Top Banner
社団法人日本翻訳連盟 104-0032 東京都中央区八丁堀 2-8-1 牧野ビル 3F TEL 03-3555-6365 FAX 03-3552-1784 発行人■東 郁男(会長) 編集人■野上 員生 E-mail [email protected] URL http://www.jtf.jp/ 1 Japan Translation Journal No.245 CONTENTS Report 巻頭言.......................................................... 1 ≪特集≫第 19 JTF 翻訳祭 ...................... 2 Honrenso ほんれんそう No.143 ................................. 6 Information 「翻訳業界と不況」アンケート集計結果...... 8 翻訳環境研究会報告 .................................. 12 西日本セミナー報告 .................................. 13 翻訳支援ツール説明会報告 ....................... 14 法人会員プロフィール............................... 15 個人会員プロフィール............................... 16 JTF ニューフェイス ..................................... 17 事務局だより............................................. 17 2010 1 /2 月号 社団法人日本翻訳連盟機関誌 Japan Translation Federation あけましておめでとうございます。会 員の皆様にはお健やかによい年を迎えら れたことと存じます。また、日頃は当連 盟の事業活動に格別のご支援、ご協力を 賜り厚く御礼申し上げます。 さて、一昨年 9 月のリーマンショック を発端とした未曾有の世界不況は、いま なお日本経済に多大な影響を及ぼしてい ます。政府主導の経済対策導入により、 一部業種では生産ラインの再稼動や業績 予想の上方修正など明るい兆しをみせて はおりますが、それでもなお多くの業種・ 企業が設備投資や雇用の抑制策を継続す るなど、経済環境は依然として厳しい状 況が続いております。 このような景況において、翻訳業界で は受注量の減少や受注単価の低下など非 常に厳しい状況にさらされております。 加えて、クライアントからの「品質、ス ピード、コスト」に対する要求事項もさ らに厳しくなっていることを実感されて いる方も多いのではないでしょうか。 -この未曾有の不況の中で翻訳業界と して、今後どのように進むべきか、- 産業翻訳の場面においては、PC の性 能向上、インターネットの普及と進化、 TM/MT など多様化する支援ツールなど、 スピードやコスト面において今以上の生 産効率化が求められていくことでしょ う。ソースクライアント・翻訳会社・翻 訳者の立場の異なる三者間では利益が相 反するところもありますが、翻訳事業に 携わる人々個々の知識を集約させ、三者 の共通利益を目指していくことができれ ばと考えます。 また、経済産業省認可の公益法人で ある当連盟が抱える課題として、「公益 法人制度改革」があります。「民間が担 う公益」を我が国の社会・経済システム の中で積極的に位置づけ、その活動を促 進する目的のもと、2006 5 月に「公 益法人制度改革関連 3 法案」が成立し、 2008 12 月から施行されました。この 新制度施行にともない、現行の公益法人 は公益目的事業を主たる目的とする「公 益社団法人」か、もしくは特に事業制限 のない「一般社団法人」となるかの移行 手続きを 2013 11 月までに行なわなけ ればなりません。当連盟は『ほんやく検 定』や『環境研究会』など公益性の高い 事業を行なう一方、業界全体の利益を追 求し会員の皆様にメリットを還元してい く必要もあります。連盟の方向性を検討 し、手続きを進めたいと考えております。 なお、この件については、今後ホーム ページや『日本翻訳ジャーナル』で詳細 をお知らせしていく予定です。ご意見な どありましたら連盟事務局までご連絡く ださい。 翻訳業界は非常に厳しい状況に直面し ておりますが、会員の皆様のあらゆる知 識、情報、資産を最大限に活用し、こ の不況に立ち向かえる元気のある業界に したいと思っております。会員の皆様に とっても、2010 年が素晴らしい年にな りますよう、心よりお祈り申し上げます。 2010 年、年頭にあたって 郁男 JTF 会長、(株)翻訳センター 代表取締役社長
15

2010 年 1 月 /2 月号

Feb 04, 2017

Download

Documents

dangcong
Welcome message from author
This document is posted to help you gain knowledge. Please leave a comment to let me know what you think about it! Share it to your friends and learn new things together.
Transcript
Page 1: 2010 年 1 月 /2 月号

社団法人日本翻訳連盟〒 104-0032東京都中央区八丁堀 2-8-1牧野ビル 3F TEL■ 03-3555-6365 FAX■ 03-3552-1784 発行人■東 郁男(会長)編集人■野上 員生 E-mail■ [email protected] URL ■ http://www.jtf.jp/

1

Japan Translation Journal No.245

- CONTENTS-

Report巻頭言 ..........................................................1≪特集≫第 19回 JTF翻訳祭 ......................2

Honrensoほんれんそう No.143 .................................6

Information「翻訳業界と不況」アンケート集計結果 ......8翻訳環境研究会報告 ..................................12西日本セミナー報告 ..................................13翻訳支援ツール説明会報告 .......................14法人会員プロフィール ...............................15個人会員プロフィール ...............................16JTF ニューフェイス .....................................17事務局だより .............................................17

2010年 1月 /2月号 社団法人日本翻訳連盟機関誌Japan Translation Federation

あけましておめでとうございます。会員の皆様にはお健やかによい年を迎えられたことと存じます。また、日頃は当連盟の事業活動に格別のご支援、ご協力を賜り厚く御礼申し上げます。さて、一昨年 9月のリーマンショックを発端とした未曾有の世界不況は、いまなお日本経済に多大な影響を及ぼしています。政府主導の経済対策導入により、一部業種では生産ラインの再稼動や業績予想の上方修正など明るい兆しをみせてはおりますが、それでもなお多くの業種・企業が設備投資や雇用の抑制策を継続するなど、経済環境は依然として厳しい状況が続いております。このような景況において、翻訳業界では受注量の減少や受注単価の低下など非常に厳しい状況にさらされております。加えて、クライアントからの「品質、スピード、コスト」に対する要求事項もさらに厳しくなっていることを実感されている方も多いのではないでしょうか。 -この未曾有の不況の中で翻訳業界として、今後どのように進むべきか、- 産業翻訳の場面においては、PCの性能向上、インターネットの普及と進化、TM/MTなど多様化する支援ツールなど、スピードやコスト面において今以上の生産効率化が求められていくことでしょう。ソースクライアント・翻訳会社・翻訳者の立場の異なる三者間では利益が相反するところもありますが、翻訳事業に携わる人々個々の知識を集約させ、三者の共通利益を目指していくことができればと考えます。また、経済産業省認可の公益法人である当連盟が抱える課題として、「公益

法人制度改革」があります。「民間が担う公益」を我が国の社会・経済システムの中で積極的に位置づけ、その活動を促進する目的のもと、2006年 5月に「公益法人制度改革関連 3法案」が成立し、2008年 12月から施行されました。この新制度施行にともない、現行の公益法人は公益目的事業を主たる目的とする「公益社団法人」か、もしくは特に事業制限のない「一般社団法人」となるかの移行手続きを 2013年 11月までに行なわなければなりません。当連盟は『ほんやく検定』や『環境研究会』など公益性の高い事業を行なう一方、業界全体の利益を追求し会員の皆様にメリットを還元していく必要もあります。連盟の方向性を検討し、手続きを進めたいと考えております。なお、この件については、今後ホームページや『日本翻訳ジャーナル』で詳細をお知らせしていく予定です。ご意見などありましたら連盟事務局までご連絡ください。翻訳業界は非常に厳しい状況に直面しておりますが、会員の皆様のあらゆる知識、情報、資産を最大限に活用し、この不況に立ち向かえる元気のある業界にしたいと思っております。会員の皆様にとっても、2010年が素晴らしい年になりますよう、心よりお祈り申し上げます。

