Controllability of complex networks. (Liu, Slotine and Barabási) Nature, vol. 473 (7346), pp.167-173, 2011 を読む Jun Sese [email protected]
Jun 11, 2015
Controllability of complex networks.
(Liu, Slotine and Barabási) Nature, vol. 473 (7346), pp.167-173, 2011
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Figure 3 a, b and c
ネットワークの解析指標• ネットワークの制御を考える• 同期現象,生命回路など,限定的にしか解けていない• 問題となるのは2つ• どのノード間が繋がっているか(依存関係があるか)• どのノードの制御がどのノードに影響を与えるか• つながりはどの様なものか(時間依存性)• ノード間の制御はどのようにすれば良いか
この論文が解いた点• この論文では• 繋がりは与えられ,ノード間の関係は線形システムの環境で,ネットワークの可制御性(Controllability)を考える.
• 主要なContributionは4つ• ネットワークの可制御性を表す新たな指標ndと,その現実的な計算方法を発見• 半径,スケールフリー性などと共に新たに利用出来る道具• 色々なネットワークで異なることを計算• 頂点の次数とndに関係がある事を発見(最も重要)• 各点の入次数と出次数だけで,ndを解析的に求める方法の発見• ndの挙動解析
Figure 1a
線形システムの可制御性• 可制御性(制御理論の基礎!)• 与えられたシステムの状態を,何らかの操作を用いて有限時間内に指定した状態に導けるか(狙った動きができるか)
• 以下の状態方程式で表されるシステム(線形システム)では,解析的に可制御か否かが分かる.x(t):状態ベクトル,u(t):入力ベクトル
• ( のRankがNであればよい).• 非線形システムは,局所的に見れば線形システム
dx(t)dt
= A · x(t) + B · u(t)
Figure 1a
�B AB A2B · · · An−1B
�
Driver nodesを知る• 制御ができるなら,制御に必要なノード(Driver nodes)が知りたい• 現実的はネットワークも不確定だし,全組み合わせの探索は無理• 代わりにStructurally controllable [文献26] を考える• 可制御な部分構造の発見• 最終的には制御しなければいけないノード数Ndを計算できるようにする
Figure 1(b,e,h)(c,f,i)
Ndの計算と二部グラフのMatching問題
• 分岐のない直線のPathとサークルへの変換• 有向グラフを無向グラフにおける,二部グラフのMatching 問題に変換して解く• 計算機的に解法がよく知られている→Ndの計算が高速に解ける
Figure S2b, dFigure S3
実データでのNdの値• 遺伝子制御ネットワークでnd(=Nd/N)が高い.多数の制御が必要• 代謝ネットワークでは比較的低い.組織のネットワークでは非常に低い.
• (個人的な感想)感覚とズレているような気もする
Table 1
Ndとネットワーク構造の関係• 制御に重要なノードはHubなのか?• 攻撃[31,32],拡散[32,33],同期[8,34]で重要だった• 次数(隣接辺の数)が少ないノードの方がドライバーノードになりやすい
• 全体の平均次数とドライバーノードの平均次数を見てもHubは避ける傾向が見られる(点が右下に存在する)
Figure 2a, b and c
Ndとネットワーク構造の関係• 辺と頂点数を変化させないようにランダマイズした結果(rand-ER)と比較.構造の変化でNdは変わる.• 全てのノードの次数が変化しないようにランダマイズした結果(rand-Degree)との比較.Ndの値に変化が見られない.
Figure 2d, e and c
Ndの予測とそこから言える事• 解析的に見つけることができるのでは?• 統計力学手法を使って計算して,近似できた!• ただし,一部モデルの生成パラメータ依存• 近似結果から言える事 [Fig3d-g]• 密なネットワークは少ないドライバーノードでOK• 平均次数の小さな変化がndに大きな変化をもたらす• 次数の差が大きい時は,ドライバーノードの個数も多くなる• 疎(Sparse)で不均一なネットワークはコントロールが難しい• 細胞やInternetは一例
Figure 2f
ロバストネスを調べる• リンクを3種類に分類• Critical: なくなるとDriver Nodeが増えるedge• Redundant: 無くてもDriver Node群に変化のないedge• Ordinary: 上記以外(Driver Nodeは変化するが,Driver Nodeの個数に変化がない場合など)
• ほとんどのEdgeがOrdinary
Figure 4
Figure 1d, g and j
モデルネットワークの挙動• Erdos-RenyiネットワークとScale-freeで調査• lc, lr, loは,critical, robust, ordinary edgeの割合• 平均次数<k>が小さいとlcが増える• <k>が大きいからと言って,lrが増えるという訳ではない• 単調性が無い.相転移が存在する.なぜ?
Figure 5a and c
CoreとLeaf [43,48]• Core: leafを再帰的に取り除いた後のnode• Leaf: 入次数か出次数が1のnode• CoreとLeafの分布が変わる臨界点とCritical edgeの割合が変わる相転移点が実験結果から類似している
Figure 5a-d
相転移前 相転移点 相転移後
Figure 5e and f
まとめを再掲• この論文では• 繋がりは与えられ,ノード間の関係は線形システムの環境で,ネットワークの可制御性(Controllability)を考える.
• 主要なContributionは4つ• ネットワークの可制御性を表す新たな指標ndと,その現実的な計算方法を発見• 半径,スケールフリー性などと共に新たに利用出来る道具• 色々なネットワークで異なることを計算• 頂点の次数とndに関係がある事を発見(最も重要)• 各点の入次数と出次数だけで,ndを解析的に求める方法の発見• ndの挙動解析
個人的な感想• おもろくやしい• 単純な物事の組み合わせが根底にある• なぜ他のグループが出来なかったのか• また,このグループから流行りが出るのか
• 超盛りだくさん• 理論,解析,結果の考察,色々てんこ盛り
• 適用できる応用は限定的かも• もう一歩現実に近づけたい