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欧米パブリッシャーとのビジネス

2009.12.23株式会社ナウプロダクション

大信 英次

講師紹介

大信 英次

学歴

・神戸大学中退。オレゴン大学理学部数学科及び経済学部卒業

職歴

・外資系コンサルティング企業 '経営コンサルタント(

・商社 'アパレル商品企画、営業、生産業務(

・商社 '新規事業の玩具事業立ち上げ、玩具の海外事業展開、新規開拓営業、生産、ライセンス業務(

・商社LA現地会社 '現地会社設立、代表者として就任。現地会社経営、欧米市場開拓、流通網確立(

・株式会社ナウプロダクション '2006年1月現職に入社。経営企画、新規事業、海外事業推進責任者(

その他経産省傘下、'財(デジタルコンテンツ協会主催コンテンツ国際流通促進委員会委員

1.ナウプロダクションについて

1986年1月17日設立

従業員数 228名'フルタイム(-2009年12月23日現在

年商 24.8億円'2009年5月決算(

事業

・ビデオ・ゲーム開発、パブリッシング

・モバイル・ゲーム&コンテンツ開発、パブリッシング

・パチンコ&パチスロソフト・ウェア開発、ハードウェア開発

・インタラクティブ・オンライン・コンテンツ開発

現在までに200タイトルを超えるビデオ・ゲーム・タイトルを開発

1.ナウプロダクションについて-現在アカウントがある主な欧米パブリッシャー

主な欧米パブリッシャー・Electronic Arts・Activision・UBISOFT・Activision Blizzard・Warner Brothers Interactive・Disney Interactive Studios・Atari Global Publishing・SCEA・SCEE・THQ Inc.・Square Enix Europe・Bigben Interactive・Take 2 Interactive

・Microsoft Game Studio・Majesco Entertainment・Ignition Entertainment・2K Games・Konami Digital Entertainment America・Buka Entertainment・Mindscape・505 Games・Koch Media Group・D3Publisher of America・Midas Interactive・Eidos Interactive ・Codemasters

1.ナウプロダクションについて-海外パブリッシャーとの具体的な契約進行状況

現在までの海外パブリッシャーとの具体的な成果(2006年7月度より海外開拓開始後、2009年12月23日時点(

2008年・Empire Interactive社“Unsolved Crimes”'NDS) 2009年11月北米、欧州発売

・Activision社“Little League World Series Baseball 2008”(Wii(2008年8月北米、欧州発売

1.ナウプロダクションについて-海外パブリッシャーとの具体的な契約進行状況

現在までの海外パブリッシャーとの具体的な成果(2006年7月度より海外開拓開始後、2009年12月23日時点(

2009年・ Activision社“Little League World Series Baseball 2009”(Wii)2009年6月北米販売

“爆丸'Bakugan(”5プラットフォーム'PS3, PS2, Wii, NDS, X360) 2009年10月北米、欧州発売

・Konami Digital Entertainment America“Wire Way”のNDS版、2009年11月北米、欧州、日本。I Phone版2009年12月北米、欧州

