにて行っている。

一方、同学年の同じ後期において設置されている基礎製図法及びCAD演習においては、キャドソフトを利用して同じ建物の

図面コピーを行っている。

その意図としては、手書きとキャドの両方を並行して学習・体験することを通じて図面の理解度が向上するのではないかと期

待しているためである。

基礎製図法及びCAD演習では、そのほかに図学の分野の消点法やアイソメトリック、アクソメなども学習する。これも同授業

では手書きとキャドの両方で学習する。

手書きの苦労とキャドの使い勝手の両方を学んでほしい。

87

3DCADの実践的な利用を意識し、手描きとCADモデリングをハイブリッドで行うことを指導している。あくまで設計のための演

習であるため、CADのための演習にならないように心がけている。実際の設計はチーム作業であるので、チームで CADを上

手く使っていく訓練も行う。実践的利用という意味では大事。

102 手書きや手作業と、情報技術(主にCAD)の効果的な使い分けを知ってもらい、両者の必要性を理解させること。

データ管理、図面保存の重要性と習慣化。

3 演習の過程で3Dプリンターによる確認を行う。

5 モニタでの確認だけでなく、出力状況も学生に確認させ、建築図面での線の太さやスケール感なども意識するように指導して

いる。

6 モニタ上では分かりにくい、スケール感や建築図面のルールを忘れないように、紙媒体に出力させている。

109

今年度初めて立ち上げた授業。

・全入時代の1年生対象なので、あまり難しいことはさせず、建築と数学に興味を持てるような内容とする。

・できれば学生が実際に動いてデータを取る。その過程で建築に関連する事柄を体験的に理解しつつ、そのデータを用いて

統計的な処理を行えれば良い。

・自分の指や腕、足を使ってスケール(ものさし)を体得することは、今後建築を学ぶ上でも有意義ではなかろうか。

37 ARシステムを構築して、キャンパス内に新設される仮想建築土木構造物の景観シミューレーションを行う。

D. ソフトウェア・情報通信システムの使いこなし

7

(1)ソフトウェアのインストール法の実習

(2)CAD ソフトの使用法の講義・演習

(3)図学の演習課題を全て CADで行い、課題全てをメールで提出させる。

(4)定期試験も全て CADで行う。

53

簡単な木造建物のモデリングや喫茶店の Interior設計、RC造ビル設計を実習し、3次元オブジェクトCADの概念や基本操作

を覚えると共に、ネットを使ったコラボレーション設計を学習し、レンダリングやウォークスルーの技術を使ったプレゼンテーシ

ョン手法を習得する。また仮想敷地に、課題となる建築プロジェクト概要を設定し、データを互換しながら、独自の「3 次元設計

Objectモデル」を作成することで、より高度な建築情報活用の手法を習得する。

46 グラフィックソフトとCADソフトの連動させている。

47 2次元CADから3次元CADへの展開

58 一つのソフトウェアで完結する課題ではなく、複数のソフトを連動させて仕上げる課題を設定している。

79 インターネットを最大限に活用し、十分に調査させ、よりクオリティを挙げた作品づくりをさせる。

84 CG表現の入門からアニメーションの作成へ展開する。

31 受講生約 20名が 1グループとなり、3週ずつ 4つのテーマをこなす。教員側は同じ内容を 4回繰り返す。最新のテクノロジに

できるだけ早い段階で接してもらうべく、BIM ソフトウェアを使用している。

E. 授業の進め方・教材開発

9

学生により CAD の習得能力の個人差は大きいが、できるだけ不得意な人にあわせてゆっくり進めている。授業ではもちろん

大きな画面でやり方をわかりやすく説明しながら進めつつ、テキストでもやり方が記載しており、復習にも使えるようにしてい

る。その他、授業以外の質問にも随時対応している。

また、他の製図課題とも連動させ、設計製図で取り組んだものを CAD 化(レンダリングやアニメーション)するというようなすす

め方も取り入れている。

28 建築のプレゼンのみに意識を向けるのではなく、学生の趣味・興味などについてをプレゼンの題材にするなど、入口を広げて

パソコンへの苦手意識を低減し、モチベーションの向上と創意工夫のきっかけづくりに繋げることを意識している。

63

前半は図面枠、身障者国際シンボルマーク、非難マークなどを作図させることによって、Jw_cad の基本コマンドの習得を目標

としている。後半は、建築図面の読み方に慣れることを重点に置き、部分的な詳細図、平面図、トイレ配置図の作図を行なっ

ている。

64 ソフトウェア使用法を体得することが目的である。従って授業時間内では教員の説明をなるべく少なくし、演習に授業時間の

多くを割いている。そのためには事前にテキストを整備しておく必要があり、テキスト作成には相当の時間をかけている。

65 特にない。ExcelVBAの文法を学ぶことがこの科目の主な目的であるので、文法の説明には時間をかけている。

69 高専での実施のため基礎的な部分でしか扱えていないのが現状。

PCを活用した設計の導入として全ての学生が苦手意識を持たずに修得できるようにしている。

78 段階的に作図が継続されることを念頭に、途中経過を提出・採点する。

83 1 年生への入門授業であるため、何がどこまでできるかを自分で確かめるよう指導している。

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建築情報教育の実態調査アンケート報告書(2012 年度)

