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平成 30 年度 スーパーグローバルハイスクール 研究開発実施報告書(第 5 年次) 福井県立高志高等学校
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平成 30 年度 スーパーグローバルハイスクール 研究 …...② 海外留学・海外研修支援 海外留学支援の一つとして、各関...

Jul 16, 2020

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  • 平成 30年度

    スーパーグローバルハイスクール

    研究開発実施報告書(第 5年次)

    福井県立高志高等学校

  • は じ め に

    校長 平 松 正 尚

    平成 26 年 4 月に文部科学省からスーパーグローバルハイスクール(SGH)の指定を受け早 5

    年が経過しました。研究開発名は「ふくい発、東アジアの発展と希望に貢献するグローバル・リー

    ダーの育成」と設定しました。SGHに関する学校設定科目として「グルーバルリテラシー」「グ

    ローバル英語Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」「アジアの歴史・経済」「アジアの自然・文化」を設定し、「グローバ

    ル探究」における課題研究をサポートしてきました。

    課題研究の取り組みについては試行錯誤の連続でした。当初、課題研究の成功の鍵を握るテーマ

    設定を限定せず、生徒に自由に計画させていました。このためテーマが広範囲で漠然としており、

    研究が深まらず、教員側も幅広いテーマに対応できませんでした。

    そこで 3、4年目からは福井経済同友会様の御協力をいただき、「ビジネス」「教育」「幸福度」

    等メインテーマの絞り込みを行いました。同時に指導にも加わっていただきましたところ、課題研

    究の深まりや指導体制の充実といった成果が得られました。

    その一方、課題研究のグループ間に連携がなく、ばらばらに活動しているとの意見も出されまし

    た。そこで、最終年度となった本年度は、「世界に発信!高志高生がつくる福井の未来」という学

    年共通のテーマを設定し、「観光・インバウンド」「イベント」「伝統・文化」「産業」等の中か

    ら 1 つ選び課題研究に取り組むことで、連帯感を持たせるように改善しました。

    実はこの方針は、平成 30 年度からスタートした、第 4 期スーパーサイエンスハイスクール(S

    SH)の試みである、コアテーマ型課題研究とも連動しています。

    平成 31 年 2 月 18 日(月)に第 2 回運営指導委員会が開かれ、各委員の先生方から貴重な御意見

    をいただきました。それは、「課題研究では関心のあるテーマを設定する」「科学的検証や比較検

    証を充実させる」「各教科の授業改善や連携が課題研究に有効」さらに「課題研究の成功や失敗だ

    けに注目するのではなく、その過程で出された意見が大切」「SGH生として高志高校を卒業した

    先輩に備わったSGHの成果、および在校生への伝達」です。SGHは本年度で終了しますが、来

    年度以降もSSHの中で継続して課題研究を実施することになります。運営指導委員の皆様から頂

    きました御助言は、SSHの中で実現していきます。

    大学時代、私は連日ひたすら実験を行い、日々多数のデータを収集していました。先生の指示で

    行っていたわけですから、決して主体的なものではありませんでした。ただ、先生は私のデータを

    基に論文を作成し、発表されました。課題研究の成功は、実験やフィールドワークによって得たデ

    ータを用いて論を展開できているかどうかにかかっていると考えています。

    ところで、文部科学省は Society 5.0 に向けたリーディング・プロジェクトとして、WWL(ワー

    ルド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム構築支援事業を開始します。その事業概要は「将来、

    イノベーティブなグローバル人材を育成するため、高等学校等と国内外の大学、企業、国際機関等

    が協働し、高校生へより高度な学びを提供する仕組みを構築するとともに、テーマ等を通じた高校

    生国際会議の開催等や高等学校のアドバイスト・ラーニング・ネットワークの形成により、WWL

    (ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアムにおける拠点校を目指す。」となっています。

    全容は明らかではありませんが、今後注視していく必要があります。

    最後になりますが、本校SGHに対しまして御指導・御支援をいただいています大学、研究機関、

    企業、行政機関の関係者の皆様、さらに文部科学省、SGH運営指導委員会、福井県教育委員会の

    皆様方に心よりお礼を申し上げます。今後とも御指導をよろしくお願いいたします。

  • 目 次

    はじめに

    Ⅰ 研究開発の概要

    1 実施期間

    2 指定校名

    3 研究開発名

    4 研究開発の概要

    Ⅱ 研究開発の内容

    1 課題研究等の取組

    (1)教育課程内の取組

    ①SGH対象生徒の選考

    ②「グローバル探究」および「KoA-S」(総合的な学習の時間)の到達目標・評価基準

    ③1年生「KoA-S・Ⅰ」(学校設定科目)

    ア リレー講座

    イ 大学・企業との連携による単元開発

    ウ 京都大学大学院訪問

    エ 2年生課題研究発表会への参加

    オ 学習成果発表会

    ④2年生「グローバル探究」(総合的な学習の時間)

    ア テーマ設定(4・5月)

    イ 仮説の設定および調査・検証(6・7月)

    ウ グループ研究および外部指導者による指導(7~2月)

    エ 中間報告会(12月)

    オ 課題研究発表会(2月)

    カ 課題研究のまとめ(2・3月)

    ⑤2年生学校設定科目「アジアの歴史・経済」「アジアの自然・文化」

    ア 「アジアの歴史・経済」

    イ 「アジアの自然・文化」

    ⑥3年生「グローバル探究」(総合的な学習の時間)

    ア テーマ設定(4月)

    イ 探究活動・発表準備(5・6月)

    ウ 生徒研究活動発表会(7月)

    エ 各講座での探究活動(9月以降)

    (2)教育課程外における取組

    ①海外フィールドワーク

  • ア タイ研修

    イ ベトナム研修

    ウ オーストラリア研修

    ②国内フィールドワーク

    ア 東京研修

    2 英語力向上のための取組

    (1)学校設定科目

    ①「英語活用BE(Basic Expression)」

    ②「グローバル英語Ⅱ」

    ③「グローバル英語Ⅲ」

    (2)English Fun Time

    3 グローバルマインド向上のための取組等

    (1)全教科での授業改善

    (2)グローバル講演会

    (3)グローバルミニ講演会

    (4)海外校との連携・海外留学支援等

    ①海外の学校との連携

    ②海外留学・海外研修支援

    4 教員研修の実施

    (1)探究型学習に関する校内研修会

    (2)授業公開

    (3)先進校視察

    5 学習環境の整備

    (1)グローバルライブラリー

    6 成果の発信・広報

    (1)学校ホームページ

    (2)SGH NEWS

    (3)各種報告書等

    ①2年生SGH課題研究レポート集

    ②SGH研究開発実施報告書

    (4)研究会等での発表・学校視察の受入等

    ①筑波大学附属坂戸高等学校3年生卒業発表会

    ②SGHフォーラム

    ③SGH課題研究発表会

    ④第1回北信越SGHフォーラム

    ⑤全国スーパーグローバルハイスクール課題研究発表会(SGH甲子園2019)

    ⑥大阪大学「高校教員向け探究学習セミナー(基礎編)」における実践発表

    Ⅲ 目標の進捗状況、評価

    1 「グローバル探究」「KoA-S・Ⅰ」に対する生徒の評価

  • (1)1年生「KoA-S・Ⅰ」

    (2)2年生「グローバル探究」

    2 生徒の変容

    (1)意識の変容

    ①グローバルな課題への理解、興味・関心

    ア 1年生

    イ 2年生

    ウ 3年生

    ②学習意欲

    ア 1年生

    イ 2年生

    ウ 3年生

    ③将来の進学・就職等に対する意欲・意識

    ア 1年生

    イ 2年生

    ウ 3年生

    ④海外での学習、海外研修等に対する意識

    (2)能力・技能の変容

    ①論理的思考力、判断力、表現力、創造性

    ア 1年生

    イ 2年生

    ウ 3年生

    ②英語コミュニケーション能力

    ア 1年生GTEC

    イ 2年生GTEC

    ウ 3年生GTEC

    エ 英語検定

    オ CEFR

    3 教員および学校の変化

    (1)探究学習に関する意識

    (2)教員間の連携・協力、指導体制

    ①各学年会との連携

    ②各教科との連携

    ③海外交流アドバイザーの雇用

    (3)大学・企業等との連携・ネットワーク

    ①大学との連携

    ②企業等との連携

    4 運営指導委員会

    (1)第1回運営指導委員会

    (2)第2回運営指導委員会

  • Ⅳ 指定終了後における取組について

    1 課題研究の取組

    (1)「グローバル探究」「KoA-S・ⅠおよびⅡ」

    ①1年生「KoA-S・Ⅰ」

    ②2年生「KoA-S・Ⅱ」

    ③3年生「グローバル探究」

    (2)海外フィールドワーク

    (3)国内フィールドワーク

    2 英語力向上のための取組

    (1)英語コミュニケーション能力の到達目標

    (2)学校設定科目

    (3)授業の改善

    (4)English Fun Time の後継事業

    (5)English Academy の開催

    (6)外部検定受験の取組

    (7)海外語学研修・校外のイベント等への参加

    3 グローバルマインド向上のための取組等

    (1)グローバル講演会・グローバルミニ講演会

    (2)大学訪問等

    (3)校外での研修会等

    4 学習環境の整備

    (1)テレビ会議システム

    (2)グローバルライブラリー

    5 成果の発信・広報

    6 研究体制の充実

    7 検証・評価

    関連資料

    平成30年度第1学年3か年間教育課程(普通科)