2010年、年頭にあたって

東 郁男 JTF会長、(株)翻訳センター 代表取締役社長

Page 2: 2010 年 1 月 /2 月号

2

Japan Translation Journal No.245Report

競争と変化の激しい今の社会状況下で、翻訳者、翻訳会社、クライアントの三者を含めた IT翻訳の状況は今後どのように「進化」していくのか。翻訳を仕事にされている方達へ、「翻訳」という仕事の未来を考えてもらう「気づき」となるようなお話しができればと思う。講演会を聞いて終わりにしないで欲しい。クライアントにとっての翻訳とは、製品への付加価値を提供するサービスの一つである。その品質は、日本のお客様に、製品が問題なく正しく使用できるようアシストするために不可欠なものであり、翻訳品質は製品品質の一部とお客様は考えてもいる。オラクルの製品翻訳は、アイルランドのダブリンに拠点を持つWPTG (Worldwide Product Translation Group)が担当している。WPTGは、オラクル全製品の翻訳およびローカライズ業務を、約 40ヶ国語に展開している。翻訳作業は翻訳会社に依頼しているが、言語によって、MLV(Multi Language Vender)と SLV(Single Language Vender)を使

第 19回 JTF翻訳祭が平成 21年 11月 20日、「今こそ、脱皮のとき! ~世界同時不況から一年、翻訳業界の進むべき道~」をテーマに、東京・八丁堀のマツダホールで開催された。メイン会場では二人の講師による講演とパネル・ディスカッションが行われ、同時に地下 1階のサブ会場で翻訳プラザが開催された。続いて、鉄鋼会館ニューオータニにおいて交流パーティーが開催された。JTF翻訳祭は、本年も参加者が増加し、交流パーティーも盛況であった。

≪特集≫ 第 19回 JTF翻訳祭

い分けている。翻訳の前後処理、翻訳情報とステータス管理、翻訳担当者からのQ&Aの管理は、すべて自社開発のツール群で行っている。翻訳への要望は、QCD(品質、コスト、納期)に集約される。この中で、翻訳品質(一次品質)は、翻訳会社で完結していてほしい項目である。クライアントは、翻訳を製品にビルドインするための、製品全体としての品質(二次品質)、アフターフォローなどの三次品質の管理に集中したいので、誤訳、抜け、用語の統一などは、翻訳会社と翻訳者で完結させて欲しい。コストについてはできれば減らしたいと会社側が考えるのは当然のことなので、逆に翻訳会社側から、こういう理由でこの翻訳にはこれだけのコストがかかるという、明確な価値を提供していただけると、クライアントも納得できる。納期については、世界同時リリースが増えている背景や他社よりも先に出したいといった理由で、スピードを重視する傾向にある。また、そのために開発スケジュールが流動的になる場合もある。そ

【講演1】「翻訳会社・翻訳者に今一番求めるもの」中村 和幸氏  日本オラクル(株) WPTG-Japan シニアランゲージスペシャリスト

の場合にも、オンサイトでやりましょう、とか、スケジュール変更時に的確なアドバイス、ソリューションを提供していただけるととても助かる。このような不況下であっても、クライアントが求めているのは、単なる安くて速い翻訳を提供するだけの会社ではなく、翻訳をサービスと考え、付加価値を提供していただける翻訳会社、そして翻訳者である。

詳細はこちら http://www.translationhttp://www.translation-partnerpartners.netnet/

Page 3: 2010 年 1 月 /2 月号

3

Japan Translation Journal No.245 Report

近年の翻訳を取りまく環境の変化として、インターネットやツールの普及、それに伴う納期の短縮、単価の下落などが挙げられるが、これらをまとめると、「きちんとした調査に裏打ちされた上質の翻訳を、安価・短納期で仕上げることが求められるようになった」と言える。しかし現実は誰にでもわかるような誤訳が多く存在する。誤訳、悪訳が製品になるのは、翻訳者、翻訳会社、ソースクライアントのいずれにも原因があると考えられる。それぞれの問題点を考えてみたい。翻訳者は、どうせ翻訳会社が直してくれると思って内容を理解せずに翻訳する、後工程を考えずに自分勝手なスタイルで翻訳する、「いい翻訳とは何か」を考えずに仕事をしているなどが問題点として考えられる。翻訳会社は、翻訳がどういうものか見えていない、何を求めているかを翻訳者に伝えていない、翻訳者が見えていない、ソースクライアントのニーズが見えていない、クライアントへ提案ができていないなどが考えられる。

そして、ソースクライアントは、一律にコスト引き下げを求める、コスト削減や品質管理は翻訳会社に丸投げするなどの問題点が考えられる。これらをそれぞれの仕事に携わる人たちが認識し、改善すれば、悪い翻訳は減っていくと思う。翻訳者の立場から昨今の状況を見ると、非常に悪化していると言わざるを得ない。メモリツールの導入、納期の短縮、単価切り下げなど、すべてが質よりも量の優先を示している。特に単価切り下げは、生活できるだけの収入を稼ぐためには量を増やすしかない状況を生んだ。量を優先するために質を落とし、それが恒常化して力を落とす翻訳者も出ている。新人が翻訳の力をつけてゆくこともほぼ不可能な状況である。その先にあるのは、建築業界を騒がせた耐震偽装の世界だ。ソースクライアントは、翻訳が大量生産の工業製品とは違う、翻訳者が注文を受けて一から作成する注文製作の一品ものであることを理解してほしい。大事な案件については注文製作に見合ったコスト

【講演2】「翻訳市場の変化と翻訳会社・翻訳者が直面している課題」井口 耕二氏  技術・実務翻訳者、JTF常務理事

を支払ってほしい。依頼内容によって取引先を変える、マイナスを呼び込む指示をやめるなど、コストを削減する方法はあるはず。翻訳会社を締め付けるだけでは、耐震偽装を呼び込むだけだろう。翻訳者、翻訳会社、ソースクライアントが各自の分担についてきっちりと仕事をすれば、三者が納得できる条件で良い仕事ができるようになるはずだ。

【パネルディスカッション】 「翻訳不況への対抗策」~変わらぬものと変えるべきこと~

<司会>丸山均 (株)ジェスコーポレーション

代表取締役、JTF常務理事

<パネリスト>(五十音順、敬称略)石岡映子 (株)アスカコーポレーション

代表取締役時國滋夫 日英特許翻訳者中村哲三 YAMAGATA INTECH(株)

