共催 PARTNERS INTERNATIONAL RELATIONS DEPARTMENT OF UNIVERSITY OF ISLAM INDONESIA University of the Sacred Heart PEACE BUILDING IN ASIA TROUGH LOCAL COMMUNITY BEYOND NATIONALISM, MILITARISM, & GLOBALIZATION SUMMER SCHOOL TH TH AUGUST 4 -9 , 2017 KEMBANG ARUM VILLAGE RESORT YOGYAKARTA 第6回CENA夏季学校(2017年8月)報告書
49
Embed
170819 cena report - 聖心女子大学|オフィシャル … Titin Meryati Gultom Indonesia HSU(Korea) 32 Rong Yu Lee Taiwan Shih Hsin U 33 Kuochen Wu Taiwan Shih Hsin U 34 Wei
This document is posted to help you gain knowledge. Please leave a comment to let me know what you think about it! Share it to your friends and learn new things together.
Transcript
共催 PARTNERS
INTERNATIONAL RELATIONSDEPARTMENT OF
UNIVERSITY OFISLAM INDONESIA
University ofthe Sacred Heart
PEACE BUILDING IN ASIA TROUGH LOCAL COMMUNITYBEYOND NATIONALISM, MILITARISM, & GLOBALIZATION
SUMMER SCHOOL
TH THAUGUST 4 -9 , 2017KEMBANG ARUM VILLAGE RESORT
今年も恒例の夏季学校が、初めてインドネシアで、そのジョグジャカルタ市にあるイスラーム大学 (Univ. of Islam, Indonesia、以下 UII) の国際関係学科をホストに、7泊7日の日程で成功裏に開催され、無事終了したことを心から喜んでいます。 今回の夏季学校には、アジアの 11 か国から 41 人の学生・大学院生、そして 11 名の教職員が積極的に参加しただけでなく、聖公会大学校がインドネシアの UII 周辺の農村で実施中のAIDCT(Alternative International Development Cooperation Team= もう一つの国際協力チーム ) というプロジェクトのスタッフ4人とUII の教職員が、献身的に支援してくれたために、大変充実した内容になりました。改めて、ジャティ先生を始めとした UII と AIDCT の皆さん、宿泊先として宿舎や食事、研修会場やリクレーション、夜の音楽大会まで用意してくれたケンバング・アルム観光村の皆さん、そして全ての参加者に篤く御礼申し上げます。
ここで CENAとその夏季学校について、簡単に振り返っておきましょう。 この発端は、元々「NGO大学院」というユニークな市民活動家向けの大学院を持っていた韓国・ソウル市にある聖公会大学校が、2007 年にアジアのNGO活動家を対象にした、フルの奨学金付き修士コース “Master of Arts in Inter-Asia NGO Studies, 以下MAINS)を開設したことです。同様に市民活動を通じた平和とアジアを指向する恵泉女学園大学は、それに積極的に協力していこうと考え、翌 08年にこの二つの大学間で相互協力協定が結ばれました。 当初はMAINS の集中講義に恵泉が教員派遣をしていたのですが、2011 年にMAINS と恵泉の大学院生と教員が一緒に学ぶ「冬季学校」がソウル市で開催され、その際に仲間を増やしていくための「アジア市民社会教育ネットワーク (Civil Society Education Network in Asia, CENA) の発足と、夏季学校の例年開催が決まりました。 その翌年 2012 年夏から 15年まで4回の CENA 夏季学校が、韓国で開催されました。第1回は農村部で、第2回は朝鮮半島を分断する 38 度線に接した DMZ( 非武装ゾーン ) にある平和村で、第3回は聖公会大学校のキャンパスで、そして第4回は韓神大学校がホストになってそのソウルキャンパスで実施されました。