2009年12月23日段階複数の欧米ゲームパブリッシャーと複数のプロジェクト制作進行中

1.ナウプロダクションについて-海外ディベロッパーとの協業

・UK・ゲーム・ディベロッパーにシナリオ・ライティング、カルチャライゼーション等協業

・カナダQA企業へNDSゲームのローカライズ、QAオーダー

・台湾ゲーム・ディベロッパーへグラフィック制作外注

・中国ゲーム・ディベロッパーへグラフィック、CGI Movie制作外注

・タイランド・ゲーム・ディベロッパーへグラフィック、CGI Movie制作外注

・マレイシア・ゲーム・ディベロッパーへグラフィック、CGI Movie制作外注

・他ワールドワイドにて各地域のゲーム・ディベロッパーの調査、協業も継続進行中

2.世界のゲーム業界現状'販売サイド(

現在の世界市場、特に北米、欧州、日本市場に関して販売サイドの状況を確認しておきましょう

2.世界のゲーム業界現状'販売サイド(

ゲーム販売市場の現状

1.2007年日本国内ゲーム産業売上実績総売上:2兆9364億円'前年比80%増(

海外売上:2兆3445億円海外向ハードウェア総出荷額:1兆7845億円'前年7161億円(海外向ソフトウェア総出荷額: 5600億円'前年3629億円(

国内売上:7114億円国内向ハードウェア総出荷額:3291億円 '前年2665億円 (国内向ソフトウェア総出荷額: 3594億円 '前年4110億円(

2.世界のゲーム業界現状'販売サイド(

ゲーム販売市場の現状

1.2008年日本国内ゲーム産業売上実績

国内売上:5524億円'前年度6769億円(=-18.4%国内向ハードウェア総出荷額:2315億円 '前年3174億円 (=-27.1%国内向ソフトウェア総出荷額: 3209億円 '前年3594億円(=-10.7%

2.任天堂2009年3月決算'過去最高売上、利益達成(海外売上高:日本国内売上高= 85: 15

任天堂のドミナントが欧米も席巻。欧米大手パブリッシャーは2008年度よりリストラを先行して行っている。

実際のゲーム世界市場を任天堂を区別して、現状実情分析、考察が必要

日本パブリッシャーの日本市場での販売は現在どうなってるのか確認

2.世界のゲーム業界現状'販売サイド(

5883

51374851

41313685

3367309131693141

41103594

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199719981999200020012002200320042005200620072008

ゲーム・ソフトウェア販売日本市場'単位:億円(

北米、欧州、日本のソフト販売売上推移を確認

2.世界のゲーム業界現状'販売サイド(

3385

55286163

66767117 7038 7060

7810

1798

2912

40534777

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3685 3367 3091 3160 3141

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2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008

北米

欧州

日本

ゲーム・ソフトウェア販売市場「北米、欧州、日本」'単位:億円(

2.世界のゲーム業界現状'販売サイド(

世界市場の現状

・ゲーム市場規模(2009年現在(北米 : 欧州 : 日本 = 3 : 1.5 : 1

→欧米'北米、欧州(:日本= 4.5: 1

2.世界のゲーム業界現状'販売サイド(欧米ゲームパブリッシャーの現状

'最新ビジネス商談の場から(

欧米大手ゲームパブリッシャー

欧米ゲームソフト店頭販売市場が失速→案件の精査が厳しくなった。リードタイムの短縮化→より利益が高い、安全なタイトル開発、発売へシフト

経済状況悪化→人気のあるライセンス→確実な回収が見込めるタイトルにシフト傾向→新規IPに対する保守化傾向→よりすぐれたディベロッパーを選ぶ傾向→ワールドワイドでのゲーム制作最適化の更なる進化。'コスト削減必要。東南アジア、東欧ディベロッパーへオーダー増加(

2.世界のゲーム業界現状'販売サイド(欧米ゲームパブリッシャーの現状'最新ビジネス商談の場から(

欧米大手ゲームパブリッシャー

特徴・クロス・プラットフォーム案件のニーズの高さ、恒常化

・ランセンス、版権物ゲームタイトルの恒常的な多さ

・Wiiの寿命の懸念。2011年度以降発売のWiiタイトルに関しては慎重

・PS3、XBOX360の寿命は2013年ぐらいまで延びるとの予測

・PS2の市場継続

2.世界のゲーム業界現状'販売サイド(欧米ゲームパブリッシャーの現状'最新ビジネス商談の場から(

欧米中小ゲームパブリッシャー

欧米ゲームソフト販売市場が伸びている→前向きなプロジェクト展開意欲が継続→より利益が高い、安全なタイトル開発、発売へシフト

経済状況悪化→人気のあるライセンス→確実な回収が見込めるタイトルにシフト傾向→新規IPに対する保守化傾向→自社制作より、リスク低い既存タイトル買付け傾向増加→コスト削減が顕著。ディベロッパーとしては厳しい

