Transcript
Kobe Digital Labo, Inc.
岩瀬 高博
Twitter: @okuyamaoo
Mail: iwase@kdl.co.jp
http://okuyama-project.com/
okuyamaで実現したこと、
これからしたいこと
自己紹介 ・岩瀬 高博(@okuyamaoo)
> (株) 神戸デジタル・ラボ所属
業務及び活動
>大規模e-コマースサイトのチューニング、運用
>分散処理、データベースの研究及び適応
>(独)情報通信研究機構 特別研究員
研究領域:大規模Webアーカイブ
>分散KVS okuyama、CEP Setsuna の開発
>OSS、Java、DB、車が好き
okuyamaとは? ・どのような機能をもっているか?
分散KVS
・OSS
・完全冗長化(SPOFなし) ・無停止でのスケールアウト
・100台以上のサーバ規模での
稼働実績
ストレージ特性
・非永続型 or 永続型(WALログ方式)
・メモリ or ディスク or メモリ+ディスク
特性別ストレージ
・ストレージ間の互換性
・仮想メモリ機能
・独自圧縮機能
・パーティション機能
アクセス
・独自プロトコル(Ascii)
Java、PHP、Ruby用が存在
・memcached互換
・CAS、加減算、Multi系も対応
・バックアップ等のクライアントも有り
・Hadoop連携
データ構造
・Key-Value構造
・Tagの付与
・有効期限付きデータ
・全文検索用Index
okuyamaで実現したこと ・株式会社リンク様
大量のトラフィックを生み出すソーシャル
アプリに対応するために、ハイエンド
サーバやioDrive搭載サーバなどを
パッケージングしたサービス
okuyamaの高速性と、ストレージの特性変更の
機能を使い用途別のストレージサービスを構築
・共有キャッシュサーバ memcached互換APIを備えたメモリ
キャッシュサーバを構築し、エンドユーザは
メンテナンスフリーで利用可能
・画像管理サーバ RestfulAPIで操作可能なドキュメントの管理、配信が
可能なオートスケール型ストレージを構築
利用したokuyamaの機能
・冗長化機能
・動的ノード追加機能
・memcahced互換API ・永続化型メモリストレージ
・半ディスクストレージ
・パーティション機能
okuyamaで実現したこと ・日本ユニシス株式会社様
大規模化するECサイトや、人気の高い
キャンペーンサイトなどでは、高速な検索と
精度の高い結果がもとめられている。
検索機能に特化した検索エンジンを
okuyamaの全文検索機能を使い構築
・アプリケーションとのI/FにはRestfulAPIを採用
・RDBMSからデータコンバータにて自動的に
インデックスを作成
・検索内容、取得データ、ソート対象などはXMLにて
カスタマイズ可能
フリーワード検索
カテゴリ検索
範囲検索
カスタマイズソート
利用したokuyamaの機能
・冗長化機能
・動的ノード追加機能
・Tag機能
・永続化型メモリストレージ
・圧縮型メモリストレージ
・パーティション機能
・全部検索機能
okuyamaで実現したこと ・株式会社World様
急成長を続けるオンラインストア
頻繁にシステム改修を行うことで顧客数の
増加に成功。今後もスピード感ある改修と
効率化を続ける
商品データや在庫データといったマスターデータを
管理するデータベースを構築
・API層を設けることで複雑な
問い合わせに対応(API層は別途構築)
・RDBMSと併用することでそれぞれの
良い部分を最大限に利用
・他システムとの連携にも対応
利用したokuyamaの機能
・冗長化機能
・動的ノード追加機能
・Tag機能
・永続化型メモリストレージ
・半ディスクストレージ
・パーティション機能
・全部検索機能
okuyamaで実現したこと ・ (独)情報通信研究機構
okuyamaを利用した大規模Webアーカイブ
技術を共同研究
具体的にはWebクローラ用のデータベース
としての有効利用を研究
okuyamaのスケールアウト性能や、障害時の
挙動の検証などを100台のクラスタ環境で実施
・80台のサーバ上でokuyamaをオンメモリストレージで
稼働し性能を測定
・障害復旧時の性能測定を行いより高速なリカバリ
処理を研究
・研究成果は学会発表や論文投稿にて公開
これから実現したいこと ・okuyamaFuseとは?
FUSEを利用して実装したファイシステム ※FUSEとはLinux系のファイルシステムをユーザプロセスで自由に作成できる仕組み。
okuyamaFs
データは全てokuyamaに
格納されファイルのメタ情報
なども全て格納される
これから実現したいこと ・そもそもファイルシステムとは?
・内臓のHDDやSSD、外付けディスク、ネットワーク上の
ストレージ(NFS等)などの記憶デバイスを等価的に扱う仕組み。
色々あります。
Wikipediaより
そもそもファイルシステムとは? ・ファイルシステムが利用しているハードは?
・HDD 最も主流な記憶装置。
内臓する円盤に磁気を散布してそこにデータを記憶。
それを磁気ヘッドと言われる目のようなもので読み込む。
・SSD 徐々に浸透してきている記憶装置
HDDの様に円盤やヘッドなどの稼働部を持たず、
フラッシュメモリにデータを記憶。
・ioDrive 最近特に注目度の高い超高速デバイス。
NANDフラッシュメモリを記憶部に持ち、接続方式を
PCIeとすることでSSDを超える速度を発揮する。
そもそもファイルシステムとは? ・どのようにデータを保存しているか?
・すごくおおざっぱに表現すると巨大な配列として
保存されている。
全てバイトデータとして扱い、先頭からあらかじめ決められた
サイズ分だけ塊として分割しつつ、配列のように保存していく。
このサイズは最近では4096byteが主流
そもそもファイルシステムとは? ・どのようにデータを取り出すか?