その過程で、同様な思考を持つ教員や学校、教育系組織が次第に集まってきました。現在では聖公会と恵泉に加えて、韓国では同様にリベラルで知られる韓神大学校、ジャーナリストが創設した台湾の世新大学、恵泉と関係が深かったタイの AMAN(Asia Muslim Action Network= アジアイスラーム教徒活動ネットワーク)、そして私の転勤先の聖心女子大学です。 韓国政治の保守化もあり韓国での開催継続が困難になったために、昨年の第5回夏季学校は、タイ国の AMANがホストを引き受けてくれ、バンコク市郊外にある AMANの教育研究施設である国際平和学・開発学研究所 (International Institute of Peace and Development Studies、以下 IIPDS)のキャンパスで開催されました。この時には、エジプトを含むアジアの10カ国から全部で約 50人が参加し、3泊 4日の日程でした。ちなみに聖心と恵泉は、その後引き続きバンコク市内を中心
No. Given name: Middle Name: Family Name: Nationality: Univ. or Organ.1 Ryoko Seino Japan USH2 Makoto Naito Japan Waseda Hoshien3 Ayaka Nakamura Japan USH4 Orion Usui Japan Waseda Hoshien5 Shuko Sasaki Japan USH6 Kana Hirai Japan SKHU(Korea) MAINS7 Chika Hibino Japan Keisen U8 Kanae Seino Japan USH9 Kaede Fujiwara Japan USH10 Momoko Nakamura Japan Keisen U11 Yuka Ajishi Japan USH12 Miumu Tahahashi Japan USH13 Etsuko Takaya Japan Keisen U11 Abeni Lotha India Hanshin U. SEST15 Juho Kim Republic of Korea Hanshin U.16 Sinae Kweon Republic of Korea Hanshin U.17 Yookyeong Seo Republic of Korea Hanshin U.18 Juhee Shin Republic of Korea SKHU MAINS19 Heejeong Kim Republic of Korea SKHU MAINS20 Hyunbin Kim Republic of Korea Hanshin U.21 Ro (Samuel) Hlut Puia Myanmar Hanshin U. SEST22 Kamala KC Nepal SKHU MAINS23 Amosh Gurung Nepal Hanshin U. SEST24 Mark Marvin Loresto Lagos The Philippines SKHU MAINS25 Erdian Sembiring Indonesia Hanshin U. SEST26 Derina Faslig Indonesia UII27 Yuni Syeila Indonesia UII28 Hj. Sarah Indonesia UII29 Geraldi Tahelata Indonesia UII30 Muthohar Asyrofi Indonesia UII31 Titin Meryati Gultom Indonesia HSU(Korea)32 Rong Yu Lee Taiwan Shih Hsin U33 Kuochen Wu Taiwan Shih Hsin U34 Wei Dung Hsu Taiwan Shih Hsin U35 Oi Chi Pang Taiwan Shih Hsin U36 Sio Toi Ian Taiwan Shih Hsin U37 Jong-Jou Chen Taiwan Shih Hsin U38 Chien-Ju Lin Taiwan Shih Hsin U39 Chen-Wei Su Taiwan Shih Hsin U40 Yapasuyongu Akuyana Taiwan Shih Hsin U41 Yu-Chin Wu Taiwan Shih Hsin U
