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犯罪学担当 守山 正

tad216@gmail.com

犯罪の誤解・犯罪学の誤解Marcus Felson

“Crime and Everyday Life”

マーカス・フェルソン

テキサス大学教授

犯罪社会学者

「日常活動理論」が著名

フェルソンの「10の誤謬」

第6の誤謬 組織犯罪は高度に「組織化」されている。・ 逮捕を回避するため、活動はできるだけ縮小する。・ 裏切りを避けるために、共犯者の数は少なくする。・ 薬物、ギャンブルの組織は通常、単純である。  → 非合法ネットワークでは互いに知り合いではない

フェルソンの「10の誤謬」第7の誤謬 少年ギャングは絆が強く危険である。

・ 少年ギャングの結びつきは弱く、分裂気味である。  → ソーシャル・ワーカーが絆の役割・ 少年ギャングの構造は、「タマネギ」に似ている。・ 少年ギャングは、離合集散を繰り返している。

フェルソンの「10の誤謬」第8の誤謬 福祉国家は犯罪が少ない。

・ 大半の犯罪は貧困、差別、無教養が原因ではない。・ アメリカの大恐慌時代に、犯罪は減少した。・ 福祉国家スウェーデンでも、犯罪は激増した。・ 被害調査では、アメリカの被害化率は高くない。・ アメリカの高い殺人率は、銃器が原因である。

世界被害調査  1.オーストラリア  2.イングランドとウェールズ(イギリス)  3.オランダ  4.スウェーデン  5.カナダ  6.スコットランド  7.デンマーク  8.ポーランド  9.ベルギー  10.フランス  11.合衆国  12.フィンランド  13.カタロニア(スペイン)  14.スイス  15.ポルトガル  16.日本  17.北アイルランド

危険

安全

日米の犯罪発生状況日本 アメリカ

殺人 1,340件 15,533件

強姦 2,228件 89,107件

強盗 6,393件 409,670件

暴行・傷害 50,893件

916,383件

侵入盗 304,266件

2,099,739件※日本は2001年、アメリカは1999

年の統計

フェルソンの「10の誤謬」第9の誤謬 道徳の低下は、より多くの犯罪をもたらす。

・ ほとんどの人は幼少時に道徳を教えられる。・ 不道徳な犯罪は、犯罪が不道徳であることを示すも    のではない。・ アメリカで殺人率が高いことは、アメリカ人が殺人は     正しいと信じていることを証明するものではない。

フェルソンの「10の誤謬」第10の誤謬 犯罪には普遍的な定義はない。

・ 学生は犯罪学の試験に何を書いてもいいと思っている。・ 犯罪学教員は、学生の答案に安易に「優」を上げている。 ・ 犯罪学者は責任逃れをしている。・ 私有財産制を採用しない旧社会主義国にも「窃盗」概念が     存在した。

フェルソン理論のまとめ犯罪は珍しい行為ではなく、中味もありきたりである。機会があれば、誰でも行う可能性がある。

「犯罪者の異常ではない。ごく普通の人間である」

動機ある者の存在

格好の標的 監視者の不存在犯罪発生

犯罪機会~介護ヘルパーの窃盗ケース~

ホーム・ヘルパー

認知症・単身高齢者 二人きりの空間

味噌・醤油・小金を盗む

人間行動の決定要因素 質(生物学的心理学的要因)

環 境(社会学的要因)

「素質」か「環境」かを調べるにはどのような調査を行えばよいか?

実証主義:決定論

生物学的

心理学的

素質 環境OR 社会学的

さまざまな実証的研究が行われた

個人の危険性を強調する傾向 社会政策の貧困を強調する傾向

生物学的原因論(1)体型論           身体型と気質の関係(2)双生児研究(3)養子研究(4)家系研究(5)染色体研究

〜犯罪は遺伝するか〜

素質と環境の影響

遺伝の影響

体型論(1)細長型(背が高い)闘士型(筋肉が発達)肥満型(背が低く太い)

クレッチマー4414例の統計的分析

暴力犯罪

小窃盗、詐欺

ペテン、詐欺

<発育異常型> わいせつ、反道徳犯罪

比較対照群を用いないなど、研究としては稚拙

クレッチマー体型論

軽微な窃盗犯 詐欺師 暴力犯

体型論(2)シェルドンの研究(1)内胚葉型 消化器系が発達   身体はリラックスして、気楽、もの柔らかで外向的(2)中胚葉型 筋肉・骨など運動系器官が発達  活動的でダイナミック、自信にあふれ、攻撃的な振る舞い(3)外胚葉型 皮膚、神経系が発達  内向的、身体の機能不全、アレルギー、皮膚疾患、不眠矯正施設に収容された男子200名の調査  → 中胚葉型が圧倒的に多く、外胚葉型が少ない     非行少年 3.5-4.6-2.7     大学生   3.2-3.8-3.4

中胚葉型

双生児研究

一卵性双生児(13組): 77%二卵性双生児(17組): 12%一般の兄弟(214組):  8%

ランゲの研究

  「運命としての犯罪」(1929年)

一卵性双生児が同じ環境で育った場合は?

「一方が非行を犯せば、他も非行を犯すか」

養子研究(1)環境:相異 犯罪:持続     環境:相異 犯罪:停止    

もっとも、養子は実親の家庭と似た家庭を紹介されている

しかし、養子研究者は遺伝的影響を肯定する傾向

遺伝が犯罪原因

環境が犯罪原因

養子研究(2)実父(遺伝) 養父(環境) 犯罪者率 (% ) 人員(人)

× × 10.5 333△ 13.3 83○ 11.5 52

△ × 16.5 103△ 10.0 30○ 41.1 17

○ × 22.0 219△ 18.6 70○ 36.2 58

ハッチングとメドニックの研究

→  犯罪は遺伝する可能性が高い

犯罪家族の研究〜知能と犯罪〜ダグデイルの研究 「ジューク家」の家系調査 ・貧困、売春、疾病、私通、私生児

→ 血統の退化現象

ゴダードの研究「カリカク家」の研究

カリカーク族の家系

フレデリック家系

マーティン家系

酒場の女との私生児と子孫性不道徳アル中犯罪者

高潔な教徒との結婚ほぼ正常

精神薄弱

州で最良

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