おしっこトラブル110番 - ODN：各種サービスのご …Šしっこトラブル110番 絵で見る排尿の機能障害 • こんなおしっこの症状で悩んでいませんか？•

おしっこトラブル１１０番絵で見る排尿の機能障害

• こんなおしっこの症状で悩んでいませんか？• 排尿の生理• 泌尿器科の検査• 前立腺の病気

• 前立腺肥大症• 前立腺癌

• 悩んでいませんか頻尿・尿失禁• 腹圧性尿失禁• 過活動膀胱

たけだ泌尿器科クリニック

武田光正

こんなおしっこの症状て も す す

排尿困難 夜間頻尿おしっこが出にくい時間がかかる

夜中に２回以上トイレに起きる

腎臓

膀胱

尿管

尿道

尿の通り道ー腎臓・尿管・膀胱

膀胱尿道の働き

蓄尿（尿をためる） 排尿（尿を出す）

正常ではこのバランスがうまくとれている

ゆるむ 収縮

締まる ゆるむ

膀胱

尿道

男性と女性の違い男性は出しにくく 女性は漏れやすい

膀胱

前立腺

尿道

肛門

括約筋

•尿道は約20センチと長い

•周りにしっかり固定されている•膀胱の出口には前立腺があります

•尿道が４ｃｍと短い

•出口を支えている骨盤底筋群

がもともと弱い

•加齢・出産により支えが弱くなる

成人における正常な排尿• 1回の排尿量 200～400 mL（コップ約1杯～2杯分）

• 1回あたりの排尿時間 20～30秒

• 1日の排尿量 1,000～1,500 mL• 1日の排尿回数 5～7回（８回以上は頻尿）

• 排尿間隔 3～5時間に1回（起きている間）

• おなかに力をいれなくても排尿できる。

• 尿が途中で途切れたり，なかなか終わらなかったりすることはない。

• 残尿感がない。

• 尿失禁や尿の漏れはない。• 排尿後すぐに尿意を感じることはない。

• ふつう排尿のために夜起きることはない。

• 尿意をはっきり感じ，ある程度のがまんもできる。

泌尿器科の検査

• 排尿日誌• IPSS （国際前立腺症状スコア）

• 顕微鏡による尿検査

• エコー検査

• 尿流測定• X線検査

• 膀胱・尿道の内視鏡検査

排尿日誌

最近1カ月間

国際前立腺症状スコア (I-PSS : International Prostate Symptom Score)

1. 排尿後に尿がまだ残っている感じがありましたか。

2. 排尿後2時間以内にもう一度行かねばならないことがありましたか。

3. 排尿途中に尿が途切れることがありましたか。

4. 排尿をがまんするのがつらいことがありましたか。

5. 尿の勢いが弱いことがありましたか。

6. 排尿開始時にいきむ必要がありましたか。

QOLスコア (QOL index)

1. 現在の排尿の状態が一生続くとしたらどう感じますか。

まったくなし

5回に1回の割合未満

2回に1回の割合未満

2回に1回の割合

2回に1回の割合以上

ほとんど常に

7. 床に就いてから朝起きるまで普通何回排尿に起きましたか。

0 1 2 3 4 5

0 1 2 3 4 5

0 1 2 3 4 5

0 1 2 3 4 5

0 1 2 3 4 5

0 1 2 3 4 5

0 1 2 3 4 5

0回 1回 2回 3回 4回 5回以上

１から７の点数合計

大変不満不 満不満気味満足・不満のどちらでもない

大体満足満 足大変満足

6543210

満足度

排尿障害臨床試験ガイドライン

「症状の程度」 IPSS（国際前立腺症状スコア）患者さん自身が排尿の症状の程度を点数を付けて評価します。最高が３５点で点数が高いほど症状が重いことを示します。

超音波検査（エコー）

　残尿量のチェック

前立腺の大きさを測る

尿流検査（尿の勢いをはかる検査）

正常

前立腺肥大症

ml/s

ml/s

レントゲン検査

腎臓膀胱 尿道前立腺（膀胱がん） （尿道狭窄）

膀胱尿道の内視鏡検査

正常膀胱 膀胱がん

膀胱・尿道の機能障害（下部尿路機能障害：LUTS)

