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個人用保護具 Personal Protective Equipment

Jan 08, 2016

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個人用保護具 Personal Protective Equipment. 個人用保護具.   保護具は、米国では Personal Protective Equipment (個人用保護具) あるいは PPE と呼ぶ。 PPE は、安全衛生管理上の最善の、そして最優先される対策ではないことは日米には相違はない。   日米の相違としては、選定のプロセスと管理の明確化である。米国においては PPE もリスクアセスメントに基づき選定される。. OSHA. - PowerPoint PPT Presentation
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個人用保護具Personal Protective Equipment

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個人用保護具

    保護具は、米国では Personal

Protective Equipment (個人用保護具) あるいは PPE と呼ぶ。 PPE は、安全衛生管理上の最善の、そして最優先される対策ではないことは日米には相違はない。

  日米の相違としては、選定のプロセスと管理の明確化である。米国においては PPEもリスクアセスメントに基づき選定される。

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OSHA

  米国では、 OSHA は 1994 年、個人保護具基準を制定した。この基準は、雇用者は従業員のために効果的な PPE プログラムを制定し、管理しなければならず、従業員は適切な PPE 使用の訓練を受けなければならないことを要求している。

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目的

  騒音の低減対策、化学物質暴露対策における局所排気装置の設置などの技術的対策つまりエンジニアリング・コントロールは作業場での危険の除去または最小化のために使用されるべき主要な方法である。このような制御装置が働かないかまたは適切でない場合の手段として PPE が、作業者個人の危険への暴露の減少、除去のために用いられるべきである。PPE は、着用が必要であり、着用することによって業務上の災害や疾病の可能性が減少すると決定されたときに、提供され、使用され、維持される。

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責任

   PPE の管理については次のような責任と権限の明確化が必要である。

管理者 特定の職務のための特定の PPE を見極めるた

めに、危険評価を行う。 従業員に特定の PPE の選択、使用、点検、保

管、清掃、限界の訓練をする。

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責任 監督者 ( 職長 )

PPE 着用の監視 必要なときに PPE の代替品を供給する。 PPE の使用が必要とされる新しい危険を確認す

る。 従業員

与えられた PPE の適切な使用と管理 PPE に損傷があるまたは効果のない場合は、直

ちに監督者に知らせる。

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リスクアセスメントと PPE 選択

リスクアセスメント手順を使い、 PPE の使用が必要とされる危険が存在するか、または存在する可能性があるかを決めるための作業場の評価を行う。その結果、許容できないリスクが存在する、または存在の可能性がある場合、次のアクションをとる。

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リスクアセスメントと PPE 選択

1.作業場にある様々な危険源を評価する  物理的危険源には次を含む:

動作 低、高温 放熱(溶接、高温物の扱いなど) 強烈な光 落下物 鋭利な物体

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リスクアセスメントと PPE 選択 回転または巻き込み 電気的危険 フロアの状態 健康障害源には次を含む: 危険化学物質 有害ダスト 放射線 過度の騒音

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リスクアセスメントと PPE 選択

2. PPE を着用すべき“影響を受ける従業員”を選定する。

3.影響を受ける従業員に PPE指定の決定を伝える。

4.影響を受ける従業員に適した PPE を選ぶ。

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トレーニング    PPE の使用が必要とされる全ての従業員に対し、

少なくても次のことを知らせるための訓練を行う。 PPE の必要な状況 どの PPE が必要か 適切な装着、脱着、調節の方法 PPE の限界 PPE の適切なケア、メンテナンス、寿命、処分

  影響を受ける従業員は、 PPE の必要な作業を行うことが許可される前に、訓練で理解したこととPPE 使用の能力の確認が必要である。

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PPE の選定 PPE 選定の一般的な手順は:

① 潜在的な危険と利用可能な PPE の種類とその能力を知る、例;スプラッシュ(液はね)からの保護、衝撃からの保護など。

② PPE に関連する因子、たとえば衝撃速度、大きさ、化学的耐久性、放熱の強さ、と利用できる保護具の性能を比べる。

③ サイズ、耐久性、メンテナンスの難易度、コストも勘案し、危険からの保護レベルが確実な PPE を選定する。

④ 使用者に PPE を合わせ、 PPE の管理と使用の指示をする。

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PPE のフィッティング

  選定した PPE について快適さと適合のために慎重なフィッティングの考慮が必要である。十分にフィットしない PPE は必要な保護を期待できない。快適なフィットが継続した着用のために要求される。通常、PPE は様々なサイズが手に入る。正しいサイズが選ばれることを確実にするための配慮が必要である。特にマスクの場合はフィットテストと呼ばれる事前の定性的または定量的テストが不可欠である。