プロジェクト推進室 室長牧田克彦 (株)リコー 総合デザインセ

ンタードキュメントデザイン室 室長

司会者:昨年末以来の大不況がビジネスに与えた影響は?中村:大きい。商品数が減った。牧田:複写機やプリンター等の販売が落ちてきているため、新製品の発売を控え

ていることから翻訳も減少してきている。時國:出願件数が減り、50%以上仕事が減っている人もいる。自分はほぼ変わらないが。石岡:ほとんど影響はなく、10%以下程度。司会者:時國さんが不況に強い理由は?時國:長い付き合いをしている特許事務所からの仕事が途切れない。要は自分に合うクライアントを見つけているかどうかだと思う。司会者:もっと具体的には?時國:単に翻訳を受けるのではなく、発注側と協力関係にあり、共に助け合っていると思っている。その際に品質は重要だ。石岡:大阪は、もうずいぶん前から不況状態であり、速い安い翻訳は当たり前の状況。質を上げるには、翻訳工程の全体を見る必要がある。2000年以降、無理

な要求が多くなったが、受けてみると意外とできることが分かった。こちらが鍛えられた部分もある。中村:不況により産業構造が変化するのでそれを見逃さないようにすること。当社の本業は印刷業だが、今はいかに印刷物を減らすかということに取り組んでいる。新しい分野を見つけることが重要である。牧田:アンケートでは翻訳会社とトラブルは少ないとあるのは意外。翻訳会社とのトラブルは多いのではないか。トラブルを減らすには、翻訳会社も専門性を持つことが重要。信用、信頼関係が必要である。司会者:翻訳料金が安くなった理由をどう考えるか?石岡:翻訳者の能力次第で、安くも高くもなると思う。

Page 4: 2010 年 1 月 /2 月号

4

Japan Translation Journal No.245Report

      丸山均氏            牧田克彦氏

    石岡映子氏           中村哲三氏            時國滋夫氏

中村:安くても受けざるを得ないので受けてしまうのがよくない。時國:自分の提供するものに自信を持ち、安い仕事を引き受けない。相手を選ぶ必要がある。石岡:翻訳者はスピードを上げる努力をしてほしい。質よりもスピードの方が上がりやすい。時國:翻訳の品質は、初心者の方が改善できる。翻訳を始めてから 5年間は力が付く時期なので、この間は我慢して質より量にならないようにしたい。石岡:翻訳を始めて 3年程は、収入より

も品質をあげる努力をする方がよい。中村:専門に特化することにより、サービスを提供できる。日本のソースクライアントは、逐語訳を求める会社が多い。そのような会社を説得できるような、翻訳会社が求められていると思う。リコー社では、日本語と英語のマニュアルの厚みは同じか?牧田:日本語の方が厚い。中村:日本語と英語で論理構成が違うので仕方がないが、昔の仕事で、イギリスからのクレームで、なぜ日本語のマニュアルの方が厚いのか、情報量が違うので

はないかというものがあった。牧田:実際、日本語のマニュアルはたくさんの日本人の目に触れて、QA時のフィードバックが多いため、ボリュームが大きくなるということもある。中村:本来は、日本語、英語、双方で同じ内容でなければならないと思う。牧田:最近は、英語の品質の向上が求められている。英語マニュアルも日本語の翻訳ではなく執筆する。最初から英語でライティングすることにより高品質を実現する。今後はそのようにしていく必要があるのではないかと思う。司会者:翻訳者への提案はあるか?時國:翻訳は非常に良い仕事だと思っている。ただし今は時期が悪いので数年は待った方がよい。翻訳者は一人で作業をやることが多いが、積極的に業界の情報を得るようにしたい。石岡:当社は翻訳者を大切にしている。その文章を誰が何のために読むのか想像してほしい。言葉から入るのではなく、文書の役割を考えて翻訳してほしい。外に出て情報を得て様々な知識を身につけてほしい。

Page 5: 2010 年 1 月 /2 月号

5

Japan Translation Journal No.245 Report

【東 郁男 JTF会長】(以下、交流パーティーにて)今日は、クライアント、翻訳会社、翻訳者の貴重なご意見を聞くことができました。

1960年代に最初の翻訳会社ができた頃は高度経済成長期でした。それ以降、日本経済も順調に伸びてきましたが、ここ 1、2年で悪くなってきました。経済環境が変われば、違うやり方を考えなければいけない。翻訳業界も過渡期に来ています。これを機会に、お互いが意見を出し合い、議論を尽くしてよりベターな道を探すことによって、業界の中に良い雰囲気が生まれるのがよいと思います。厳しい状況が続くことも予想されますが、業界一丸となって不況を乗り越えたいと思います。

【川村みどり 翻訳祭実行委員長、(株)川村インターナショナル 代表取締役、JTF 理事】今回は不況とインフルエンザの二重苦での開催となりましたが、翻訳祭史上最高の参加者数を達成しました。心より感謝申し上げます。特に、テクニカルコミュニケーター協会からは、常務理事の三堀邦夫様が本委員会に入ってくださり、翻訳祭運営への協力をいただきました。我々は今、誰もが激しい競争に見舞われ、非常に厳しい状況に巻き込まれています。あまり大きくはない翻訳業界は、全体が一丸となり、頑張って不況を乗り切らないと淘汰されてしまうのではないかと、今日一日考えました。

【経済産業省商務情報政策局サービス産業課企画官・中内重則氏】第 19回翻訳祭の開催を心よりお喜び申し上げます。翻訳事業は今後も成長が予測され

ており、JTFの一層の活躍が期待されます。他方で、サービス産業が抱える問題についても積極的に取り組んでおります。足元の経済動向は、実質 GDPが 2期連続上昇という情報もあるのですが、まだ先行きは楽観できません。中小企業や個人事業主が多い翻訳業界も状況は厳しいと予想されますが、その中で持続的に発展するには、多くの事業者の創意工夫が必要になります。そのために「今こそ脱皮のとき」という今回のテーマは誠に時宜を得たものです。競争者のいない未開拓の市場を掘り出そうとチャレンジする事業者を特に応援いたします。

【植田忠志 ほんやく検定委員長、(株)知財翻訳研究所 取締役、JTF 理事】JTFの検定は実践的な翻訳技能を評価するものであり、この翻訳が商品として通用するか、お金が取れるかという部分を測定するものです。1級を取られたことには大いに胸を張ってください。当社でも本検定の合格者には力を発揮していただいています。特に1級は仕事に結びつく資格です。同期の合格者同士で連携を取り、励まし合って頑張ってほしいと思います。また、今日は翻訳会社の方が多数来ておられますので、自分自身を積極的に売り込んで、仕事につなげていただきますよう期待します。

報告者:早舩由紀見(個人翻訳者)

<ほんやく検定> 1級合格者の方々

Page 6: 2010 年 1 月 /2 月号

6

Japan Translation Journal No.245Honrenso

No.143

今回は、e-cigarette(電子タバコ)について米国食品医薬品局(FDA)が発表している一般向けの文章の一部を訳します。

・ e-cigarettes can increase nicotine addiction among young people and may lead kids to try other tobacco products, including conventional cigarettes, which are known to cause disease and lead to premature death 

・ the products may contain ingredients that are known to be toxic to humans

・ because clinical studies about the safety and effi cacy of these products for their intended use have not been submitted to FDA, consumers currently have no way of knowing 1) whether e-cigarettes are safe for their intended use, or 2) about what types or concentrations of potentially harmful chemicals or what dose of nicotine they are inhaling when they use these products.

