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河積の確保の工法比較①河川整備
●洪水を安全に流下させるためには、堤防整備や河道掘削により川の水を流す断面を
増やす必要がある。①河道拡幅案(高水敷掘削)、②河道拡幅案(低水路拡幅)、③堤
150m①河道拡幅案(高水敷掘削)
増やす必要がある。①河道拡幅案(高水敷掘削)、②河道拡幅案(低水路拡幅)、③堤防の嵩上げ案について比較検討した。
150m②河道拡幅案(低水路拡幅)
150m
保全 保全、移植・植樹伐採
150m
伐採 伐採
計画線
H.W.L
平水位平水位
H.W.L
計画線 平水位
低水路の拡幅
【工法の比較表】
平水位
高水敷の掘削 計画線
項 目 ①河道拡幅案(高水敷掘削) ②河道拡幅案(低水路拡幅)
河畔林 全ての樹木を伐採する。 一部伐採するが、多くの樹木の保全が可能。
【 法の比較表】
河畔林 樹木を伐採する。 部伐採する 、多く 樹木 保 可能。
低水路 現状のまま。緩流域、深場、浅場などの水際の変化など、多様な流れの復元が可能。
46
河 岸 一部を除き現状のまま。 片岸は現状のまま。
評 価 ○ ◎
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河川整備 河積の確保の工法比較②③堤防の嵩上げ案
流下断面が不足しているため
②河道拡幅案(低水路拡幅)155m150m
流下断面が不足しているため水位が上昇してしまう。
洪水時の水位
堤防の嵩上げ保全 保全、移植・植樹伐採 堤防の嵩上げ
洪水時の水位
従来の計画高水位
平水位保全 保全計画線
H.W.L
平水位
②河道拡幅案(低水路拡幅) ③堤防の嵩上げ案
【工法の比較表】低水路の拡幅
項 目 ②河道拡幅案(低水路拡幅) ③堤防の嵩上げ案
河畔林 一部伐採するが、多くの樹木の保全が可能。 樹木の保全が可能。
低水路緩流域、深場、浅場などの水際の変化など、多様な流れの復元が可能。
現状のまま
河 岸 片岸は現状のまま。 現状のまま
社会的影響
新たな用地の確保や既設橋梁の改築は必要ない。
洪水時の水位が従来の計画高水位よりも高くなり、破堤時の被害を拡大させてしまう。
新たな用地の確保や既設橋梁の改築(真橋、東橋)が影響 要 。 新たな用地の確保や既設橋梁の改築(真橋、東橋)が必要となる。堤防嵩上げが約2.2km必要となる。
評 価 ◎ △47
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河川整備 河道拡幅区間の河川環境について①
平成元年
工 事 前KP15.3付近
○川幅が狭い区間は、川の流れや水際の変化が少ない。
●川幅を出来るだけ広く確保し●川幅を出来るだけ広く確保し、河川の自由度を向上させるような断面形状とした。
ゆとりのある川幅とした
平成18年
ゆとりのある川幅とした
工 事 後KP15.6付近
48○川幅を広げた区間は、河道内に緩流域、深場、浅場ができ多様な流れができつつある。
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河川整備 河道拡幅区間の河川環境について②
工事前
(KP15.3)
護岸の変形が見られる 古い埋木が現れてきた護岸の変形が見られる(KP15.9)
古い埋木が現れてきた(KP15.3)
工 事 後
砂州の発生による蛇行(KP15.4) 中州の発生(KP15.2) 深場の形成(KP15.5)
砂州上ではタンチョウを確認(KP15.6)浸食された河岸でのカワセミの営巣(KP15.4) 緩流域では稚魚を確認(KP15.5) 49
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河川整備 河道拡幅区間の河川環境について③
平面形状の比較
低水路を拡幅した箇所 ●低水路を拡幅した箇所では、KP15 0~KP15 5 平成17年に施工横断①
横断②
低水路を拡幅した箇所 ●低水路を拡幅した箇所では、緩流域、浅場、深場が形成され、多様な環境となっている。
KP15.0 KP15.5 平成17年に施工
工事後の左岸
横断③
横断④
工事前の左岸H.W.L