18

98 作成課題の条件を全受講者で変化させて、他人の図面をコピーするだけで完成とはならないようにしている

103 TAも活用し、とにかくできるまでやらせる

104 数多くの実習と課題を通して、まず「基本事項の模倣」を行い、次に「模倣事項の利活用・応用」を図り、プログラム作成を会

得する。

107 テーマごとに講義、課題制作、講評を行い、一部の授業はグループ分けして行っている。

108 実験した結果を3回発表させている

121 利用技能獲得の学習時間短縮と、利用技術の網羅

17 e-Learning の導入

19 e-Learning の導入

F. 演習を通じた理論や本質の習得

57 単にデジタルツールの技術を習得するだけではなく、色彩やレイアウトに関する講義を交えながらプレゼンテーションに関す

る総合的な知識の獲得を目指している。

89 設計プロセスの学習、発想法の学習ために、3DCAD を用いている。それと同時に、3DCAD の限界を学び、よりよい利用法を

学習させる。

49 当然のことではあるが、CAD・CGに「使われる」のではなくて、「使いこなす」ようになること。

91 平面情報→詳細情報→立体化→プレゼンテーションという実際の設計過程の流れを意識した演習の進行

10 計算機を使いこなすための技術を習得させるというよりは、現実の問題を数理モデル化する能力を身に付ける、モデル化さ

れた問題をどのように解くのかについての基礎知識を習得する、ということに主眼をあてている。

30 情報処理技術者試験(経産省認定国家資格)のレベル 1(IT パスポート試験)のテクノロジ系を網羅した内容としている。ま

た、単なるソフトの習得演習ではなく、講義を交えている。

33 ・コンピュータサイエンスの基礎をプログラミング言語の習得を通じて理解する。

・講義と演習のバランスを配慮する。プログラミングの設計方法や 1学期よりも高度なアルゴリズムの講義。

21 できるだけ設計・作図に興味を持ってもらうために、建築設計についての話を多くするようにしている。

97 ・作成課題の就職活動での利用

・課題作品の卒業制作展に併設展示

G. 実践的演習の実施

48 グラフィックソフト、CADソフトを用いて国際コンペ参加レベルのプレゼンテーションを制作する。

52

独自マニュアルを作成して、基本的CAD操作コマンドのうち、建築図書作成場面で多用されているものの使い方を習う。続い

て作図実施例として鉄筋コンクリート造商業ビルを取り上げ、平面図・断面図・詳細図の複写を繰り返すことで、CAD を使った

建築図面の効率的な作成手順を実習する。この実習の過程で、建築図面に表記される建築情報の表現力・読解力を深めて

いる。

119 実務担当者を招き施工図作成を実演してもらった。

29

・実務での CAD 使用事例を適宜提示・解説して、技術習得後に獲得できる表現の多様さについて伝え目標を明らかにさせ

る。

・有名建築の3次元化を通じ、その建築の魅力と考え抜かれた空間の構成を追体験させるとともに、経験と発見にもとづいて

自らの発想で3次元上での増築に取り組ませる。

20

4年次の卒業研究で数値計算を使った研究をスムーズに行えるように、計画、構造、環境の講義に関連する問題を作成し

て、ソースコード作成、コンパイル・デバッグ、結果のグラフ化、考察など実践的な演習を行っている。

自分の PC にフリーのコンパイラやエディタをインストールして使う方法を説明して、意欲的な学生のモチベーションを引き出

す。

22 なるべく実践的な演習内容とすることに努めている

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建築情報教育の実態調査アンケート報告書(2012 年度)