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各身体部位のリスクコントロールとPPE

   PPE のマネジメントに続き、個々の PPEについて解説する。身体の各部位に対しては、それぞれに異なる危険源が存在し、そのリスクも異なる。それぞれのリスクとリスクコントロールの方策を特に PPE を中心に解説するが、 PPE が最優先のリスクコントロール策でないことは繰り返し述べているとおりである。

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目の保護 -リスク-

  米国では労働災害により毎年数千人が視力を失うと言われている。従業員が目または顔の PPE を使用してさえいれば防ぐことができた災害である。特に重要な点は目の傷害が多くの場合“永久的”であることである。

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目の保護 -リスク-

 

 目は言うまでもなく非常にデリケートである。目は次により構成される。 光の焦点を合わせる水晶体 目に入る光の量をコントロールする虹彩 見たイメージを受け取る受容体 目の受容体から脳に情報を送る視覚神経

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目の保護 -リスク-

  目に傷害を受ける可能性のある主な事故の種類は:

微粒子の目への混入  例として、ダスト、粉体、ヒューム、ミス

トのような微粒子が目に入り傷つける。グラインディング、サンディング、ハンマリング、ポリッシング、散布のような作業は、微粒子を作り出す。微粒子は目を傷つける可能性を有す。

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目の保護 -リスク- 化学物質または他の危険物質との接触  ガス、蒸気、液体の状態の有害化学物質は、

目にダメージを与える。化学物質を使用する前には、適切な MSDS を確認することが必要である。

飛来物体との衝突  グラインディング、サンディング、ポリッシ

ング、ハンマリングのような作業は、しばしば目にダメージを与える飛来物体や小片を作り出す。

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目の保護 -リスク-

チェーンやロープのようなゆれる物体による殴打 次のような大きな物体による殴打 揺れるチェーン、ケーブル、ロープ 投げられたまたは落下する工具 ナイフ、はさみ、鉛筆などのような鋭利な物 障害物の中への進入かたは落下

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目の保護 -リスク-

溶融金属  溶融金属に関連する作業は、目にはねる、

かかる、落ちた場合に重いやけどと組織の損傷を引き起こす。

電気的危険  電気の周囲で作業する場合は、アークと火花が生じる可能性がある。

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目の保護 -リスク-

溶接作業放射エネルギー源の凝視  溶接、金属切断、溶鉱炉の周りでの作業は、

目を熱、光、紫外線、赤外線放射にさらす。 レーザー光の照射  レーザービームは新しい危険を引き起こす。

様々なタイプのレーザーが存在する。

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目の保護  -リスクコントロール-

マシーンガード  旋盤、粉砕機、研磨機のような多くのタイプの機械がガード、シールド、スクリーンを装備している。これらの機械を使用する前に、ガード、シールド、スクリーンが正しい場所にあり、正常に働くことを確認する。目の PPE を着用することも忘れてはならない。

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目の保護  -リスクコントロール-

作業場バリア(防壁)  研磨、溶接、旋盤のような作業は、ダス

ト、蒸気、飛散小片を発生する。他の作業者を保護するために、可動式スクリーンやバリアのような作業エリアバリアが作業者と作業場内の人員を危険な作業から隔離するために設置される。

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目の保護  -リスクコントロール-

排気  蒸気、ガス、ミスト、ダスト、粉じんな

どの空気伝達微粒子粒子を使用または発生する作業は、従業員の呼吸ゾーンと作業から汚染物質を取り除くために排気されるべきである。加湿システムと併せて行う排気は、目の危険となるかなりの量の微粒子を低減することができる。

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目の保護  -リスクコントロール-

照明  適切な照明は作業エリアにおいて重要で

ある。適切な照明は目の負担とまぶしさを低減させる。また安全と生産性の向上を促進する。

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目の保護  -リスクコントロール- サインと警告  作業場において

障害物と突起物は、その周辺での作業時の注意喚起のために明示が必要である。

装置や危険物質に示される全ての警告と注意事項を確認し従う。

工具類を投げたり、作業場で悪ふざけに参加しない。 鋭利な、またはとがった物体を目から離す。 監督者または安全管理者の安全作業に関する手順、指示、忠告に従う。

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目の保護  -リスクコントロール-

洗眼施設  (米国においては、洗眼施設は作業エリアから 100フィート以内に設置されることが要求される。)