2.世界のゲーム業界現状'販売サイド(欧米ゲームパブリッシャーの現状'最新ビジネス商談の場から(

欧米中小ゲームパブリッシャー

特徴・クロス・プラットフォーム案件のニーズが高くなっている'PS3、360含む大規模プロジェクトは尐ない。PCニーズ高い。(

・Wii、DSの2プラット・フォーム案件の存在

・中規模パブリッシャーの苦戦。例えばTHQの苦戦、Midway'Warner BrothersがIP買収(の民事更生法適用、Eidosの身売り、Atari EuropeDistributionの身売り、その他

2.世界のゲーム業界現状'販売サイド(日本ゲームパブリッシャーの現状'最新ビジネス商談の場から(

日本ゲームパブリッシャー

日本のゲームソフト販売マーケットが失速→タイトルごとの販売数が欧米市場にかなり比べて尐ない→特定タイトル以外、資金回収を日本市場のみで行うことが困難→制作外注は日本ゲームソフト販売市場悪化で予算減額が著しい

経済状況悪化→人気のあるライセンス→連作への更なる傾倒→新規IPに対する保守化傾向→小規模プロジェクトの精査、中止傾向→ワールドワイドマーケットで通用する可能性を求めて大規模プロジェクト増加傾向も

多くの日本のゲームパブリッシャーが海外市場開拓、強化へ大きくシフト

2.世界のゲーム業界現状'販売サイド(日本ゲームパブリッシャーの現状'最新ビジネス商談の場から(

日本ゲームパブリッシャー

特徴・クロス・プラットフォーム案件のニーズの尐なさ'日本市場の特性('PS3、360含むプロジェクトは欧米向タイトル以外は非常に尐ない(

・欧米に比べてPSPに対する期待が多いが、実際はモーハンのみ

・ほぼすべてのパブリッシャーが全体的に苦戦を強いられている

・PS3、360を含めた欧米向けタイトル開発強化傾向

・マルチ・プラットフォームでのゲーム開発一般化も直ぐそこに

2.世界のゲーム業界現状'販売サイド( 日日本ゲームパブリッシャーの現状'最新ビジネス商談の場から(

日本ゲームパブリッシャーの海外戦略情報'2008年度以降(

スクエア・エニックス

―USAゲーム・ディベロッパー2社買収

―UKのメジャー・ゲーム・パブリッシャーEidos Interactive社買収'開発会社Crystal Dynamics社も傘下(

バンダイ・ナムコ・ゲームス

-Atari Europe Distribution買収

-D3Publisher買収'D3Publisher of America(

2.世界のゲーム業界現状'販売サイド('2050年ゲーム販売市場予測(

北米市場 欧州市場

2050年

北米'人口増加(、欧米'市場圏拡大(、南米'人口、市場圏拡大(、日本'人口減尐(

南米市場

日本市場

2009年

アジア市場

インド市場

中国市場

オセアニア市場

2.世界のゲーム業界現状'販売サイド(

これから世界のゲーム販売市場規模変化により何が変わるか?

・規模の大きい市場向ゲーム数増加

・規模が大きい市場、欧米パブリッシャーの資金力増加

・規模が小さい市場向ゲームは?'100年後には日本語ローカライズもされない?(

・将来的な投資効率がいいのはどの市場なの?