    平成30年度第2学年3か年間教育課程(普通科)

    平成30年度第3学年3か年間教育課程(普通科)

    SGH研究開発組織図

    SGH NEWS(第1号~第3号)

  • Ⅰ 研究開発の概要

    1 実施期間

    平成30年4月1日~平成31年3月31日

    2 指定校名

    福井県立高志高等学校

    3 研究開発名

    ふくい発、東アジアの発展と希望に貢献するグローバル・リーダーの育成

    4 研究開発の概要

    本校の校訓「克己・創造・敬愛」に基づき、日本及び世界の平和と繁栄、国際協調に貢献する「知・

    徳・体の調和のとれた国際社会及び地域社会のリーダー」を育成する。

    「克己(自律した)・創造(問題を解決できる)・敬愛(他者を理解し尊重する)」の校訓に基

    づき、「ふるさと福井、日本語・日本文化に誇りを持ち、グローバルな視野を持って新しい分野に

    チャレンジし、社会にイノベーションを起こす人」を育成すべきグローバル・リーダー像として掲

    げ、以下に示すような東アジア諸国の経済や生活文化等に関する課題研究を重視した教育課程の研

    究開発、英語力・グローバルマインド向上の取組、国際交流活動、社会科学系部活動の振興等によ

    り、地方の公立高等学校によるグローバル・リーダーシップ教育モデルを構築する。

    (1)課題研究

    国際化を進める大学・企業等と連携して、海外フィールドワークや海外インターンシップを含む課

    題探究学習等を行うことにより、問題発見能力、論理的思考力、企画立案能力、コミュニケーショ

    ン能力等を身に付けさせ、将来国内・海外の大学においてグローバルな研究を行う素地を育成する。

    (2)英語コミュニケーション能力の向上

    生徒と教員に実践的な英語学習ができる環境を整備し、海外の高校生や大学生等と英語で話す機

    会を増やすことにより、批判的・論理的思考力をもって世界の諸問題について理解したり、豊かな

    表現力をもって解決策について議論したりするなどの、堪能な英語コミュニケーション能力を身に

    付けさせる。

    (3)グローバルマインドの向上

    全教科において授業改善の取組を進めるとともに、2学期制・単位制の導入、帰国子女・外国人

    生徒の受入れ環境の整備、海外研修・国際交流の促進等を進めることにより、海外留学や海外大学

    への進学志向を有したグローバル人材を育成する。

    (4)社会科学系部活動の振興

    各種コンテスト等への参加や県内外及び海外の高校生と切磋琢磨する社会科学系の部活動・課外

    活動を充実させることにより、グローバルな視野、挑戦力、起業家精神、幅広い教養、論理的思考

    力等に優れ、社会にイノベーションを起こす人材を育成する。

  • Ⅱ 研究開発の内容

    1 課題研究等の取組

    (1)教育課程内の取組

    ① SGH対象生徒の選考

    平成30年度普通科入学生159名(内部進学生徒88名は除く)に対し、平成30年5月10日(木)

    にSGH・SSH教育課程に関する説明会を開催した。

    この後、第1学年全生徒に「SGH・SSH課題研究に関する調書」を提出させた。「課題研究に関す

    る調書」等の審査によりSGH教育課程希望生徒から80名を選び、1年生のSGH対象生徒(以下「S

    GH生徒」)とした。本年度は、SSH教育課程を希望する生徒にも調書を提出させることにしたため、

    昨年度までの質問事項を一部変更した。

    ※平成30年度「SGH・SSH課題研究に関する調書」の質問項目

    問1 SGH・SSHのどちらの教育課程を希望するか

    問2 問1の教育課程を希望する理由 [300字]

    問3 最近2か月程の期間に新聞やニュースで目にした事柄から、

    「特に興味を感じたこと」を3つ(箇条書きで)

    問4 どのような課題研究を行いたいか [300字]

    2年生については、平成29年度に以下の方法で選んだ80名を引き続きSGH生徒とした。

    ※平成29年度「SGH・SSH課題研究に関する調書」の質問項目

    問1 SGH・SSHのどちらの教育課程を希望するか

    問2 問1の教育課程を希望する理由 [300字]

    問3 どのような課題研究を行いたいか [300字]

    また、3年生については、平成28年度に以下の方法で選んだ80名を引き続きSGH生徒とした。

    ※平成28年度までの「SGH教育課程希望調書」の質問項目

    問1 中学時代の活動で、最もがんばったこと [300字]

    問2 SGHで、どのような課題研究を行いたいか [200字]

    問3 「グローバル人材」とは、どのような人材か [200字]

    問4 10年後、どこで、どのような仕事をしていたいか [260字]

    ②「グローバル探究」(総合的な学習の時間)および「KoA-S」(学校設定科目)の到

    達目標・評価基準

    平成26年度より「総合的な学習の時間」を「グローバル探究」として実施し、課題研究に取り組ま

    せてきた。同年度末の生徒アンケートで「最終的に何をやろうとするのか分からないまま単元が始まる」

    「いろいろと課題が出るが、何のための課題なのか理解できないことがある」との声が聞かれ、また、

    運営指導委員会では評価の重要性を指摘され、ルーブリックを作成し学習活動に入る段階でそれを生徒

    に示すようにとの指導を受けた。

  • 平成27年度は、「グローバルな視野で新しい分野にチャレンジし、社会にイノベーションを起こす

    人材」を「グローバル探究」で育成したい生徒像としたうえで、そのためにどのような能力や態度を育

    てたいのかを議論し、「知識の理解や思考に関すること(理解・思考)」「課題解決や表現の技能に関する

    こと(技能)」「自分自身や他者との関わりに関すること(態度)」の3つの領域についてそれぞれ3つの

    視点を設け、合計9つの視点での到達目標を学年ごとに設定した。これを基に各学年の評価基準を定め

    るとともに、「グローバル探究」の各単元における指導と評価の計画を作成し、一定の成果を得た。

    平成28年度は、中間評価の年であることを鑑み、過去2年間の実施結果をふまえながら、前年度の

    実践を基に作成した年間計画に沿い、到達目標や評価規準等については実践しながら議論・検討を行い

    さらに充実を図った。この点について運営指導委員会において、到達目標の設定に基づいて評価が行わ

    れていることが評価された。29年度および本年度も、基本的には28年度に行った方法を踏襲しつつ、

    到達目標や評価規準等を単元や生徒の状況に応じたものに修正しながら運用を行った。

    ③1年生「KoA-S・Ⅰ」(学校設定科目)

    1年生のSGH生徒80名に対し、学校設定科目「KoA-S・Ⅰ」(1単位)を活用して、以下のと

    おり課題研究の実践に取り組んだ。

    ア リレー講座

    4~7月は、SGH生徒とSSH生徒が混在する各クラスにおいて、全生徒を対象に「リレー講座」

    を行った。以下のように、2~3名の教員がチームで担当する講座を4つ設定し、1講座当たり2時間

    で講義や演習を展開した。

    ※「リレー講座」(4月~7月)展開講座

    イ 大学・企業との連携による単元開発

    9月からは、探究学習の授業を展開した。80名のSGH生徒をA・Bの2講座に分け、それぞれの

    講座に対して、大学・企業等から講師を招き、「連携授業」を実施した。講師には事前課題を提示しても

    らい、生徒に事前リサーチに取り組ませるとともに、連携授業の後に与えられた課題に対するリサーチ

    やディスカッション、プレゼンテーション等を通して、課題研究の基本的な学習プロセスを経験させた。

    なお、A・B講座には各2名の担当教員を配置した。

    講座名 担当教員 時間数

    言語技術トレーニング 国語科 2 名、地歴科 1 名、英語科 1 名 2 時間

    身の回りに潜む数学 数学 2 名、理科 1 名 2 時間

    自然と人間 理科 2 名、家庭科 1 名 2 時間

    人間生活と科学 家庭科 1 名、芸術 1 名、保健体育科 2 名 2 時間

  • ※1年生「KoA-S・Ⅰ SGH」連携授業で大学・企業等から招聘した講師および授業テーマ等

    Round 講座 講師 役職 テーマ 事前リサーチ課題・学習内容等

    A 池下 譲治

    福井県立大学地域経済研究所アジア経済部門教授

    国際ビジネスで日本経済を元気にしよう!

