MedeA 2.6 最新情報 - MOLSIS

Post on 10-May-2022

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MedeA 2.6 最新情報材料設計支援統合システム

新 製 品 情 報

P 8

MedeA2.6での大きな改良は、力場計算へ対応する

ツールを取り揃えたことです。これまでの第一原理電子状

態計算を中心とした開発を経て、研究を支援する統合シ

ステムとして、グラフィカルユーザーインターフェース、通

信機能、データベース機能といった基盤となる機能の拡

充や安定化が図られ、非常に扱いやすいソフトウェアとな

りました。第一原理計算での培った技術を背景に、より大

規模な系への適用を図るため、力場計算プログラムを組

み込み、関連ツールの開発を積極的に進めています。

■ 古典分子動力学計算プログラムMedeA-LAMMPS

LAMMPSは、米国サンディア国立研究所で開発され、世

界中の様々な分野で利用されているプログラムです。

MedeAでは、分子動力学計算を基に実用的な物性値を推

算できるように、粘性を評価するツール「Viscosity」や、熱

伝導性を評価するツール「Thermal Conductivity」を用意

しています。これらの計算を行うために、系の平衡化と

いった計算プロセスを簡便に扱えるように、フローチャー

ト形式のインターフェースが開発されています(図1)。

■ 力場設定ツールForceField

MedeAでは力場として、世界的にもよく利用されている

tersoff、compass、pcff等を搭載しています。さらに、MD社

が独自に開発した力場を利用できるほか、力場設定ツー

ルからインターフェース上でユーザー独自の力場を設定

することも可能です(図2)。

■ 半経験的分子軌道計算プログラムMedeA-MOPAC

MOPAC(Molecular Orbital PACkage)は、1983年にDr.

Stewartによってパッケージ化されて以降、各種物性予測

や反応解析のためのツールとして世界中の研究者に利用

されている半経験的分子軌道計算プログラムです。半経

験的方法では、実験値を再現するように決められたパラ

メータを用いることで、第一原理的には扱いの難しい大き

な分子に対して高速に計算を行うことができます。

MedeAでは、入力設定支援インターフェースを用意し

ているほか、IR/Ramanスペクトル計算の結果をMedeA上

で図示することが可能です。

■ 第一原理計算プログラムMedeA-VASP5.2.11

最新版としてMedeA-VASP5.2.11をリリース予定です。

5.2.11は、これまでご利用頂いていた5.2.2のバグフィック

ス版です。また、MedeA上のVASP入力支援インターフェー

スも5.2に対応した機能を改良しています。特に、GW近似

に対応したインターフェースを開発しました(図3)。これに

より、インターフェースから選択するだけで、G0W0、GW0

や自己無撞着GWを容易に設定できます。

MedeAは、米国Materials Design(MD)社によって開発されたソフトウェアで、材料設計のための統合的な計算

環境を提供します。第一原理電子状態計算プログラムMedeA-VASPを搭載し、これまで無機材料分野での研究

に多く適用されてきました。近年、大規模系への適用が求められるなか、MD社は第一原理計算だけでなく、力場

計算によるアプローチも可能なツールを開発して、ソフトウェアの適用できる範囲を広げる取り組みをしています。

本稿では、現在開発中のMedeA2.6の最新情報をお伝えします。

■ 大規模計算への対応

■ 第一原理計算のアップデート

図2: 力場設定ツール「ForceField」のインターフェース

図3: GW計算対応の設定インターフェース

図1: フローチャート形式のインターフェース

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