19

3-12. 授業の横断的な連携

「この授業で他の専門領域との横断的な連携が企図されている場合、その分野名(領域名)をお答え下さい」

という質問に対して、124科目のうち 28科目(23%)で何かしらの連携をしているとの回答があった。

連携している分野名を 3 つ以内で回答してもらったが、回答されたキーワードだけでは整理が困難であったの

で、授業概要(自由記述)の回答、および使用しているソフト・装置・教材とその用途(自由記述)の回答をも

とに整理した(表 3-12)。結果、下記の 6タイプに整理した。

A. 2DCAD 操作習得による図面表現(6 件)

2D-CADの操作習得と図面表現の訓練を兼ねている。基礎的な CAD演習の授業といえる。

B. 2D/3DCAD 操作習得による図面表現とプレゼン(3 件)

2Dと 3Dの CADの操作習得と図面表現/プレゼンテーションの訓練を兼ねている。

C. 2D/3DCAD 操作習得と設計・デザイン演習(6 件)

2D と 3D の CAD の操作習得と建築設計・デザインの演習を兼ねている。No.92 の授業は使用しているソフト

(Grasshopper)から、タイプ Fとの中間的な位置にあるとも考えられる。

D. 設計演習の中への CAD 操作習得の組み込み(5 件)

設計演習の授業の中に 2D と 3D の CAD による設計検討やプレゼンテーションが組み込まれている。切り離され

ることが多い CAD演習と設計演習が一体化したようなイメージの授業として捉えられる。

E. BIM ソフトによる建築の異分野横断的な演習(3 件)

オブジェクト系の CAD と環境や構造の解析ソフトを連携させ、工学的に建築の形態やデザインの理解を促すよ

うな授業。BIMのアプローチによる建築を総合的に捉えさせようとする新しいタイプの授業といえる。

F. 建築のための数理・情報処理演習(5 件)

工学・建築分野における数理的な分析・解決手法のための理論と実践を教える授業。旧来、工学分野では専門

教育との連携を意識しない単純なプログラミングの授業が行われることが多かったが、回答のあった授業では

専門分野への応用が強く意識されていると考えられる。

以上を分野連携という視点でまとめると、A.~D.は従来多かった計画・意匠分野での CAD 利用といえる。これ

に対し、E.では BIM的アプローチによる意匠・構造・環境の分野横断、F.では様々な分野への応用可能性があり、

今後期待される分野横断的授業の1つのモデルとして考えられる。

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建築情報教育の実態調査アンケート報告書(2012 年度)

20

授業

番号 授業内容 連携分野 1 連携分野 2 連携分野 3 使用ソフト

A. 2D-CAD操作習得による図面表現

24 CAD実習(2D)と図面表現 図学 Jw_cad

5 CAD実習(2D)と図面表現 設計 1・2 Jw_cad, AutoCAD

58 CAD実習(2D)と図面表現 設計製図演習 Vectorworks

75 CAD実習(2D)と図面表現 建築設計 Jw_cad

80 CAD実習(2D)と図面表現 構造実験 設計製図 AutoCAD

70 CAD実習(2D+3D)と図面表現 設計製図 1 Vectorworks

B. 2D/3D-CAD操作習得による図面表現とプレゼン

4 CAD実習(2D+3D)と図面・3Dによるプレゼン 建築設計製図1,2 Jw_cad, Shade

9 CAD 実習(2D+3D)と図面・3D・アニメーションによるプ

レゼン 設計製図 Vectorworks

117 CAD実習(2D)と図面表現および構法教育 建築構法 建築環境工学 住宅設計 Jw_cad

C. 2D/3D-CAD操作習得と設計・デザイン演習

15 CAD 実習(2D+3D)による図面表現と空間シミュレーシ

ョン 模型作成演習とリンク Jw_cad, Shade

21 CAD実習(2D+3D)による図面表現と設計 建築計画学 建築設計 Jw_cad

6 CAD実習(2D+3D)による設計・プレゼン プレゼン演習 1・2 設計 3・4 GLOOBE

44 CAD 実習(2D+3D)と図面・3D・模型表現による設計+

プレゼン 建築設計基礎 図学 Vectorworks, Shade

92 CAD実習(3D)と模型、デジタルデザインによる図的思

考・創造力 図学

Rhinoceros,

Grasshopper

104 CAD 実習(2D+3D)と造形、写真、グラフィックによるデ

ザイン+プレゼン 造形デザイン グラフィック Vectorworks

D. 設計演習の中への CAD利用の組み込み

89 設計演習における CAD実習(2D+3D)による表現 建築計画 Vectorworks,

SketchUp

94 建築設計演習における CAD(2D+3D)によるプレゼン 卒業研究 CAD演習 建設実践 Jw_cad,

Vectorworks

45 空間系デザイン演習における CAD(2D)とグラフィック処

理による表現 建築 ランドスケープ

Illustrator,

Photoshop, Jw_cad

46 建築設計演習における CAD(2D+3D)によるプレゼン 空間構成 ランドスケープ Jw_cad, FormZ

47 設計演習における CAD 実習(2D+3D)とグラフィック処

理によるプレゼンとコンペ応募 空間構成 建築

Illustrator,

Photoshop, Jw_cad,

FormZ

E. BIM ソフトによる建築の異分野横断的な演習

83 BIMモデリングやその解析を通してデザイン・環境・構

造の関係理解 意匠 構造 環境

Revit, Ecotect

Analysis, Radiance,

MIDAS/Gen

85 BIMモデリングやその解析を通して建築デザイン上の

環境工学の意味を探る 意匠 環境

Revit, Ecotect

Analysis, Radiance,

WindPerfect

51 BIM モデリングやその解析を通して建築形態と構法

の関係を理解する 建築製図 立体構成 建築構法

Revit, SolidWorks,

AutoCAD

F. 建築のための数理・情報処理演習

20 工学的諸問題解決手法としての情報処理理論とプロ

グラミング実習 計画 構造 環境

gfortran, 秀丸エデ

ィタ, TeraPad

42 建築環境・計画分野における問題解決手法としての

情報処理理論とプログラミング゙ 環境工学

Excel, VBAプログラ

ミング

43 建築の構造分野における問題解決手法としての情報

処理理論とプログラミング実習 構造力学 Excel, VBA

52 地理的な要素配置に関する空間解析や数理的アプ

ローチに関する講義・実習 測量 建築製図 ArcGIS10.0

106 環境・建築の基礎として表計算ソフトを用いた数学演習 一般教養数理工分野 Excel

表 3-12 授業の横断的な連携のタイプ

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建築情報教育の実態調査アンケート報告書(2012 年度)

