「観光に関するアンケート調査」 結果報告書...Webサイト(自治体、観光協会等) 施設のホームページ アプリ 知人などからの口コミ テレビ

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「観光に関するアンケート調査」

結果報告書

~観光地(東大寺)での調査~

2020 年 2 月

奈良商工会議所

1

調査の概要

1.調査内容

実際に奈良を訪れた国内外の観光客が、奈良観光や奈良の宿泊施設に対してどのような

イメージを持たれているのかを調査し、奈良の観光地や宿泊施設の整備・販促活動に活か

すヒントを探る目的で、東大寺前で外国人観光客および日本人観光客に対して調査を実施

した。

2.調査方法

東大寺を訪れた国内外の観光客へアンケート調査票をもとに、インタビュ―形式での聞

き取りを行った。

3.調査の時期・回収サンプル数

2019年 12月に実施し、外国人観光客から 50件、日本人観光客から 50件を回収した。

回答者の属性

Ⅰ.外国人観光客

1.性別

「男性」(56%)の割合が「女性」(44%)に比べて高い。

2.年代別

「20歳代」(38%)、「30歳代」(34%)が多く、「40歳代」(16%)、「50歳代」(6%)、

「10歳代」(4%)と続いている。外国人観光客には比較的若い人が多い。

男性

56%

女性

44%

10歳代

4%

20歳代

38%

30歳代

34%

40歳代

16%

50歳代

6%

70歳代

2%

2

3.出身地

外国人観光客の出身地上位 5地域は、スペイン(7人)、アメリカ(6人)、中国(5

人)、シンガポール(5人)、オーストラリア(4人)であった。

Ⅱ.日本人観光客

1.性別

「女性」(58%)の割合が「男性」(42%)に比べて高い。

2.年代別

「60歳代」(32%)が多く、「50歳代」(18%)、「70歳代」(16%)、「40歳代」(10%)、

と続いている。日本人観光客には中高年齢者が多い。

7

6

5

5

4

3

3

3

2

2

2

2

1

1

1

1

1

1

0 1 2 3 4 5 6 7 8

スペイン

米国

中国

シンガポール

豪州

タイ

マレーシア

その他

台湾

その他アジア

イタリア

ブラジル

フランス

オランダ

ポーランド

アイルランド

その他ヨーロッパ

カナダ

男性

42%女性

58%

10歳代

4%20歳代

8%

30歳代

6%40歳代

10%

50歳代

18%

60歳代

32%

70歳代

16%

80歳以上

6%

3

3.住まい

日本人観光客の住まいの上位 7都道府県は、大阪府(7件)、奈良県(6件)、東京都(4

件)、神奈川県(3件)、愛知県(3件)、滋賀県(3件)、兵庫県(3件)であった。

7

6

4

3

3

3

3

2

2

2

2

2

2

1

1

1

1

1

1

1

1

1

0 1 2 3 4 5 6 7 8

大阪府

奈良県

東京都

神奈川県

愛知県

滋賀県

兵庫県

北海道

宮城県

埼玉県

千葉県

岐阜県

京都府

岩手県

福島県

茨城県

石川県

静岡県

三重県

岡山県

香川県

宮崎県

4

旅行一般に関する調査結果

1.普段旅行する際、最も多い同行者

外国人観光客の場合は、「家族(親族を含む)」(36%)、「友人」(28%)、「恋人」

(14%)の順であった。一方、日本人観光客の場合は、「家族(親族を含む」(44%)、「友

人」(28%)、「ひとり旅」(26%)の順であった。外国人観光客、日本人観光客ともに、家

族や友人が多いことがわかる。

外国人観光客

日本人観光客

2.旅先を決定する時のポイント(複数回答)

外国人観光客の場合は、「行きたい場所がある」(60%)、「訪れたことがない」(36%)、

「食事」(30%)の順であった。一方、日本人観光客の場合は、「行きたい場所がある」

(84%)、「訪れたことがない」(28%)、「食事」(8%)の順であった。外国人観光客、日

本人観光客ともに、目的を持って旅行する人が多いことがわかる。

外国人観光客

日本人観光客

36%

28%

14%

12%

8%

2%

0% 20% 40% 60%

家族(親戚を含む)

友人

恋人

ひとり旅

団体旅行

パートナー

44%

28%

26%

2%

0%

0%

0% 20% 40% 60%

家族(親戚を含む)