   目に何かが入った場合、直ちに洗眼場所へ行き、15分間水で洗い流す。必ず指で目を開け、水流をまっすぐに見る。決して目をこすらない。目をこすることは目の中に傷をつけ、小片を埋め込む可能性がある。水で目を洗い流したら、直ちに医療機関による手当てを受ける。

   警告:いくつかの化学物質は水と反応し、水と混ざるとより有害になる。このような化学物質に対しては事前にMSDSを確認し、対処方法を決定しておくことが必要である。

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目の保護  -リスクコントロール- 安全メガネ 安全メガネはおそらく最も広く使用されるタイプの PPEであろう。通常のメガネに似ているが、より強く、衝撃や熱に耐える。さらに、最も安全なメガネには、側面からの危険から保護するサイドシールドが付加される。処方を必要とするものも、しないものも利用できる。さらに、特別な作業状況のために多様なレンズコーティングも利用できる。安全メガネは国家認定を受けたものでなければならない。

(OSHA規定: ANSI Z-87.1-1989承認)

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目の保護  -リスクコントロール-

ゴーグル  ゴーグルは、顔によりフィットするため安全メガネ

よりも保護することができる。ゴーグルは目の周りを囲むため、液体のスプラッシュ(飛びはね)、ヒューム、蒸気、粉じんの飛散により保護ができる。様々な種類のゴーグルが利用でき、化学物質スプラッシュゴーグルのような特定の目的のために着用されることを示さなけれ

  ばならない。

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目の保護  -リスクコントロール-

フェイスシールド  フェイスシールドは顔全体を保護し、

しばしば溶解金属、化学物質のはね、飛散小片にさらされる作業に対して使用される。

  注意:付加的な保護としてフェイスシールドを使用する際に、常に安全メガネまたはゴーグルを着用しなければならない。フェイスシールドのみでは十分な目の保護とはされない。

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目の保護  -リスクコントロール-

吸収レンズ  溶接工でなくても、安全メガネとゴーグ

ルに様々な吸収レンズが利用できる。これらの吸収レンズは、明るい光のある場所やまぶしい場所で働かなければならない場合に付加的な保護を提供する。

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目の保護  -リスクコントロール- コンタクトレンズ  コンタクトレンズをつけている場合、次

の安全情報を覚えておく フルフェイスマスクを使用する間はコンタク

トレンズを使用してもよい。 ヒューム、ダスト、粉じん、蒸気、化学物質

の液はね、溶解金属、強烈な熱、光にさらされる場所で作業する場合、注意してコンタクトレンズをつける。

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目の保護  -リスクコントロール-

コンタクトの下に何かが入った場合、取り除き、消毒する。

コンタクトレンズを扱う前に手がきれいであることを確かめる。

眼科医の指示に従い、手入れをする。

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目の保護  - PPE の保守管理 -

目の PPE の汚れを取り除くとき、通常刺激の弱い石鹸と水を使う。また目の PPE のために作られた特別なワイプも使うことができる。装備に傷をつけ、ダメージを与えるため、研磨剤、粗い紙、タオルを使ってはならない。

常に PPE を良好な状態に保ち、もし、ダメージがあれば、直ちに補修または交換する。

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目の保護  - PPE の保守管理 -

PPE は清潔な冷暗所で乾燥した場所に保管する。

使用前に PPE製造者の指示および注意事項を確認する。

何らかの質問や懸念事項がある場合には監督者や安全管理者に確認する。

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頭部の保護 -リスク-

  頭部には目、鼻、口、耳そして脳があり、頭部への傷害は非常に重大であり、そのため頭部の保護と安全は非常に重要である。

  頭部から守ることが必要な危険要因は次のとおりである。

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頭部の保護 -リスク-

電気ショックややけどをひきおこす電気的な事故

酸、腐食性化学物質、溶融金属のような有毒な液体は目や皮膚の薬傷や熱傷

落下または飛来物体による打撲、頚椎捻挫、脳震とう、頭蓋骨骨折

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頭部の保護 -リスクコントロール- エンジニアリング・コントロール

