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November 18, 2016 #tistudy201611 1 情シス向けメディア的に気になる OpenStack/IT基盤技術のこと 河原 潤 株式会社インプレス IT Leaders 編集委員/データセンター完全ガイド 編集長 [email protected]
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Apr 15, 2017

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November 18, 2016

#tistudy201611

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情シス向けメディア的に気になるOpenStack/IT基盤技術のこと

河原 潤株式会社インプレス

IT Leaders 編集委員/データセンター完全ガイド 編集長[email protected]

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ITとビジネスを融合し競争力を創ることを担うITリーダーの方々を対象に、 新トレンドや製品/サービス情報などを提供。Webサイト、雑誌(不定期刊行)、イベント(コンファレンス/セミナー/ラウンドテーブル)のクロスメディアで情報発信しています。

インプレス「IT Leaders」について

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企業のCIO、IT部門長をはじめとする「ITリーダー」のための専門メディアです。2008年10月創刊。

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雑誌(季刊・年4回刊行)、Webサイト、イベント(コンファレンス/セミナー/ラウンドテーブル)のクロスメディアによって、ユーザー企業のIT担当者やデータセンター事業者、ITベンダーのインフラ事業部門担当者など、データセンターやクラウドサービスの選定・利用に携わる読者に向けて、有用な情報をタイムリーに発信しています。

インプレス「データセンター完全ガイド」について

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国内唯一のデータセンター専門メディアです。2000年12月創刊(今年、創刊16周年)。

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情シス・IT部門の役割と課題

背景:市場競争の激化、デジタルビジネスへの対応

●「規模の経済」から「速度の経済」へ。製品ライフサイクルの短縮が進む

●旧来の製品・サービスの価値を破壊し、短期間で市場を席巻する破壊的イノベーション

●旧来のセオリーや価値観の終焉。ネット販売やSNSの台頭で消費者の購買行動が大きく変化

IT部門の役割: 「経営に直接貢献するIT」をタイムリーに提供する

●ビジネス環境の急激な変化に対応できるよう、IT基盤も「変化への対応力」を備えている必要がある

● もともとIT活用の本来あるべき姿は「経営に直接貢献するIT」。それを経営・事業の要請に応じてタイムリーに提供していく

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出典:ITR「国内投資動向調査 2016」

情シス・IT部門の役割と課題

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あらためて「データ」がカギを握る時代に

●2014年、国内におけるデータ流通量は、14,524,752TB=約1万4,500PB(ペタバイト) =約14.5EB(エクサバイト)。2005年から9年間で約

9.3倍に

●2012年、データ活用による国内売上向上効果推計は約60.9兆円。2012年の国内全産業の売上高(1335.5兆

円)の4.6%に相当

●業務活用の歴史が長いデータ(POSデータ等)は、流通量が実質GDPにプラスの効果。

一方、ビッグデータ/IoT関連データ(RFID、気象情報、交通情報、防犯カ

メラ、センサーログなど)の活用はこれから。

データ国内流通量の推移(出典:総務省「平成27年度 情報通信白書」)

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「データ」の時代になってIT基盤に投資の目が向く

●ICTがコモディティ化し、クラウド経由で容易に調達可能。かつてのようにアプリやシステムへの投資では差別化できない。

●データの高度活用、ビジネスのデジタル化こそが企業の競争優位性の源泉に

・ビッグデータ分析、機械学習、AI/深層学習・IoT・オープンデータ/GIS活用・パーソナルデータ活用

クラウド×モバイル×IoT×ビッグデータ×ソーシャル――2010年代以降は「データの時代」

「データ」が経営・事業のカギを握るようになった今、

処理・通信・格納を担うITインフラの重要性がかつて

ないほど高まっている。

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高まるITインフラへの投資意欲

出典:ITR「国内投資動向調査 2016」

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ビジネスに資するITインフラ

クラウドは前提・パブリッククラウド・ホステッド・プライベートクラウド・プライベートクラウド

ビジネスに資するITインフラ・データが重要視される時代に経営のコアを担うビジネス基盤

出典:RightScale「2016 State of the Cloud Report」

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ITインフラの選択肢

出典:IDC Japan「国内データセンターサービス ユーザー調査結果」

クラウド/データセンターサービスの利用は年々増えている一方、「外部データセンターを利用しない理由」も多くある

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ITインフラの選択肢

出典:RightScale「2016 State of the Cloud Report」

パブリッククラウドは微増、プライベートクラウド、ハイブリッドクラウドは急増

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プライベートクラウドの選択肢

出典:RightScale「2016 State of the Cloud Report」

VMwareが根強い支持を集めるが、今後の伸びは鈍化OpenStackは「採用計画中」のユーザー数でトップ

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プライベートクラウドの選択肢

出典:RightScale「2016 State of the Cloud Report」

プライベートクラウド全体の伸びからVMwareが「稼働中」ダントツOpenStackは4位だが、全体ではvCloudと同着2位

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プライベートクラウドの選択肢

出典:RightScale「2016 State of the Cloud Report」

中堅・中小企業でもVMwareがトップも、大企業のときほどダントツではないOpenStackは今後 も伸びると見込まれる

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プライベートクラウドの選択肢

出典:RightScale「2016 State of the Cloud Report」

OpenStackは大企業で4位、中堅・中小企業で2位中堅・中小企業で、MS System Centerのシェアが大きく低下

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OpenStackの企業利用の現在位置

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OpenStackの企業利用の現在位置

出典:The 451 Research

451 ResearchによるOpenStack調査結果

●OpenStackを採用した企業の業種は、ICT企業は20%でトップだが、残り8割は他の業種内訳:ICT企業(20%)、製造(15%)、小売(11%)、プロフェッショナルサービス(10%)、医療(7%)、保険(6%)、交通(5%)、通信/メディア(5%)、卸売(5%)、エネルギー・公益(4%)、教育(3%)、金融サービス(3%)、政府・官公庁(3%)

