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電気設備の高調波診断技術の 開発と応用 アルカディア・システムズ株式会社 新田純也 シンビオ社会研究会 吉川榮和 2019724-262019年保全学会学術講演会 青森
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May 24, 2020

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電気設備の高調波診断技術の開発と応用

アルカディア・システムズ株式会社 新田純也

シンビオ社会研究会 吉川榮和

2019年7月24-26日2019年保全学会学術講演会 青森

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目次

1.序論

2.高調波診断とは

3.実例による高調波診断方法の説明

4.高調波診断技術の応用

5.高調波診断技術の未来

6.結び

2019年7月24-26日2019年保全学会学術講演会 青森

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1.序論

現在産業界で広範に利用されている電気設備保全の課題

• 保全業務の技術継承が困難(高齢化、属人的作業)

• 劣化部品の交換など表面的な対処が主体

• 専門的で時間のかかる点検が必要な設備が存在

• 記録作業が煩雑

• 機器停止が必要で、繁忙期の点検作業は困難

• 交換部品が入手しにくい老朽化設備の存在

• 上記を解決し、保全業務を効率化する高調波診断技術による予知保全

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2.高調波診断とはー高調波とは

• 商用の場合、関東50HZ、関西60HZ(基本波)の整数倍の周波数を持つ波を言う

• 2次高調波とは100HZ(120HZ)の周波数の波

• 3次高調波とは150HZ(180HZ)の周波数の波

• 基本波及び3次の高調波、5次の高調波、それらの合成波を右に示す

• 実際の電気機器には基本波とは波の形が違う様々な高調波成分を含んだ合成波が流れる

• 通常の電気機器の使用では高調波成分が多いと様々な故障をもたらすので電源の高調波を抑制する対策が講じられる

• 高調波診断技術はこのような高調波成分に着目して電気機器の設備診断に活用する方法である

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2.高調波診断とはー高調波診断法

• 高調波診断技術は、電気設備の電源電流に重畳される2次から40次までの高調波を利用して、設備を止めずに診断する技術である。

• この方法の実用化は、高 博 により10年以上の歳月をかけて1万台以上の設備の高調波を測定し、設備を分解・検証した結果判明した電気設備の劣化箇所・劣化度合と高調波成分の

比率についてデータを集積し、そのデータベースに基づいて有意な相関関係を導出する基礎

研究に基づいている

• 具体的には集積したデータベースに多変量解析の主成分分析を適用し、「寄与率表」を生成するものである (解析に用いられたデータは3万7千件に及ぶ)

• 次ページ以降に、モータ本体、その負荷側、およびインバータ側における様々な部位の劣化事態における第一主成分(最も大きな高調波成分)と各高調波成分の寄与率と高調波成分の総

和の寄与率を示す

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モータ部の寄与率表(劣化部位と高調波成分) 【交流設備用】

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負荷部の寄与率表(劣化部位と高調波成分) 【交流設備用】

図2-2 2019年7月24-26日2019年保全学会学術講演会 青森

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インバータ部の寄与率表(劣化部位と高調波成分) 【交流設備用】

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2.高調波診断とはー高調波の次数とモータ部・負荷部の各部位との相関

• モータのロータに供給される3相交流がサーチコイルで測定するモータ軸、カップリングや歯車、

これらを介して負荷側に動力が伝達される各部位での劣化により生じる第一次成分とその他

の大きな高調波および劣化事象を次ページの図に示す。

• 図中、モータから負荷側へ左から右に見ると各部位の第一主成分が昇順に並んでいる

• 図の下部には、左から右にモータから負荷側で異常の生じうる各部位の名称を示す

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高調波の次数とモータ部・負荷部の各部位との相関

INPUT

2次4次3次5次

3次5次2次4次

4次2次3次6次

5次3次4次2次

7次10次9次8次6次

8次7次9次10次6次

9次8次7次10次6次

10次7次8次9次6次

OUTPUT

OUTPUT

測定箇所

▲反負荷側の軸受・ペアリング

▲据付・基礎・ベース

▲回転軸(回転子軸心)