出典:http://www.fda.gov/ForConsumers/ConsumerUpdates/ucm173401.htm

電子タバコはタバコに似た形の電子機器で、カートリッジの液体を蒸気にして吸います。日本で出回っている電子タバコのほとんどはニコチンやタールを含まない製品ですが、今回訳すのはニコチンを含む電子タバコに関する文章です。FDAが指摘している電子タバコの安全性と販売形態の問題点が今回の範囲です。

第 1文:e-cigarettes can increase nicotine addiction among young people and may lead kids to try other tobacco products, including conventional cigarettes, which are known to cause disease and lead to premature death 

"e-cigarettes can increase nicotine addiction among young people"は電子タバコから摂取するニコチンに対する中毒について書かれています。どんな形態で摂取してもニコチン中毒は発生します。

"may lead kids to try other tobacco products "では電子タバコに慣れた若者が他のタバコ製品に手を伸ばす可能性を述べています。kids = young peopleと読みましょう。原文と同内容の FDAのプレスリリースに "Public health experts expressed concern that electronic cigarettes could increase nicotine addiction and tobacco use in young people."とあることからみても、young adultsを若者、kidsを子どもと訳し分ける必要はありません。Conventional cigarettesは、火を付けて煙を吸う普通のタバコのこと。

"which are known to cause disease and lead to premature death"は、other tobacco productsにかかります。この部分を訳し上げて「病気や若年死の原因となることが既に明らかにされているタバコ製品」とするのは、良い方法ではありません。理由は 2つあります。1つめは「他のタバコ製品」に行き着くまでが長く、読みづらいこと。2つめは病気や若年死の原因にならないタバコ製品があるかのような読み方もできること。そんな隙を作ってはなりません。例えば、「君の美味しいご飯が好きだ」と書くと、「普段のご飯は美味しくないの ?」と受け取られかねません。「君のご飯が好きだ。とても美味しい」と書けば、絶対に大丈夫です。この文章も、タバコ製品= cause disease and lead to premature deathの関係がしっかりわかるように訳しましょう。訳文は無理に 1文とせず、関係代名詞以下は別の文章として立てた方がすっきり訳せます。遠慮せず切りましょう。

Diseaseは、タバコが原因となることが明らかにされている疾患のことで、心疾患、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、肺癌などのことです。Diseaseの訳語には「病気」や「疾患」がありますが、病気は一般寄りの表現、疾患は専門寄りの表現です。「疾患」は心疾患や呼吸器疾患などの内容を特定する表現とともに使われることが多く、「疾患」の 2文字で独立して使うと座りがわるいので、「各種疾患」や「様々な疾患」などとしてよいでしょう。訳例:電子タバコは、若者のニコチン中毒を増やし、若者のタバコ製品(紙巻タバコを含む)の使用につながるおそれがある。タバコ製品が様々な疾患や若年死の原因となることは既に明らかにされている。

誌上勉強会(54)医薬翻訳(第 40回)  森口 理恵

Page 7: 2010 年 1 月 /2 月号

7

Japan Translation Journal No.245 Honrenso

第 2文:the products may contain ingredients that are known to be toxic to humans

FDAは今回、代表的な 2社の製品を検査し、ジエチレングリコールやニトロソアミン (発ガン性物質 )が検出されたと発表しています。Mayは「一部で~だ」という意味。電子タバコの全部に含まれていると言い切らないための表現です。訳例:電子タバコには、ヒトへの毒性が明らかにされている添加物を含む製品がある。

第 3文:because clinical studies about the safety and efficacy of these products for their intended use have not been submitted to FDA, consumers currently have no way of knowing 1) whether e-cigarettes are safe for their intended use, or 2) about what types or concentrations of potentially harmful chemicals or what dose of nicotine they are inhaling when they use these products.

"intended use"は、製品の使用法として製造者が意図したもののこと。本来は喫煙者の節煙・禁煙の補助具として作られているはずです。この場合の有効性は、禁煙・節煙効果です。

2項目の potentially harmful chemicalsは、害を及ぼす可能性のある化学物質のことを意味します。和訳では potentiallyを切り「有害物質」と訳してよいでしょう。訳例:電子タバコを意図された使用方法で用いた場合の安全性と有効性に関する臨床試験の報告は FDAに提出されていないため、消費者は 1)電子タバコの安全性、2)有害な化学物質の種類と濃度、または製品を用いた場合のニコチン吸入量を知る方法がない。

次回は、米国オバマ大統領による世界エイズデーに関する大統領宣言の一部を訳しましょう。

Our Nation joins the world in celebrating the extraordinary advancements we have made in the battle against HIV and AIDS, and remembering those we have lost. Over the past three decades, brave men and women have fought devastating discrimination, stigma, doubt, and violence as they stood in the face of this deadly disease. Many of them would not be here today, but for the dedication of other persons living with HIV, their loved ones and families, community advocates, and members of the medical profession. On World AIDS Day, we rededicate ourselves to developing a national AIDS strategy that will establish the priorities necessary to combat this devastating epidemic at home, and to renewing our leadership role and commitments abroad.http://www.whitehouse.gov/the-press-office/presidential-proclamation-world-aids-day

翻訳は、2月 28日までに森口理恵まで電子メールでお送りください(Email: [email protected])。電子メールの件名は 「ほんれんそう No.143訳文 」としてください。皆様のご参加をお待ちしております。