21

3-13. 授業の教育上の問題点

「この授業において教育上の問題等があるようでしたら、自由にお答えください」という質問に対して、124科

目のうち 28科目(23%)から回答が得られた。表 3-13は得られた問題を 9分類したものである。

授業番号

教育上の問題等

問題種別

予算・整備

学生負担

自宅学習

授業内容

時間不足

人材不足

施設・調整

理解・能力

その他

2 予算その他の関係で CAD ソフトウェアの更新が随時行うことができないため、BIM 等の最新技

術への対応が遅れる。 ○

6

ソフトの性質上、高性能なパソコンが求められるが、これを学生個人が購入するには経済的に困

難な場合がある。大学内のパソコンは比較的自由に使用できるようにしているが、自宅での予

習・復習がなかなかできない状況にある。 ○ ○

8

手描き図面力の低下。容易に立体図が描けるのは良いが、苦労しながら透視図を描いたり、時

間をかけてしっかり手描き図面を作成するという気分が低下しているように感じられる。そのた

め、CAD図面と手描き図面とを、課題提示の際に指定している。

9

テキストがオリジナルのため、端的に最小限の書き込みですませている。もっと学生がわかりや

すい図をふんだんにいれたものの方がわかりやすいと思うが、そこまでテキスト作成に時間をか

けられないので、市販のもので建築 CADに適したものがあればありがたい。ソフト導入にはそれ

なりに経費もかかるので、学科経費の捻出等大変である。

20 工学研究科の情報処理演習室を使っており、メンテナンスは専門家に任せられるメリットはある

が、他の学科との時間割調整が難しい。 ○

22 負荷計算ソフト等の実務レベルのソフトのライセンスを購入する余裕がない。 ○

30 専門課程に進学した 2 年生の最初の授業であり、コンピュータリテラシの個人差がある。

56 演習の課題量に対して時間数および単位数が少ない。TAが欲しい。

○ ○

57 選択科目の演習は、どうしても履修者が少なくなってしまう。TAが欲しい。

○ ○

58 情報処理演習室のコンピュータのスペックが低い。

時間数が足りない。 ○

59 TAの人数が不足している。授業時間がやや足りない。

○ ○

60

3 次元ベースの建築設計演習としてしっかりやりたいところであるが、いわゆる従来の建築設計

演習が他の授業として同時並行して走っており、大半の学生はそちらにエネルギーを裂かれ、本

授業の課題作成にかけられる時間が少ない。

他、授業時間が少ない。TAも少ない。

○ ○

66 学生にとってすぐに役立ちそうなプログラムを課題としているものの,どれだけの学生が他授業

等で活用しているかは不明である。 ○

69

現在使用しているソフトではないソフトを利用したいと思っているが、予算・施設管理・学生の利

用(購入できるか)などの問題があり発展的に展開できない。

現状の環境で利用できるフリーのソフトの活用となると全学生の知識がついてこない。

73

ソフトの購入代金が学生持ちである。教員に対して、受講学生数が多すぎる。せいぜい 30 から

40 名が限界であろう。学際的な分野の建築系学科であるためか、意匠系、設計系教育に対する

他の教員の理解が圧倒的に低い。 ○

○ ○

78

有料高額ソフトウェアも教えたいが、40 人規模で導入できるお金がない。(ハードウェアは、学校

全体で利用する情報センター演習室に 50 台あるので揃っているが、ソフトウェアを購入するまで

は手が届かない)

79 5〜10 名規模の授業なので、学科でハードと豊富なソフトを揃えると、もっと実務・実践レベルの

作製能力を育成できるが、ハード、ソフトを揃えるお金がない。 ○

83

この授業は基本的に若手の教員が担当している.内容は,大まかには決めているが詳細は担

当者の裁量にある.そこで,全学的な取り組みとして,FDを実施し授業内容を公開して他の科目

との調整が可能になるような取り組みが進行している.