▲巻線の絶縁

▲振動(電流不平衝)

▲負荷側の軸受

▲ハウジング

▲エアギャップ

▲回転軸(長軸の場合)

▲振動(軸心)

▲連結・カップリング

▲軸アンバランス

▲軸受・ベアリング

▲回転軸

▲接触部・バルブ磨耗

▲歯車・ベルト系

モータ部 負荷部

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2.高調波診断とはー高調波診断法の特徴

• 高調波診断技術は、非接触・活線診断が大きな特徴であり、フェライトのコアにコイルが1500巻きされたサーチコイルで電源ケーブルの漏れ磁束を測定する。そしてこの測定は制御盤で高調波を測定するため、水中ポンプや天井ファン等のアクセスが困難な設備も簡単・安全に診断することができる。勿論設備を停止する必要はない

• 軸の曲がりと絶縁劣化、発熱と軸受のグリス溶け出し等のように電気系の劣化と機械系の劣化とは密接に関連していることは広く知られているが、高調波診断技術によれば、機械系部位のみならず、電気系部位の設備の劣化診断が可能で、特に、汎用インバータの診断は、高調波診断技術だけが可能である。

• 高調波診断技術は「統計データ」に基づく診断技術のため、物理モデルのように原理原則により劣化現象を説明できないが、データのN数を増やし統計的に優位な相関が見いだせれば、現在は診断できない設備も将来は診断できるようになる。実際、この高調波診断技術が初めて登場した頃は、交流設備しか診断できなかったが、その後「電源トランス」や「コンデンサー」の診断まで可能になったのは、加速試験によりデータを増やして有意な相関が見いだされたためである。