落下防止対策として、作業ステージの整備および安全柵の設置、はしごの適正化など作業場を整備する。

機械からの飛来防止として、安全ガードを設置する。 高所からの飛来防止として、作業ステージにはトープレートを設置する。

プレス、インジェクション(射出成型機)その他の自動機械に対して光線式安全装置などの侵入検知装置によるインターロック機構を設置する。

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頭部の保護 -リスクコントロール-

ヘルメット  ヘルメットは次を供給することで頭部を

保護する。 頭部への衝撃に耐え、そらす堅い外装 衝撃吸収装置として働くヘルメット内部のサ

スペンションシステム

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頭部の保護 -リスクコントロール-

電気ショックに対する絶縁 はね、漏れ、滴りに対する頭皮、顔、首、肩

の保護 フェイスシールド、ゴーグル、フード、イヤ

ーマフの付加 これらの機能はヘルメットの種類により異な

るため、危険要因に適合するヘルメットの選定が必要である。

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頭部の保護 -リスクコントロール-

ヘルメットは次に留意し着用する。 潜在的な頭部の危険がある場所で作業する間、常にヘルメットを着用する。

快適に、安全になるようにヘルメット内部のサスペンションを調節する。

毎日、ヘルメットのクラック、穴、くぼみを点検する。

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頭部の保護 -リスクコントロール- ストラップの擦り切れや切断を確認するために、毎日サスペンションシステムを点検する。ヘルメットの修理が必要な場合、直ちに修理させる、または事業者に新しいものを頼む。

決してヘルメットにペイントしたり、傷つけたり、“空気穴”を設けるなどの加工をしてはならない。

夜間作業に際しては、反射テープをつける。(電気を伝えるので金属テープは使わない。)

ヘルメットの中にたばこ、ライター、ペンのような所持品を保有しない。

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頭部の保護 - PPE の保守管理 -

  ヘルメットは重要な PPE であり、次の保守が必要である。

ヘルメットの内部および外部につく油、グリース、化学物質、汗を取り除くために、最低月 1 回(必要に応じて)手入れする。

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頭部の保護 - PPE の保守管理 -

刺激の弱い石鹸と湯の溶液に 5-10分浸すことで、ヘルメットをきれいにできる。きれいな水で洗い流し、ふき取り、空気乾燥させる。または製造者の推薦に従う。

日光と熱はヘルメットのサスペンションにダメージを与えるので、常に清潔で、乾燥していて、涼しい場所に保管する。

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聴力保護 -リスク-

  騒音は多くの作業場の共通の問題である。聴力喪失は段階的であり、他の傷害に比べて発見が遅れるのが特徴である。しかしながら、それは永久的な障害となる。

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聴力保護 -リスク- 聴力の構造   聴力は次により構成される。

内耳   中耳が振動を拡大し、それを内耳に送る。振動は内耳にある細胞を刺激し、電気的インパルスを作る。

聴覚神経   このインパルスは聴覚神経を通って脳に伝わり、音の感覚をもたらす。

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聴力保護 -リスク- 中耳   音の波動が鼓膜にあたると、振動し、中耳

に音を送る。 鼓膜   音の波動が鼓膜にあたると、振動し、中耳

に音を送る。 外耳   外耳で音が集められ、鼓膜に送られる。

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聴力保護 -リスク- 二つのタイプの聴力損失  デリケートな構造の耳へのダメージは聴力を失

うこととなる。二種類の聴力喪失がある: 伝導性の聴力喪失は外耳または中耳へのダメージ、ま

たは機能不全で起きる。聴力を低下させるが、話を理解することはできる。

感覚上の聴力喪失は、内耳、聴覚神経、脳へのダメージまたは機能不全で起こる。感覚上の聴力喪失は、医学的にまたは手術によって治すことができない。永久的である。作業場での聴力喪失の大部分が感覚上の聴力喪失である。

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聴力保護 -リスクコントロール -

エンジニアリング・コントロール 設備、システムを低騒音設計、施工する。 騒音発生設備を囲い、または遮蔽する。 消耗した、または不均衡な部分を交換し適切

に整備する。 騒音発生源の装置を防振または免震装置上に

設置する。 消音器、マフラー、バッファを取り付ける。

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聴力保護 -リスクコントロール - 聴力 PPE  様々な種類の聴力保護具が利用できる。ポピュ

ラーなタイプは ウレタンフォーム製イヤープラグ(耳栓) PVC製イヤープラグ(耳栓) イヤーマフ

  聴力保護は最大 29デシベルまでの騒音を削減できる。聴力 PPE は 8時間等価で 85デシベル以上の騒音にさらされるときは、着用するべきである。

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聴力保護 -リスクコントロール - イヤープラグ(耳栓)  長所