No. Given name: Middle Family Name: Nationality: Univ. or Organ.1 Irawan JATI Indonesia UII2 Abdus SABUR AMAN3 Satyabrat SINGHA India Presidency U.4 Hsin-Hsing CHEN Taiwan Shih Hsin U5 Edwin YANG Taiwan National Taiwan6 Dong-Choon KIM SKHU7 Ki-Ho YI HSU8 Francis D. LEE SKHU9 Young-Chae LEE Japan, Keisen Keisen U(Japan)10 Heiwa KATAOKA Japan Waseda Waseda Hoshien11 Masaaki OHASHI Japan USH USH12 Taengyoung KIM Republic of Korea AIDCT SKHU13 Heecheol PARK Republic of Korea AIDCT SKHU14 Seini Indonesia AIDCT SKHU15 Ajeng Indonesia AIDCT SKHU
Teachers and staff members
THE 6th CENA SUMMER SCHOOL PARTICIPANTS' LIST @UII in August 2017
Day Two: Saturday, August 5th, 2017 1 07.00 – 08.15 Ĝƭ �(Ē$ŨĒ)áů�(ċÞ��Ë
2 08.30 – 10.30
ƂŦLRHnu1: í¾īś${ÙÛ(ąþƶª6I6(� The Challenges of Peace Building and Insecurity: The Case in North and South Asia�ʼnŵũƶ|ďÒØQ;uwHuHuċĈ(Prof. Hsin-Hsing Chen, úĶÕØÅÒØĠĹƛċĈ(Prf. Yi Young-che), AMANNbxrIJ(Mr. Sabur)
;51.8:�B�~?Y�Q*��e����m(��c#�'D�~�=�N���/��~@���� ���@��\��~�mT��`E��0A����~C�����3<����2.�n�PO�h����~kIRg����/��~����2�������/=�~���b�����The official English translation of the article is:�ARTICLE 9. (1) Aspiring sincerely to an international peace based on
justice and order, the Japanese people forever renounce war as a
sovereign right of the nation and the threat or use of force as means of
settling international disputes.�
(2) In order to accomplish the aim of the preceding paragraph, land,
sea, and air forces, as well as other war potential, will never be
maintained. The right of belligerency of the state will not be recognized.�
8 月 3 日から 8月 9日を通して第 6回 CENA サマースクールプログラムに参加しました。初めは CENAというプログラムの内容が良く理解できず、具体的なことも知らない上で参加しようとしました。しかし、参加者全員の集まりの時間では具体的な内容を理解し、情報収集の機会があったため、自分が新しい経験をすることができる心構えを持つことができました。聖心女子大学の方々は僕より遥かにインドネシアの歴史や物事を勉強し理解しているため、僕が置いて行かれないように自分なりに準備をすることも考えました。しかし、反省点の一つとしては自分が学生発表に取り組むということで手を上げましたが、聖心女子大学の方々に全てを任せてしまい迷惑をかけてしまって、申し訳ないと思っています。自分が発表の準備に全く取り組まなかったため、最終日までに準備も不十分だっため、良い発表ができなかったと思っております。準備不足の上に憲法 9条の勉強をしっかりしていなかったため、質問に対して正確に答えを出すことができず、後悔しています。 