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設備 対象 診断項目 主な異常・劣化原因

回転軸・軸受・据付け 回転子の偏心、据付け不良、反負荷側軸受損傷

巻線の絶縁(相関/層間)・振動 相関/層間絶縁の不良、電圧不平衡、熱振動

軸受・ハウジングの損傷 負荷側軸受損傷、ハウジングのガタ

エアギャップ不均一・振動 塵埃付着、回転子の偏心、熱・流体振動

カップリング異常・軸アンバランス 軸の摩耗、アンバランス、カップリング、ベルトのゆるみ

軸受損傷・異物付着 軸受の損傷、負荷内部の異物混入・付着

回転軸異常・バルブ摩耗 軸不良、吐出バルブ摩耗、負荷内部の異物付着

歯車・ベルト系損傷 歯車、クラッチ、ベルトの損傷

平滑(電界)コンデンサ 脈流高調波、負荷変動

コントロール基板 電界コンデンサ、コンデンサ、抵抗の変化

電力素子 整流素子、逆変換素子の劣化

ドライブ基板 コンデンサ、抵抗の変化

交流設備

モータ

負荷

インバータ

診断可能な設備と部位及び主な異常・劣化原因ー 交流設備 ー

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設備 対象 診断項目 主な異常・劣化原因

回転軸・軸受・据付け 回転子の偏心、据付け不良、反負荷側軸受損傷

ブラシ・整流子・巻線の絶縁、振動 相関/層間絶縁の不良、電圧不平衡、熱振動

軸受・ハウジングの損傷 負荷側軸受損傷、ハウジングのガタ

エアギャップ不均一・振動 塵埃付着、回転子の偏心、熱・流体振動

カップリング異常・軸アンバランス 軸の摩耗、アンバランス、カップリング、ベルトのゆるみ

軸受損傷・異物付着 軸受の損傷、負荷内部の異物混入・付着

回転軸異常・バルブ摩耗 軸不良、吐出バルブ摩耗、負荷内部の異物付着

歯車・ベルト系損傷 歯車、クラッチ、ベルトの損傷

平滑(電界)コンデンサ 脈流高調波、負荷変動

コントロール基板 電界コンデンサ、コンデンサ、抵抗の変化

電力素子 整流素子、逆変換素子の劣化

ドライブ基板 コンデンサ、抵抗の変化

直流設備

モータ

負荷

コンバータ

診断可能な設備と部位及び主な異常・劣化原因ー 直流設備 ー

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設備 対象 診断項目 主な異常・劣化原因

巻線(相関/層間)の絶縁、振動 巻線の絶縁劣化、巻線の局部加熱(振動)、電磁振動(鉄心)

効率・発熱・絶縁油、振動 絶縁油劣化、渦電流損、発熱、振動現象による効率低下

誘電体の絶縁 誘電体の絶縁劣化

静電容量、発熱 静電容量抜け、誘電体損失の増加

設備 対象 診断項目 主な異常・劣化原因

回転軸・軸受・据付け 回転子の偏心、据付け不良、反負荷側軸受損傷

巻線の絶縁(相関/層間)・振動 相関/層間絶縁の不良、電圧不平衡、熱・流体振動

軸受・ハウジングの損傷 負荷側軸受損傷、ハウジングのガタ

エアギャップ不均一・振動 塵埃付着、回転子の偏心、熱・流体振動

カップリング異常・軸アンバランス 軸の摩耗、アンバランス

軸受損傷・異物付着 軸受の損傷、負荷内部の異物混入・付着

回転軸異常・接触部摩耗 軸不良、接触部摩耗

連結部異常 カップリング部異常、偏心

平滑(電界)コンデンサ 脈流高調波、負荷変動

コントロール基板 電界コンデンサ、コンデンサ、抵抗の変化

電力素子 整流素子、逆変換素子の劣化

ドライブ基板 コンデンサ、抵抗の劣化

UPS

コンデン

発電機

無停電

電源

電力用

トランス

電力用コン

デンサ

発電機

トランス

原動機

(ディーゼ

ル・タービ

ン)

診断可能な設備と部位及び主な異常・劣化原因ー その他電力設備 (ケーブルは省く、論文中にあり)ー

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3.実例による高調波診断方法の説明

•正常時の高調波と異常・劣化時の高調波の比較

• 反負荷側のモータ軸受け

• モータの巻き線

• インバータの電力素子

上記3つの診断事例を次ページ以降に示す電気設備の正常、異常の判断や劣化程度に関する指数などのパラメータの計算方法は、

論文の4章に記載しているが、PPTでは省略する

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反負荷側軸受(正常品と異常・劣化品)の比較

指数=Hn/THD(Hn:第n次高調波含有率、THD:総合歪み率)

高調波次数 2次 3次 4次 5次 PTHD

寄与率指数 0.944 0.154 0.274 0.103 58.29

ポンプ高調波次数 2次 3次 4次 5次 THD

(正常品)高調波含有率(%) 3.1 2.6 1.3 2.1 9.7

指数 0.32 0.269 0.13 0.216 ー

ポンプ高調波含有率(%) 2.7 1.4 1.1 2 4

(軸受劣化品)指数 0.675 0.35 0.275 0.5 ー

基準値

2019年7月24-26日

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反負荷側軸受(正常品と異常・劣化品)の比較

2次

5次

4次

3次

基準(PTHD) 軸受劣化品 正常品

球磨耗

キズ2019年7月24-26日

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モータ巻線(正常品と異常・劣化品)の比較

高調波次数 2次 3次 4次 5次 PTHD

寄与率指数 0.107 0.933 0.076 0.336 65.41

ファン高調波次数 2次 3次 4次 5次 THD

(正常品)高調波含有率(%) 8.2 9 3.9 2.6 25.7

指数 0.319 0.351 0.152 0.101 ー

ファン高調波含有率(%) 9.8 206.3 7.8 15.7 207.7

(巻線劣化品)指数 0.047 0.993 0.036 0.076 ー

基準値

2019年7月24-26日

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モータ巻線(正常品と異常・劣化品)の比較

絶縁劣化

レアショート(測定1.5ヶ月後)