小さく、軽く、使い捨てが可能である 暑い環境で快適 簡単に他の装備とともに使用できる

  短所 時々ゆるみ、再装着が必要 特定のフィッティング教育が必要であり、全従業員に

フィットしない可能性がある しばしば不潔となる

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聴力保護 -リスクコントロール -

フォームイヤープラグの装着方法 装着する耳の反対側の手を後頭部に伸ばし、

やさしく耳を後ろ、上に引く。 きれいな手で、栓を小さな直径に丸める。 耳道に挿入する。 広がり、密閉されるまで数秒間待つ。

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聴力保護 -リスクコントロール - イヤーマフ  イヤーマフはもう 1 つのタイプの聴力保護装置

である。  長所

着用の管理をしやすい 1 つのサイズで全員に適応する 長時間でもよくフィットする

  短所 頭にきつくフィットする(きつ過ぎる) 高温環境では不快 他の PPE とともに使用するときに問題が生じる

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聴力保護 -リスクコントロール - 装着方法  イヤーマフは耳の外に取り付ける。イヤーマフ

の効力は耳の周囲を覆うことに限られているため、イヤープラグと同じ効力はない。この理由で、いくつかの作業環境では、イヤープラグとイヤーマフの組合せが利用される。 イヤーマフを装着する際は、キャップ部が耳の周りに

フィットしていることを確かめる。 耳の周りを密閉すること妨げるメガネ、イヤリング、髭がある場合は、耳栓を使用することを検討する。

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聴力保護 - PPE の保守管理 -

フォームイヤープラグ 使用しないときは、清潔で、涼しく、乾燥し

た場所に保管する。可能なら、使い捨てが好ましい。

汚れ、傷つき、堅くなった場合は処分し、監督者または安全管理者に交換を要請する。

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聴力保護 - PPE の保守管理 -

PVC イヤープラグ 使用しないときは、清潔で、涼しく、乾燥し

た場所に保管する。 汚れた場合、刺激の弱い石鹸と水の溶液で洗

い、やわらかいタオルでふく。 傷つき、または硬くもろくなった場合、廃棄

し、監督者または安全管理者に交換を要請する。

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聴力保護 - PPE の保守管理 -

イヤーマフ 使用しないときは、清潔で、涼しく、乾燥し

た場所に保管する。 キャップ部の周囲(クッション部)に傷がな

いか常に点検する。損傷のある場合、直ちに修理させる、または監督者に交換を要請する。

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手の保護 -リスク-

外傷  様々な状況で外傷を受ける可能性がある。

鋭利な端のある道具と機械は手を切る。 針、ねじ回し、釘、のみ、硬いワイヤーは手

に穴をあける。 機械に手を巻き込まれると、捻挫、つぶれ、

または指と手が座滅する。

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手の保護 -リスク-

接触傷害  腐食性や有害化学物質、生物学的物質、

電気源、極温冷物への接触は、炎症または薬傷、熱傷が起きる。

  警告:有害物質には皮膚から吸収され体内に入るものもある。

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手の保護 -リスク-

反復運動傷害  長期間、同じ手の動きを繰り返す時は、反復性運動の問題の危険にある。反復性運動の問題はしばしばしびれまたは痛みを伴ったうずく感覚と握力の低下として現れる。

