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作成年月日 平成23年3月14日
作成部局
課 室 名
産業労働部政策労働局
ものづくり大学校推進室
兵庫県立ものづくり大学校の開校
熟練技術者の退職や若者のものづくり離れが進み、製造業の事業所で技能系社員が不足
する中で、兵庫のものづくり産業を支える人材力の強化が急務となっている。
このため、①次代を担う人材育成、②匠の後継者育成、③技能レベルに応じた在職者訓練
などを行う「ものづくり大学校」の「教育研修施設」を4月に開設する。これに伴い、
現姫路高等技術専門学院を移転して、ものづくり大学校姫路職業能力開発校として再編する。
併せて、中学生を主対象としたものづくり体験を通して職業教育の一翼を担う「体験施設」
の整備を、24年度の供用をめざして進め、総合的、体系的な人材育成拠点の形成を図る。
1 県立ものづくり大学校の概要
(1)教育研修機能[平成23年4月開校]
① 職業能力開発促進法に基づき姫路職
業能力開発校において行う職業訓練等
ア 学卒者・求職者向け施設内職業訓練(訓練内容は次頁参照)
イ 離転職者向け委託訓練
IT・医療事務・経理事務コース、
介護福祉士・保育士養成コース等
② ものづくりの伝統的な技能を有する
者の後継者育成に関する事業
ア 住宅系専科(木造建築コース)に
おける左官等の講習と現場実習
イ 匠の後継者育成講習
石工、造園など多彩な職種に係る
基礎知識・技能等の講習
③ ものづくりを行う企業の専門人材の
育成に関する事業
ア 技能レベルに応じた企業在職者向け
職業訓練(訓練内容は次頁参照)
イ ものづくり応用技術セミナーの開催
④ ものづくりの技術・技能の継承と向上
のための交流に関する事業
ア ものづくり企業人材育成ネットワークの立ち上げ
イ 兵庫ものづくり企業技能競技会の開催
教室棟西面
実習棟東面
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学卒者・求職者向け施設内職業訓練の内容
企業在職者向け職業訓練の内容(ものづくり企業技能習得支援事業)
区 分 職 種 計画定員等 内 容
ものづくり
技能
基礎講座
機械加工(CNC旋盤)
溶接(アーク)
CAD
3コース
各10名程度
(3~4ヶ月)
ものづくり系企業における入社1~2
年目までの新入社員を対象とした基礎
技能の習得講座
ものづくり
技能
応用講座
機械加工(汎用旋盤)、
溶接(TIG及びロボット)、
CAD
4コース
各10名程度
(3~6ヶ月)
中小企業等の中堅・若手技能者を対象
とした熟練技能の継承をめざした講座
資格試験
対策講座
溶接(アーク及びガス)、
クレーン 等
15 コース
各20名程度
(3日程度)
中小企業等の技能者を対象とした技能
レベルに応じた講座
計 490名
科 目 名入校定員
(入校時期)期間 対象者 科 目 の 内 容
住宅設備
コース
15名
(4月)
住宅や小規模事業所等の電気設備、エアコン等の空調設備、ユニットバスやシステムキッチンを含む給排水衛生設備の知識・施工・保守の技術・技能を習得
住宅系専科
木造建築
コース
15名
(4月)
木造建築に関する専門的な知識と模擬家屋の製作を通じた在来軸組工法の墨付け、加工などの技術・技能を習得※左官等の伝統的な技能に関する講習と現場実習
溶接コース15名
(4月)
溶接に関する専門的な知識を習得し、被覆アーク溶接・半自動アーク溶接・TIG溶接による各種材料の溶接施工の技術・技能を習得
金属系専科
金属塗装コース
15名
(4月)
金属・噴霧塗装に関する実践的な技能と専門知識を習得し、実践的な金属塗装、自動車補修塗装の技術・技能を習得
新機械加工コース
15名
(4月)
高校等の
新規学卒者
18歳以上
の求職者
機械加工に関する専門的な幅広い知識を習得し、汎用工作機械からコンピュータ制御工作機械の操作方法、CADによる作図技法の技術・技能を習得
機械系専科
CAD/CAMコース
10名
(4月)
40歳未満
の求職者
CAD機械製図・CAD/CAM・汎用及びNC工作機械による加工技術を一連のものづくりとして習得し、企業実習などを通じて職業キャリア形成を支援しながら、機械加工技術・技能を習得 (施設活用型デュアル事業)
建築施工
技術コース
10名
(4月)