●OpenStackは、今やテストと開発のためだけではなく、企業のミッションクリティカルなワークロードを動かしているOpenStackの用途(ワークロードの種類、複数回答)の内訳:インフラサービス(66%)、ビジネスアプリケーション(60%)、ビッグデータ(59%)、Webサービス・Eコマース(57%)

●調査への回答者の3分の2は、従業員数1000~1万人の中堅・中小企業ミッドマーケットでの採用が進み、OpenStackが大企業だけのものではなくなっている

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OpenStackの企業利用の現在位置451 ResearchによるOpenStack調査結果

●OpenStackを採用した企業のクラウド基盤の72%は1000~10000コアの範囲で稼働サービスプロバイダー並みの大規模コンピューティング環境とは限らない。

●OpenStackを採用した企業の55%がすでにコンテナを採用エンタープライズ市場全体の中でもコンテナの採用が進んでいる。

●企業がOpenStackを用いる目的は、運用効率の向上が76%、展開スピードの向上が75%この2つが突出したビジネスドライバーとなっている。これに続くのが、DevOpsのサポート(69%)、コスト削減(50%)、OpenStack API標準への準拠(45%)

出典:The 451 Research

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出典:IDC Japan「国内企業におけるOpenStackの導入状況に関するユーザー調査」(2016年5月)

「OpenStackを知らない」国内企業は、非ICT企業で28%、ICT企業で17%

国内企業/情シスにとってのOpenStackは…

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国内企業/情シスにとってのOpenStackは…

出典:RightScale「2016 State of the Cloud Report」

アーリーアダプター企業「将来有望だ」「欧米先進企業がすでに取り組んでいる」

「自社でスキルがないから、勉強しよう。こつこつ取り組もう。」「それができる人材も擁している」「ベンダーのOpenStackディストリビューションも活用しよう」

レイトアダプター企業「将来有望だ」「大企業、先進企業中心だけど国内でも採用事例が増えている」

「オープンで、ベンダーロックインも避けられそうだ」「しかし、自社で扱うスキルがない」「ベンダーのOpenStackディストリビューションを採用しよう」「結局ロックインされない?」「結局SIerにお任せ?」

意識に大きなギャップ。

結局、大規模・先進IT部門にしか取り組めなさそうという印象

グローバルではSMBもOpenStackに

高い関心(先の資料)

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「OpenStackが本流だから」だけでは危険当然、一般的なITソリューションのようなスタンスでは導入できない

▽人材、スキル、情報、関与の不足

▽「OSSかつ発展途上中のプラットフォーム」への理解不足(機能の統廃合、

▽ベンダーソリューションによるロックインやコスト上昇

▽構築にかかるコストの見込み違い

▽既存の環境(ハードウェア台数/VM数、現行プラットフォームなど)によっては他の選択肢のほうが適していた、etc.

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「OpenStackが本流だから」だけでは危険「隠れたコスト」もあぶりだすコスト指標ツールの活用

451 Researchの「クラウド物価指数(Cloud Price Index:CPI)」

●クラウド管理プラットフォームベンダー/SIer/ITコンサルティング企業数十社に、プライベートクラウドソリューションの提供形態やオプションを含めた価格体系をヒアリング。そこで得られた

各種のファクターを分析し、CPIを算出

●VMwareベースの小規模なプライベートクラウドの場合、1VMあたりコストは0.08ドル(約9円)/時。一方、OpenStackディストリビューションを用いた場合、1VMあたりコストは0.10ドル

(約11円)/時→つまりOpenStackを選択すると20%の節約

●これに人件費も含めると、企業がベンダー製プライベートクラウドの構築・運用のためにエンジニアの人件費を3%増やしたとしても、現時点ではOpenStackを採用した場合よりも低いTCOを実現できる。OpenStackでTCOの明確なアドバンテージが得るためには、人件費を

45%削減しなくてはならない。

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情シスがOpenStackに取り組む前向きな理由Software DefinedなITインフラでないと、ビジネスニーズに迅速に応えられない

▽アプリケーションの俊敏な立ち上げ・更新ができるIT基盤の必要性(DevOps、PaaS/コンテナ→OpenStackが対応強化中)

▽ビッグデータ分析など高速・大量処理にたえるIT基盤の必要性(ベアメタル→同)

▽SDI、SDDCへ向かっていくIT基盤の必要性

▽ベンダーソリューションのような導入がままならないからこそ、もう一度、IT部門が自社のIT戦略をグリップする好機会では?

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Software Defined なインフラを目指して●広義のSDN:これまでデータ

センター内のハブ、スイッチ、ルータを集中制御できる仕組みがなかったところに、ソフトウェアで集中制御できる仕組みを構築する。

●狭義のSDN:ネットワークの

経路制御(コントロールプレーン)とデータ転送(データプレーン)を分離するOpenFlowアプローチ

●NFV(Network Functions Virtualization):各種ネットワーク機器の機能を仮想化

●オーバーレイ型ネットワーク仮想化:既存の物理ネットワークの上に仮想ネットワークをかぶせる(overlay)アプローチ

●SDx(Software Defined x):サーバー仮想化のメリットを他の

レイヤ(ネットワーク、ストレージ、デスクトップ)にも適用する考え方。ゴールはSDDC(データセンター全体の仮想化)

●大抵のケースで既存の機器を総入れ替えする必要があるが、

大規模化・複雑化が進む一方のインフラ運用管理を根本から変革する取り組み。

NFVとSDNとイノベーションの関係(出典:ETSI NFV ISG

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ご清聴ありがとうございました。

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