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手の保護 -リスクコントロール -

エンジニアリングコントロール  機械ガードと安全装置は、手と指を保護

するために設置される。  警告:機械ガードや安全装置を決して取

り除かない。機械の中に手を入れる前に、組織のロックアウト-タグアウト手順をチェックする。

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手の保護 -リスクコントロール -

ハウスキーピングと衛生管理  整備されていない機械と道具、よごれた

作業エリア、散らかった通路は全て手のけがの原因となる。

  良い衛生法は手を洗うことを含む。手を洗うことは手から細菌や汚れを取り除く。清潔な手は感染症や皮膚炎のような皮膚の問題に感染しにくい。

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手の保護 -リスクコントロール -

安全手袋  手を保護するために作られた様々な種類

の安全手袋がある。作業で使用するべき安全手袋について、監督者または安全管理者と協議する必要がある。

選定 金属メッシュ手袋、ケブラーなどの強化樹脂

性手袋は鋭利な端に耐え、切傷を防ぐ。

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手の保護 -リスクコントロール -

革の手袋はざらざらした表面から保護する。 ビニールやネオプレンの手袋は腐食性化学物

質から保護する。 絶縁のゴム手袋は、電気周りの作業時に保護

する。

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手の保護 -リスクコントロール -

パッドの入った布の手袋は、鋭利な端、細長い小片、よごれ、振動から保護する。

耐熱手袋は熱や炎から保護する。 ラテックス使い捨て手袋は、細菌やバクテリ

アから保護する。 鉛手袋は放射源から保護する。

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手の保護 - PPE の着用・保守管理 -

行う作業に適した種類の手袋を選び、使用する。 フィットする手袋を選ぶ。 いくつかの手袋は耐用化学物質が明記され、寿命

がある。期間が終わった後は処分する。 手袋を切り、破る可能性のあるリング、時計、ブレスレットは取り外す。

手袋を着用する前後に手を洗う。 使用前に手袋を点検する。漏れる穴や裂け目を探

す。

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手の保護 - PPE の着用・保守管理 -

使い古した、または破れた手袋を交換する。 化学物質を使用した後、手袋を取る前に、化学物質

または汚れを洗い流すために、流水で洗い流す。 必要に応じてコットン手袋を洗う、または処分する。 手袋を借りることを避ける。手袋は個人保護具であ

る。 清潔で、涼しく、乾燥し、換気されたエリアに保管

する。 ドリル、旋盤のような電動で回転する設備の周りでゆるい手袋を着用しない。

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足の保護 -リスク-

物理的傷害  作業場においては、重いものが足に落ちる、

鋭利物を踏み抜くなどの物理的危険がある。 漏洩による熱、化学的傷害  腐食性化学物質や溶解金属のような液体は、靴やブーツの中にもれることがある。これらの危険物質は薬傷、熱傷を引き起こす。

Page 69: 個人用保護具 Personal Protective Equipment

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足の保護 -リスク- 電気的傷害  電気の関わる事故は、ひどいショックややけど

を引き起こす。 極度の高低温および湿度傷害  極度に寒い環境では凍傷に、一方、極端な熱さ

では火傷、火ぶくれを生じさせる。また、靴またはブーツ内の極度の湿気は菌性の伝染病となる。

転倒、落下傷害  油、水、石鹸、ワックス、その他の化学物質は、

スリップや落下を引き起こす。

Page 70: 個人用保護具 Personal Protective Equipment

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足の保護 -リスクコントロール-

ハウスキーピング(5 S )  未整備の機械、道具、濡れて汚れた作業

エリア、散らかった通路は全て足の傷害の原因となる。

Page 71: 個人用保護具 Personal Protective Equipment

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足の保護 -リスクコントロール- 安全靴およびブーツ  足を保護するために作られた様々なタイ

プの靴がある: つま先を鉄などでガードした靴は、落下物や圧迫からつま先を保護する。

長靴タイプは足首からつま先に足全体に特別なガードがあり、足全体を保護する。

強化ソール靴には、強化材により踏み抜きから保護する。

Page 72: 個人用保護具 Personal Protective Equipment

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足の保護 -リスクコントロール- ラテックス /ゴムの靴は、化学物質に耐久性があり、

またスリップを防止する。 PVC 靴、ブーツは、ほとんどのケトン、アルデヒド、

アルコール、酸、塩、アルカリから保護できる。 ビニール靴は、溶剤、酸、アルカリ、塩、水、グリー

ス、血液を防ぐ。 二トリル靴は動物性脂肪、オイル、化学物質を防ぐ。 静電気を取り除く靴は、静電気の帯電を防止する。 電気安全靴は、電気からのショックとやけどを防ぐた

めに硬質ゴムで絶縁する。

Page 73: 個人用保護具 Personal Protective Equipment

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足の保護 -リスクコントロール- 安全靴、ブーツの選定

作業に適した種類の安全靴を選び、使用する。安全靴は国家認定で定められた基準を満たす、またはそれ以上のものを選択する。

酸または腐食性化学物質の周辺で作業する場合、革や布で作られた靴を避ける。これらの化学物質は、革や布をすぐに腐食させ、薬傷を引き起こす。

フィットする靴を選ぶ。

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足の保護 - PPE の保守管理 - 靴が磨り減っていないか、破れていないか

を点検する。 化学物質を使用する作業の後、靴を脱ぐ前

に化学物質や汚れを洗い流すために、水で靴を洗う。

靴を借りることを避ける。靴は個人保護具である。

清潔で、涼しく、換気され乾燥したエリアに保管する。

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呼吸器の保護 -リスク-  作業場における健康被害で最も懸念されるのは