    内容: ① なぜ、貿易や投資が必要か? ② 日本は貿易立国か? ③ 輸出できる企業はどんな企業か? ④ 何を売るのか?何を売ってはいけないのか? ⑤ なぜ、貿易の自由化が必要か? ⑥ なぜ、WTOが必要か? ⑦ なぜ、世界のことを知らなければいけないか? ⑧ 地場産業の再活性化事例 ⑨ 途上国を救って自分たちも元気になる方法 ⑩ 日本の未来 「ルールを守る国」から「ルールをつくる国」へ

    事前リサーチ課題: 貿易について調べてくること。特に、WTO、セーフティガードとは何か?

    B1 田中 孝明株式会社 田中化学研究所 技術開発部部長

    正極材料からみたEVグローバル市場

    簡単な会社紹介、会社の置かれている状況、社員が体験した海外とのかかわり、感じた海外の文化

    基本的な電池の構成の理解

    B2 北川 章仁

    東工シャッター株式会社 取締役 技術開発研究所長

    業界のしくみ(構造) 世の中にある様々なしくみ

    A 伊藤 亜聖

    東京大学社会科学研究所比較現代経済部門准教授

    中国のイノベーションと世界への波及

    (1)別紙、日本経済新聞「やさしい経済学 加速する中国のイノベーション」(3月に連載した講師著)を読んでおく。・(別紙資料の8ページ目まで。9ページ目は不要)

    (2)グループに分かれて、以下の中国の3つのサービスのいずれか一つを担当する。・別紙のウェブサイトにアクセスする、あるいは中国のアプリをダウンロードして試してみて、それぞれ類似の他のサービス・製品と、どのような違いがあるか考える。その際、それぞれのサイト・アプリの運営会社はどこの会社か、どのようなサービスを提供している会社か、そして当該サービスは他のどのようなサービスと競合していて、どのような特徴(ユーザー数はどれくらいか?人気の理由はどこにあるか?など)をもっているのか、検討する。

    B 片岡 樹

    京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科東南アジア地域研究専攻教授

    東南アジアで国境を考える

    タイやミャンマーの国境を当たり前のように往来する人たちが地域の歴史を作ってきたこと

    次の①~③のいずれか①講師の論文、東南アジア研究 53 巻1 号 2015 年7 月〈特集〉「現代東南アジアにおける宗教の越境現象」を読んで、疑問点をあげ、さらに調べておく。②タイやミャンマーの国境を当たり前のように往来する民族について調べる。(民族としてはラフ、カレン、モン、ヤオ、アカ、リスなど)③明石書店エリア・スタディーズ・シリーズのなかから東南アジアの巻を読み、気に入った章についてまとめ、その背景を調べる。

    2

    1

    平成30年度1年生「KoA-S SGH」連携授業

  • ※1年生「KoA-S・Ⅰ SGH」における授業計画の例

    1.単元名

    2.クラス

    3.担当者

    4.期間連携先

    5.期間訪問先

    6.時間数 12時間

    7.授業計画

    時間・実施日 担当者

    1時間目9月7日

    (金)

    松田 美亜子

    大辻 俊裕

    2時間目9月14日

    (金)

    3時間目9月21日

    (金)

    4.5時間目10月12日

    (金)

    6時間目10月19日

    (金)

    7時間目11月7日

    (水)

    8時間目12月7日

    (金)

    松田 美亜子

    大辻 俊裕

    9間目12月14日

    (金)

    松田 美亜子

    大辻 俊裕

    10時間目12月21日

    (金)

    松田 美亜子

    大辻 俊裕

    11時間目1月11日

    (金)

    12時間目1月18日

    (金)

    KoA-S・Ⅰ SGH 授業計画 <A講座>

    (京都大学大学院訪問の振り返り)

    リサーチ&ディスカッション(1)2グループ(福井県立大・東京大) × 3チーム(計6チーム)に分ける。(2)グループ討論   連携授業内容について、「そもそも」の疑問を質問し合い、印象に残ったことを共有する。

    発表(各講座内:英語または日本語)

    ポスター(英語または日本語)作成着手(冬季休業中に完成させ、1/11(金)に持参する)

    発表(全体でポスターセッション:英語または日本語)

    (3/15学習成果発表会の発表班を決定)

    振り返り ①発表について振り返る。  (どのような質問を受けたか、さらに改善すべき点はないか、など) ②「振り返りシート」を記入する。(3/15学習成果発表会ガイダンス、生徒役割決定)(学習成果発表会準備)

               福井県立大学地域経済研究所アジア経済部門教授 池下 譲治 氏による授業

    リサーチ&ディスカッション(1)グループ討論   問題点に対応するための新たな取組について話し合い、グループ の意見をまとめる。(2)発表の準備(各講座内:英語または日本語)

    身近にあるグローバルな課題

    松田 美亜子 ・ 大辻 俊裕

    1年A講座(1年1・2組SGH生徒40名)

    学習内容

    ガイダンスの後(1)本単元の目標・内容を説明する。(2)事前に調べる内容を確認する。(連携授業当日までに各自で) ①貿易について調べてくること。特に、WTO、セーフティガードとは何か?(県立大) ②別紙、日本経済新聞「やさしい経済学 加速する中国のイノベーション」を読む。(東大) ③グループに分かれて、別紙記載の中国の3つのサービスのいずれか一つを担当する。(東大)

               福井県立大学地域経済研究所アジア経済部門教授 池下 譲治 氏による授業

    9月14日(金)・21日(金)外部講師:福井県立大学地域経済研究所アジア経済部門教授 池下 譲治

    10月12日(金)(2時間)外部講師:東京大学社会科学研究所比較現代経済部門准教授 伊藤 亜聖

    京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科

    (2時間)           東京大学社会科学研究所比較現代経済部門准教授 伊藤 亜聖 氏による授業

    京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科訪問のガイダンス

    京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科訪問

  • 1.単元名

    2.クラス

    3.担当者

    4.期間連携先

    5.期間訪問先

    6.時間数 12時間

    7.授業計画

    時間・実施日 担当者

    1時間目9月7日

    (金)

    見附 俊信

    桝本 祐史

    2時間目9月14日

    (金)

    3時間目9月21日

    (金)

    4.5時間目10月12日

    (金)

    6時間目10月19日

    (金)

    7時間目11月7日

    (水)

    8時間目12月7日

    (金)

    見附 俊信

    桝本 祐史

    9間目12月14日

    (金)

    見附 俊信

    桝本 祐史

    10時間目12月21日

    (金)

    見附 俊信

    桝本 祐史

    11時間目1月11日

    (金)

    12時間目1月18日

    (金)

    KoA-S・Ⅰ SGH 授業計画 <B講座>

    (京都大学大学院訪問の振り返り)

    リサーチ&ディスカッション(1)3グループ(田中化学・東工シャ・京大院) × 2チーム(計6チーム)に分ける。(2)グループ討論   連携授業内容について、「そもそも」の疑問を質問し合い、印象に残ったことを共有する。

    発表(各講座内:英語または日本語)

    ポスター(英語または日本語)作成着手(冬季休業中に完成させ、1/11(金)に持参する)

    発表(全体でポスターセッション:英語または日本語)

    (3/15学習成果発表会ガイダンス、生徒役割決定)

    振り返り ①発表について振り返る。  (どのような質問を受けたか、さらに改善すべき点はないか、など) ②「振り返りシート」を記入する。

    (学習成果発表会準備)

          東工シャッター株式会社 イスターカーテン事業部 取締役事業部長 佐々木 紘 氏による授業

    リサーチ&ディスカッション(1)グループ討論   問題点に対応するための新たな取組について話し合い、グループ の意見をまとめる。(2)発表の準備(各講座内:英語または日本語)

    身近にあるグローバルな課題

    見附 俊信 ・ 桝本 祐史

    1年B講座(1年3・4組SGH生徒40名)

    学習内容

    ガイダンスの後(1)本単元の目標・内容を説明する。(2)事前に調べる内容を確認する。(連携授業当日までに各自で) ①基本的な電池の構成を書籍やWebで調べ、理解しておく。(田中化学研究所) ②何のために仕事をするのか? 自分の考えをまとめておく。(東工シャッター株式会社) ③次のいずれか(京都大学大学院)   ・講師の論文を読んで、疑問点をあげ、さらに調べておく。   ・タイやミャンマーの国境を当たり前のように往来する民族について調べる。   ・明石書店の東南アジアの巻を読み、気に入った章についてまとめ、その背景を調べる。