→ゲーム・ビジネスでは上記の将来変化の考察が不可欠

3.海外企画営業に関して

欧米パブリッシャーに対する海外企画営業に関して

3.海外企画営業に関してゼロからの欧米パブリッシャーコンタクト方法

全くゼロから関係構築

・Game Connection'年間:GDC SF、パリ、TGS、リオン等(利用→非常にすぐれたB To B の商談機会を提供している

・GDC、TGS、E3、Gamescom等で商談を設定する→欧米パブリッシャーのウェブサイトから情報を得てコンタクト、アポ設定

・各国大使館、日本政府主宰の商談会に参加する→ゲームパブリッシャーとの商談機会は殆ど無し

・各国大使館主催の海外商談ツアーに参加する→ゲームパブリッシャーには自社から直接連絡にて商談アポ設定必要

・エージェントを通じてコンタクト、商談を行なう→主導権、既得権を握られる難しさが継続-自社で主導権を取るべき

・欧米パブリッシャー日本支社を通じて→日本、APAC向けタイトル提案以外は効果が無い

3.海外企画営業に関して口座開設はビジネス進行に必須'NDAからすべてが始まる(

NDA'機密保持契約書(締結から全てが始まる

・欧米大手パブリッシャーはNDA締結に約US$1000の社内コスト→無駄なNDAは作成したくない

・NDAが無ければ十分な情報開示、提案が出来ない→受託、自社IP提案とも基本、契約に向かうような進行は不可

・商談時、何かNDAを進行する“おみやげ”をもって行くべき→戦略的にNDA締結'口座開設(を進める

・“おみやげ”を何にするか?→商談モチベーションも“おみやげ”に多くを頼ることになる

3.海外企画営業に関して主要ゲーム・コンベンション紹介

世界で行われる主なゲーム・コンベンションを紹介します

3.海外企画営業に関して世界のゲーム・コンベンション状況

2009年度年間スケジュール

1 2 3 4 5

日程 3月24~27日 6月2~4日 8月19~23日 9月24~27日 12月8日~10日

場所サンフランシスコ

USA

ロスアンジェルスUSA

ケルンGermany

東京Japan

リヨンFrance

イベント名GDC

サンフランシスコE3 GAMESCom

Tokyo GameShow

GameConnection

カテゴリーB To B MTG

B To C 展示会B To B MTG

B To B MTGand

B To CConvention

B To B MTG and

B To CConvention

B To B MTG

同時開催Game

Connection

GameConnection

Business Lounge GDC Europe

GameConnection

3.海外企画営業に関して主要ゲーム・コンベンション紹介

・Game Developers Conference San Francisco'San Francisco, USA)

世界で最も大規模で影響力のあるゲーム開発者会議。B To Bの商談機会としては世界で最も重要な位置を占め、展示会機能も高めている

3.海外企画営業に関して主要ゲーム・コンベンション紹介

・E3 'Los Angeles, USA(

2006年度までは世界最大規模のB To C展示会であったが、経費高騰のため、パブリッシャーサイドが撤退。結果、2007、2008年度は著しく縮小された規模でB To B展示会、MTGに特化した形でE3が継続された。

2009年度のE3は、ほぼすべての主要ゲーム・パブリッシャーの出展、規模的には再び、B To Cの世界最大規模のエキシビジョンに返り咲いた。

5.海外企画営業主要ゲーム・コンベンション紹介

・GAMESCom 'Koln, Germany)

2009年現段階でE3に次、世界第二規模のB To C展示会であり、B To B MTGとしてもGDC SFに継ぎ大きな商談の場である。

欧州ゲーム企業にとっては年間で一番重要な展示会、商談場所である。

3.海外企画営業に関して主要ゲーム・コンベンション紹介

・Tokyo Game Show 'Tokyo, Japan)

アジア最大級のB To C展示会である。全体的に縮小傾向を感じる。

B To B MTGに関しては、国際的に出遅れている。今後、国際的なビジネス商談の場を構築する対応が切に期待される

3.海外企画営業に関して主要ゲーム・コンベンション紹介

・Montreal Game Summit 'Montreal, Canda)

カナダ最大のB To B MTGの場である。今後展示会、開発者会議も含めた発展が期待されているが、2009年度は開催側のコンベンション運営意識が低く、大きく参加者を減らした。