2次

5次

4次

3次

基準(PTHD) 巻線劣化品 正常品

2019年7月24-26日

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インバータ電力素子(正常品と異常・劣化品)の比較

高調波次数 2次 3次 4次 5次 6次 7次 8次 9次 10次寄与率指数 0.096 0.511 0.064 0.415 0.064 0.543 0.064 0.064 0.064高調波次数 2次 3次 4次 5次 6次 7次 8次 9次 10次高調波含有率(%) 6.9 1.8 2.1 2.2 2.6 4 2.3 1.6 0.9指数 0.638 0.167 0.194 0.204 0.241 0.37 0.21 0.148 0.083高調波含有率(%) 12 20.3 6.2 10.5 3.7 6.9 3.2 2.8 1.6指数 0.415 0.7 0.215 0.363 0.128 0.239 0.111 0.096 0.055

高調波次数 11次 13次 17次 19次 23次 25次 38次 PTHD寄与率指数 0.192 0.128 0.224 0.16 0.16 0.192 0.224 31.29高調波次数 11次 13次 17次 19次 23次 25次 38次 THD高調波含有率(%) 2 1.4 0.7 0.6 0.7 1.6 0.2 10.8指数 0.185 0.13 0.065 0.056 0.065 0.148 0.019 ―高調波含有率(%) 3.2 2.7 2.1 1 0.5 1.3 0.3 28.9指数 0.111 0.073 0.224 0.035 0.16 0.045 0.01 ―

2019年7月24-26日

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2019年保全学会学術講演会 青森

インバータ電力素子(正常品と異常・劣化品)の比較

2次

38次

25次

23次

19次

17次

13次

11次

10次

9次

8次

7次

6次

5次

4次

3次

電力素子基準(PTHD) 電力素子劣化品 正常

電力素子損傷(測定1ヵ月後)

2019年7月24-26日

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4.高調波診断技術の応用

• 可搬型の診断器

• 有線方式の状態監視システム化

• ユーザへの診断結果の表示

• 異常・劣化の基準は、故高博により経験的に設定されたもので“属人的”、現状で診断精度は

平均90%である。(異常部位が電源から遠ざかるほど主成分高次高調波の検出精度が悪くな

るため見えにくくなる)

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KS-2000A・KS-3000A

高調波診断技術を応用した予知保全の診断装置

KSシリーズは、設備の状態を把握するセンシング技術と、異常を予知するための解析技術を、電流や電流中の「高調波」を詳細に分析・診断し、数値化し、評価する診断器です。

◆導入後における設備計画延命・更新立案に有効なデータを保全業務の中で効率良く収集が可能です。

◆定期点検の効率化が可能です。限られた時間内で必要な処置を確実に実施することが可能となるため、設備保全の品質の向上が可能です。◆データ収集により、設備の経年変化や環境変化に応じた対応が可能となるため、機械設備の予防保全と設備の延命化・性能の向上が計画的に実現されます。

◆保守コストの軽減化技術的なスキルを必要とせずに計測が可能なため、高い技術の保守要員を必要としません。

◆活線診断が可能設備停止を行わないため、調査が可能です。活線状態でしか測定できない劣化症状(過熱、放電現象、漏れ電流など)調査も可能です。

◆予防保全・予知保全が可能異常状態・劣化状態の前兆を検知できるので、故障予測が可能です。

【基本的な特徴】

【導入のメリット】

KS非接触型電気設備機器診断器

seriesKS-2000A・KS-3000A

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2019年保全学会学術講演会 青森

高調波診断技術を応用した状態監視システム

A/D変換器 128MPX 10CH補正回路 nKS2000

高調波センサー

メール

異常発生時メール受信

2019年7月24-26日

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「劣化診断結果報告書」のサンプル例

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5.高調波診断技術の未来• 高調波センサーの無線IoT化