CENA に参加する前は、東南アジアではミャンマー以外の国を訪れたことがなく、異文化を学ぶ目的で参加しました。出発する前にインドネシアの歴史について文献を読みましたが、実際にジョグジャカルタの遺跡や世界遺産にも行き、歴史的な知識を得ることができました。全体的にインドネシアとミャンマーを比べると、やはり一番の共通点は食べ物だと思いました。両方の国で辛いものが多いという評判で、辛いものを食べることができました。その他にインドネシアも仏教の宗教を持つ国として、ボロブドゥールでミャンマーでも多く存在するパゴダや仏像を見学することができました。インドネシアではイスラム教の信者が多くいますが、仏教や他の宗教を全て受け入れる事に気付き、関心を持ちました。さらにインドネシアにあるそれぞれの宗教を学ぶ機会と共に今年度の CENAサマープログラムのテーマ、アジアでの平和構築に繋がっていると思いました。 このプログラムを通して一番印象に残ったことは、やはりそれぞれの大学や国の人々からの学生発表でした。日本の発表を除き、他に六つのグループ発表がありました。それぞれの国の事情や問題について発表し、その後、質問や意見があれば話す時間もありました。それぞれの発表で異文化を学ぶ上に他の国々の知識を得ることができたと思っています。発表の中で一番印象に残ったのは、ミャンマーでの仏教対イスラム教の問題についてでした。ミャンマーに住んでいた学生の視点から学ぶことができたからです。しかし、全ての発表を聞くことができて、それぞれの国の問題や事情に対しての意識を高めることができたと思います。その意識を元にし、CENAだけで終わりにするのではなく、これからの大学生活や勉強に活かしていきたいです。二つの文化を持つ学生として CENA から学んだことは異文化や違った宗教の人達でも平和に生活することができる事を理解しました。さらに互いに理解し合いながら人間として助け合うことで、世界の平和構築にも繋げられると思います。
仏教のお寺、ムンドゥット寺院にて
31
日比野千佳(恵泉女学園大学大学院)<チーム・ココナッツ>
はじめに
今回の CENA のホストカントリーであるインドネシアは、私にとって初めて訪れる国である。アジアは台湾とタイにいずれも個人の旅行で行ったことがある以外は特に渡航経験もなく、今回新たにアジアの国に行けることと、プログラムを通して他のアジアの国の人々と一度に交流できるチャンスにワクワクする思いで参加した。同時にアジアの人々にとって日本の植民地時代のことや現在の日本がどのように映っているのか関心があった。その意味でもアジアでの平和構築がテーマであった今回の CENAは、私にとって興味深いプログラムであった。ここでは実際にプログラムに参加して感じたことや収穫したことを振り返ってみたいと思う。
CENA ではいくつかのグループによるパフォーマンスやゲームなどのレクレーションの企画があった。各国の学生とたわいもない会話を楽しんで人間関係ができ、一緒に歌ったり踊ったりすることで不思議と一体感が増した。他にも食事の時間や寝る前のひと時なども大切な交流の場であった。中には心を開き日本に対する気持ちを話してくれる学生もいたので、いくつか紹介したい。 安倍政権の方針に対してショックを受けたという韓国の学生は、一般の日本人は韓国人のことをどう思っているかが気になると言っていた。またなぜ日本人の多くが投票に行かないのか疑問に感じていた。被爆国である日本に心を寄せ、広島の原爆資料館について尋ねてきた学生もいた。また、「日本が嫌いだ。韓国人はお金が欲しいわけじゃない。誠意を感じたいんだ。」という正直な気持ちをぶつけてくれた学生もいた。いずれも韓国の学生の言葉である。また、植民地時代の影響で日本に良いイメージを持てないというミャンマーの学生は、ミャンマーには大きな会社はなく、男性は出稼ぎに海外へ行くか、地元で大工などの労働をするかしかないと言う。女性のほとんどは仕事はせず、家事や育児などの家庭のことをしているという現状も話してくれた。こうした話を直接聞くと、やはり日本の植民地支配は日本人が思っているよりも深い爪痕をアジアの国々に残していると感じる。信頼を回復するには、日本人が自らの加害の歴史と向き合い、その責任を自覚していくことが不可欠な要素として挙げられるだろう。 また視点は少し違うが、日本の経済面の豊かさや、技術力の高さに注目している学生もいた。嬉しいようだが、日本は経済発展と引き換えに環境破壊や農業の衰退を招き、人々は忙しく、過労死や自殺なども多い。確かに他のアジアの国に比べると便利な面もあるが、だからといって日本人がそのことで精神的に満たされているかというとそうでもない現状がある。それに対して他のアジアの国々には豊かな自然がまだ多く残っており、蛍もいれば星もよく見える。飛行機の窓の外にはネオンではなく、日本も少し前まではそうであっただろう田園風景が広がる。またインドネシアなどは南国だが、コンクリートで道を覆われ熱中症で死者が出るほどの日本の暑さとは違う。そんなことを考えながら街を歩きふと見ると、いたるところに日本製のバスや車が走っていた。その排気ガスできれいな空気が汚されているのを見ると、胸が痛んだ。 アジアの友達には本当の意味で幸せになってほしい。人々が本当に幸せだと感じられる社会を