               株式会社 田中化学研究所 技術開発部部長 田中 孝明 氏による授業

    9月14日(金)外部講師:株式会社 田中化学研究所 技術開発部部長 田中 孝明9月21日(金)外部講師:東工シャッター株式会社 イスターカーテン事業部 取締役事業部長 佐々木 紘

    10月12日(金)(2時間)外部講師:京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科東南アジア地域研究専攻教授 片岡 樹

    京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科

    (2時間) 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科東南アジア地域研究専攻教授 片岡 樹 氏による授業

    京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科訪問のガイダンス

    京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科訪問

  • ※1年生「KoA-S・Ⅰ SGH」における自己評価・振り返りシートの例

    2018.12.14(金) 「KoAーS」B講座

    (1)自己評価(5段階評価で)

    番号 評価項目 評価の観点まったく当て

    はまらない

    あまり当て

    はまらない

    どちらとも

    いえない

    だいたい

    当てはまる

    とてもよく

    当てはまる

    自己評価

    記入欄

    ①事前に調べておく課題(講師から出された)について理解することができたか。

    1 2 3 4 5

    ②外部講師による授業の内容について理解することができたか。

    1 2 3 4 5

    ③他の生徒の意見・考え等を理解することができたか。

    1 2 3 4 5

    ④リサーチした内容を自分の表現で相手に伝えることができたか。

    1 2 3 4 5

    ⑤自分の意見・考えやグループで話し合った内容を他の生徒に理解されるように伝えることができたか。

    1 2 3 4 5

    ⑥他の生徒の発表に対して質問するなどして、理解を深めることができたか。

    1 2 3 4 5

    ⑦連携授業の講義内容について興味・関心を持って学ぶことができたか。

    1 2 3 4 5

    ⑧他者の意見や考えを理解したり、受け入れたりしようという態度をとることができたか。

    1 2 3 4 5

    ⑨リサーチや討論、発表などの活動に主体的・積極的に取り組むことができたか。

    1 2 3 4 5

    (2)学習の振り返り

    今回の連携授業の学習を通して、あなたが学んだこと、気付いたこと、あなた自身に起きた変化などについて、箇条書きしなさい。

          1年(    )組(    )番  氏名(                   )

    態度

    技能

    理解・思考

  • ウ 京都大学大学院訪問

    平成30年11月7日(水)に、アジア・アフリカ各地域の諸問題を扱った研究の実際を理解すると

    ともに、「KoA-S・Ⅰ」で行う課題研究についてより具体的に

    考える一助とすることを目的として、京都大学大学院アジア・アフ

    リカ地域研究研究科を訪問した。同研究科への訪問は今年で5年継

    続して実施している。1年生SGH生徒80名は3つのグループに

    分かれ、それぞれ東南アジア地域研究専攻、アフリカ地域研究専攻、

    グローバル地域研究専攻でのゼミに参加した後、大学院の教員や研

    究員、学生との交流会に参加した。

    各専攻での実施内容は以下のとおりである。

    訪問先 人数 内容

    東南アジア地域

    研究専攻

    26

    発表1 「一村一品運動:日本から東南アジアへ」

    (発表者:ノブル・バレンティン さん)

    発表2 「ラオスにおける水力発電開発とその地域社会への影響

    「『ナム・ウー2水力発電プロジェクト』の HK村の事例

    研究」

    (発表者:アミット・ペッサダーさん)

    交流会 大学院生が、各自の研究内容や海外での経験等について

    話をしてくれた。質疑応答のあと、施設案内をしてもら

    った。

    アフリカ地域

    研究専攻

    27

    発表 「ベナンのキリスト教系新宗教における感覚とマテリア

    リティ」

    (発表者:村津 蘭 さん)

    交流会 大学院教員と大学院生が3グループに分かれ、本校生徒

    と研究内容や訪問先の事情等について懇談した。

    グローバル地域

    研究専攻

    27

    発表1 「内戦と和解の物語―レバノン」

    (発表者:岡部 友樹 さん)

    発表2 「宗教がちがうと結婚できないの?―インド」

    (発表者:鶴田 星子 さん)

    発表3 「イスラームのパワーアイテム―ウズベキスタン」

    (発表者:庄司 翼 さん)

    交流会 大学院教員や大学院生らと本校生徒が、大学院生活や研

    究内容等について懇談した。

    エ 2年生課題研究発表会への参加

    平成31年2月6日(水)に行われた「SGH課題研究発表会」で、2年生の課題研究発表会に参加

    し、分科会および全体会で発表を聞いた。生徒たちは、上級生の発表を通して、1年後に自分たちが行

    う研究発表のイメージをつかむとともに、研究の領域やテーマ設定に関するヒントを得ることができた。

    オ 学習成果発表会

    以下のとおり、学習成果発表会を行った。

    趣 旨:1年生のSGH生徒80名が、「KoA-S」(学校設定科目)の授業をとおして学んだ内

    容を校内外の関係者等に発表する。

    日 時:平成31年3月15日(金)11:25~12:20

  • 場 所:本校学習室

    参加者:本校1年生SGH対象生徒(80名)

    SGH連携大学教員・企業担当者

    本校教職員

    本校1年生SGH生徒保護者

    内 容:「KoA-S・Ⅰ」連携授業で学んだ内容の発表

    課題に対する提案の発表

    ④2年生「グローバル探究」(総合的な学習の時間)

    2年生のSGH生徒80名に対し、「グローバル探究」(1単位)を行った。本年度は「世界に発信!

    高志高生がつくる福井の未来」をコアテーマとし,それに付随するサブテーマとして「観光・インバウ

    ンド・食」「教育」「医療・福祉・海外支援」「都市計画・まちづくり」「伝統・文化」「地域の産業」「人」

    「交通」を設定した。各サブテーマに新しい要素を加えて福井を発信する提案型の課題研究を以下の通

    り行った。

    ア テーマ設定(4・5月)

    サブテーマとして設定した8つの分野の中から1つを選択し、各サブテーマに対してどのような新し

    い要素を加えて独自の提案が行うことができるのかをグループで検討した。

    イ 仮説の設定および調査・検証(6・7月)

    課題研究を始めるにあたって、選択したサブテーマに関連して以下のように仮説を立て、その検証方

    法について考えた。

    ※2年生「グローバル探究」で各グループが立てた仮説の例

    (1)テーマ:マンガ「ちはやふる」アクションによる海外支援

    仮 説:マンガ「ちはやふる」を利用して海外支援ができるのではないか。

    ①毎年福井県あわら市で行われる「ちはやふるウィーク」時に「おにぎりアク

    ション」を行うと、福井のアピールと海外支援が同時にできる。

    ② 福井の写真がインターネット上に上がることで福井のアピールにつながる。

    調 査:「ちはやふる」の知名度、「ちはやふるウィーク」時のイベント内容、SNS等の

    普及率等について調査し、その結果を基にイベント内容の検討にあたる。

    (2)テーマ:福井発祥の米「いちほまれ」を世界に広めるには

    仮 説:「いちほまれ」と外国の食べ物と組み合わせてファストフード風の新しい食べ物

    を作ることで「いちほまれ」を世界に広めることができるのではないか。

    調 査:「おにぎりを知っているか」「調査対象国で、おにぎりに合う食べ物は何か」を

    海外フィールドワークで調査し、その結果を基に試作品を作る。

    これらの仮説を検証するため、文献やインターネット等から情報を収集しながら、グループでの調査

    を進めた。調査の結果、この時点で仮説に誤りがあると気付いたグループは、仮説を修正したり新たな

    仮説を立てたりした。また、10月に行われる海外・国内研修でどのような調査を行うのかについても

    話し合い、海外・国内フィールドワークに向けての準備も進めていった。

  • なお、仮説の設定に関して、福井大学産学官連携本部統括副部長の竹本拓治准教授や福井経済同友会

    の方々に指導をしていただいた。

    ウ グループ研究および外部指導者による指導(7月~2月)

    海外・国内研修におけるフィールドワークの結果や文献等の調査から得られた情報をもとに、仮説の

    検証と新たな提案を行うため、グループごとに話し合いやさらなる調査活動を進めた。7月以降は以下

    の方々にご協力いただき、専門的な見地から指導やアドバイスをしていただいた。

    ※2年生「グローバル探究」課題研究指導者

    福井大学産学官連携本部統括副部長 竹本 拓治 氏

    オリックス株式会社福井支店 加藤 誠 氏

    セコム株式会社福井統轄支社 白江 文夫 氏

    田中地質コンサルタント株式会社 田中 謙次 氏

    ネッツトヨタ福井株式会社 中道 正康 氏

    株式会社キャリアプラス 中田 善弘 氏

    株式会社タッセイ 田中 陽介 氏

    有限会社井伊興業 井伊 彌洲雄 氏

    福井経済同友会事務局長 東山 清和 氏

    福井経済同友会事務局次長 坂下 佳弘 氏

    エ 中間報告会(12月)

    平成30年12月11日(火)および18日(火)に実施した。福井大学産学官連携本部副本部長の

    竹本拓治准教授、福井経済同友会の方々に来ていただき、問いと研究内容の整合性や調査・検証の内容

    および検証状況等について専門的見地から助言・指導をしていただいた。

    オ 課題研究発表会(2月)

    平成31年2月6日(水)に、「SSH課題研究発表会」との合同で開催した。以下のとおり、各グル

    ープが発表を行った。

    ※「SGH課題研究発表会」における生徒発表(分科会)

    ○第1分科会(課題研究発表)

    The relocation of the capital

    Make happy by Fukui's food ~ Local industry ~

    ○第2分科会(課題研究発表)

    Let's consider bringing young people back to Fukui from the perspective of welfare.

