当地の様子スペイン語で「赤道」を意味する国名の通り赤道上に位置する国エクアドル。本校のあるグアヤキルは、赤道の南半球側にある国内最大の商業都市かつ港湾都市である。バナナやカカオ等の特産品は日本へはもちろん世界中へ輸出されている。港には日本からの貨物を積んだ定期船も入港する。エクアドルと修好通商航海条約が締結された一九一八年に野口英世が研究のために訪れたのもグアヤキルだ。街の中にはヒデヨノグチ通りや銅像もあり、彼の名前は功績と共に広く知られている。日本とエクアドルの国交一〇〇周年を迎えた昨年はグアヤキル市内でもさまざまな文化交流イベントが開かれ、入場に大行列をつくる盛況を見せた。和食をはじめ、特に若い世代は漫画やアニメを通して、日本文化への関心がどんどん高まっているようである。現地の教育環境補習授業校での授業は週に一度だけなので、在留邦人の子どもは平日に私立の現地校やインターナショナルスクールに通う。インターナショナルスクールにはアメリカの認定機関に認められている学校や、国際バカロレアのディプロマを取得できる学校もある。私立校では実践的なマルチリンガル教育に力を入れている学校が多く、なかには小学校低学年のうちから公用語のスペイン語に加え、外国語の英語を授業で習得し、高学年になると第二外国語としてフランス語やドイツ語を選択させるなど、国際社会での活躍を念頭に置いていることがうかがえる学校もある。海岸地域と山岳地域では気候が大きく異なるため、新年度の開始時期にも違いがあるが、グアヤキルは四月に入学、二月に卒業と日本とほぼ同じだ。スポーツやクラブ活動も盛んなので、授業外でも同級生と多くの時間を共有し、週末には家族を交えた交流もある。エクアドルには幼稚園から高校までの一貫校も多いので、このような生活のなかで子どもたちは一生ものの友情を築く。温かい学校本校が誇るものといえば、人、環境、雰囲気の持つ“温かさ”だ。グアヤキルの人た36 月刊 海外子女教育 2019.12 Escuela Suplementaria de Japonés en Guayaquil 児童生徒数 幼=1人 小=6人 中=5人 エクアドル グアヤキル ★校舎外観グアヤス川沿いに広がるグアヤキル市の街並み AJALT (国際日本語普及協会)の協力で訪日し啓明学園 を訪問 海外校シリ ー ズ ●エクアドル● 補習授業校 グアヤキル