2. 参加後 教員セッションでは、各国の問題について講義を受けた。Kim Dong-Choon 教授の講義では、北朝鮮だけではなく、中国も脅威であり、THAADが象徴的な場所であると述べられた。 Yi Ki-ho 教授の講義では、第三次世界大戦がアフリカで、アジアで起こっているという喚起をして下さった。日本、中国、韓国などの税金の多くが軍事費に使われている。日本が軍隊を持っていなくても、日本政府が軍事主義である、ということである。 Satyabrat Sinha 教授の講義では、過激派テロリズム対応について、プロバガンダの過程について説明してくださった。貧困層の人々がテロリズムに入りやすく、政治論争として社会的に取り組まなければ、極右の方向に向かうことを懸念されている。 Francis D Lee 教授の講義内容は主に市民活動についてであった。地域での市民活動は長期間であり、経済成長は市民のためではないと述べられた。 Hsin-Hsing Chen 教授の講義では中国との関係を取り上げ、台湾もまた中国であるとされ、中国の国民もまた戦うことは望んでいないということであった。 Yi Young-Che 教授は日本と韓国との歴史的背景、また平和教育の現状として恵泉女学園大学の取り組みを紹介された。 Abdus Sabur 先生は南インド地域問題を講義された。各国の宗教の違いや、核保有から来る国家間の紛争問題といった解決には、言葉によるコミュニケーション、議論が必要であり、特に若い世代には政治的な知性が必要であるということであった。
まとめ 韓国、台湾、日本の三国は近い距離にあり歴史的背景には三国とも係っている。固有の問題ではあるが、各国共通の問題でもある。 南インド地域はこの三国からは距離があり、問題の性質が異なっているが、解決には言葉によるコミュニケーションや議論を重ねることが重要である。 Yi Ki-ho 教授は講義のなかで、必ずしも各国ごとに解決できるものでもなく、アジア各国のビジョ
今回のCENA夏季学校の「ナショナリズム、軍国主義、グローバル化を超えた、地域のコミュニティを通じたアジアの平和創造」に関して参加前に基礎知識をつけるために勉強をしたが、日本での著作などからは抽象的な知識しか得られなかった。 具体的に平和構築に関しては、戦争をしない日本のように武力・武器・兵力を持たずに、国際的に協力して平和を築くことが最善である、と思っていた。しかし、各国の先生方の話を聞いて国によって情勢は違い、平和に対する思考も違った。そして、国際的に協力をして平和構築をすることも視野に入れていたが、地域ごとに平和構築に懸念していると感じた。中でも、韓国は北朝鮮との問題があり、北朝鮮はロシアから、韓国はアメリカから独立して力を持つべきであると感じた。それは核問題が身近にあるからこそ、自立して自国の平和を守ろうと努めていると改めて感じた。 私は都市部から離れて暮らしている人も現代の技術に触れた方が良い、という自分勝手な考え方を持っていたが、それは大きな間違えであった。実際にインドネシアに行き、現地の方々と交流してみると、彼らには彼らなりの暮らしがあり、文化・宗教・伝統に沿って生活をしていた。私はその姿を見て、グローバル化の斡旋をすることは間違いであると感じた。彼らの生活があるにも関わらず、自分たちの考え方を押し付けようとしてしまう自分にすごく恥ずかしくなった。そして、「発展途上国」と今まで言い続けてきたことに対して、後悔とうしろめたい気持ちになった。 様々な国の方々と接することにより、文化・伝統・宗教的な価値観を学ぶと共に、分かち合うことが大事であると感じた。そして、お互いに生活サイクルは違うことから、自分たちが生活サイクルを押し付けてしまうことは絶対にしてはいけない、と改めて学ぶことができた。また、国ごとの特徴を自分の中で理解することが大切であると思った。参加前の私の考え方はとても間違っていて、それに対して恥ずかしい気持ちになると共に、交流を通してこれから何を重点的にしてくべきであるのかと考えさせられる貴重な経験になった。 この CENA 夏季学校を通して、各国の方々とコミュニケーションを取ることにより、互いの価値観を学び、共有することができた。そして、理解し合うことが大事であると改めて感じた。一方で、実際に現地での生活をすることで地域の密接なコミュニティの大切さを学ぶと共に、自然と共存する価値を感じることができた。現地の方々と片言の英語でコミュニケーションをとっていたが、笑顔などの表情で関わることのできたことに感動した。このような貴重な経験をすることのできた環境に感謝し、これからの学びに繋げていこうと感じた。