化学物質への暴露である。化学物質は次の経路で体内に侵入する。 摂取 皮膚吸収 吸入 注入

  このうち、最も多く、危険性の高いルートは空気伝達による吸入であり、溶剤や様々なガスからのダスト、ヒューム、オイルミスト、蒸気の吸入を含む。呼吸組織の保護方法を知ることは大変重要である。

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呼吸器の保護 -リスク-

肺のダメージ  危険物質の吸入は、肺のデリケートな組織にダメージを与える。ダメージを与えられた肺は呼吸器官の病気になりやすい。これらの病気は治らないことがあり、やがては死に至ることもある。呼吸器保護は重要な問題である。

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呼吸器の保護 -リスク- 呼吸器に関連する潜在危険源

煙  煙は炭素を含む物質の不完全燃焼で生じる微粒子でできている。煙は、製造過程の一部で高熱または燃焼を必要とするプロセス中にしばしば生じる。

ガス  ガスは室温で空気伝達となる物質である。ガスは臭いがあるものもあるが多くは無臭である。見えるガスもあるが見えないガスもある。ガスは空気より重いか軽いが、どちらの場合も、広範囲に拡散する。

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呼吸器の保護 -リスク- ミスト   ミストは空気中に浮遊する液体物質の非常に小

さい雫である。これらはスプレーやコーティング作業で生じる。

霧   霧は、小さな空気伝達粒子や小滴に凝縮された蒸気である。危険な霧の例は殺虫剤である。

蒸気   蒸気は固体または液体の物質が蒸発して発生す

る。有機溶剤は室温で容易に蒸発する物質の例である。

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呼吸器の保護 -リスク-

粉じん(ダスト)   粉じんは固体物質の微細な粒子である。粉じんは研磨やグラインド作業で発生する。

ヒューム   ヒューム(煙霧)は、金属、プラスチック、ポリマーが溶接、切断、はんだづけ作業の間に高温となるときに生じる。

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呼吸器の保護 -リスクコントロール - エンジニアリング・コントロール  エンジニアリング・コントロールは次の優先順位にて検討するべきである。 有害な化学物質を使用しない、または健康影響の低い

物質に代替する。薬品洗浄を純水洗浄に転換する、塗料を油性から水性に代替するなどの例がある。

発生源を密閉化する。 発生源の可能な限り近くで捕捉するよう、局所排気装

置を設置する。局所排気装置は設計やメンテナンスの不良により、排気風速が不足し、有効に機能していないケースが多く注意が必要である。

全体換気する。

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呼吸器の保護 -リスクコントロール -

呼吸器 PPE 呼吸器 PPE の種類

  呼吸器 PPE は PPE の中でも生命に直結する重要な PPE の一つである。マスクには主に 2 つの種類がある。

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呼吸器の保護 -リスクコントロール - 空気浄化呼吸器   カートリッジやキャニスターを用い、呼吸する空気を浄化

するマスクで次を含む。 使い捨て粉じんマスク 空気浄化半面マスク 空気浄化フルフェイスマスク ガスマスク 送気空気浄化マスク

空気供給マスク   圧縮空気タンクや外部の空気供給につながれたマスク。

エアラインマスク ライフゼム Self-contained breathing apparatus (SCBA)

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呼吸器の保護 -リスクコントロール -

呼吸器 PPE の選定   適切なマスクを選ぶ最初のステップは、作業する環境によって問題となる危険のレベルを確認することである。次の 4 つの基本事項を明確にしなければならない。 どの種類の汚染物質が存在するか? 汚染物質の形状は何か? 汚染物質はどれくらいの毒性か? 汚染物質の濃度は?

  これらの決定においては作業環境測定など、測定データに基づき専門家による評価が必要となる。また、この決定には PPE メーカーのデータが役に立つ。

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呼吸器の保護 -リスクコントロール -

呼吸器保護プログラム   米国では、呼吸器の保護については次のような管理

プログラムを作成し、運用することが必要である。( OSHA 呼吸器保護プログラム) マスクの使用と選択を決定する SOP (標準作業手

順) 暴露レベルを測定する作業環境調査 健康診断と評価 フィットテスト 着用者の訓練 定期的なメンテナンス、クリーニング、消毒 適切な保管

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呼吸器の保護 -リスクコントロール -

フィットテスト  米国では、マスクが個々の着用者に適合

するためにフィットテストを義務付けている。これは如何に捕集効率の良いマスクを用いてもフェイスピース(面体)を顔の間から漏れては意味がないからである。

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呼吸器の保護 -リスクコントロール -

事業者は、従業員に対しマスクを支給する前に、使用するものと同じ種類、モデル、様式、サイズのマスクでフィットテストを行わなければならない。 最初のマスク使用前 最低でも年 1 回 異なるマスクフェイスピースが使用されるとき マスクの装着に影響のある身体状況の変化を見つ