木造建築に関する基礎的な知識と技術を習得し、ツーバイフォー工法による家屋の建築を通じて実践的な技術・技能を習得
金属加工
技術コース
10名
(4月)
金属加工に関する基礎的な知識と技術を習得し、金属の切断・成形・組立・溶接などの技術・技能を習得
ものづくり基礎科
塗装技術
コース
10名
(4月)
1年
新規中学
校卒業者
18歳未満
の求職者 塗装に関する基礎的な知識と技術を習得し、金属製品塗装・建築塗装などの実践的な塗装技術・技能を習得
CADコース
20名×2
(4・10月)
JISによる機械製図法・機械設計の基礎知識を習得し、2次元CADによる作図、3次元CADによるモデリングなどの機械設計の基本技術・技能を習得
短期コ|ス
情報ビジネスコース
20名×2
(4・10月)
6カ月 求職者 パソコン活用能力の高いビジネス実務者を目指し、パソコンの基礎から経理・総務・営業などの事務処理等を習得
計 195名
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(2)体験機能[平成24年度内開校]
① ものづくり体験学習
(学年単位で団体利用:主に平日)
将来の進路を考える上で重要な時期と
なる中学生に対し、本県産業の礎となる
ものづくりへの関心を高めるとともに、
職業としてのものづくりの魅力、奥深さ
を伝えるため、本格的なものづくり体験
の機会と場を提供
ア ひょうごの匠等の熟練技能者による
プロの技の実演と体験指導
イ 見て触れて、ものづくりのプロセスと
そこに生かされた技を体感する展示学習
② ものづくり体験講座
(個人単位又はグループ単位で利用)
ア レベルアップ体験講座(前記アの体験学習を受けた中学生:春・夏・冬休み)
イ テーマ別体験講座(小・中学生:休日)
ウ 親子工作教室(小学生・親子連れ:夏休み)
エ ものづくりワークショップ(一般:平日)
③ 特別展・企画展等
ア 伝統的工芸品・地場産業展
イ 工作展・作品展
【ものづくり体験学習プログラムの概要】
驚く
感動する
考える
○展示を見て、触れて、ものづくりの過程やそこに生かされている技を学習・「住」をテーマとした家づくりのプロセスがわかる「匠の家」や住関連の技
・「衣」と「食」をテーマとした服づくりや調理に関する技
・「工」をテーマとした兵庫だからこそのものづくりとそこに生かされた技
・身近にある世界的な企業の製品、兵庫のオンリーワン製品
・地場産業や伝統工芸関連の製品とそこに生かされた技
創る
作る
造る
○「ひょうごの匠」等による実演や映像により道具の使い方を学び、直接指導を受けながら、自らがやってみて、ものづくりの楽しさや奥深さを体験・人々の生活を支える「伝統的技能(匠の技)」の体験
・ひょうごの産業を支える「製造系技能(熟練の技)」の体験
ほめる
自慢する
○作品の寸法、精度、性能等を測定・実験・「どきどき感」を味わうことにより、ものづくりへの向上心がわく。
○作品を互いに評価し合い、発表・「ほめてもらえる」、「聞いてもらえる」、「見てもらえる」ことにより、自らが取り組んだものづくり体験への達成感や満足感を高める。
展示イメージ(案)家づくりのプロセスがわかる「匠の家」
体験棟建築イメージ(案)
体験棟東面
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【ものづくり体験スケジュールの例】 金属加工の場合
10:00~
10:30~10:40~
10:55~11:15~11:30~
(昼食)13:10~
13:30~13:55~14:05~14:1514:15~
14:30
①展示学習(展示コーナー)②全体説明(研修室)③あいさつ・オリエンテーション(工作室)④午前の部体験工作(工作室)
切断練習切断たたく練習焼きなまし・たたく
⑤休憩・交流・展示物見学等⑥午後の部体験工作(工作室)
やすりがけ1やすりがけ2・刻印酸洗いクリアラッカー塗装完成
⑦講評・後片付け・あいさつ⑧全体発表(研修室)⑨評価・まとめ
・「ものづくり」の過程や技を学習、体感・注意事項等の説明・熟練指導者から注意事項や作業説明、用具の準備・熟練指導者の実演や直接指導
弓のこを使った真ちゅう板の切断練習真ちゅう板の切断金づちで真ちゅう板をたたく練習真ちゅう板をコンロにあて、焼きなましをしながら、たたいてカーブを出す