友人

ひとり旅

団体旅行

恋人

その他

60%

36%

30%

18%

6%

2%

2%

2%

2%

2%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

行きたい場所がある

訪れたことがない

食事

名産品

宿泊施設

武術が学べる

自然豊か

文化的

自国と異なる文化

友人がいる

84%

28%

8%

6%

4%

2%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

行きたい場所がある

訪れたことがない

食事

宿泊施設

名産品

テレビ等

5

46%

30%

16%

10%

10%

6%

6%

2%

0% 20% 40% 60% 80%

Webサイト(口コミサイト)

観光情報誌

Webサイト(自治体、観光協会等)

施設のホームページ

アプリ

知人などからの口コミ

テレビ

まほろば館

3.観光情報の入手元(複数回答)

外国人観光客の場合は、「Webサイト(口コミサイト)」(76%)、「Webサイト(自治体、

観光協会等)」(36%)、「知人などからの口コミ」(18%)の順であった。一方、日本人観

光客の場合は、「Webサイト(口コミサイト)」(46%)、「観光情報誌」(30%)、「Webサイ

ト(自治体、観光協会等)」(16%)の順であった。外国人、日本人ともにネットからの情

報収集が多く、複数の情報源を見比べていることがわかる。

外国人観光客

日本人観光客

76%

36%

18%

12%

12%

6%

2%

2%

0% 20% 40% 60% 80%

Webサイト(口コミサイト)

Webサイト(自治体、観光協会等)

知人などからの口コミ

観光情報誌

アプリ

施設のホームページ

インフォメーションセンター

SNS

6

4.選択する宿泊施設の種類

外国人観光客の場合は、「ホテル」(68%)、「ゲストハウス」(14%)、「旅館」(10%)、

「民泊」(6%)の順であった。一方、日本人観光客の場合は、「ホテル」(82%)、「旅館」

(14%)、「車中泊・交通機関泊」(2%)、「親戚の家」(2%)の順であった。ともにホテル

泊が多いが、外国人観光客の方が日本人観光客に比べて、宿泊先に多様性があることがわ

かる。

外国人観光客

日本人観光客

68%

14%

10%

6%

2%

0%

0%

0%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

ホテル

ゲストハウス

旅館

民泊

ユースホステル

別荘

キャンプ場

車中泊・交通機関泊

82%

14%

2%

2%

0%

0%

0%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

ホテル

旅館

車中泊・交通機関泊

親戚の家

ゲストハウス

別荘

キャンプ場

7

5.宿泊先を選ぶ時に重視する点(複数回答)

上位 4項目は、外国人観光客の場合、「場所(駅や観光地が近い)」(82%)、「料金」

(60%)、「綺麗さ」(20%)、「設備(インターネット設備、浴室等)」(14%)であった。

日本人観光客の場合は、「場所(駅や観光地が近い)」(60%)、「料金」(60%)、「料理」

(28%)、設備(インターネット設備、浴室等)」(24%)であった。外国人観光客、日本

人観光客ともに場所と料金を中心に選択していることがわかる。ただ、この 2つは宿泊施

設にとって変更が困難なことから、料理、設備、綺麗さ、接客態度などで差別化を図るこ

とが重要と思われる。

外国人観光客

日本人観光客

82%

60%

20%

14%

10%

10%

4%

2%

0%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

場所(駅や観光地が

近い)

料金

綺麗さ

設備面(インター

ネット設備、浴室…

口コミの評価

従業員の接客態度

料理

清潔さ

広さ

60%

60%

28%

24%

22%

16%

6%

2%

0%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

場所(駅や観光地が

近い)

料金

料理

設備面(インター

ネット設備、浴室…

綺麗さ

口コミの評価

従業員の接客態度

サービスの良さ

広さ

8

奈良観光に関する調査結果

1.奈良を訪れた経験

奈良を訪れたことがあるかを尋ねたところ、外国人観光客の場合は、「今回が初めて」

(88%)、「ある」(12%)であった。一方、日本人観光客の場合は、「ある」(98%)、「今

回が初めて」(2%)であった。外国人観光客へは一層の情報発信が必要である。

また、過去に奈良に訪れた回数を尋ねたところ、外国人観光客の場合は、「2回」が 4

人、「1回」が 1人、「3回」が 1人であった。一方、日本人観光客の場合は、「2回」

(20%)、「複数回」(20%)、「10回」(12%)の順で、多くの人が何度も訪れていることが

わかる。

外国人観光客

日本人観光客

外国人観光客

日本人観光客

ある

12%

今回が初めて

88%ある

98%

今回が初めて

2%

1回

16%

2回

67%

3回

17%

1回

10%

2回

20%

3回

6%

4回

4%

5回

2%

6回

4%7回

2%

10回

12%

11回

2%

20回

4%

30回

2%

50回

2%

200回

2%複数回

20%

何回も

4%

無回答

2%

9

76%

20%

12%

10%

6%

2%

2%

2%

2%

2%

2%

2%

0%

0% 20% 40% 60% 80%

寺社仏閣・施設等の見学

イベントへの参加

自然(紅葉見学・山登り等)