84 始めたばかりで、CGリテラシー教育に終わっている。

○ ○

86 多くの教員が参画する必要がある点で、授業コストが高い。週 2 コマ半期では時間が足りない。 ○

87 はじめての CAD を使った設計演習にもかかわらず、大規模な建築であるため、週 4 コマ半期の

中で、いくつもの小課題を用意している。時間的に不足しがちである。 ○

表 3-13 授業の教育上の問題点

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建築情報教育の実態調査アンケート報告書(2012 年度)

22

88 著名建築の資料が入手しづらい。一般的な図面なら雑誌や書籍に掲載されているが、モデリン

グには不十分であることが多い。 ○

90 コンピュータの基本知識がない。

92 CAD室の放課後等の利用時間の制限が課題作成時間に影響を与える。

(フリーウェアを使用していないため、自宅で作業できない) ○

93 CAD室の放課後等の利用時間の制限が復習補習時間に影響を与える。

(フリーウェアを使用していないため、自宅で復習できない) ○

97 (ソフトウエァの更新の経済的な面) ○

99 CAD製図・設計(特に 3D)の習熟が、むしろ、スケール感の欠如や、材料からの発想方法軽視な

どの副作用を生み、必ずしも設計の基礎体力を涵養しているとはいいがたい。 ○

103 時間がかかりすぎる。

できる学生とできない学生の差が激しい。 ○

教育上の問題点の内訳(図 3-13)を見ると、授業時間が足りない(回答数 9)、予算不足とハードウェアやソフ

トウェアの充実した整備が行えない(回答数 8)といった回答が多く得られた。

予算・ハードウェアやソフトウェアの整備については、「予算が足りない」、「ソフトウェアの更新が遅れる」、

「コンピュータのスペックが低い」など、最新技術に対応した教育を実践するにはハードおよびソフトウェア等

の整備に膨大な費用が必要となり、そのための予算確保が困難な状況にあることが伺える。授業時間については、

「課題の内容や量に対して時間が足りない」といったカリキュラム上による問題もが見られ、「選択科目の演習、

または他の科目として同時並行した科目」など科目の性格による問題も見られた。また、授業時間の不足と共に

授業スタッフの不足(回答数 5)を問題点として挙げた回答も見られた。

施設面においても問題点が挙げられ(回答数 6)、他学科と共有している演習室のため調整が必要であったり利

用時間が制限されていたりしている。このことは学生の自宅学習(自宅での作業等)にも影響している(回答数 3)。

一方で、ソフトウェア購入は学生負担である場合があるなど、学生への経済的な負担も挙げられている(回答数 3)。

9

8

6

5

5

5

3

3

1

0 2 4 6 8 10

授業時間の不足

予算・ハードやソフトの整備

施設や他科・周囲の理解

学生の理解・能力

授業スタッフの不足

授業内容の充実・向上

学生への金銭的な負担

自宅での作業時間

その他

図 3-13 授業の教育上の問題点分類

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建築情報教育の実態調査アンケート報告書(2012 年度)

23

4. 現状の問題点と今後の方向性

4-1. アンケート回答者の職名

職名 回答数

教授 23

准教授 21

講師 5

助教 6

助手 1

非常勤 0

その他 1

合計 57

4-2. アンケート回答者の専門分野

専門分野 回答数

建築計画 29

建築歴史・意匠 16

都市計画 13

情報システム技術 11

材料施工 7

構造 6

教育 5

環境工学 4

海洋 2

建築経済・住宅問題 2

農村計画 1

防火 0

表 4-1 アンケート回答者の職名

教授 40%

准教授

37%

講師 9%

助教 10%

助手

2%

非常勤

0%その他

2%

図 4-1 アンケート回答者の職名

表 4-2 アンケート回答者の専門分野(複数回答)

図 4-2 アンケート回答者の専門分野(複数回答)

建築計画 51%

建築歴史・意匠

28%

都市計画 23%

情報システム技

術 19%

材料施工 12%

構造 11%

教育

9%

環境工学 7% 海洋 4%

建築経済・住宅

問題 4%農村計画 2%

防火 0%

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建築情報教育の実態調査アンケート報告書(2012 年度)

24

4-3. アンケート回答者の教育課程における立場

教育課程における立場 回答数

授業の主担当 38

教育方針を決定する立場 16

アシスタント 2

関与していない 1

その他 0

合計 57

4-4. アンケート回答者の設備やソフトウェア導入における立場

設備やソフトウェア導入における立場 回答数

意見を述べることができる 39

決定権がある 18

関与できない 0

合計 57

4-5. 建築情報教育に関するビジョン

「貴学科(専攻、コース) の建築情報教育に関するビジョン等があれば、自由にお答えください」という質問に

対して、57学科から 28件(49%)の建築情報教育のビジョンに関する回答があった。

29件の意見を分類し、以下の6種類に大別した(表 5-5)。

A. 情報系教育の位置づけや目標

B. 専門分野(計画、意匠、構造、環境)の連携

C. 設計製図や手書き図面

D. ネット環境の利用技術やソフトウェアの操作方法の習得

E. 情報教育を行う上で必要な設備やソフトウェアやスタッフの充実

F. 現状の報告、その他

「A. 情報系教育の位置づけや目標」に関するものでは、それぞれの学科内で議論が出来ておらず、明確なビジ

ョンを持つところまでは至っていないのが現在のようである。学科番号 2 の「教員間でコンセンサスを得るため

表 4-3 アンケート回答者の教育課程における立場

図 4-3 アンケート回答者の教育課程における立場

授業の主担当

67%

教育方針を決定

する立場

28%

アシスタント

4%

関与していない

2%

表 4-4 アンケート回答者の設備やソフトウェア導入

における立場

図 4-4 アンケート回答者の設備やソフトウェア導入

における立場

意見を述べること

ができる68%

決定権がある32%

関与できない0%

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建築情報教育の実態調査アンケート報告書(2012 年度)