    ICHIHOMARE makes Fukui more famous!!

    Open the future of Fukui by creating new kamaboko.

  • ※「SGH課題研究発表会」における生徒発表(ポスターセッション)

    1 観光・インバ

    ウンド・食 Let's attract foreign tourists to Fukui ~Collaboration with grasses and Japanese anime~

    2 教育 Enrich Doctor's Education

    3 教育 Inviting international married couples to Fukui

    4 医療・福祉・

    海外支援 CHIHAYAFURU ACTION

    5 都市計画・

    まちづくり The relocation of the capital

    6 伝統・文化 Let's eat Washi ?

    7 地域の産業 Make happy by Fukui's food ~ Local industry ~

    8 人 Getting over shyness project ~ to connect the globalization in Fukui ~

    9 交通 Let's call foreign tourists to Fukui with a camper car

    10 医療・福祉 Let's consider bringing young people back to Fukui from the perspective of welfare.

    11 観光・インバ

    ウンド・食 ICHIHOMARE makes Fukui more famous!!

    12 地域の産業 Open the future of Fukui by creating new kamaboko.

    13 観光・インバ

    ウンド・食 Inventing a new type of Onigiri to promote Ichihomare.

    14 観光・インバ

    ウンド Making new souvenirs and events.

    15 都市計画・

    まちづくり Building cottages on the sea.

    16 人 Go→kon Let's promote international marriages in Fukui.

    17 交通 Improving Fukui by sightseeing trains.

    18 医療・福祉 A suggestion to make it easier for women to work in Fukui.

    カ 課題研究のまとめ(2・3月)

    「SGH課題研究発表会」までの研究内容をレポートにまとめ、「課題研究レポート集」を作成した。

    SGH生徒の他、SGH運営指導委員、連携大学・企業等に配付した。

    ⑤2年生学校設定科目「アジアの歴史・経済」「アジアの自然・文化」

    「グローバル探究」における課題研究を内容面で支援するための科目として、2年生SGH生徒を対

    象に実施した学校設定科目である。課題研究の内容に応じてどちらかを選択履修する、1単位の科目で

    ある。以下にその内容を示す。

  • ア 「アジアの歴史・経済」

    科目の目標 今後著しく経済発展が見込まれる東アジア諸国について、歴史や経済に焦点を置

    き、その現状について理解を深め、課題を整理し、東アジアの持続的発展について

    自分の考えを表現し、行動できる能力・資質を高める。

    授業内容 【前期】

    フィールドワークへ行く国や都市の歴史・経済に関して、生徒各自が以下の探究

    学習を実施。

    「タイ王朝の特徴」

    「タイが植民地にならなかった理由」

    「山田長政の活躍とアユタヤについて」

    「“ドイモイ”政策とベトナム経済について」

    「ベトナム戦争が起こった歴史的背景(原因)とその経過およびベトナムに与え

    た影響」

    「ベトナムの貿易の変化について」

    「オーストラリアにおけるアボリジニの歴史」

    「オーストラリアでの白豪主義政策の歴史的背景と現在」

    「メルボルンが世界一住みやすい都市に選ばれる理由」

    「東京オリンピックがもたらす影響」

    「東京一極集中が起こった背景とその問題点」

    ・自ら設定した課題について、個人でレポートを作成する。

    ・クロスセッションを行い、互いのレポート内容を発表する。

    【後期】

    海外・国内フィールドワークに関連して、以下のような探究学習を実施。

    「自分が訪問する都市が抱えている問題点はどこか。」

    「その問題点を克服して、より魅力ある街づくりをするにはどうすればよいの

    か。」

    ・個人レポートの作成

    ・個人レポートをもとにグループ内でクロスセッション

    ・クロスセッションの内容をまとめたグループ提案の作成

    ・グループ提案をポスターセッション形式で発表

    評価方法 レポート・発表・学習態度を観点別に評価

  • イ 「アジアの自然・文化」

    科目の目標 東アジア地域の自然・文化などの特色について理解を深め、課題研究に必要となる

    知識・情報を得るとともに、グローバルなものの見方や考え方を培い、国際社会に

    主体的に生きる人材としての自覚と資質を養う。

    授業内容 【言語・文化分野】

    ・東アジアの国々と日本の言語文化(主にことわざや慣用句)の違いに関する調

    査研究を行う。

    ・「比較ことわざ集」の作成を通して、国による言語の違いの背景にあるものにつ

    いて調査・研究し、グループごとに発表する。

    【自然分野】

    ・視点を持って仮定することで、調査・検証すべきことが明確になることを知る。

    ・工業製品などの形に注目し、その形である理由や制作者の意図を考え、「根拠を

    持った狙い」を明確にする姿勢の基礎を養う。

    ・その場所でその材料・その形であることの理由を考え、環境や文化・経済・歴史

    など多様な背景があることを知り、各地の実情を調べたりする際に、多様な要

    素との関わりにも配慮が必要であることを学ぶ。

    【地理分野】

    ・アジア~オセアニアの自然環境(気候・地帯構造)の特徴について、日本(福井

    県)との比較を交えて考察する。

    ・アジア~オセアニアの国々のうち、研修旅行で訪れる国々を中心に、それらの

    国々の産業のあり方を学び、日本との関わりを考察し、話し合う。

    【生活分野】

    ・東アジアの食材や食文化の共通点と相違点を調査する。

    ・調査内容をもとにグループ間でクロスセッションする。

    ・日本の食文化を見つめ直す。

    評価方法 レポート・発表・学習態度を観点別に評価

    ⑥3年生「グローバル探究」(総合的な学習の時間)

    ア テーマ設定(4月)

    3年生のSGH生徒80名に対し、「グローバル探究」(1単位)を行った。生徒一人ひとりに個人テ

    ーマを設定させた。2年次の課題研究を継続する生徒もいれば、新たな課題を設定する者もいた。

    以下に、研究テーマの一例を示す。

    タイにおけるゴミ問題を解決する

    オーストラリアの大学への進学について

    日本経済の将来について

    アジアにおけるサッカーの発達について

    海外旅行客を恐竜博物館に呼ぶには

    福井でフリーマーケットを行う

    福井の図書館をより魅力的にする方法について

  • 幸福度と税制度の関係について

    東南アジアにおける英語教育について

    国によって利用されるSNSが異なるのはなぜか

    イ 探究活動・発表準備(5・6月)

    文献やインターネット等から情報を収集するなどし、調査を実施した。その内容を、英文レポートに

    まとめた。

    ウ 生徒研究活動発表会(7月)

    平成30年7月9日(月)に「生徒研究活動発表会」を実施した。6月下旬~7月上旬の校内選考で

    選ばれた6名の生徒が分科会・全体会(ステージ発表)で発表した。

    エ 各講座での探究学習(9月以降)

    3年生の「グローバル探究」は3講座に分けて実施した。各講座において、国内外で行われている様々

    な取組について複数の情報ソースから学び、それらについての意見交換や更なる活用に向けての協議や

    意見発表などを、日本語または英語で行った。

    以下にその一例を挙げる。

    稲作におけるドローンの活用について学び、他分野での活用について考える。

    70 歳代の高齢者が社会で活躍している事例から、社会における高齢者の役割や将来の社会のあり

    方について考える。

    「モバイル・モスク」について学び、外国人に対するもてなしの方法について考える。

    睡眠と生産性について学び、効率的な働き方や健康的な生活について考える。

    「絶メシ」(絶滅する恐れのある郷土料理)を保護する取組について学び、ふるさと創生について

    考える。

    コインランドリーの新しい経営について学び、すき間産業について考える。

    外国人に対する緊急情報の提供サービスについて学び、外国人にとって住みやすい社会について

    考える。

    (2)教育課程外における取組

    ① 海外フィールドワーク

    「グローバル探究」での課題研究に資することをねらいとして、昨年度に引き続き実施した。2年

    生SGH生徒80名が海外・国内の計4コースから1つを選び、参加するものである。

    それぞれの実施状況を、以下に報告する。

    ア タイ研修

    期間 平成30年10月21日(日)~10月28日(日)