カナダのケベック州政府が牽引し、多くの欧米メジャーパブリッシャーが巨大な開発拠点を置き、ゲーム関連企業も巻き込んでクラスターとして更に発展している。

3.海外企画営業に関してゲーム・コンベンションでの営業実例

GDC SF2008を例にとって日本のディベロッパーであるナウプロダクションが海外展示会、商談会でどのような活動をしているかをご紹介します

3.海外企画営業に関してゲーム・コンベンションでの営業実例

Game ConnectionというB To B 商談会

フランスのConnection Event社により2001年より開催

2009年度3回'サンフランシスコ、パリ、リオン(

3.海外企画営業に関してゲーム・コンベンションでの営業実例

GDC On site (Moscone Convention Center West 3rd Floor)

2008年2月19、20、21日開催 '2007年度 4日間開催(

Exhibitors 158社'ブース数 146) (2007年度 104社(

参加パブリッシャー数 120社

参加人数 約600名

総商談数 4200回

9:00~18:00 (Lunch 12:00-13:30)

商談コマ数:1日あたり15コマ'実際は18コマ「ランチ中も商談」(

3.海外企画営業に関してゲーム・コンベンションでの営業実例

Game Connection内自社ブースにて商談・2月19日 15社商談'パブリッシャー 3社、ディベロッパー12社(・2月20日 12社商談'パブリッシャー11社、ディベロッパー 1社(・2月21日 8社商談(パブリッシャー 2社、ディベロッパー 7社(

Game Connection内総商談数 36社パブリッシャーとの商談 16社ディベロッパーとの商談 20社

3.海外企画営業に関してゲーム・コンベンションでの営業実例

GDC会場外にて商談・2月17日 1社商談'ディベロッパー 1社(・2月18日 3社商談'パブリッシャー1社、ディベロッパー1社、政府機関1団体(・2月19日 5社商談'ディベロッパー 4社、政府機関2団体(・2月20日 5社商談'パブリッシャー5社(・2月21日 2社商談(パブリッシャー 1社、ディベロッパー 1社(・2月22日 5社商談(パブリッシャー 3社、ディベロッパー 2社(

GDC会場外総商談数 22社'政府機関含む(パブリッシャーとの商談 10社ディベロッパーとの商談 9社政府機関との商談 3団体

3.海外企画営業に関してゲーム・コンベンションでの営業実例

GDCでの総商談数

パブリッシャーとの商談 26社ディベロッパーとの商談 29社政府機関との商談 3団体

総商談数 58社(政府機関含む(

3.海外企画営業に関してゲーム・コンベンションでの営業実例

商談した主な欧米パブリッシャー・EA・Activision・UBISOFT・Activision Blizzard・Warner Bros.・Disney Interactive Studios・SCEA・Microsoft Games Studio・THQ・Midway Games・Atari Global Publishing

・Majesco Entertainment・Ignition Entertainment・Empire Interactive・Konami Digital Ent. America・Buka Entertainment・D3PA・Mindscape

ビジネス実情紹介-欧米パブリッシャーの企画提案に関する実情、自社IP提案方法、マテリアル、実情

4.ビジネス実情紹介欧米パブリッシャーの日本ゲームディベロッパー観

全般的に

・クオリティ、クリエイティビティは高い'リスペクトさえしている(

・納期'マイルストーンも含む(を守らない

・過去に2~3度試したがうまく行かなかった。以来取引無し

・一番大きな問題点は?→ゲーム受託制作業務をビジネスとして理解出来ていない

・結果→ゲーム制作のビジネス・パートナーとしては評価は著しく低い

4.ビジネス実情紹介企画提案書とは?