• サーチコイルの出力をFEP-AMPに入れ 10KHzサンプリングにて12ビットでAD変換する。

• このデータを920MHzにて中継器(小型FAPC)へ送信する。

• 中継器では

①時間軸の粗データ

②周波数軸でのFFTデータ (中継器にて計算処理する)

③高調波含有率にしたスペクトルデータ (中継器にて計算処理する)

の3種類のデータを高調波診断サーバーに転送する

• 高調波診断サーバーのAI化

• 高調波含有率に基づく高調波診断を実行

• 時間軸データ、周波数軸データはそれぞれ、AIの機械学習に掛け、学習させる。

2019年7月24-26日2019年保全学会学術講演会 青森

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AI化(機械学習)手順の構想

2019年7月24-26日2019年保全学会学術講演会 青森

• 電気設備診断に於いて

• ①「正常な設備の波形」、「劣化した設備の波形」と「タグ」を付け、AI(機械学習器)に読み込ませる。その時、「高調波の大きさを特徴量」として学習器に入力する。すると、未だ読み込んでいない「設備波形」にであったとき、「正常設備」か「劣化設備」かを「区別」できる様になる。

• ②「機械系部位が劣化した設備の波形」、「電気系部位が劣化した設備の波形」と「タグ」付けし、AI(機械学習器)に波形データを読み込ませる。この時、「奇数次高調波の大きさと偶数次高調波の大きさを特徴量として学習器に入力する。すると、「機械系部位が劣化した設備」か「電気系部位が劣化した設備」かを「区別」できる様になる。

• ③ある程度機械学習が進むと、「特徴量」を指示しなくとも、AI(機械学習器)が特徴量を見つけ出し区別できる様になる。

• また、将来的には、今後収集される、「漏れ磁束の電圧データ波形」やそれを処理した「FFT波形」を「ディープラーニング」を使用して、効率的に学習させることも検討している。

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センサ 子機 親機 中継器 インターネット サーバー

親機10台まで接続可能・サンプリングデータ・FFTデータ・高調波データをインターネットを介してサーバへ送る

6ch

子機FEP-AMP

親機FEP-AMP

中継器

サンプリングデータ

FFTデータ

高調波含有率データ

センサー6台まで接続可能10kHz、12bitA/D変換

子機5台まで接続可能

センサーはクランプタイプ

無線LAN 920MHz帯

高調波センサー無線化+ビックデータ蓄積+AI高調波診断(機械学習)

ゲートウェイ

大容量HD

AI高調波診断(機械学習)

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6.結び

• 本論文では、各種電気機器の劣化診断を現場で非接触、短時間測定で容易に保全要員が実

施できる高調波診断技術の基本原理と応用製品、将来の技術展望をまとめた。

• 高調波診断技術は、2017年に他界した高 博 が生前に30年に渡り、基礎研究からフィールド

ワークを重ねて確立した日本発の設備診断技術である。

• 第一著者の属するアルカディア・システムズはその技術を受け継ぎ、状態監視システム

HAMOSを試作開発した。

• 今後は新たにIOT無線化技術とAI技術を付加し、より診断精度を高め予知保全技術の普及に

貢献したいと考えている。この予知保全技術が、各社が抱える「保全の問題点」を解決する有

効なツールとなることを期待している。

2019年7月24-26日2019年保全学会学術講演会 青森

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7.謝辞

• 本論文を作成するに当たり、とりわけ高調波診断技術の高機能化を目指す、AI

(機械学習器)化への手順に関しご指導頂いた、京都大学大学院教授下田宏先生

に心より感謝申し上げます。

2019年7月24-26日2019年保全学会学術講演会 青森

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ありがとうございました

2019年7月24-26日2019年保全学会学術講演会 青森