    参加者 2年生SGH生徒21名

    訪問先

    研修内容

    ・カセサート大学

    学生との交流、大学担当教員によるオリエンテーション、キャンパス見

    ・カセサート大学附属学校マルチリンガルプログラム校

    ホームステイを含め、4日間滞在した。

  • 英語・日本語などの授業に参加し、現地の授業を体験した。

    福井や日本を紹介するプレゼンテーションを行った。

    課題研究に必要な情報を収集するため、アンケートやインタビューを実

    施した。

    ・企業研修

    福井銀行バンコク駐在員事務所職員から、タイを取り巻く東南アジアの

    経済事情等について話を聞いた。

    特記事項

    ・カセサート大学附属学校への生徒派遣は5年目で、これまで通り多くの

    生徒を受け入れてもらった。来年度の相互交流についても話が進んでい

    る。

    ・課題研究に必要な情報を収集することができた。

    イ ベトナム研修

    期 間 平成30年10月21日(日)~10月28日(日)

    参加者 2年生SGH生徒16名

    訪問先

    研修内容

    ・マリ・キュリー高校

    授業に参加し、互いの国や学校について英語でプレゼンテーションした。

    課題研究に関するアンケートやインタビューを実施した。

    同校の生徒と校内見学・市内見学をした。

    ・ホーチミン市師範大学

    英語の授業に参加し、外国における英語授業を体験した。

    互いの国や学校についてのプレゼンテーションを英語で行った。

    課題研究に関するアンケートやインタビューを実施した。

    学生との交流を通して、ベトナムの大学生活について理解を深めた。

    ・ドンズー日本語学校ビンミー分校(留学生養成センター)

    平成27年度、28年度、29年度に続き2日間訪問した。

    互いの国や学校紹介などのプレゼンテーションを行った。

    課題研究のテーマ等に関して、ディスカッションやプレゼンテーションを

    行った。

    ・DAIM VIETNAM CO., LTD(第一ビニール株式会社関連現地事業所)を

    訪問し、社長および工場長から同社の海外進出の考え方や事業展開等の説

    明を受けた。工場見学や現地社員へのインタビューを実施した。

    ・Pizza 4P’s

    日本人が経営する飲食店を訪問し、進出の際の困難やその乗り越え方、現

    在考えている新たな事業等の話を伺った。

    ・戦争証跡博物館

    展示物や統計資料等を見学し、ベトナム戦争の問題点や課題等について研

    修した。

    ・ホームビジット体験

    ホーチミン市内の一般家庭を訪問し、家庭料理を作るなどの家庭生活の体

    験を行った。

    特記事項

    ・マリ・キュリー高校は今年度で2度目の訪問となったが、前年度同様に非常に

    有益な交流ができた。今後も継続して訪問することを予定している。

    ・ドンズー日本語学校ビンミー分校へは、初年度より毎年訪問している。こ

  • こでは毎年課題研究に関する有益な情報を入手できるとともに、本校の生

    徒が現地の学生から大きな刺激を受け、帰国後の生活に様々な面でプラス

    の影響をもたらしている。今後も継続して交流を行う予定である。

    ・各研修先で課題研究に必要な情報を収集することができた。

    ウ オーストラリア研修

    期間 平成30年10月20日(土)~27日(土)

    参加者 2年生SGH生徒21名(男子6名、女子15名)

    訪問先

    研修内容

    オーストラリア・メルボルンにて以下の研修に参加した。

    ・Bendigo Kangan Institute (TAFE)で、プレゼンテーションの技能向上

    のための授業に参加した。

    ・メルボルン市内で街頭インタビュー等を実施し、課題研究に関するフィ

    ールドワークを行った。

    ・メルボルン市内で Scavenger Hunt を実施し、図書館やマーケット等で

    インタビュー活動を行った。

    ・メルボルン博物館等を訪問し、オーストラリアの歴史・自然等について

    研修した。

    ・メルボルンの一般家庭で、4泊のホームステイを実施した。通学の際は、

    各生徒が自分で公共交通機関を利用して移動した。

    特記事項

    ・ヴィクトリア州での研修は2年目の実施となる。関係機関との事前連絡

    を順調に進めることができた。

    ・TAFE での授業に参加し、生徒は海外進学の実際を体験することができ

    た。また、英語プレゼンテーションに対する自信がついたようである。

    ・ホームステイは、生徒にとって非常に貴重な経験となった。通学には片

    道約1時間程度を要したが、どの生徒も大きなトラブルなく移動するこ

    とができた。

    来年度への課題

    検討事項等

    ・来年度は、大学での授業を中心に、高校訪問等も行えるよう計画を見直

    す。

    ・より課題研究に資する研修とするため、大学では課題研究に関連した授

    業を受けられるように計画する。

    ②国内フィールドワーク

    ア 東京研修

    目 的

    (1)大学訪問でのリーダーシップ研修や授業体験等を通して、グローバル・

    リーダーに必要とされる多角的なものの見方・考え方や表現力、さらには

    英語コミュニケーション能力を養う。

    (2)企業等訪問や企業人との懇談等を通して、「ふるさと福井」「グロー

    バル人材」について考えるとともに、将来の自分の進路についてより具体

    的に考える契機とする。

    期 間 平成30年10月22日(火)~26日(金) 4泊5日

    参加者 2年生SGH生徒22名

    訪問先

    研修内容

    ・東京外国語大学訪問

    授業体験、課題研究発表、学内見学

  • ・福井県東京事務所訪問

    業務の説明、職員との懇談

    ・外務省訪問

    省内見学、概要説明、本校OBによる講演

    ・筑波大学附属坂戸高等学校訪問

    学校紹介、ポスターセッション参加、発表・質疑応答等

    ・立教大学訪問

    学内見学、リーダーシップ研修の体験

    ・グループ別大使館研修(カナダ大使館、オーストラリア大使館)

    館内見学、職員との懇談

    ・東京グローバルゲートウェイ訪問研修

    英語研修

  • 2 英語力向上のための取組

    (1) 学校設定科目

    「グローバル探究」「KoA-S」における探究学習を英語運用面から支援するための科目として、以

    下のとおり学校設定科目を実施した。

    ① 「英語活用 BE(Basic Expression)」

    科目のねらい 「KoA-S」における課題研究を言語スキル面で支援する。

    実施期間 平成30年4月~平成31年3月

    実施形態 普通科7クラスのうち、高入生が所属する4クラスにおいて週3時間実施。

    使用教材 NEW FAVORITE ENGLISH EXPRESSIONⅠ(東京書籍)

    主な内容

    ・自己紹介で自分の興味関心や家族、将来の目標などについて英語で伝える。

    ・自分の学校、暮らす地域の紹介を英語で行う。

    ・日本の文化や習慣について深く理解し、それらを紹介・説明するプレゼンテー

    ションを英語で行う。

    ・異なる文化や習慣について理解し、日本文化と比較しながら自分の意見を英語

    で表現する。

    ・身近な技術(ロボットやAIなど)について理解し、それらの利点や課題など

    を考え英語で表現する。

    ・身近に起きている諸問題(環境問題など)について理解し、それらの原因や解

    決方法について考え英語で表現する。

    ・世界各国の教育の在り方について理解し、それらを比較しながら自分たちの教

    育環境について考え英語で表現する。

    評価方法 定期考査による評価、提出課題の評価、パフォーマンス評価

    ② 「グローバル英語Ⅱ」

    科目のねらい 「グローバル英語Ⅰ」(1年次実施科目)の活動をさらに発展的に行う。

    実施期間 平成30年4月~平成31年3月

    実施形態 普通科6クラスに分散しているSGH生徒を3講座に分け、週3時間実施。

    使用教材

    PATHWAYS 1 Reading, Writing, and Critical Thinking

    (National Geographic Learning)

    PATHWAYS 2 Reading, Writing, and Critical Thinking

    (National Geographic Learning)

    What’s Going On in the World?(成美堂)

    Change the World [Standard] (いいずな書店)

    主な内容

    ・自分の学校や町、日本の文化などを紹介するプレゼンテーションをする。

    ・世界の食糧事情について理解する。大量生産と地産地消について考え、表現す

    る。

    ・ロボット技術の発達について理解する。未来の暮らしについて考え、表現する。

    ・音楽の持つ力について考え、表現する。

    ・写真の持つ力について考え、表現する。

  • ・女性の社会進出における国の役割について考え、表現する。

    ・ボランティアと国や NPO の役割の関係について考え、表現する。

    ・生物多様性について考え、表現する。

    ・エネルギー政策について経済・環境への影響を考え、表現する。

    ・環境によい自動車について考え、表現する。

    評価方法 定期考査による評価、提出課題の評価、パフォーマンス評価

    ③ 「グローバル英語Ⅲ」

    科目のねらい 「グローバル英語Ⅱ」(2年次実施科目)の活動をさらに発展的に行う。

    実施期間 平成30年4月~平成31年2月

    実施形態 普通科6クラスに分散しているSGH生徒を3講座に分け、週2時間実施。

    使用教材

    PATHWAYS 2 Reading, Writing, and Critical Thinking

    (National Geographic Learning)