企画書とは-ゲームの面白さ、ゲームプレイを伝える

提案書とは-提案市場、地域、パブリッシャーに対する自社の提案企画の分析、訴求点

企画案に含める情報-企画書、コンセプト、仕様書-ムービー-プロトタイプ-開発者履歴-予算、開発期間-最近開発したゲームに関する資料

4.ビジネス実情紹介企画提案書だけでは契約に至るのは困難

百聞は一見に然り。3分ほどのムービーで「これは一体どんなゲームなのか?」をゲームフロー、ストーリーとして伝える

映画のクリップ、鉛筆画、ゲームの前編の一場面等ビジュアルでゲームの雰囲気を伝えられそうな素材を何でも使う

リソースに余裕があるならプロトタイプがあるとベター'実際は何らかのプロトタイプ無しでの契約は困難(

提案するゲームの「売り」が新しい操作性である場合もプロトタイプはそのゲームメカニズムを確認できるので効果的

4.ビジネス実情紹介-現在スタンダードである提案書とは

現在スタンダートとされる提案書とは

-提案するゲームの販売、マーケティング方法も含めて提案する

-大手小売店バイヤーに客層の嗜好や購買パターンを分析、説明するのもパブリッシャーの仕事'現在ディベロッパーがそのベースにある提案書を作成するのが主流(

-欧米ディベロッパーが雇用に力を入れているのがマーケティング、セールスのプロフェッショナル'求められる、訴求力のある企画、提案書を作成、提案する為(である事実

-ゲーム・プランナーも市場、パブリッシャー、競合パブリッシャーの情報を知り、分析出来ていないと訴求力のあるゲーム企画書作成が難しく、提案受け入れ確率が下がる

4.ビジネス実情紹介-パブリッシャーの判断基準

一言:「リスク回避」

企画内容開発チーム履歴市場の見通し開発予算発売時期ハードメーカーの企画承認ハードの寿命

4.ビジネス実情紹介-パブリッシャーのリスク

パブリッシャーは

-何億という費用をかけてゲームを開発し-何億というライセンス料を支払い映画やコミックライセンスを取って-製造し-販売し-小売店が返品すれば返金し-人件費を払い-訴訟などの法的リスクを背負い-税金を払い

→手元に残る利益はほんの一部

4.ビジネス実情紹介

-開発コスト高騰

ゲーム開発コストの上昇-5年ごとにコストは倍々-ハイグラフィック仕様による1タイトルあたりの開発人数の必要数増加

大手ゲーム会社はコストの低い国での外注、開発をどんどん進めている'インド、韓国、中国、東欧、東南アジア等(

クロス・プラットフォーム戦略-開発コストを+20%=+1SKUのコスト認識

4.ビジネス実情紹介

-企画提案内容1

クリエイティビティで勝負

ゲーム性、ゲーム・メカニクスで何がユニーク、斬新なのか?

現存の市場に無い“Niche”を狙う

対象ハードの特性をどう生かしているか?