Page 8: 2010 年 1 月 /2 月号

8

Japan Translation Journal No.245Information

「翻訳業界と不況」アンケート集計結果川村 みどり  JTF理事、第 19回翻訳祭企画実行委員長、(株)川村インターナショナル

67.3% 33.3%

32.7% 66.7%交渉せず

質質問2:コストダウンのため翻訳料金の値下交渉をされましたか

60% 75%65%

質問1:昨年の9月以降、翻訳発注量が減少しましたか

多少、30%、50%、70%、100%減少の合計 「ある程度交渉」と「相当強く交渉」の合計

変化なし

. n=49

19

49 121

2.0%

16.3%

8.2%

20.4%

20.4%

32.7%

0 0.1 0.2 0.3 0.4

100%近くとりやめ

約70%減少

50%減少

30%減少

多少減少

変化なし

質問1:翻訳発注量

8.3%

25.0%

66.7%

0 0.2 0.4 0.6 0.8

相当強く交渉

ある程度交渉

特に交渉なし

質問2:翻訳料金の値下交渉

58.3% 68.8%

41.7% 31.2%

質問3:文書によって翻訳価格の高低がありますか

特に変化はない

「増加傾向」と「大きく増加」の合計

「文書の種類による差」と「使用目的による差」の合計

質問8:海外に翻訳を発注をする傾向はありますか

差がない

2.0%

16.3%

8.2%

20.4%

20.4%

32.7%

0 0.1 0.2 0.3 0.4

100%近くとりやめ

約70%減少

50%減少

30%減少

多少減少

変化なし

質問1:翻訳発注量

8.3%

25.0%

66.7%

0 0.2 0.4 0.6 0.8

相当強く交渉

ある程度交渉

特に交渉なし

質問2:翻訳料金の値下交渉

8.3%

50.0%

41.7%

0 0.2 0.4 0.6

使用目的による差

文書の種類による

特にない

質問3:文書による翻訳価格の高低

8.3%

22.9%

68.8%

0 0.2 0.4 0.6 0.8

大きく増加

増加傾向

特に変化なし

質問8:海外への翻訳発注

Page 9: 2010 年 1 月 /2 月号

9

Japan Translation Journal No.245 Information

70%

30% 52.70%

30.90%

14.50%

64.4%

19.8%

翻訳分野 7.4%

翻訳会社 73名 ビジネス文章 47名

翻訳者 44名 コンピュータ 40名

その他 4名 医薬・バイオ 36名

「不満」と「手直しが必要で不効率」の合計

質問1:昨年の9月以降翻訳受注量の減少は見られましたか

ビジネス形態

質問10:このような景気のときに、翻訳会社に望むもの、期待すること

価格と、会社の翻訳業務全体のコスト低減のソリューションを期待

品質向上でお客様満足につながり、ビジネスがうまくいくことを期待

とにかく価格を下げてほしい

は何ですか

Ⅱ. 「翻訳業界と不況」翻訳会社・翻訳者アンケート集計結果(n=121)

質問9:海外に発注している場合、翻訳品質についてどのように感じていますか

「品質は遜色なく十分」と「許容範囲」の合計

「5-9%減少」と「10%以上減少」の合計

プロフィール 変らず

増加

8 3%回答なし

質問1:受注量の減少

20.0%

50.0%

13.3%

16.7%

0 0.2 0.4 0.6

遜色なく十分

許容範囲

不満

手直しで不効

質問9:海外翻訳の品質

14.5%

52.7%

30.9%

1.8%

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6

値下げ

価格+コスト低減ソリューション

品質向上による顧客満

期待していない

質問10:翻訳会社への希望/期待

その他 4名 医薬・ハ イオ 36名

特許 35名

単数 70名 科学・工業技術 27名

複数(3以内) 31名 その他 21名

多数(4以上) 12名

60名

45名

7名

62.0% 66.1%

32.2% 28.1%

「何社かあった」と「若干あった」の合計

翻訳分野の数

国内企業と海外(外資系)企

海外企業(外資系企業)

ほとんどが国内企業

なかった

「若干あった」と「何社かあった」の合計

質問3:翻訳料の値下を要求したクライアントはありましたか

なかった

質問2:不況が理由で翻訳発注中止したクライアントはありましたか

クライアント

44.6%

19.8%

19.8%

7.4%

8.3%

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5

10%以上減少

5-9%減少

変らず

増加

回答なし

質問1:受注量の減少

28.9%

33.1%

32.2%

5.8%

0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 0.3 0.35

何社かあ

若干あり

なし

回答なし

質問2:発注中止の有無

39.7%

26.4%

28.1%

5.8%

0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 0.3 0.35 0.4 0.45

何社かあ

若干あり

なし

回答なし

質問3:値下げ要求の有無

20.0%

50.0%

13.3%

16.7%

0 0.2 0.4 0.6

遜色なく十分

許容範囲

不満

手直しで不効

質問9:海外翻訳の品質

14.5%

52.7%

30.9%

1.8%

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6

値下げ

価格+コスト低減ソリューション

品質向上による顧客満

期待していない

質問10:翻訳会社への希望/期待

Page 10: 2010 年 1 月 /2 月号

10

Japan Translation Journal No.245Information

91.6% 57.4%

8.4% 42.6%

59.5% 51.3

33.9% 41.3%

質問9:翻訳品質が翻訳料金に連動するような要求はありますか

ない

質問4:値下の要求を受け入れましたか

「一部受け入れた」と「受け入れた」の合計

質問13:海外に翻訳依頼が流出していると感じますか

「若干増加している」と「増加している」の合計

質問11:翻訳支援ツール使用に対する要求は増加していますか

変らない

受け入れなかった 「ある程度ある」と「ある」の合計

「若干感じる」と「感じる」の合計

特に感じない

43.4%

48.2%

8.4%

0 0.2 0.4 0.6

受け入れ

一部受け入れ

受け入れず

質問4:値下要求受入について

24.8%

59.5%

6.6%

若干増加

変らず

回答なし

質問11:翻訳ツール使用に対する要求の変化

29.8%

41.3%

7.4%

若干

感じない

回答なし

質問13:海外への翻訳依頼の流出

16.7%

25.9%

57.4%

0 0.2 0.4 0.6 0.8

ある

ある程度

ない

質問9:翻訳品質と料金の連動に関する要求の有無

1. 最近はコスト面よりもセキュリティ面を重視しています。情報管理の都合上、アウトソーシングは縮小しており、社内のネイティブに翻訳してもらっています。社外の翻訳会社に依頼するのは、社内が忙しい場合、英語以外の翻訳の場合、ジャーナリスティックなリライティングが必要な場合などに限られてきました。

2. 私は発注者側であるが、最近の翻訳料金の値崩れには憂慮している。翻訳者個人にとって決して良い状況とはいえないと思う。

1. 内作に移行している会社が増えた。

2. 海外の翻訳会社の営業活動が活発になった。

3. 好景気でないと生き残っていけない翻訳者、会社であってはならない。

4. これをきっかけに品質と効率とネットワークの見直しを図りたい。

5. リーマンショック以降、1案件のサイズの縮小と、見積→受注の流れがとても不安定になったと実感しています。

5. 国内で翻訳することに限界を感じる(海外業者の料金とたち打ちができない)。

6. 受注産業という宿命を背負っているので不況の影響は避けられないが、翻訳者のプロ意識の低さが露呈しているのも遠因と思われる。ツール等の活用も不可欠だが、「基本」を徹底させる努力が最も重要なのではないか。

クライアントのコメント 翻訳会社・翻訳者のコメント

43.4%

48.2%

8.4%

0 0.2 0.4 0.6

受け入れ

一部受け入れ

受け入れず

質問4:値下要求受入について

9.1%

24.8%

59.5%

6.6%

0 0.2 0.4 0.6 0.8

増加

若干増加

変らず

回答なし

質問11:翻訳ツール使用に対する要求の変化

21.5%

29.8%

41.3%

7.4%

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5

感じる

若干

感じない

回答なし

質問13:海外への翻訳依頼の流出

16.7%

25.9%

57.4%

0 0.2 0.4 0.6 0.8

ある

ある程度

ない

質問9:翻訳品質と料金の連動に関する要求の有無

Page 11: 2010 年 1 月 /2 月号

11

Japan Translation Journal No.245 Information

4分野以上の領域を受注できる翻訳会社は景気変動の影響を一番受けにくい

発注中止が少ないのは、特許、医薬、その他(出版・映像)値下要求が多いのは、コンピュータ(89.4%)、科学・工業技術(88.4%)

受注量が「10%以上減少」が50%を超えたのは、ビジネス、特許、科学・工業技術

Ⅲ. 「翻訳業界と不況」翻訳会社・翻訳者アンケート分析結果(n=121)