25

にも、情報系教育に関する社会のニーズについて、もっと具体的に把握する必要があると考えています」とある

ように、社会のニーズを把握する中から建築の情報教育の在り方を捉える努力が今後とも必要である。一方で、

学科番号 38で「情報技術の進歩を考えると、画一的な授業は必要ないと考えている」とあるように、情報教育を

固定的に考えることを危惧する声も興味深い。

学科番号 36 番の意見では、「例えば、実務・実践レベルを挙げるために多彩なソフトウェアを使えこなせるよ

うに教えることを要求する学生や教員がいるが、はたして、これは、高等教育機関で教えるべき内容なのか」と

あり、今後も議論されるべき内容だと考える。

また、学科番号 39 番の「学生の主体的な学びを実現する PBL 教育の導入」や学科番号 42 の「自由な発想力が

養われる」のように、学生の主体的に学ぶ力や自由な発想力を養う教育が求められている。学科番号 40番のよう

に「教育の現場では教育・学習のツールとして利用する」ことに徹するところもあれば、学科番号 19番のように

「単なるソフトウェアの取得ではなく、その根にある情報学理論」を理解するところまで求める機関や、学科番

号 13番にように「情報処理を活用する研究者・技術者」を目標としているところもある。

「B. 専門分野の連携」に関するものでは、「専門分野(計画、意匠、構造、環境)の個々の教育に加え、それ

らを横に繋ぐ横断的な連携を意図した授業等」を期待する意見が 2件提示されており、「構造解析や環境系シミュ

レーションとの連携」による総合力を高める授業が今後期待される。

「C. 設計製図や手書き図面」に関するものでは、3 件ほどの「手書き図面教育との連携」の重要性を説く声や

「手書き図面の低回が危ぶまれる」と言った声があった。

「D. ネット環境の利用技術やソフトウェアの操作方法の習得」に関するものでは、学科番号 8番の「授業のテ

キストもネット上にアップや、課題提出も LAN 経由」で実施するなど、ネット環境の授業でもっと積極的に利用

する提案が出されている。「基本的な操作の習得と各自が鉛筆のように意図に沿って使う」ことができるように基

本に重点を置く機関もあれば、「各ソフトを並列して使用できる多彩なデジタル制作環境」を構築するように、総

合的にデジタル環境を駆使する力を求める機関もある。

「E. 情報教育を行う上で必要な設備やソフトウェアやスタッフの充実」に関するものでは、学生数に対して、

コンピュータ演習室の PC設置台数が少ないことや、ソフトウェアライセンスの費用面の問題、スタッフの数、管

理面を指摘する声が 3件ほどあった。

「F. 現状の報告、その他」として、学科の現状の報告等がされている。

A. 情報系教育の位置づけや目標

13 将来は情報処理を活用する研究者・技術者となれることを目標としている。

19

環境・エネルギー工学科(専攻)という幅広い専門領域を網羅した学科である.そのため、建築・都市分野並びに建築情報に関

する教育に充当できる時間はかなり限られている。その中で、単なるソフトウェアの取得ではなく、その根にある情報学理論や

作法、建築・都市分野での最新の応用状況などをデモなどを交え、技術を習得させながら具体的に教授することを心がけてい

る。

26

学科内で情報系教育の位置付けや目標について十分に議論できていません。

教員間でコンセンサスを得るためにも、情報系教育に関する社会のニーズについて、もっと具体的に把握する必要があると考

えています。

30 情報教育は必須の内容と理解している。

33 学科としての明確な方向性は今のところ醸成されていない。

手書きとキャドの比率をどうしていくかは,今後の課題となっている。

36

ビジョンについて、よく議論がおこるが、解決できずにいる。

例えば、実務・実践レベルを挙げるために多彩なソフトウエアを使えこなせるように教えることを要求する学生や教員がいる

が、はたして、これは、高等教育機関で教えるべき内容なのか

表 5-5 建築情報教育に関するビジョン

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建築情報教育の実態調査アンケート報告書(2012 年度)

26

38 私自身は,カリキュラムとしての情報技術は入門のみでよいと思っている.学年が進むにつれて,学生個人が興味と必要に応

じてソフトウェアを使いこなしている.情報技術の進歩を考えると,画一的な授業は必要ないと考えている.