新しく確立されつつあるジャンルを狙う

4.ビジネス実情紹介-企画提案内容2

企画内容について-プレゼンする先のパブリッシャーの背景調査'パブリッシャーが社内開発でどんなジャンルのゲーム・フランチャイズを持っているかを下調べする(

-該当市場での類似ソフトの過去の売上の下調べをする。

-年間を通じて企画を売り込む最適の時期を狙う。

-パブリッシャーにある程度のマーケティングをする。ゲーム性のみでなく、ユーザーが求めているコンセプトを売り込む

-ニュースレターみたいな形式でメールを定期的に送り、会社の近況をさりげなく伝えるのも効果的

4.ビジネス実情紹介海外パブリッシャーに対するアプローチ

ステップ

・会社の強み、弱みを知り、企業ビジョン、中長期計画の明確化→何を売りたいか、何を売りにするのかを明確化

・攻略ステップ→全社的な協力がほとんど無くても、まずスタート。行動、情報収集が具体的な方向性、戦略構築につながる

・コンタクト方法→パブリックな情報で十分アポ設定可能。Game Connection等へ参加

・まずは商談設定→最初はゲームのコンベンション、Game Connectionがベター。その後現地に出張、MTG

・商談時に準備するものは→英文会社案内1P、実績ムービー、提案したい案件の企画書、ムービー、試作品

4.ビジネス実情紹介商談への準備。プレゼン方法考察

企画提案営業全体の流れ

・ゲーム企画を集める →社内でのスタートは2~3ページのゲーム・コンセプトで十分

・対外提案企画を選択、社外提案用にブラッシュアップ →Key Visualがとても大事

・企画提案書を作成 →ゲーム企画、マーケット分析も含めた提案書に'PP7~8ページで十分(

・コンベンション、展示会、海外出張時に提案 →1~2企画提案で時間的に限界

・反応を見て、どのゲーム企画を更に進めるかを決定 →興味の程度理解は経験必要'事前のQA企業フォーカステスティング等利用も(

・プレイアブルデモを開発 →これが無いと基本契約には至りません'試作契約もやはりプレイアブルの存在が基本(

・企画提案書、プレイアブルデモにて契約可能性を最終確認 →期限を決めて

・契約打診、契約交渉進行 →契約書精査に結構'かなり(時間かかります

・仮契約後はビジネスとして成り立つように納期、予算を守り開発、納品 →約束を守りましょう

4.ビジネス実情紹介提案物考察、日本、欧米向の明確な差別化の必要性

'事後ローカライズでは基本通じない(

・日本向けの企画では通じない→基本売れない認識を

・欧米向タイトルにと事後ローカライズは基本通じない→売れたらラッキーとの認識を

・企画当初から欧米向タイトルと定義、限定→ローカライズ、カルチャライズを初期企画段階からスタート

・欧米パブリッシャーに受け入れられる企画かの判定→Focus Testingの実施等

・欧米向ゲームは社内スタッフが遊んで面白くないとの意見も→良い兆候かもです

4.ビジネス実情紹介

商談への準備。プレゼン方法考察

ゲーム企画書、提案書準備→ゲームの面白さ、ゲームプレイを伝える'結論を1行で、その後簡潔な説明を(→“何が新しいか”、“何がセールスポイントか”を一言で答えれるように→提案市場、地域、パブリッシャーに対する提案企画の総合的な分析、訴求

企画提案マテリアル→企画書、コンセプト、仕様書→ムービー'商談継続に有効であるが、契約に決定的な効果は無い(→プロトタイプ'可能であれば-契約に必要不可欠に近い(→開発者履歴'社内にて常にアップデイトしておく(→予算、開発期間'いつかは必要なので必ず準備する(→最近開発したゲームに関する資料'ムービー、具体的な情報等(