平水位
低水路の拡幅
過去に高水敷を掘削した箇所 ●過去に高水敷を掘削し低水路に護岸を設置した箇所では、川の流れや水際の変化が少
KP17.0~KP17.4 昭和60年ころ施工
低水路の拡幅
川の流れや水際の変化が少なく、みお筋に変化はあるものの単調な環境となっている。
横断①
横断④ 横断③
横断②横断①
H.W.L
50※横断の測量は平成20年7月、魚類調査は平成20年7月と10月に実施
平水位高水敷の掘削
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河川整備 河道拡幅区間の河川環境について④
低水路を拡幅した箇所 過去に高水敷を掘削した箇所
魚類調査結果の比較 (調査年月:平成20年7月 9月)
●低水路を拡幅した箇所は確認された種数が多い。40
50
60低水路拡幅
高水敷掘削
魚類調査結果の比較 (調査年月:平成20年7月、9月)
●ウグイ属の稚魚やエゾトミヨなど緩流域を必要とするものが低水路を拡幅した箇所では多く確認されている0
10
20
30
されている。
●サクラマスの成魚が低水路を拡幅した箇所の深場で確認されている。
0
カワヤツメ
ウグイ属
フクドジョ
ニジマス
サケ(稚魚
サクラマス
サクラマス
アメマス
エゾトミヨ
イバラトミ
51
メ属(幼生)
(稚魚)
ョウ
魚)
ス(成魚)
ス(ヤマメ)
ヨ ミヨ
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河川整備整備計画
P.33~34標津川の治水対策①
河道拡幅の設定について-河道拡幅の設定について-
●拡幅部以外の河畔林を保全する。●拡幅部以外の河畔林を保全する。●水際の変化や深場・浅場の復元を図る。
河畔林の保全 河畔林の保全
河岸侵食防止対策 河川
平水位
掘削
河川
H.W.L
既設護岸 区域捨石工
川区域
深場・浅場の復元
既設護岸工
河道拡幅 標準断面図(KP16.3)
52
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河川整備 整備計画P.33~34
標津川の治水対策②-河道拡幅について-
●必要な川幅は、目標流量(590m3/s)を安全に流すために治水上必要な河道の断面を確保するよう設定する。
ダ など良 な 畔林を 部保全 流部 畔林 維持管 き
河道拡幅について
●ハルニレ・ヤチダモなど良好な河畔林を一部保全し、上流部の河畔林の維持管理(間引き等)をする事により、赤色のラインに示すような必要最小限拡幅する計画とする。●河道内では緩流域、深場、浅場の復元に努める。
ハルニレ、ヤチダモなどの河畔林を一部保全する。
堤防(計画)
掘削線
水際の変化や流れの多様性の復元に努める。
53
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河川整備 標津川の将来イメージ ①
54
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河川整備 標津川の将来イメージ ②
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河川整備整備計画
P.33~34河畔林の整備①-多様な河畔林の復元-
●河道内の保全区域や樹木の移植・植樹区域を確保する。
多様な河畔林の復元
密度管理裸地等へ移植・植樹
河畔林の保全
河畔林の保全
平水位河川
H.W.L
56河畔林整備の概念図(KP16.4)
河川区域
川区域
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参考資料整備計画
P.33~34河畔林の整備②-多様な河畔林の復元--多様な河畔林の復元-
整備例河道掘削後の現況写真 (平成18年7月撮影)
●下流の植樹可能区域では、計画的に植樹を行 ます
俵橋真橋
を行っています。
57
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河川整備整備計画
P.33~34既設堤防の補強
●中標津町市街地の既設堤防の安全性が確保されていない区間については、腹付け盛土等の堤防強化対策を行う腹付け盛土等の堤防強化対策を行う。
