1. なぜ1週間前に地震を予知できるのか 早川教授と早川地震電磁気研究所の地震予知メカニズムについてお話します。 1. なぜ地震予知ができるのか? 地震を予知するには地震の前兆現象、先行現象を捕捉しなければなりません。かねてより早川教授は、巨大エネルギーをともなう大地震の発生を次のように考 えていました。 それは、「地震は突然発生するものではなく、発生前にこの巨大なエネルギーに誘発されて何かしら変化が起こるはずだ。その変化(前兆現象) を見つけることができれば地震発生を予知できるのではないか」というものでした。 元々早川は、名古屋大学空電研究所(現在の太陽地球環境研究所)で大気圏や宇宙から到来する電磁波の研究をスタートさせました。電気通信大学 に移ってからは研究フィールドを地球温暖化や地磁気嵐など電波を使った地球環境に広げました。そうした中、阪神淡路大震災の前に電波に顕著な異常が出て いたことを発見。この発見こそが早川教授が求めていた前兆現象の最初の 1 例でした。その後、約 20 年間電波の異常と地震発生の因果関係を調べました。 その後も中越沖地震やスマトラ沖地震など巨大地震の前に電波異常を観測するなど、こうした観測結果を 2010 年世界有数のアメリカ地球物理学会に論文発 表しました。 マグニチュード 5.5 以上の浅い地震の前には電波に異常が発生する そして、この電波を使った地震予知技術を特許として登録しました。 特許第 4867016 号を取得 こうした⾧年の研究により一度は降ろした地震予知に再び光が当たり、電波による地震予知という新しい学問が拓かれました。いまでは多くの研究者の間では、 大地震の前に必ず電離層擾乱(乱れ)が発生し、電波に異常を及ぼすという理論は定説になっています。