鹿を見るため

食事・お土産

空気がよい

高い建物がない

静かな雰囲気

シンポジウムに参加

奈良の地酒

プリンの森

気まぐれ

宿泊施設

2.今回、奈良を訪れた理由(複数回答)

外国人観光客の場合は、「鹿を見るため」(72%)、「寺社仏閣・施設等の見学」(62%)、

「自然(紅葉見学・山登り等)」(18%)の順であった。一方、日本人観光客の場合は、

「寺社仏閣・施設等の見学」(76%)、「イベントへの参加」(20%)、「自然(紅葉見学・山

登り等)」(12%)、「鹿を見るため」(10%)の順であった。外国人観光客は、鹿とのふれ

あいに魅力を感じており、日本人観光客は、寺社仏閣の見学を目的として何度も訪れてい

る様子がうかがえる。

外国人観光客

日本人観光客

72%

62%

18%

2%

2%

2%

2%

0%

0%

0% 20% 40% 60% 80%

鹿を見るため

寺社仏閣・施設等の見学

自然(紅葉見学・山登り等)

食事・お土産

ツアーに組まれていた

人や文化について知りたい

日本の友人に会うため

イベントへの参加

宿泊施設

10

3.奈良への再訪意欲

奈良へ再訪したいかどうか尋ねたところ、外国人観光客の場合は、「ぜひそうしたい」

(50%)、「そうしたい」(38%)、「どちらでもない」(10%)、「ややしたくない」(2%)で

あった。日本人観光客の場合は、「ぜひそうしたい」(78%)、「そうしたい」(20%)、「ど

ちらでもない」(0%)、「ややしたくない」(2%)であった。再訪意欲は日本人の方が高い

ことがわかる。

外国人観光客

日本人観光客

50% 38% 10% 2%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

ぜひしたい

そうしたい

どちらでもない

ややしたくない

したくない

78% 20% 2%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

ぜひしたい

そうしたい

どちらでもない

ややしたくない

したくない

11

34%26%

12%10%10%

6%4%4%

2%2%2%2%2%2%

0% 10% 20% 30% 40% 50%

歴史的文化財、神社仏閣、仏像

環境が良い、静か、落ち着く、派手でない

見る所が多い、まだ見ていない所がある

鹿がかわいい

大仏で心を癒やしたい

食事が美味しい

近い

京都は何度も行っている

四季が美しい

写経ができる

吉野の桜を見たい

懐かしさがある

パワーがもらえる

散歩しやすい

4.奈良を再訪したい理由(複数回答)

奈良を再訪したい理由を尋ねたところ、外国人観光客の場合は、「町・寺・公園・景観

が美しい」(46%)、「鹿と触れあえる」(22%)、「自然を楽しみたい」(8%)、「古いのに綺

麗・保存状態がよい」(8%)の順であった。日本人観光客の場合は、「歴史的文化財、寺

社仏閣、仏像」(34%)、「環境が良い、静か、落ち着く、派手でない」(26%)、「見る所が

多い、まだ見ていない所がある」(12%)の順であった。外国人観光客は美しさに、日本

人観光客は美しさに加えて、歴史的文化財への関心が高いことがわかる。

外国人観光客

日本人観光客

ただ、「再訪したくない」と答えた外国人観光客の中に、「歴史がわからない」という理

由を上げた人がいた。いろんな媒体を使って、外国人にとってよりわかりやすく歴史を説

明する工夫をすることで、奈良により興味を持っていただける可能性がある。

46%22%

8%8%

6%6%6%6%

4%2%2%2%2%2%2%2%2%2%2%

0% 10% 20% 30% 40% 50%

町・寺・公園・景観が美しい

自然を楽しみたい

もう少し観光したい

歴史的なのがいい

神社が多い

もっといろいろ知りたい

観光名所が多い

スペイン語の案内を受けられる

気候がいい(自国と違う)