39 学生の主体的な学びを実現するPBL教育の導入を積極的に行っており、その一環としてスマートボードの利用など情報技術

の活用を試みている。

40 実務ではツールを効率化の道具として利用するが、教育の現場では教育・学習のツールとして利用することを心がけている。

42 最終的に3次元 CADを習得し、自由な発想力が養われるカリキュラムづくり

BIM 教育の展開

49 授業担当者で内容を検討している段階であり、学科としての明確なビジョンは定めていない。

52 対象の素材やスケール、表現ツールの特性に関する理解のもとに創造し表現する力を養う。

B. 専門分野の連携

2 CAD設計の教育から BIMによる設計・構造・設備への建築情報教育への拡大

27

専門分野(計画、意匠、構造、環境)の個々の教育に加え、それらを横に繋ぐ横断的な連携を意図した授業等をもっと組み込

み、総合力と専門分野知識の双方を創発的に高められるような教育カリキュラムになっていくとよい。またそのことを全教員が

しっかりと理解・協力し、デジタル化も含めて自然な形で講義・演習等に組み込んでいければよい。

例えば、3 年生後学期、もしくは 4 年生の前学期あたり、計画・意匠系の BIM モデリングに加え、構造解析や環境系シミュレー

ションとの連携を含めた形の設計演習を実施し、総合力を高められるような授業等ができるとよい。

C. 設計製図演習との連携や手書き図面

3 より設計製図演習との連携を図る.

一方,スケール感の体得などには,3年時の設計演習課題等に,積極的に手書きでの図面作成も導入している

4 現在の建築教育において、CAD教育はほぼ必須と言ってよい状況にあるが、手書き図面教育との連携が欠かせない。

7

CAD などの導入は、社会情勢から見ても必要であることは分かるが、前記のように、手描き図面力の低下が危ぶまれる。ツー

ルとしてCADを用いるのがよいのか、悩む所です。BIMの様子を見ていると社会の進み方の早さに、大学がついていけていな

いとの危惧もありますが、大学では、基礎・基本をしっかりたたき込むべきだとの思いも交錯し、いつも悩んでいます。ただ、建

築士の設計製図の試験が手描きであることも、念頭において指導していきたいと思っています。

D. ネット環境の利用技術やソフトウェアの操作方法の習得

8

現在は高専4年生から自分のノートパソコンも持ってもらい CAD 教育を進めているが、いずれ3年生ぐらいから持ってもよいと

思う。また、学内が全域無線 LAN化されたので、ネット活用ももっとすべきだと思う。授業のテキストもネット上にアップや、課題

提出も LAN経由など。

17 基本的な操作の習得と各自が鉛筆のように意図に沿って使うことができるように指導している。

本人が操作に熟達していなくても、制作の工程を理解していることで、協同的に作業できるようになって欲しいと思っている。

21 建築を表現し伝達する手段のひとつとして表現手法を体得する。

22

芸術大学の空間デザイン分野に属するため、意匠に特化した教育をおこなっている。年度別に空間構成、建築、ランドスケー

プの分野を横断的に経験し、最終的に国際コンペティションへ応募することで、より高度なデザイン力を育成している。今後、グ

ラフィック、CAD、プレゼンテーションの各ソフトを並列して使用できる多彩なデジタル制作環境を充実させたい。

E. 情報教育を行う上で必要な設備やソフトウェアやスタッフの充実

20 多数の学生数を抱えながらコンピュータ演習室の PC設置台数は少なく、図面等の出力時には予約で満員となる。教育に必要

な PCの台数の確保や求められるアプリケーションの導入などを図りたい。

23 本格的に情報教育を導入する意向もあるのだが、スタッフの数、施設の余裕、管理等の問題があり現実化していない。

32

情報教育に関しましては,1年生:リテラシー、2年生:言語と2次元 CADの基礎、3年生:CG の基礎、4年生:CG の応用、4年

生から5年生:エスキースしたものを電子機器で表現できるような流れを構築中であります。

1学年 40 名のため,定期的にハードとソフトを入れ替えることができないため,基礎教育は,学校の教育システムにフリーソフ

トをインストールして行っています。更に,ライセンスの必要なソフトについては旧情報デザイン学科の資産を利用しておりま

す。社会の要請に応える教育を展開することは言うに及びませんが,学生数とハードウェア,ソフトウェアの更新に関する問題

が常時の課題であります。

F. 現状の報告、その他

12 社会工学類は社会経済システム・経営工学・都市計画の3専攻による学際的な学科であり、一般的な建築学科とは教育ビジョ

ンが異なる。

53

将来ビジョンということではなく現状説明をさせて頂きます。現在のCAD/CGシステムは5・6年ほどで更新を繰り返していま

す。教育現場では2次元CADから3次元CAD・モデリング・CGへと一貫性のあるシステムが理想であるが、実務の面を考慮

すると最低でも2~3種類程度のCAD操作を習得することになり、基本操作を習得するだけでもかなりの実習時間が費やされ

ているのが現状です。職員はすべてのCADに精通している訳ではなく、個々に得意・不得意があり、システム構築には毎回頭

を悩まされています。本校は、実務に強い学生を教育する目標があるため、実務で主流になっているCADシステムの中から

選択せざるを得ません。システム構築には、その時期に担当している職員で最善を尽くしております。

50 比較的早い時期から,積極的に,情報教育を導入し,改善を図っている。

46 ・社会で役立つ人材の育成(実践で役立つ知識技術の習得)