    WRITING MASTER(本校英語科)

    主な内容

    ・記憶力を向上させる方法について考え、表現する。

    ・人々の暮らしを改善するイノベーションについて考え、表現する。

    ・自然に近い環境で暮らすのがよいかどうかについて考え、表現する。

    ・これまでに経験した失敗とそこから学んだことについて表現する。

    ・健康を維持するために自分が行っていること、あるいは行いたいと思うことに

    ついて考え、表現する。

    ・小学校における英語の教科化について考え、表現する。

    ・自動運転ができる自動車の普及により考えられる変化と、その理由、さらにそ

    の変化がもたらす影響について考え、表現する。

    ・ソーシャルネットワークサービスが人間関係に与える影響について考え、表現

    する。

    評価方法 定期考査による評価、提出課題の評価、パフォーマンス評価

    (2)English Fun Time

    外部講師や外国人指導助手(ALT)、外国人留学生等の積極的な活用により、生徒の英語コミュ

    ニケーション能力を向上させることを目的として、以下のとおり実施した。

    第1回

    日 時 平成30年4月28日(土) 13:30~16:00

    指 導 者 本校SGH海外交流アドバイザー1名、本校ALT1名

    大学生3名、県内在住の外国人1名

    参加生徒 本校生徒9名

    内 容

    (1)ウォームアップ:6W1Hを使って質問しよう

    (2)ワークショップ1:T or F self-introduction (ALT)

    (3)ワークショップ2:Science in English (生徒発表)

    (4)ワークショップ3:Study trip to Vancouver (生徒発表)

    第2回

    日 時 7月4日(土) 13:30~16:00

    指 導 者 本校SGH海外交流アドバイザー、本校ALT1名

    大学生5名、県内在住の外国人1名、地域からの参加者1名

    参加生徒 本校生徒1名

  • 内 容

    (1) ウォームアップ

    (2) ワークショップ1:大学生企画による交流・ゲーム

    (3) ワークショップ2:ALTによる外国紹介(カナダ)

    (4) ワークショップ3:高校生企画によるディスカッション

    “Do you agree with euthanasia?”

    第3回

    日 時 平成30年10月13日(土) 13:30~16:00

    指 導 者

    本校SGH海外交流アドバイザー1名、本校ALT1名

    大学生2名、外国人留学生1名、県内在住の外国人1名

    地域からの参加者1名

    参加生徒 本校生徒9名

    内 容

    (1)ウォームアップ:グループに分かれて自己紹介

    (2)ワークショップ1:ALTによる交流ゲーム

    (3)ワークショップ2:「福井を海外に発信しよう」

    (4)ワークショップ3:本校卒業生による海外研修報告(タイ研修)

    第4回

    日 時 平成30年11月17日(土) 13:30~16:00

    指 導 者 高志高校SGH海外交流アドバイザー、大学生・大学院生2名

    外国人留学生5名、県内在住の外国人2名、地域からの参加者1名

    参加生徒 本校生徒3名

    内 容

    (1) ウォームアップ:自己紹介

    (2) ディスカッション1:Is Fukui an interesting place?

    (3)ディスカッション2:グループに分かれて自己紹介

    (4)ワークショップ1:ALTによる交流ゲーム

    (5)ワークショップ2:Is Fukui City a fun place to walk around?

    第5回

    日 時 平成30年12月8日(土) 13:30~16:00

    指 導 者 高志高校SGH海外交流アドバイザー、大学生・大学院生2名

    外国人留学生5名、県内在住の外国人2名、地域からの参加者1名

    参加生徒 本校生徒23名

    内 容 (1) ウォーミングアップ

    (2) ワークショップ:ふくいに関するリサーチクエスチョンづくり

    第6回

    日 時 平成31年2月16日(土) 13:30~16:00

    指 導 者 本校SGH海外交流アドバイザー、大学生4名、大学院生1名

    外国人留学生4名、県内在住の外国人1名

    参加生徒 本校生徒6名

    内 容

    (1) ウォームアップ:グループに分かれて自己紹介

    (2) ワークショップ1:映画のチラシの情報を読み取ろう

    (3) ワークショップ2:「僕の帰る場所」とはどこ?何?

    本年度の English Fun Time は、昨年度に引き続き、SGH海外交流アドバイザーが企画・実施し

    た。開催場所については、学校を離れ、福井県大学連携センターFスクエアで開催することにより、

    本校の英語科教員やALTだけでなく、県内大学に通う学生や留学生、県内在住の外国人、地域住民

    等にも広く参加してもらうことができた。内容に関しては、本校生や本校卒業の大学生(主に福井大

    学国際地域学部生)がリーダー役を果たしてワークショップ等を進めた。また、「グローバル講演会」

    や「グローバルミニ講演会」の内容と関連したテーマを扱ったり、海外フィールドワークの報告をさ

    せたりするなどして、課題研究やSGH関連行事との連携を図った。

  • 3 グローバルマインド向上のための取組等

    (1) 全教科での授業改善

    本校はSSH指定16年目を迎える。第1期指定では、大学・企業と連携した理科・数学を中心と

    したカリキュラム改革に取り組んだ。第2期指定では、国際的な理数系人材育成に重点を置き、海外

    研修における課題研究発表等を充実させた。第3期指定となる平成25年度以降は、それまで理数科

    に限定していた課題研究の取組を普通科にも拡大し、現在の生徒は全員が課題研究に取り組むように

    なった。第4期指定1年目となった本年度は、新たにコアテーマ型の課題研究を展開することとなっ

    た。

    グローバル化の進展に対応できる人材を育成するためには、課題研究や海外研修等の取組のほか、

    通常の教育課程における日常的なよりいっそうの授業改善が重要である。そのような考えから、SG

    H申請段階では全教科でのPBL(Project-based Learning)による授業改善を構想した。

    本年度の取組においては、第1回運営指導委員会での指摘を踏まえ、既存の学習指導要領の教科・

    科目におけるPBL型学習の積極的な導入を目指し、教員研修会を行うとともに、相互の授業公開を

    行い授業改善に努めてきた。

    今後も「グローバル探究」・「KoA-S」やSGHの学校設定科目と既存の教科・科目とをつなぐ

    探究型学習指導法開発を行う必要があり、教員研修会や全教科での公開授業の実践を継続するなど、

    さらなる授業改善を図っていかなければならない。

    (2)グローバル講演会

    本校SGHの事業やグローバル人材に求められていることなどについて理解し、今後の学習に対す

    る目的意識を高める機会とすることを目的とし、以下のとおり「グローバル講演会」を実施した。

    日 時 平成30年6月21日(木) 14:20~16:10

    講 師 大宮 千絵 氏

    (特定非営利活動法人 TABLE FOR TWO International 職員、本校卒業生)