商談準備→企画、提案書を頭にしっかりと消化、商談時相手にプレゼン書類を読ませない

プレゼン方法→訴求点を明確に→相手にコミットさせる為、デットラインを常に提示

4.ビジネス実情紹介商談フォローアップ方法、契約可能性考察

・商談フォローは迅速に、期限を切って→相手にコミットさせる

・基本欧米パブリッシャーは提案企画に対してネガティブな言動は言わない→本当に良い企画と考えているかは全く別物

・1度の商談だけでは契約前提の進行は非常に困難→出張現地商談必須

・“Executives Meeting”で提案するとの連絡→プロデューサー、セールスサイド双方で評価されている証拠

・決まる時は結構あっさりとオファーが出る→提案後1ヶ月以内の事例も

・契約書ドラフトが実際に出てきて初めて契約の第一歩→オファーが出ても、正式な契約書が出てくるにはかなりの時間がかかる

・現地商談必要なのは?→ゲーム仕様、制作予算決定時、ファーストプレイアブル、及びαバージョン時期

ビジネス実例紹介

ー社内体制構築、対外対応、ビジネス戦略、行動、問題点考察

4.ビジネス実情紹介英語ベースのコミュニケーション、

社内体制構築考察

・欧米パブリッシャーとの英語でのゲーム制作ビジネス→基本開発部署が英語を理解出来なくても可能

・通訳、翻約、顧客管理→バイリンガルのアカウント・マネージャーの存在必須→ただしゲーム業界経験が無くても対応可能

・正式な企画提案書、GDD、TDD制作→English Native Checkが不可欠

・実制作時のコミュニケーション→週単位での電話会議は不可欠

4.ビジネス実情紹介開発者、ビジネス交渉責任者の協業

・ビジネス交渉責任者はプロジェクト全般に渡り責任を→契約後、仕事は終わりではプロジェクト完結不可能

・開発サイドプロデューサーは欧米ビジネスを理解する→納期、予算意識を理解、チーム内に徹底させる

・ビジネス、開発サイド双方がパートナー意識を持つ→分業を明確化、双方に必要な知識、経験を共有する努力を

・納期、予算を死守→納期、予算守った上でのゲームクオリティ管理が必須

・ゲーム仕様、予算決定時のクオリティ・ベンチマーク→Face To Face Meeting必要。非常に重要

・マイルストーン設定方法→人員配置、投入時期を明確に検証、自社のロジックで交渉を

・問題が発生時→即対応策考察、ロジックを明確にして即相談

4.ビジネス実情紹介納期意識、予算意識の重要性-約束を守る'欧米ビジネスの基本(

・ロジックが通れば、理解され、意見も通る→日本人が苦手な部分ですが必須

・予算、納期変更もロジックが通れば可能→実際通ります

・問題発生時もロジカルな思考、行動で対応→早期に社内討論、ロジカルな対応策を早期相談

・日々の細かい会話、交渉ごともすべてロジカルな対応を→実際にビジネスをしてきて、日本とのゲームパブリッシャーのみの取引経験で、業界経験が長い方ほど苦戦されています

・日本特有のウエットな感情、行動を排除→言わなくてもわかってくれるは日本だけ

4.ビジネス実情紹介ロジックの重要性'ロジカルな交渉、対応が出来ないとビジネス関係構築が困難(

日本ゲーム企業の問題点、今後

5.日本のゲームディベロッパーに欠けている点

・ゲーム事業をビジネスとしての本質的な理解、実践→納期、予算を守ることがビジネスの基本

・ワールドワイドのビジネスに対する理解、適応努力→クオリティ1番。予算2番。納期3番では対応不可

・マーケットサイド'販売予測(重要性の理解→物が良くてもセールス期待値が低ければビジネスベースに乗らない

・生き残りの為に海外市場必要性の本当の理解→日本国内市場への根拠の無い信頼→日本市場は相対的に縮小の一途をたどります

6.日本企業の社内調整の難しさ

・実感として社内90%、社外10%→社内に対して自己キャパシティの90%コミット必要

・トップの理解は当然有る。が、当然困難な社内調整→海外事業推進責任者がよく陥る問題点

・トップダウン、役職も通じない現実→人は簡単には動きません。社内も経済論理で利益を与える

・海外事業推進責任者がすべての責任を背負う勇気と実行力→厳しいですが、これが現実です

・それでも可能な欧米パブリッシャーとの取引→自社の方向性、ビジョンを明確化して、正しいビジネス理解、行動で、誠実に約束を守り、ビジネスにあたれば必ず道は開けます

7.企業の生き残りをかけて

・日本のゲーム業界の経験、常識を疑う→現在の日本ゲーム市場、日本ゲーム企業が苦戦している事実を受け入れる

・ベストプラクティッスを探し、学ぶ→世界で既に学ぶべきベストプラクティッスが存在、自社へ如何に適合させるか

・仮説を立てて、行動し、考える事から、次の一手が見えてくる→諦めずに行動、仮説を検証しながら、考え、変化し続ける

・ワールドワイドでの競争があるべき姿→ワールドワイドでの生き残りが、結果日本での生き残りにつながる

・ワールドワイドでのビジネスの最適化→競争は既にワールドワイドへシフトしている事実を受け入れる

・ワールドワイドでビジョン、ビジネスを共有できるパートナーを創る→単独では戦いに勝てない現実がある

問合せ先

株式会社ナウプロダクション

企画室 室長 大信 英次

E-mail: ohnobu@nowpro.co.jp

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