・指導者との交流や匠と一緒に展示を見学・熟練指導者の実演や直接指導
鉄工やすりによる粗削りさらに細かいやすりによる仕上げとイニシャルの刻印希釈した硝酸液に入れた後、流水で洗う。クリアラッカーの吹き付けクリアラッカーを乾かして完成
・指導者の講評、掃除、用具の片付け、あいさつ・作品を披露し、体験の中で得たことを発表・指導者や先生からの体験学習全体に関する講評
(3)施設概要
① 施設配置 敷地面積 約6,700㎡
② 場 所いちのごう
姫路市市之郷1001番地1(JR姫路駅から東へ1.9km)
③ 構造規模
ア 教室棟
鉄筋コンクリート造 地上6階建 延床面積 4,579㎡
イ 実習棟
鉄骨造 地上4階建 延床面積 5,277㎡
〈教育研修施設〉 計 9,856㎡
ウ 体験棟(予定)
鉄筋コンクリート造 地上5階建 延床面積 約3,000㎡
(予定)
ものづくり大学校
JR高架下駐車場姫路市すこやかセンター JR高架下駐車場
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④ 施設配置
6階
5階
4階
3階
2階
1階
⑤ 総事業費
約42億円(用地6,700㎡については、姫路市から無償で借受け)
⑥ 主な訓練機器
普通旋盤16台、フライス盤3台、CNC旋盤2台、マシニングセンタ3台、
点溶接機1台、産業用ロボット1台、動力シャー1台、自動多面かんな盤1台、
自動車塗装用ブース2台、X線検査機1台
⑦ 施設の特長
ア 教室棟
学卒者、離転職者等の多様な人材がものづくりの理論から実践までを体系的に
学べる快適でゆとりある教育環境に配慮
イ 実習棟
実際の現場に近い迫力ある教育環境に配慮
子供たちが見学できるように訓練風景の可視化にも配慮
ウ 環境への配慮
(ア)屋上緑化及びグラスパーキングの採用
(イ)太陽光発電(105kw)及び雨水の利用
(ウ)内装木質化の導入(教室や廊下の腰板に県産杉等を活用)
⑧ 交通手段
ア 公共交通機関利用
JR姫路駅から線路沿いに東へ約1.9km(徒歩約20分)
JR姫路駅からバス約10分
イ 車利用
山陽自動車道 山陽姫路東インターチェンジを出て南西へ約5.5km
姫路バイパス 姫路南ランプ(市川ランプは西向き)を出て北へ約3.8km
⑨ 駐 車 場
ア 台 数 JR高架下駐車場 74台
イ 料 金 3時間超 1台当たり200円/日
【教室棟】屋上緑化
視聴覚室、教室(3室)
PC実習室(3室)、教室(3室)
PC実習室(2室)、教室(3室)
教室(8室)、会議室(2室)
相談面接室、管理部門
機械室
渡廊下
渡廊下
【体験棟(予定)】屋上緑化
調理室、管理部門
木工室(2室)、被服室
金属工作室(3室)
多目的(研修)スペース
展示コーナー
【実習棟】太陽光発電
電気機械室
建築・住宅設備実習場、講堂
材料試験室、測定実習室
溶接・機械加工・塗装実習場
渡廊下
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2 開校関連イベント等
(1)施設内覧会 ・・・・・ 3月18日に移転、機器据付完了予定
① 日 時 3月30日(水) 午前10時~午後3時
② 場 所 兵庫県立ものづくり大学校 教室棟及び北・南実習棟
③ 参加者 一般公募により実施
(2)第1期生入校式
① 日 時 4月15日(金) 午前10時~11時
② 場 所 兵庫県立ものづくり大学校 北実習棟 3階講堂
③ 内 容 校名看板掲出式、入校式、施設見学会
(3)開校記念イベント
記念シンポジウム等を、6~7月頃に開催予定
3 現姫路高等技術専門学院の解体撤去
現姫路高等技術専門学院の跡地(姫路市から無償借受)については、建物を解体撤去
し原状回復した上で、平成24年3月末までに姫路市へ返還
(参考)全体の整備スケジュール
平成18年度 基本計画の策定
平成19年度 教育研修施設・基本設計、埋蔵文化財確認調査、地質調査
平成20年度 教育研修施設・実施設計、埋蔵文化財本発掘調査
平成21年度 教育研修施設・建築工事
平成22年度 教育研修施設・建築工事、体験施設・設計
平成23年度 教育研修施設・供用開始(4月)、体験施設・建築工事
平成24年度 体験施設・供用開始
〈問合先〉 産業労働部政策労働局ものづくり大学校推進室大学校整備係
℡078-362-3366
ものづくり大学校の連絡先(3月14日から)
℡079-240-7077