・在学中の資格取得

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建築情報教育の実態調査アンケート報告書(2012 年度)

27

4-6. 建築教育の情報化における問題点

建築教育の情報化における問題点 回答数

維持保守が大変 27

費用がかかる 19

人手不足 16

授業時間数が足りない 16

建築情報教育の明確な目標がない 14

関連する授業間での連携や擦り合せができてない 13

学生の情報リテラシーの低さ 12

教員の知識不足 8

テキストや教科書がない 5

学科の教育理念と情報教育の実情がずれている 4

周囲の理解や協力が得られない 1

適切な課題が思いつかない 1

その他 1

建築情報教育の情報化における問題点として最も多かったのは「維持保守が大変」で、57学科中 27学科(47%)

であった。続いて、「費用がかかる」、「人手不足」がそれぞれ 16学科(28%)であった。これらは、授業を実行

するインフラに関する問題である。

次いで、「建築情報教育の明確な目標がない」が 14学科(25%)、「関連する授業間での連携や擦り合せができ

てない」が 13 学科(23%)であった。これらは、授業内容・方針に関わる問題である。次の「学生の情報リテラ

シーの低さ」は 12学科(21%)、「教員の知識不足」は 8学科(14%)であった。いずれも、教育を受ける側、提

供する側の知識の問題である。

表 4-6 建築教育の情報化における問題点

(複数回答、3 つまで)

図 4-6 建築教育の情報化における問題点

(複数回答、3 つまで)

2%

2%

2%

7%

9%

14%

21%

23%

25%

28%

28%

33%

47%

0% 20% 40% 60%

周囲の理解や協力が得られない

適切な課題が思いつかない

その他

学科の教育理念と情報教育の実情がずれている

テキストや教科書がない

教員の知識不足

学生の情報リテラシーの低さ

関連する授業間での連携や擦り合せができてない

建築情報教育の明確な目標がない

授業時間数が足りない

人手不足

費用がかかる

維持保守が大変

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建築情報教育の実態調査アンケート報告書(2012 年度)

28

4-7. 建築教育の情報化に関して建築学会に期待すること

建築学会に期待すること 回答数

デジタル教材、 コンテンツの整備 36

海外などの先端的な教育研究事例の紹介 27

テキスト、教科書の出版 23

建築情報教育システム、 ツールの開発や提供 20

先進的な建築情報技術に関する情報提供 18

建築情報教育に対する社会的ニーズの整理 16

ソフトウェア、ネットワーク技術の活用ノウハウの提供 15

企業の情報環境の現状紹介 12

建築情報教育の講習会・討論会の実施 10

建築情報教育の専門家紹介 6

企業と教育機関の交流支援 5

その他 1

建築情報教育の情報化に関して建築学会に期待すること最も多かったのは「デジタル教材、 コンテンツの整備」

で、57学科中 36学科(63%)であった。続いて、「海外などの先端的な教育研究事例の紹介」が 27学科(47%)、

「テキスト、教科書の出版」が 23学科(40%)、「建築情報教育システム、 ツールの開発や提供」が 20学科(35%)、

「先進的な建築情報技術に関する情報提供」が 20学科(32%)であった。

教材、教科書、教育システム・ツールなどの教育を助ける何らかの道具・コンテンツや、先端的な教育事例や

建築情報技術などの情報を求めていることがわかる。

表 4-7 建築教育の情報化に関して建築学会に期待すること

(複数回答)

2%

9%

11%

18%

21%

26%

28%

32%

35%

40%

47%

63%

0% 20% 40% 60%

その他

企業と教育機関の交流支援

建築情報教育の専門家紹介

建築情報教育の講習会・討論会の実施

企業の情報環境の現状紹介

ソフトウェア、ネットワーク技術の活用ノウハウの提供

建築情報教育に対する社会的ニーズの整理

先進的な建築情報技術に関する情報提供

建築情報教育システム、 ツールの開発や提供

テキスト、教科書の出版

海外などの先端的な教育研究事例の紹介

デジタル教材、 コンテンツの整備

図 4-7 建築教育の情報化に関して建築学会に期待すること

(複数回答)

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建築情報教育の実態調査アンケート報告書(2012 年度)

29

5. 「国内の建築情報教育の実態調査」発表資料

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日本建築学会 情報システム技術委員会 3次元設計教育小委員会

委員一覧

主査 松島 史朗 (豊橋技術科学大学)

幹事 下川 雄一 (金沢工業大学)

大西 康伸 (熊本大学)

加賀 有津子 (大阪大学)

川角 典弘 (和歌山大学)

木村 謙 (エーアンドエー㈱)

竹中 司 (アンズスタジオ、豊橋技術科学大学 研究員)

中澤 公伯 (日本大学)

中田 千彦 (宮城大学)

福田 知弘 (大阪大学)

前 稔文 (大分工業高等専門学校)

村上 祐治 (東海大学)

※主査・幹事以外は五十音順