*堤防補強区間の位置等については
堤防補強区間
*堤防補強区間の位置等については、詳細検討により決定する。
既設堤防既設堤防
58堤防補強の標準断面図
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河川の適正な利用及び流水の正常な機能の維持に関する事項
整備計画P.35
河川整備
機能の維持に関する事項
●流水の正常な機能を維持するために必要な流量として、俵橋地点において概ね5m3/sを確保することを目標に、用水の安定供給、動植物の生息・生育環境の保全等に努める。
合流
養魚
タワラ
KP5.4
標津川
オホ│ツク海
流点地点
俵橋
KP14.0 マスミ川
魚用水
マッ
プ川
海武佐川
標津共成川
河口~KP1.7(うらい)感潮区間であり正常流量は設定しない
10
流量(m3/s) 動植物の生息または生育、漁業
流水の清潔の保持
景観
合流点地点 概ね7m3/s
俵橋地点 概ね5m3/s
5
流
流量縦
0
0 5 10 15 20河口からの距離(km)河口~KP1.7(うらい)
感潮区間であり正常流 流量縦断図
59
流量縦断図感潮区間であり正常流量は設定しない
流量縦断図
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標津川水系河川整備計画【知事管理区間】(原案)について
流域及び 河 概要流域及び 河 概要流域及び 河川の概要流域及び 河川の概要
河川整備の現状と課題河川整備の現状と課題
河川整備計画の目標河川整備計画の目標
河川整備河川整備
維持管理維持管理
60
維持管理維持管理
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河川維持の種類整備計画
P.36維持管理
●平常時は定期的に河川巡視を行う
河川の巡視及び点検
●平常時は定期的に河川巡視を行う。●出水時は降雨や河川水位の状況から、河川巡視を行う。●出水後、河川巡視を行い、必要な対策を講ずる。
床 低 が 管 支障となる場合 適切な処 を行う
河道の維持
●河床の低下が、河川管理上の支障となる場合には、適切な処理を行う。●土砂が堆積して治水上支障となる場合は、掘削等の対策を講ずる。●魚道など河道の連続性を確保する。
伐採、草刈による維持
●河道内の樹木については、モニタリングを行い、治水上支障となる場合は、必要に応じ樹木の密度管理(間引き等)を行う応じ樹木の密度管理(間引き等)を行う。
●堤防法面等については、堤防機能を維持するために草刈を行う。
地域と協力した除草(タワラマップ川)
61
地域と協力した除草(タワラマップ川)
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河川の情報の提供、地域や関係機関との連携などに関する事項
整備計画P.37
維持管理
地域や関係機関との連携などに関する事項
河川にかかわる調査・研究などの推進
●必要に応じて河川周辺の地形調査(河道形状、河床材料等)や環境調査(水質、魚類、鳥類、植生等)を行う。
●できるだけ自然の復元力を活かしていくような方策をとる●できるだけ自然の復元力を活かしていくような方策をとる。●事業実施による自然の反応をモニタリングし、その状況に応じた順応的管理を行う。
河川情報の提供の促進
●河川工事の実施にあたっては、地域住民、関係機関に対し工事概要の説明を行う。
●洪水時には雨量・水位等の情報を関係機関へ迅速に提供し、円滑な水防活動の支援
情報 提供 促進
を行う。●浸水想定区域図の公表やハザードマップの作成を支援する。●河川事業の紹介・河川愛護・美化に関する広報活動・情報提供を行う。事業 紹介 愛護 美 関す 広報活動 情報提供を行う。
地域や関係機関との連携
●住民参加 よる川づくりや植樹会 開催 努める●住民参加による川づくりや植樹会の開催に努める。●子供達への環境教育の場の提供に努める。●水質事故が発生した場合、事故処理等を原因者および関係機関と協力して行う。
62
●災害発生時には、自治体や地元建設業者等と連携し、災害の拡大防止や被災施設の早期復旧を図る。