・先ほどの配列に対して位置を指定して取り出す。
ここのデータを取り出す
例えば先ほどのファイルの1バイトから2048バイトを取り出す場
この2つを取り出す
5000バイトから12000バイトを取り出す場合は?
そもそもファイルシステムとは? ・よくHDDが遅いといわれる原因は?
このように円盤上にデータが
保存されている。
連続してデータを取り出す場合は、
先頭から順にデータを取り出せば
よいので、高速に取り出せる。
ではこのように離れた場所のデータを
読み込みたい場合はどうするか?
円盤とヘッドが動いてデータの場所まで
移動しないといけない。
この移動に時間がかかる
そもそもファイルシステムとは? ・SSDはなぜ速い?
SSDはHDDと違い円盤にデータを保存しない。
データを取り出す際に物理的な位置を意識した
移動などの時間をともなわず、データが保存さて
いる記憶素子上から即取り出せるため高速。
つまり1つのデータの塊に
アクセスするのが凄く速い
okuyamaの特性 ・okuyamaの性能は先ほどの通り ・スケールアウトも可能でありストレージにメモリ、
a圧縮メモリ、ディスクなどが選べる
ランダムな同時アクセスでも高い性能を出せる
サーバ2台で
10万QPS
okuyamaの特性 ・okuyamaは1つのデータの取り出しが高速
・これって先ほどのSSDの良いところに似てませんか?
というわけで、okuyamaを記憶装置として利用できる
ファイルシステムを作ってみました
okuyamaFuse
動かしてみた結果 ・いくつかのパターンで検証を実施
利用環境
・テストサーバ(テストを流すサーバ)
7200rpmの500GBのHDDを搭載(SATA)
Core i5、メモリ4GBのデスクトップPC(ドスパラ製)
・okuyamaサーバ
テストサーバと同型機を2台利用して分散化
圧縮メモリストレージを利用
動かしてみた結果 ・連続書き込み、読み込み
・ddを利用
ddはブロックサイズを指定して読み出し、書き出しが
出来るソフトウェア。連続的なアクセスになる。
テスト方法:4.8GBのファイルを利用
HDD HDDにコピー
HDD okuyamaにコピー
ブロックサイズは1000000byte
動かしてみた結果
・連続書き込み、読み込み
・テスト結果
Write:4817158144 bytes (4.8 GB) copied, 84.9928 seconds, 56.7 MB/s
Read:4817158144 bytes (4.8 GB) copied, 36.766 seconds, 131 MB/s
HDD
Write:4817158144 bytes (4.8 GB) copied, 149.642 seconds, 32.2 MB/s
Read:4817262144 bytes (4.8 GB) copied, 191.958 seconds, 25.1 MB/s
okuyamaFuse
・HDDは秒間56MB書き出せて、131MB読み出せる
・okuyamaFuseは32MB書き出せて、25MB読み出せる
お、おそいだと。。。
動かしてみた結果 ・ランダム書き込み、読み込み
・fioを利用
fioはストレージベンチマーク用のソフトウェア。
ランダムなアクセスを発生させることが可能。
また、同時アクセス数を変更することも可能。
テスト方法:4.8GBのファイルを利用
ブロックサイズは16Kbyte
同時アクセス数は20
動かしてみた結果 ・ランダム書き込み、読み込み
・テスト結果
Write:io=1232.0KB, bw=36151 B/s, iops=2 , runt= 34897msec
Read:io=58128KB, bw=1928.5KB/s, iops=120 , runt= 30142msec
HDD
Write:io=176832KB, bw=5886.1KB/s, iops=367 , runt= 30038msec
Read:io=1342.7MB, bw=45823KB/s, iops=2863 , runt= 30004msec
okuyamaFuse
・HDDは秒間36KB書き出せて、1.9MB読み出せる
・okuyamaFuseは5.8MB書き出せて、45MB読み出せる
動かしてみた結果 ・MySQLでのベンチ
・InnoDBのデータファイルを配置し、tpccにてベンチ
tpccとは?
TPC-Cとは卸売業における注文・支払いなどの処理を擬似的に再現した業務モデルで、TPCという業界団体によって策定されたものです。9種類のテーブルに対する5種類のトランザクションがミックスされており、そのうち注文処理のスループットを測定結果として利用します。
※sh2さんの「SH2の日記」より http://d.hatena.ne.jp/sh2/20090212
このtpccに準拠したベンチマークツールが
MySQL用に存在する。
これがtpcc-mysql https://code.launchpad.net/~percona-dev/perconatools/tpcc-mysql
動かしてみた結果 ・MySQLでのベンチ
・tpcc-mysql
・warehouseというベンチ用のデータ全体の大きさ ※warehouse=10のようなイメージ。1でデータサイズ90MB程度
・同時アクセス数
この2つを決めてテストを行う。
あらかじめwarehouseでデータの大きさを固定して、
同時アクセス数を変化させて、HDDと性能比較
まとめ ・okuyamaをファイルシステムにしてみた結果
・シーケンシャルな書き込み、読み込みはHDD
・ランダムな書き込み、読み込みはokuyama
・ランダムなアクセスが多いMySQLなどのRDBMSでは
性能が向上する可能性がある
・色々とokuyama側のストレージを変えると用途が変わる
HDD、SSD、ioDrive、大規模メモリなど
・じつは既に別の方も検証してます
・okuyamaのVersion-0.9.4に入ってます
最後に
・Information
Web
http://okuyama-project.com/
Development
http://sourceforge.jp/projects/okuyama/
http://www.facebook.com/okuyama.jp
top related