けたとき(顔の傷、歯の変化、美容手術、明らかな体重の変化等)

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呼吸器の保護 -リスクコントロール -

フィットテストには、 OSHA の認める QLFT (定性テスト)または QNFT (定量テスト)がある。 QLFT は、苦味や甘みの雰囲気中でマスクを着用し、苦味や甘みの臭いまたは味を感じたらフィットしていないと判定する。

QNFT は、ダスト濃度計によりマスクの内外のダストを測定し、透過率によりフィット性を判定する。

どちらの場合も静止状態のみでなく、歌を歌うなど頭と顔の運動、ジャンプなど全身の運動時の漏れについてもテストする。

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呼吸器の保護 -リスクコントロール -

フィットテストの結果、そのマスクの着用が受け入れられない場合、別のマスクフェイスピースを選び、再テストする。

フィットテストは記録を残す。

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呼吸器の保護 -リスクコントロール - 呼吸器 PPE の監視

  作業時には、呼吸器 PPE が十分に機能していることをチェックしなければならない。次のときにマスクが機能していないことがわかる:

汚染物質の臭いまたは味がする 呼吸が困難になる めまいまたは気分が悪くなる フィルターやカートリッジの製造者が推奨する有効期限が過ぎている

マスクに損傷がある   完全に機能しないマスクを使用し続けることは絶対に避け

なければならない。

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呼吸器の保護 - PPE の保守管理 -

クリーニングと消毒  事業者は各マスク使用者に清潔、衛生的

で、完全に機能するマスクを提供しなければならない。個々の従業員に支給したマスクの清掃と保管は、その従業員の責任である。

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呼吸器の保護 - PPE の保守管理 -

次により、マスクが清潔にされ消毒されることを確実にする。

標準作業手順 SOP の作成 クリーニングと消毒用の機材の常備

マスクは次の場合に清潔にされ、消毒する。 個人用マスクは、清潔な状態を保つためによく洗い、消毒する。

緊急時の使用のために維持されるマスクは、各使用後に洗い、消毒する。

フィットテストまたは訓練で使用されるマスクは、各使用後に洗い、消毒する。

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呼吸器の保護 - PPE の保守管理 -

マスクの点検  マスクは次のとおり点検する。

日常的に使用される全てのマスクは、各使用前と清掃の間に点検されなければならない。

緊急時の使用のために維持された全てのマスクは、最低月 1 回と製造者の指示に従い点検されなければならない。また各使用前後に適切な機能のために点検されなければならない。

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呼吸器の保護 - PPE の保守管理 -

マスクの点検は次の事項を含む。 マスクの機能、接続の堅さ、フェイスピース、ヘッドストラップ、バルブ、接続チューブ、カートリッジ、キャニスター、フィルターを含む各部分の状態の点検

空気ボンベ式呼吸装置は月 1 回点検し記録する。空気ボンベは完全に満たされた状態で維持され、製造者の推薦圧力レベルの 90%に圧力が落ちた場合に再補充が必要である。責任者は調節装置と警告装置の機能を適切に測定する。

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呼吸器の保護 - PPE の保守管理 -

マスクの保管  マスクは次のとおりに保管する

全てのマスクは損傷、汚染、ほこり、日光、極端な気温、過度の温度・湿気、有害な化学物質を避けて保管する。

フェイスピースと呼吸バルブの変形を防ぐよう保管する。

緊急マスクは作業場で利用しやすい状態で保管する。また、明確に表示する。

その他、製造者の指示に従う。

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呼吸器の保護 - PPE の保守管理 -

マスクの修理 点検等により欠陥が発見されたマスクは次の手順に従

い、処分、修理または調節する。 マスクの修理または調節は、適切に訓練された人物に

よってのみ行われ、マスク製造者の承認部品のみを使用する。

修理は製造者の指示に従い、自社にて修理が可能な範囲に限定する。特に調節装置、アラームは製造者または製造者によって訓練された専門家によってのみ調節または修理される。