51.5%

45.5%

45.7%

50.0%

56.1%

44.4%

21.2%

24.2%

25.7%

19.2%

17.1%

16.7%

15.2%

27.3%

25.7%

26.9%

17.1%

27.8%

12.1%

3.0%

2.9%

3.8%

9.8%

11.1%

特許

医薬・バイオ

コンピュータ

科学・工業技術

ビジネス

その他

翻訳分野別受注量変動

10%以上減少

5-9%減少

変らず

増加

43.1%

51.7%

50.0%

22.4%

27.6%

10.0%

21.5%

20.7%

30.0%

12.3%

10.0%

単数

複数(3分野以

内)

多数(4分野以

上)

翻訳分野数別受注量変動

10%以上減少

5-9%減少

変らず

増加

52.6%

69.2%

56.8%

20.0%

36.8%

19.2%

20.5%

45.0%

10.5%

11.5%

22.7%

35.0%

コンピュータ

科学・工業技術

ビジネス

その他

翻訳分野別値下要求動向

何社か

若干

なし 40.0%

53.8%

47.7%

36.8%

40.0%

26.9%

34.1%

31.6%

20.0%

19.2%

18.2%

31.6%

コンピュータ

科学・工業技術

ビジネス

その他

翻訳分野別発注中止動向

何社かあり

若干あり

なし

特許分野の翻訳会社・翻訳者がクラウドソーシンの加速を感じる比率が一番低い

翻訳の海外流出を一番感じているのが、コンピュータと科学・工業技術で、一番感じていないのが特許

51.5%

45.5%

45.7%

50.0%

56.1%

44.4%

21.2%

24.2%

25.7%

19.2%

17.1%

16.7%

15.2%

27.3%

25.7%

26.9%

17.1%

27.8%

12.1%

3.0%

2.9%

3.8%

9.8%

11.1%

特許

医薬・バイオ

コンピュータ

科学・工業技術

ビジネス

その他

翻訳分野別受注量変動

10%以上減少

5-9%減少

変らず

増加

43.1%

51.7%

50.0%

22.4%

27.6%

10.0%

21.5%

20.7%

30.0%

12.3%

10.0%

単数

複数(3分野以

内)

多数(4分野以

上)

翻訳分野数別受注量変動

10%以上減少

5-9%減少

変らず

増加

51.5%

53.1%

52.6%

69.2%

56.8%

20.0%

30.3%

18.8%

36.8%

19.2%

20.5%

45.0%

18.2%

28.1%

10.5%

11.5%

22.7%

35.0%

特許

医薬・バイオ

コンピュータ

科学・工業技術

ビジネス

その他

翻訳分野別値下要求動向

何社か

若干

なし

32.4%

36.4%

40.0%

53.8%

47.7%

36.8%

29.4%

33.3%

40.0%

26.9%

34.1%

31.6%

38.2%

30.3%

20.0%

19.2%

18.2%

31.6%

特許

医薬・バイオ

コンピュータ

科学・工業技術

ビジネス

その他

翻訳分野別発注中止動向

何社かあり

若干あり

なし

6.7%

27.6%

20.6%

12.5%

15.9%

15.8%

10.0%

20.7%

17.6%

16.7%

18.2%

10.5%

83.3%

51.7%

61.8%

70.8%

65.9%

73.7%

特許

医薬・バイオ

コンピュータ

科学・工業技術

ビジネス

その他

翻訳分野とクラウドソーシング加速

加速

若干加速

感じない

12.5%

17.1%

30.6%

34.6%

23.3%

20.0%

37.5%

42.9%

38.9%

34.6%

34.9%

35.0%

50.0%

40.0%

30.6%

30.8%

41.9%

45.0%

特許

医薬・バイオ

コンピュータ

科学・工業技術

ビジネス

その他

翻訳分野別海外翻訳流出

感じる

若干

感じない

Page 12: 2010 年 1 月 /2 月号

12

Japan Translation Journal No.245Information

JTF翻訳環境研究会報告

************************************平成 21年度第 6回 JTF翻訳環境研究会平成 21年 11月 12日(木)14:00~ 16:40【開催場所】剛堂会館ビル【テーマ】「人材育成実践例! 英語翻訳者と中国語翻訳者」【講師】仲谷幸嗣氏(株式会社トランスワード 代表取締役)************************************

英語翻訳者でも中国語翻訳者でも大切なことは、これぞプロと呼べるような品質の高い翻訳を、顧客に提供するためのノウハウを身につけることである。とはいえ、語学スキルが高いだけでは、品質の高い翻訳が提供できるとは必ずしもいえないのが翻訳の難しさ。今回は日本と中国で翻訳者を育成してきた仲谷氏が、翻訳者育成の実践例と苦労について語った。

プロ翻訳者を養成するにはトランスワード社では、入社後、翻訳

者に、自社の翻訳スクールで翻訳技術やテクニカルライティングの考え方を学ばせ、OJTで様々な実務を経験させる。プロの翻訳者を養成するには、語学力や専門知識を前提として、最低 4・5年の修練と実務経験が必要である。また、翻訳者教育の目安として、スキルチェックシートを作成、翻訳者のレベルに応じて、Aから Dまで、4段階のランクを設定、各レベルに達するために必要な要件を「一般業務」「翻訳」「PC操作」というスキルごとに定めている。「PC操作」は効率的に翻訳作業を行うために必要なスキルであるが、特にタイピングやメール作法は、プロの翻訳者にとって重要である。トランスワード社では、タイピングコンテストを開催、また、メール作法に関する様々なルールを設けている。

中国語翻訳者の養成トランスワード社は、中国語関連の翻訳需要の高まり、顧客からのコストダウンの要求などを受けて、2005年、中国・大連市に子会社を設立した。大連は、上海・北京などの大都市に比べて、人件費が安く、上昇志向の高い人材も多い。また、日本企業が多く進出しているせいか、対日感情が意外と良い。一方、大連は、エレベーターやトイレなどの設備が劣悪なオフィスビルも多く、オフィス選びに苦労する企業も多い。また、家賃表示やオフィス面積表示のルールが日本と違う点、事務所設立までの手続きや設立後の当局担当者の対応が煩雑な点など、中国独自の問題でとまどう日本企業も多い。中国人採用は、フレッシュで教育しやすい新卒者、粘り強い地方出身者の採用を重視している。立派な履歴書を提出する志望者や「日本留学経験」をアピールする志望者もいるが、そのような外面に

まどわされず、あくまで会社に貢献できるかを見極めるために、入社試験では小論文を設け、人物の本質を評価している。採用後は、学歴や成績資格でなく、会社への貢献度に従って給料を支払う方法を採用している。中国人の教育において、翻訳教育については、スクールがないだけで、日本人を教えるのとほぼ同じだが、日本人に比べ、緻密さがやや欠ける国民性なので、翻訳サービスの水準に達するまでに日本人以上に根気よく教える覚悟が必要である。また、ビジネスマナーや接遇マナーについては、中国国内でほとんど教育されていないので、日本流の仕事におけるマナー、たとえば挨拶・服装・仕事への心構え・メール作法を徹底的に教育している。

翻訳業務の効率化にむけてトランスワード社では、翻訳業務を効率化させる ITツールとして、受注業務管理システム「効率課長」を開発。自社の翻訳事務処理の効率化に役立てるとともに、他社にもカスタマイズ販売して、翻訳業界全体の業務効率化に貢献している。