40
第 6回 CENA 夏季学校に参加して
佐々木 柊子(聖心女子大学)<チーム・サラク>
CENA 夏季学校に参加した中で私が具体的に学んだことは、宗教に関する内容である。今回のCENA のテーマは平和構築であったため、宗教に関わるプレゼンテーションも多くあったが、その中でも私は仏教に過激な原理主義者がいることや、インドネシア内に多くいるムハマディアというイスラム教の宗派の存在を初めて知った。私はこれまで「原理主義者」「過激派」などという言葉を聞くと、どうしてもイスラム教を連想してしまいがちであったが、今回のプレゼンテーションを聞いて自分の思考がいかに短絡的であるかを実感した。どのような宗教であっても過激な思想が生まれる可能性があり、また世界的に広まる宗教であればさらにその可能性は高まるはずであるのに、私はこれまでニュースなどで見聞きしたことに思考をとらわれすぎたあまりに視野が狭くなってしまっていた。今回感じたことを活かし、視野を広げる努力をしたり、自分の知らない世界もあるのではないかと想像力を働かせたりしようと反省した。 また私が反省しなければならない点は、日本の憲法 9条の改正問題についての知識不足である。これまで私は憲法 9条の改正の可否が日本の将来を大きく左右する問題であるということこそ感じてはいたが、どのように左右するのか、そして何が問題点なのかをまったく理解していなかった。今回の日本代表のプレゼンテーションのテーマが憲法 9条に関すると知って初めて、私は 9条や自衛隊の保持について学んだ。自国の問題であるのにこれらのことを深く理解せずにこれまで暮らしてきたことは、日本人としてとても恥ずべきことであると思う。さらにプレゼンテーションの際に参加者が多くの質問をしてくれたが、これに関しても自分の意見や主張がなく、どう答えればいいか悩んでしまったことも非常に恥ずかしいと感じた。今まで自分がどれだけ自国の政治に無関心であったか、他国の人々と比べていかに意識や関心が低いかを実感した。いつかまた誰かに日本の政治問題について意見を求められたとき、しどろもどろになったり「自分の意見や主張は特にない」などと言ったりすることがないように、普段から知識を得ようとする努力をしなければならないと思う。 このように、インドネシアで過ごした一週間は自分にとって非常に有意義でもあり、反省すべき点がたくさん見つかった時間でもあった。これまでの論文やインターネットなどから得てきた知識とはまったく違い、インドネシアで他国の学生たちと議論を交わして濃密な時間を過ごしたことは、私自身の人々に対する意識やものごとの考え方を大きく変える機会となった。今回学んだことを糧に、これからの卒論の作成やそのほかの学習に取り組んでいきたいと思う。
41
CENA 夏季学校を終えて
清野佳奈絵(聖心女子大学大学院)
<チーム・ガルーダ(インドネシアの国章にある神鳥):Erdian( インドネシア・韓神大 )、Abeni( インド・韓神大 )、Connie (Pang Oi Chi, マカオ・世新大 )、Roach (Wu Kuo Chen, 台湾・世新大 )、Kim Hee Jeoung( 韓国・聖公会大 )、佳奈絵>
今回のサマースクールのテーマである “Peace building in Asia through local community beyond nationalism, militarism and globalization ( ナショナリズム、軍国主義、グローバル化を超えた、地域コミュニティを通じたアジアの平和創造 ) ” について、日本からの発表を事例に、感じたことをまとめたい。 当初このテーマを聞いた時に私が感じたのは、率直に、難しいとか、抽象的すぎるといったことであったが、1週間弱のプログラムを終えた今は平和創造について、もう少し具体的なイメージを抱いている。 アジアの平和創造といっても、実際にアジアは近くて遠く、その複雑な歴史的・政治的背景は、知っているようで知らないことばかりである。