前立腺肥大症

低活動膀胱

前立腺肥大症

過活動膀胱

前立腺肥大症

残尿感、排尿後尿がぽたぽたもれる排尿後症状

尿の勢いが悪い、時間がかかる、力をいれないとでない排尿症状

頻尿、尿が我慢できない、もれる蓄尿症状

前立腺肥大症

こんなおしっこの症状で悩んでいませんか？

　おなかに力を入れないとおしっこが　　出ない

おしっこの勢いが弱い

おしっこが残っている感じがある

（残尿感）

夜中に何度もトイレに起きる

トイレに間に合わず，もれることが ある

　すませた後に　ズボンのなか

にたれる

股の間（会陰部）に不快感や圧迫感

がある

おしっこが出るまでに時間がかかる

医療シンポジウム（福岡）2000年12月20日産経新聞

残尿感 55

昼間の頻尿 59

夜間の頻尿 121

勢いが弱い 79

途切れる 48

いきむ 26

がまんできない 31

おもらし 22

回答なし 4

おしっこの悩みのうち，どの症状で困っているか？

前立腺肥大症の有症状者数（推定）

本邦において、前立腺肥大症による症状を訴えている患者数は約400万人と推定される

50歳以上の男性の5人に1人は前立腺肥大症に

罹患していると推定される

50歳以上の男性

エコーによる残尿測定

尿流測定（尿の勢いをはかる）

正常

前立腺肥大症

ウロフロー検査

ml/s

ml/s

機械的閉 塞

排尿困難

交感神経

興奮＋

前立腺肥大

機能的閉 塞

前立腺肥大症の排尿障害は前立腺が大きくなたためだけではありません

尿の出が悪くなる原因は、肥大した前立腺が尿道を圧迫するだけでなく（機械的閉塞）、交感神経が緊張して尿道を締め付けるためにおこります。

前立腺肥大症末期

水腎症

残尿尿閉

正 常

腎臓

尿管

膀胱

前立腺

尿道

圧力がかかる

感染する

感染症

腎機能低下

尿毒症

腎臓が腫れる

前立腺肥大症が進行すると

大部分の人は内服薬で治療

α１ブロッカー植物製剤

抗菌剤

アンチアンドロゲン

前立腺の緊張をゆるめる

むくみや炎症をとる

細菌感染を治療する

前立腺を萎縮させる

経尿道的前立腺切除術（TUR-P）

膀胱

直腸

肛門

肥大した前立腺前立腺

前立腺

その他の治療

ステント

自己導尿

カテーテル留置

高温度治療

前立腺癌前立腺癌

Ø前立腺肥大症の影にしのびよる前立腺癌に要注意。Ø初期には無症状のことも多い。Øアメリカでは男性の癌死の２番目に多く、日本でも急増している。Øいろいろな治療法があり、初期では治る癌です。Ø血液でPSAをチェックし、癌の可能性があるか簡単に調べることができます。Ø平成16年4月より、横浜市基本健診で PSA 検査が受けられるようになりました。

早期ほど高い生存率

前立腺がんの病期別にみた生存率群 滄 � X ｧ x 6 h � ｸ 5 �10008 06 04 02 0 7（% ）生

存

率

6

54321（年） •aŠú D2737.7%（n=70）病期D1 66.7%（n=11）病期C 71 2%（n=34）病期B 100%（n=31）

悩んでいませんか頻尿・尿失禁

• 腹圧性尿失禁

• 過活動膀胱

腹圧性尿失禁

切迫性尿失禁

新しい概念

過活動膀胱（OAB)

症状の内訳は？

• 尿意切迫感は必須

• 多くは、頻尿（昼間、夜間）を伴う

• 一部は、切迫性尿失禁を伴う

「切迫」をもう少し詳しく

切迫性尿失禁

l 行きたいと思うと、もう間に合わず、トイレに着くまで・用意するまでに、もれる

尿意切迫感

l トイレに行きたくなると、我慢できないl 行きたいと思うと、そのままにできない

過活動膀胱患者の日常

• 外出前には必ずトイレに行く。• 外ではすぐにトイレの場所を確認する。• トイレを見つけたら尿意がなくても行く。• 水分摂取を控えている。• 映画や観劇では、トイレに近い場所に座る。• 電車や飛行機は通路側に座る。• おむつやパッドを携帯している。• 替えの下着を携帯している。• 万一もれても目立たない服装をしている。

過活動膀胱の実数 (OAB)

6.4%

6.0%

87.6%

OAB810万人

OAB dry380万人

6,640万人

40歳以上人口

OAB wet430万人

OAB dry ：失禁なし、OAB wet：失禁あり

年齢別の有症状率

尿意切迫感 切迫性尿失禁

0

5

10

15

20

25

30

35

40

40～ 50～ 60～ 70～ 80～0

5

10

15

20

25

30

35

40

40～ 50～ 60～ 70～ 80～

4,8307,400

490 1,720 2,180 1,150 380 848 330

23,67013,200

9,510 6,600 4,7203,210

2,000 912 2200

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

高脂

血症

高血

圧

骨粗

しょう症

過活

動膀

胱糖

尿病 喘

息

前立

腺肥

大症 肝

炎

リウマチ

千人

潜在患者数

治療患者数

主な疾患の総患者数・治療患者数

43

年齢別にみた過活動膀胱の有病率

米国におけるNational Overactive BLadder Evaluation （NOBLE）Research Programのデータ

0

5

10

15

20

25

30

35

<25 25-34 35-44 45-54 55-64 65+ 全患者

男性

女性

年齢（歳）

有病

率（%

）

39

受診率

0

5

10

15

20

25

30

35

過活動膀胱 腹圧性尿失禁 切迫性尿失禁 尿勢低下

過活動膀胱はどうして起こる原因は排尿筋の不随意収縮

正常 切迫性尿失禁尿意切迫感・頻尿

尿道を閉める力 排尿筋の不随意収縮

排尿筋の不随意収縮の原因

尿路上皮-求心性神経相互作用の異常

求心性神経の興奮性の異常

中枢での知覚処理の異常

神経性に誘発される排尿筋過活動

内因性の排尿筋過活動

しかし、大部分の症例で、原因不明

脳

脊髄の遠心性線維

橋排尿中枢

神経節

膀胱

脊髄路ニューロン

薬物療法

治療の中心 － 抗コリン薬

不随意な膀胱収縮の抑制･膀胱容量の増大

口内乾燥・便秘・残尿の増大等の副作用

行動療法

水分摂取の管理

膀胱訓練排尿の我慢・時間排尿

骨盤底筋訓練