むすび仲谷氏の講演を拝聴して、長年のご経験で蓄積された翻訳者養成のノウハウはもちろんだが、中国の商習慣やお国柄と日本とのギャップに悪戦苦闘しながらも、あらゆる知恵を使って突破口を見出す、氏の国際感覚と行動力に感銘を受けた。競争が激化する翻訳業界において生き残るために必要な経営力を認識するとともに、競争の厳しさを実感した研究会だった。

報告:芹沢 耕太郎(フリーランス翻訳者)

Page 13: 2010 年 1 月 /2 月号

13

Japan Translation Journal No.245 Information

西日本セミナー報告

************************************平成 21年度第 2回 JTF西日本セミナー平成 21年 10月 30日(金)14:00~ 17:00【開催場所】大学コンソーシアム大阪・キャンパスポート大阪 A【テーマ】「ほんれんそう」ライブ 2009年!~森口理恵さんから A評価を獲得しよう~【講師】森口 理恵氏(医薬翻訳者)************************************

課題文「Vaccination Against Novel Infl uenza A (H1N1) Virus Infection(新型インフルエンザ(A/H1N1)ウイルスの予防接種に関する考察)」の英日翻訳を事前に実践し、当日解説を受けました。翻訳は「調べる」こと、と翻訳学校でも言われ続け、自分なりに実践してきたつもりですが、今回の講義を受けて、まだまだ調べ方が足りず、理解が浅かったということを身をもって感じました。また、目前の文章だけでなく、それが書かれている背景まで理解する、ということも言われてきたことですが、私の場合、いつのまにか目前の文章どころかピリオドで区切られた一文ずつしか見ていなかったことに気がつきました。上記のように、書いてしまえば当たり前のように思えるような、基本的で重要なことが、私にとっていかに未消化で中途半端であったかを思い知らされるような機会となりました。「最初は下手でも何か自分に光るものを見せる翻訳をすること」「自分の能力が少しでも活かせるところ、自分にでき

ることはないか探すこと」という最後のメッセージを受け、前向きに頑張りたいと思いました。

内容を理解するために・ 目前の文章(翻訳担当箇所)だけでは理解できないことがある。

・ 全文+レファレンスまで読み、背景・内容(誰が何のために書いた文章なのか)を理解する。

単語の調べ方について・ 辞書は、ある分野のそれぞれのシーンでしか役に立たないことがある。

・ Googleで、「“調べたい単語” +題材となっている語」の組み合わせで検索をすると、状況にふさわしい用語かどうか確認できる。例:titer→普通の辞書だと滴定、力価など。英辞郎「抗体力価」。Googleで以下を検索“抗体力価” インフルエンザワクチン 759件、“抗体価” インフルエンザワクチン 12,100件→「抗体価」がふさわしいことがわかる。)

・ Googleで「~とは」検索検索で上位のものを見てみる。一般向けに説明されているものでも、理解するために活用できる。Wikipedia英語版なども参照してみる。

読みやすく表現するために・ Available→ワクチンが「利用可能になる」→製薬会社のプレスリリースなどのページで裏を取り、「承認される」とすると自然な訳になる。

・ 定冠詞「The」を見逃さない。何を指しているのか考える。今回の場合、直前の記述内容を指しているため、「上述した通り」と補うと自然な文の流れになる。

・ セミコロン「;」(つまり) 文としては前後を離しても良い。後ろから訳し上げるよりかは、大きなブロックを変えずに、順に訳す。(情報が出る順番をなるべく変えない)

・ children have had limited exposure to infl uenza viruses×インフルエンザウイルスへの曝露が限られており、→似たようなことを言っている資料がないか探す。○インフルエンザウイルスとの接触機会が少なく、

・ 受動態:行為の主体が分かりきっている場合受動態で書かれるが、「~られる、~される」とする必要もなく、「~する」で良い。

質疑応答◎ 感情を入れてもいいかどうか。「~も」、「~しか」など微妙なニュアンス。

パンフレットでは良い。論文では平たくする方が良い。

◎ お勧めの論文 NEJM論文の目次、抄録、ものによっては全文が読め、日本語訳も読める。とても勉強になる。

http://www.nankodo.co.jp/yosyo/xforeign/nejm/xf2hm.htm

◎ 翻訳会社のチェッカーとの関係 質問者:チェッカーに知識が無く、見当違いなことを言われることがある

回答:自分の訳文に粗がある可能性がある。信頼されていれば、数字、訳抜けなどの基礎チェックのみで、とやかく言われることはないはず。訳文に、チェッカーがうまく直せないけど気になる、という部分があるのではないだろうか。謙虚に受け止める必要がある。

◎ 不等号 > 「~超」はありうるか ~以上とできるときはそうするが、仕方なく使うこともある。下は「未満」とすっきりした語があるのに、上はないので仕方ない。

先生からのメッセージ・ 最初は時給換算したら 300円/時間なんてこともある。しかし、じっくり自分が納得いくまで調べて作成したら、スキルは上がり、質が向上し、次の仕事に繋がる。

・ 英英辞典(Oxford学習者用がお勧め)を使う。少ない単語で分からない人向けに作られている

・ 最初から専門書を読むのは難しいので、一般向けのテキストなども知識向上に活用する。「好きになる~」シリーズなど。

・ クライアントと同じ立場、仲間意識、同じ知識を持つことを意識する。クライアントと目線を同じにする。

・ 最初は下手でも、納期や正確性、レスポンスの早さなど、何か自分の光るものをクライアント(翻訳会社)に見せる。

・ 自分の能力を活かせる分野を集中してやるのがよい。

報告者:福元光(個人翻訳者)

Page 14: 2010 年 1 月 /2 月号

14

Japan Translation Journal No.245Information

**************************************平成 21年度第 3回翻訳支援ツール説明会平成 21年 10月 27日(火)14:00~ 16:00【開催場所】(株)知財翻訳研究所【テーマ】STAR TransitNXT

【講師】山下 敏義氏 (株式会社 シュタール ジャパン 営業・マーケティング本部 情報技術企画部)**************************************

●概要シュタール グループの STAR Transit

がバージョン XV から数年ぶりに大幅に更新され、STAR TransitNXTとして発売された。 ソフトウェアのローカライズに標準で

対応するとともに、プレビュー機能などの便利な機能が数多く追加されている。 ●ユーザー インターフェイス(UI)リボン、クイック アクセス ツール バー

などMicrosoft Office 2007 と同様のインターフェイスを採用している。今回のバージョンの特徴はロール機能で、[プロジェクト管理者]、[翻訳者]などのロールを選択することにより、ユーザーは自分の役割に合わせて UI を最適化(使用しない機能のグレイアウト化など)ができる。 ●翻訳、編集原文と訳文は上下の別のウィンドウ

(ウィンドウの配置は自在変更可能)に表示され、訳文のウィンドウの分節を上書きして翻訳を進める。分節はフィルターして表示できる。辞書ウィンドウも含めて各ウィンドウは、色分けされており、見やすくなっている。この色分けは、原文に関する情報は緑、訳文に関する情報は赤など、ソフトウェアのデザインとして統一されて