    演 題 「TABLE FOR TWO おにぎりアクション ~日本の力で世界を変える仕組みの作

    り方~」

    参加者 高志中学校・高志高校全校生徒

    内 容 (1) 世界の食糧問題

    世界人口 70 億人のうち、20 億人が肥満である一方、10 億人が飢餓に苦しんで

    いる。

    (2)TABLE FOR TWO の取組

    「過食による肥満」と「食糧不足による飢餓」という 2 つの問題を解決するため

    の仕組みを考案し、実践している。具体的には、国内外の食堂、レストラン等で健

    康に配慮したメニューを提供する代わりに代金の一部を寄付金として回収し、アフ

    リカの学校で給食を提供するための費用にするというもの。これにより、過去 10

    年間で 6300 万食の給食を提供してきた。

    (3)「おにぎりアクション」について

    2015 年に始まった活動で、おにぎりの写真を SNS などに投稿すると企業からの

    寄付金が得られ、アジア・アフリカでの給食提供につながるというもの。このビジ

  • ネスプランが、2017 年『AMF アジアマーケティング・エクセレンス賞』で『マー

    ケティング 3.0 アワード』大賞を受賞(日本人初)。2018 年には、第 2 回『グリ

    ーン・オーシャン大賞』で銀賞を受賞した。

    (4)「おにぎりアクション」成功の裏にあるもの

    ・ひらめいたことを言葉にしてみたこと

    ・「いいね」と言って協力してくれた人たち

    ・小さな子供を持つ母親の間で一気に拡散したこと

    ・若者が積極的に参加してくれたこと

    ・「SNS 映え」が起爆剤になったこと

    (5)何かを始めるときに大切なこと

    ・あれこれ考えすぎずまずは言ってみること、動いてみること

    ・人の気持ちの動きをとらえること

    (6)最後に

    「何のために勉強するのか?」の問いに対する自分の答は、「生きる力を付ける

    ため」、言い換えれば「人生をかけられるものを見つけて、その道で生きていく力

    を身につけ、チャンスをつかむために教育はある」ということ。目の前にあるやる

    べきこと、やりたいと思うことに全力を。まずは一歩踏み出してみよう。

    この講演会を聞いた高校3年生が、9月に行われる学校祭で「おにぎりアクション in 高志高校」

    を企画・運営した。具体的には、寄付してもらった福井産の米(いちほまれ、コシヒカリ)で来場者

    におにぎりを作ってもらい、その様子を映した写真を TABLE FOR TWO のホームページにアップロ

    ードしてアフリカの学校給食提供の活動に参加するとともに、売上金を寄付するというものである。

    講演会が生徒の自主的活動のきっかけとなったのは今回が初めてであり、今後も「おにぎりアクショ

    ン」が継続して行われることを期待している。また、このように、生徒の行動を促すような講演会を

    実施できればと考えている。

    (3)グローバルミニ講演会

    世界の実情や諸問題について理解を深めるとともに、人々の希望に貢献するための支援のあり方に

    ついて考える契機とすることを目的とし、「グローバルミニ講演会」を以下のとおり実施した。

    第1回

    日 時 平成30年7月3日(火) 13:55~15:35

    講 師 大南 信也 氏

    NPO 法人 グリーンバレー理事長

    演 題 「想像を超える創造」を生み出し、すきな福井をすてきな福井に変えよう!

    参加者 2年生SGH生徒80名 3年生希望生徒4名

    内 容

    (1)プロフィール

    東京の大学への進学、大学在学中のアメリカ研修、スタンフォード大

    学留学を経て、ふるさとの徳島県神山町に戻り、「クリエイティブなア

    イデアで地域づくり」に取り組むことを決意。

    (2)創造的過疎

    徳島県神山町は少子高齢化、若い世代の流出などにより人口が大きく

  • 減少した。人口減少、過疎化は避けられないが、過疎の中身を改善し人

    口構成を健全化することを考えることにした。

    (3)想像を超える創造

    町内の小学校でアメリカ人から送られた古い人形(アリス)が見つか

    ったことを機に、「アリス里帰りプロジェクト推進委員会」が結成され

    た。これが「神山町国際交流協会」となり、次いで「国際文化村委員会」、

    そして現在の「NPOグリーンバレー」に至る。

    (4)取組の例

    ①アドプト・プログラム

    ②山の中の図書館

    ③アートによる町づくり

    ④ワーク・イン・レジデンス

    ⑤サテライト・オフィス

    ⑥オフィス・イン・神山

    (5)可能性を感じられる状況づくり

    神山町には、様々な職種の人たちが集まる。文化や芸術に焦点を当て

    た取組が人々の目に触れ、新たな人の流れやネットワークが形成される

    ことによって、町内に新しいサービス業が生まれた。このように、地域

    内に新しいサービスを生み出すことによって新しい市場が作り出し、地

    域内の経済が回るようにすることが必要だ。

    (6)「すき」な福井を「すてき」な福井に

    皆さんのふるさとである福井にも、大きな可能性がある。大好きなふ

    るさとだが、「すき」なままにしておいては何も起こらない。「すてき」

    な福井にするには、「て」を加えなければ。「福井には何もない」「こ

    んなことしても何にもならない」と思うのではなく、何かに焦点を当て

    てがんばって取り組んでいると大切な人にめぐり合うことができ、何か

    を起こす力が生まれてくると思う。ぜひ、福井から変化を起こしてほし

    い。

    【個別懇談会】

    講演会のあと、希望生徒との個別懇談会も実施した。将来の夢を実現

    させるために大学で学ぶとよいこと、日本各地や外国を実際に訪れて自

    分の目で確かめることの大切さ、などについて様々なアドバイスをいた

    だいた。

    第2回

    日 時 平成31年2月2日(土)13:30~16:30

    講 師

    渡邉 一孝 氏

    株式会社 ExN(映画企画・製作・配給)代表、映画『僕の帰る場所』

    プロデューサー、本校卒業生

    演 題 移民社会に向き合って ~映画『僕の帰る場所』福井公開を前に~

    参加者 高志高校・高志中学校生徒のうち希望者30名

    内 容 (1) 大切にしたいこと

  • 誰にも正解を教えてもらえない現代において、私たちは不確実なこと

    に確信的に取り組んでいかねばならない。自分がこれまでに取り組んで

    きたことを通して、見えてきたもの常に考えていることがある。それは、

    ● 発想とは?

    ● ひらめきとは?

    ● 気づきとは?

    ● 自分のやりたいこととは?

    ● 自分に向いていることとは?

    これらは、自分の内にある無意識が現れてわかることで、誰も教えて

    くれないし誰も与えてくれない。現れて消えてしまう前に自分で捕まえ

    ないといけない。それらが現れてくれるようにするには、圧倒的に無数

    の情報を浴びる(映画館で映画を見るのがおすすめ)必要がある。

    (2)情報の整理・分析・理由付け

    情報を浴びた後で、見えたものや記憶に残っていることを書き出して

    みるとよい。そして、それらを複数の視点から分析し理由付けすると、

    自分のやりたいことや自分に向いていることが見えてくる。特に、人に

    話してみて、新たな視点や尺度を得てさらに分析を重ねることは大切で

    ある。

    (3)スローガンは必要か

    映画『僕の帰る場所』を制作する際、監督とは特にキーワードを共有

    していたわけではないのに、後にキーワードを用いて語られることとな

    った。やりたいことをやり抜くこと、結論から入らずに行動を起こすこ

    との強さが後に出るはずだ。

    【個別懇談会】

    講演会での質疑応答が止まず、1時間以上にわたって生徒との懇談に

    も応じていただいた。

    第3回

    日 時 平成31年3月14日(木) 13:40~15:40

    講 師 白﨑 里奈 氏

    One Young World アンバサダー、本校卒業生

    演 題 One Young World 世界大会に参加して(体験報告会)

    参加者 高志高校生徒のうち希望者30名

    内 容

    (1) プロフィール

    ① 高志高校時代

    ② 大学時代

    バンコクで開催された大会に参加したことが、新しい世界観を持つ

    きっかけになった。

    ③ 現在の職業(楽天株式会社勤務)

    (2) One Young World とは?

    (3) One Young World 世界大会について

    ① 2017 年コロンビア大会

    ② 2018 年オランダ大会

    ③ 2019 年イギリス大会

    (4)今後の展望

  • ①福井から世界へ思いを発信する流れを作りたい。

    ②高志高校の生徒、福井県の生徒にも積極的に世界に目を向け、One

    Young World の活動にも興味を持ってほしい。

    (4)海外校との連携・海外留学支援等

    ① 海外の学校との連携

    タイ研修において、カセサート大学附属学校(マルチリンガルプログラム校)に21名(男子5名、

    女子16名)の生徒を派遣した。同校とは平成26年度より交流を続けており、平成27年度には交

    流協定を結んだ。今年度はこの交流協定の改定年にあたり,さらに3年間の交流協定を更新した。学

    校訪問では授業参加はもちろんのこと、同校生徒宅でのホームステイ受け入れや課題研究に関するア

    ンケートやインタビュー等にも応じてもらった。来年度は、10月に本校生徒約20名を受け入れて

    もらう予定である。また、本年度は12月に同校からの派遣生徒10名を受け入れ、授業参加や文化

    体験、部活動体験などのプログラムを通して交流を行った。同校とはカセサート大学を含め、今後も

    交流を継続したい。

    ベトナム研修には16名(男子6名、女子10名)の生徒が参加し、平成26年度より交流を続け

    ているドンズー日本語学校を訪問した。同校には2日間連続で訪問し、日本語を学ぶベトナム人学生

    たちと課題研究に関連したインタビューやディスカッションを行うなど、活発な活動を展開すること

    ができた。また、ホーチミン市師範大学には4年連続で受け入れをしてもらった。大学生を相手にプ

    レゼンテーションをしたり、授業に参加させてもらったりしながら、英語によるコミュニケーション

    を行った。高校訪問では昨年度よりマリ・キュリー高校を訪問しているが、授業参加や文化紹介、B

    &S研修などの充実した研修を行うことができた。来年度に関しては、ドンズー日本語学校からは受

    け入れの承諾を得ている。大学・高校についても、これまでの訪問校に依頼して、従来通りの研修を

    実施したい。

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