私自身について言えば、自分の専門地域がヨーロッパであることも少なからず影響していることは否めず、ずっと西欧中心主義的な考え方を無意識に持っていて、アジアの多様性や多彩さに気がつくようになったのも、文化相対主義的な考え方や認識が出来るようになったのも、かなり最近になってからであった。 しかし、知らないことを知ること、異なる社会文化背景を持った他者と、実際に議論し互いに理解を深めることは、平和創造という概念を実現するために重要な最初の一歩であると、今回のサマースクールでの経験を通じて、改めて実感した。 私は過去にもこのサマースクールに参加しているが、今年初めて出発前に、日本からの参加者と議論する機会が作られた。参加者の所属機関が様々であることなどから、1度だけの機会となったが、そこで今回のテーマに関連したトピックを選び、日本からの問いかけとして発表を行うことになった。 この時の自由な議論から出てきたのは、実に多様なテーマであった。具体的には、東アジアはもちろん、世界中で台頭するナショナリズムについて、また日米関係や日中関係、さらには日本の政府開発援助や戦後賠償の問題など、今回のサマースクールのテーマに含まれた様々な概念や事象があげられた。 日本からの発表として、私たちが選んだテーマは憲法9条の改正についてであった。当初は数人で意見交換を行い、日本国内での憲法9条改正をめぐる議論についての多様性や温度差について具体的な事例を示せるようにと考えていた。しかし、実際には担当者同士で議論を深めることができず、学部生1人に大きな負担をかける結果となってしまった。 それでもなんとか当日を乗り切ることができたかのように思えたのだが、結局は良くも悪くも、日本の若い世代の政治への関心の低さを露呈させることになってしまった。発表準備の段階から、憲法9条およびその改正に関する自分たちの無知や興味・関心の低さに否応なく気づくこととなった。さらに発表を終えると、他国からの参加者のこの問題に対する関心や意識の高さに圧倒されて
第6回 CENA 夏季学校のテーマは、「ナショナリズム、軍国主義、グローバル化を越えた、地域コミュニティを通じたアジアにおける平和創造」であった。残念ながらわたしは、参加前にこのテーマに対しての明確なイメージが湧いておらず、また典型的な日本人の若者にあるように、自分の国に関係しているにも関わらず、国際関係に対しての知識が浅く、平和構築に対する自分の考えすら持っていなかった。それはとても恥ずべきことであり、自分のやらなければならないこと、やるべきことが明らかになった。 アジア各国の先生たちの講義や学生、院生たちのプレゼンテーションは、それぞれの国の状況を背景に進められ、とても興味深いものあった。日本を含めそれぞれの国が、他の国との領土問題やテロ問題を抱えている。平和構築は自国だけの問題ではないのだと実感させられた。 憲法九条改正に対しても、同級生の中村さんが中心に進めてくれたプレゼンテーションの議題になるまで、わたしは詳しくは知らず、また知ろうともしていなかった。第二次世界大戦から 72年がたち、日本が大きな戦争に直面してこなかったが、今こそ平和構築について考えなければならないと思った。 私は、インドネシアの生活を通して文化とはなにかを考えた。日本人は、日本の文化が進んでいると考えがちであるが、それは間違いであるのだと身をもって実感した。インドネシアでは風呂は水で入ることや、トイレットペーパーを使わないことが彼らの文化であり、そういった文化を知り体験することはとても楽しかった。自分たちの文化を進んでいるという驕った考えを持ったり、押し付けるようなことは絶対にすべきでないのだ。 CENA を通して出会った人たちは、日本人も含めてすべての人が、意欲関心が強く尊敬できる人たちであった。特に日韓関係や歴史について勉強している恵泉女学園大学大学院の中村さんと親しくなったことで、自分の足で各国に赴き、歴史背景や文化を学ぶことはとても大切であると実感した。 アジア各国のいろいろな文化を持ち、宗教を信仰している人と友達になれたのは、初めての経験であった。このつながりを大事にして、そうした人たちの考えを受け入れつつ、平和構築についてもっと考えていきたいと思った。