翻訳支援ツール説明会報告

いる。タグ情報 (青で表示) は、すべて表示、簡易表示、表示しないから選択が可能で、簡易表示の場合は、内部タグだけが番号として表示され、タグの具体的な内容はマークアップ ウィンドウに表示される。翻訳、編集時の機能の紹介・ プレビュー機能:プレビューを作成し、翻訳時に対象箇所を確認しながら翻訳できる。FrameMaker、InDesign、PowerPoint などのアプリケーションの場合は PDF、XML などのタグ付きテキストの場合は、HTML がプレビューのファイル形式

・ 登録された辞書Webサイトを串刺し検索:登録されたサイトを一括で検索し、訳語が見つかったサイトを開いて確認できる。登録されているサイトは今後増える予定

・ デュアル ファジー:原文だけでなく、訳文の一部でもメモリを検索できる機能。原文が異なっていても、訳文の観点から統一を図れる。

・ 辞書機能:訳語だけでなく、使うことができない禁止用語を登録可能。用語集にある用語は分節中でハイライトされる。また、翻訳中に用語を追加することも可能。辞書ウィンドウには、ファイル中のタグ情報に基づいた訳語の候補も表示される。

●ファイル変換Transit では、ソース ファイルを翻訳用

に取り込むことをインポート、もとの形式の戻すことをエクスポートと呼ぶ。エクスポート時には、レビュー担当者への情報としてメモリとのマッチ率による色分けを指定できる。標準フィルター・MS Word, Excel, PowerPoint・XML, SGML, HTML, RTF・RC, DLL, EXE

オプション フィルター・FrameMaker・InDesign・PageMaker・QuarkXpress・AutoCAD●ソフトウェアのローカライズ通常、ソフトウェアのローカライズと文

書の翻訳は別のアプリケーションを使う必要があるが、STAR TransitNXTでは両方にひとつのアプリケーションで対応できる。ダイアログなどのリソースの表示はもちろん、リサイズも可能。訳文のウィンドウでは、訳文がボタンなどからはみ出すとその部分の色が変わり、警告してくれる。●そのほかの機能プロジェクト管理は、Trados などと同

様に翻訳対象のファイル、翻訳メモリ、辞書などをプロジェクトとして管理。翻訳者にはパッケージを作成して配布する。アライメントでは、原文と訳文の両方の

情報から分節の対応の信頼性を色分けで段階表示してくれる。●動作環境と製品ラインアップ【動作環境】OS:Windows 2000 (SP4 以降)CPU:2 GHzメモリ:1 GB【製品】ワークステーション版(インポート不可)フリーランス版(インポート可)プロフェッショナル版(ネットワークでメモリの共有、辞書の共有などすべての機能が利用可能)

●製品情報以下のサイト(英語)に動画での製品紹

介がある。http://www.star-portals.net/Transit/default.aspx

報告者:永島 和暢(翻訳支援ツール委員)

Page 15: 2010 年 1 月 /2 月号

15

Japan Translation Journal No.245 Information

法人会員プロフィール

翻訳の職人技をめざして父は私が小学生の頃、郊外に駐車場を備えたレストランを開業しました。日本もモータライゼーションの時代を迎え父のビジネスも小資本なりに比較的順調に進んでいたものと思います。私は長男でしたが、「店手伝おうか?」と言うと、「こんな儲からん商売はお前はやらん方がいい」という答えでした。私は週末には店を手伝い彼の仕事を見ていましたが、毎日同じ時間に小さな店を開店し、決まった仕込みをし、同じメニューの料理を作る父の姿を見て「毎日こんなことを繰り返していて一体何が楽しいんだろう?」と私には父を侮る心もどこかにありました。自分にはもっと広い刺激的な世界が待っているという子供らしい根拠のない傲慢な期待がありました。その後私はサラリーマンになり、いくつかの業種に勤務しました。小さいころから見たことのない場所や国を見てみたいという気持ちが強く、18歳のときに上京して以来、造船、自動車、観光船、リゾート開発、経営企画などの仕事で広島県の呉市、広島市、メルボルン、ゴールドコースト、ケアンズ、東京などで生活しました。父が他界したあと程なくしてサラリーマンを卒業し、再び福岡に戻りました。

福岡は、古代から那の国として栄えた土地で、北に大きな湾を望み南に山々を控えその奥には広大な平野を擁し、気候も温暖、地学的に申し分のない地形です。「漢の倭の那国王」という金印が発見された志賀島は弧形の長い砂州で福岡の東側とつながり、西側には糸島半島、湾内には能古の島など島が散在し、天下一ともいえる天然の良港を持っています。青い鳥を探して色々なところを旅した

チルチルとミチルが家に帰ると「青い鳥」は実は家の中にいたという「幸せの青い鳥」という話があります。色々な土地に移り住んで福岡に戻った私の印象では福岡は世界一住みやすい街です。豊かな自然と程よい都市機能のバランスが最高です。「人生は自分のために生き、人のために生きる」ことが道だと思いますが、自分は何をすれば人の役にたつのかという問いに対する答えが結局私の場合は福岡で翻訳をなりわいとすることであったと思います。現在わが社の規模は小さく、成長のス

ピードももどかしい感じはします。福岡は 140万の人口があるとはいえ、ビジネスは東京に集中しており、いずれは東京に事務所を開設して取引を拡大したいと考えています。以下に当社の得意な翻訳分野を列挙します。

翻訳言語:日英、英日の翻訳が中心です。

翻訳分野:全分野で受注しますが、特に次の分野が多いです。1. 契約書、各種証明書類などの法務文書2. 鑑定評価書その他不動産関連書類3. 船舶、海運、自動車関係

4. 電力、インターネット関係5. アパレル、衣料品、靴その他製品関係

クライアント形態:各種国際企業の翻訳需要を中心に取り込んでいます。福岡地場の企業の他、やはり東京の会社が多いです。一般消費者のリーテイル需要にも対応します。下請けとして国内外の翻訳会社から注文を受けています。

翻訳品質:日英、英日の翻訳ではほとんど社内で内製します。基本的にはひとつの翻訳プロジェクトについてソース言語とターゲット言語をネイティブとする翻訳者各 1人を含む合計4人の翻訳者、校正者の作業プロセスで翻訳品を仕上げるのが典型的です。専属の社員は8人ほどおり、全員が翻訳と翻訳のチェックに積極的にかかわります。翻訳の仕事はおもしろいですが、納期に追われ徹夜が続くことも多く、机に向かっての作業は長くなりがちです。特殊な能力が要求される割に報酬はそれほど高くありません。身近にいる人からみれば、「こんなことやって何がおもしろいんだろう」と見えるに違いありません。私の息子が「仕事手伝おうか?」といったらなんと言うでしょうか?やはり「こんな儲からん商売はお前はやらんほうがいい。」というかもしれませんが、いつかこの台詞が言えるまで、今後も職人として翻訳の業を磨き、精進することにしています。

代表取締役 永江俊一産業翻訳者、東京大学経済学部卒TOEIC990、国連英検特 A級、英検 1級

マイヤージャパン有限会社(グループ会社:翻訳のサムライ株式会社)

〒 819-0002福岡県福岡市姪浜 4-22-31-40TEL: 092-892-3337FAX: 03-6368-5417Email: [email protected] [email protected]://www.translators.jp