日本の友人に会いたい

12

4.口コミ意欲

さらに、奈良観光を家族や友人に勧めたいかどうか尋ねたところ、外国人観光客の場合

は、「ぜひそうしたい」(86%)、「そうしたい」(14%)であった。日本人観光客の場合

は、「ぜひそうしたい」(66%)、「そうしたい」(24%)、「どちらでもない」(8%)、「した

くない」(2%)であった。口コミ意欲は外国人の方が日本人を上まわっている。

外国人観光客

日本人観光客

宿泊に関する調査結果

1.今回の旅行で宿泊する場所

外国人観光客の場合は、「奈良県内」(12%)、「他府県」(88%)であった。一方、日

本人観光の場合は、「奈良県内」(32%)、「日帰り」(50%)、「他府県」(18%)であった。

外国人観光客には「他府県」、日本人観光客には「日帰り」が目立つ。

外国人観光客 日本人観光客

86% 14%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

ぜひしたい

そうしたい

どちらでもない

ややしたくない

したくない

66% 24% 8% 2%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

ぜひしたい

そうしたい

どちらでもない

ややしたくない

したくない

奈良県

32%

日帰り

50%

他府県

18%

奈良県内

12%

他府県

88%

13

2.他府県で宿泊する理由

外国人観光客の場合は、「他府県の宿泊施設の方が魅力的だった」(33人)、「行程の都

合」(13人)、「交通アクセスの問題」(6人)の順であった。日本人観光客の場合は、「他

府県の宿泊施設の方が魅力的だった」(7人)、「行程の都合」(2人)、「子供の家」(1人)

の順であった。奈良県の宿泊施設の魅力を高める工夫が必要である。

外国人観光客

日本人観光客

2.他府県での宿泊場所

外国人観光客の場合は、「大阪」(20人)、「京都」(12人)、「東京」(1人)であった。日

本人観光客の場合は、「京都」(5人)、「大阪」(2人)であった。

外国人観光客

日本人観光客

33

13

6

2

0

0 10 20 30 40

他府県の宿泊施設の方

が魅力的だった

行程の都合

交通アクセスの問題

奈良で過ごすのは半日

で十分

奈良県の宿泊施設がと

れなかった

7

2

1

0

0

0 2 4 6 8

他府県の宿泊施設の

方が魅力的だった

行程の都合

子供の家

交通アクセスの問題

奈良県の宿泊施設が

とれなかった

20

12

1

0

0

0

0

0 5 10 15 20 25

大阪

京都

東京

兵庫

滋賀

和歌山

不明

5

2

0

0

0

0

0

0 2 4 6

京都

大阪

兵庫

滋賀

和歌山

その他

不明

14

2.他府県が魅力的な理由(複数回答)

「他府県に宿泊する」と答えた人の中での割合を見ると、外国人観光客(44人)の場合

は、「アクセス」(59%)、「周辺環境(飲食店や施設が豊富等)」(14%)であった。日本人

観光客(9人)の場合は、「アクセス」(33%)、「周辺環境(飲食店や施設が豊富等)」

(33%)であった。

外国人観光客

日本人観光客

33%

33%

22%

11%

11%

11%

11%

0%

0%

0%

0%

0% 20% 40% 60%

アクセス

周辺環境(飲食店や施設が豊富等)

価格

イベント

接客対応

京都を拠点にいろいろ周りたい

友人が住んでいる

設備

料理

知名度

口コミなどの評価

59%

14%

7%

7%

5%

5%

2%

2%

2%

0%

0%

0% 20% 40% 60%

アクセス

周辺環境(飲食店や施設が豊富等)

設備

イベント

料理

大阪でやりたいことがある

価格

口コミなどの評価

京都観光をするため

接客対応

知名度

15

総括

1.旅行一般に関する調査

旅行する際、外国人観光客、日本人観光客とも、目的を持って旅行先を探す人が多く、

その情報源は Webサイトの割合が大きい。場所の魅力や料金を吟味しながら選んでいる様

子がうかがえる。Webサイトで奈良の魅力をしっかり情報発信することの重要性が改めて

浮き彫りになった。

2.奈良観光に関する調査

外国人観光客、日本人観光客とも、奈良への再訪意欲は高く、多くの旅行者が奈良に対

して魅力を感じている。町並みの美しさ、歴史的文化財、鹿などに魅力を感じている様子

がうかがえる。保存が行き届いていることにも評価が高い。こうした魅力を守り続けるこ

とが奈良観光にとって欠かせない取り組みとなる。

3.宿泊に関する調査

外国人観光客には、他府県に宿泊する人が多いこと、日本人観光客には、日帰りする人

が多いことが、奈良観光にとっての課題であることを再認識する結果となった。大阪や京

都に対して、アクセスや周辺環境(飲食店や施設が豊富等)において劣っているとの評価

であり、改善策の検討が必要である。

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