今回 2回目の参加となった第 6回 CENA 夏季学校のテーマは “Peace Building in Asia Through Local Community Beyond Nationalism, Militarism and Globalization” であった。 CENA 夏季学校に参加するにあたっての事前勉強会で、このテーマについて日本人同士で話をする機会があり、憲法 9条や北朝鮮やアメリカと日本の関係についてなどの話題に上がったが、具体的に何が問題で何を私たちの側から問題提起できるかと考えたとき、その答えを導き出すのは難しかった。なぜならば、私自身がその問題について日常の中で触れておらず、詳細を把握していなかったからである。本来、日本の国交状況についての問題や課題を把握しておかなければいけないところを、平和ボケからか諸外国との国交関係の詳細については全くと言っていいほど知らなかった。特にアジアにおいて、日本がこれまでの過去に行ってきた植民地支配や「からゆきさん(唐行さん)」の話など全く知らなかった。 CENA への参加前と参加中に後悔したことは、上記にもある通り、自分があまりにもそれぞれの国の歴史や日本との関係の歴史を知らなかったことである。CENA の開催地であったインドネシアは、かつて日本軍が統治していた時代があった。そのことについて、私はこれまでの学校の授業の中でどれだけ触れてきただろうと振り返ってみると、触れてはいたかもしれないが、私の中では関係のない遠い国の話になっていた。事前学習でもインドンネシアについて学び、現地でも資料館に行くことができ、そこでも日本とインドネシアの関係を見ることができた。そこで学んだものは、ほとんどが私の中へ “ 新しい知識 ” としてインプットされていった。新しい知識として吸収していくことはいいことではあるが、過去に関係があったにもかかわらず、そのことについて「知らなかった」ということが、ここまで恥ずかしいことだとは思いもしなかった。これから先、出会う相手の文化や歴史について何も知らないで接することがどれだけ失礼なことかと知ったとき、今後の人との接し方について大きな見直しが必要だと強く感じた。 CENA の参加校の中には韓国・台湾もいた。特に韓国と日本の関係は、現在もすべてが良好に進んでいるとは言えない。慰安婦問題など、多くの課題を抱えている。しかし、私たちはこの日韓の問題についてどこまで話すことができるであろうか、そして、どこまで把握しているだろうか。近隣の国であるからこそ、改めて互いの過去について振り返ってみたいと思った。 今回の CENA では、一言では語れない過去をお互いに持っている者同士が 1つのテーマについてざっくばらんに話をする機会となり、とても貴重な時間となった。昨年の CENA夏季学校もとても充実したものではあったが、今年は去年以上に多くの学生と話すことができ、充実していた。 また、CENA 中に参加者と寝食を共にした生活の中にも、今回のテーマについての学びを得ることができた。インドネシアは巨大イスラム国家であるために、毎日コーランで目を覚ますなど日本では体験することができない経験ができた。私自身インドネシアを訪れたのは 3回目であったが、改めてインドネシアの魅力を目にした。巨大イスラム国家であるにもかかわらず、宗教の垣根を超えた交流が密にあることや、平和構築に向けての取り組みを村などの小さなコミュニティレベルで
46
行っていることがとても興味深く感じた。具体的には、1つの村の中で近くにそれぞれの宗教施設を建てるなど、近くにあることで互いがどのような宗教を信仰してるかを見えるようにし、互いの理解や受け入れをしているように思えた。 今回、約 1週間 CENA 参加者と共に寝泊りをした宿舎は、コミュニティ観光を実践している村であり、毎日交代で村に住んでいる家族が食事を提供してくれていた。この観光事業の話を聞いた時にとても面白い取り組みであり、宗教や人種に関係なく、また村人と私たち参加者にも壁がない生活にとてもいい空間を感じた。村人たちと言葉は通じないが、毎晩音楽を通して交流をしたことがとても印象的であった。 最後に、CENAのテーマにおいて改めて「文化」について考えさせられて事があった。人は時に、すべてのものに優劣を付けたがる傾向にあり、その傾向は文化にも及び、先進国と後進国(発展途上国)に世界を分けてしまうことがある。しかし実際は、文化に優劣をつけること自体がそもそもおかしな話であり、無理な話だ、と改めて実感した。いったい何をもって優れているとし、何をもって劣っていると定めるのだろうか。経済、政治、教育といったものなのだろうか。 今回の CENAのテーマを通して、これからの人との関わり方や文化・歴史について学ぶことの大切さを改めて感じた。また、自分の中の固定概念を崩していき、柔軟に物事をとらえていくこと、そして、新しいもの・世界にどんどん触れていくことが大事だと感じた。 最後に今回このような学びを与えてくれた CENA夏季学校の関係者・参加者に感謝する。