シニアスポーツ選手にとっての トレーニング理論とその実践 広島経済大学 スポーツ経営学科 柳川 和優
シニアスポーツ選手にとってのトレーニング理論とその実践
広島経済大学 スポーツ経営学科 柳川 和優
使わなければ衰える サッカーの競技特性 サッカーのトレーニング 中高年者の運動処方
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講演内容
使わなければ衰える
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*廃用症候群(disuse syndrome):生活の中で使わない機能が低下してしまう症状。 =生活不活発病
ベッドレスト・スタディ (20日~6・7週間:両足をギブス、腰を包帯で固定)
①筋肉、筋力↓
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②骨↓ カルシウムやリン →尿
③スタミナ(全身持久力)↓
④起立耐性(起立性低血圧)↓
運動不足病
①腰痛・肩こり
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②高血圧症・脳卒中③虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症)④肥満⑤糖尿病
⑥老人ぼけ(老人性認知症)
サッカーの競技特性
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前半・後半45分(ハーフタイム15分)
40代:25分 × 2
50代:20分 × 2
↓ スピード、パワー、スタミナが必要
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かなりの スタミナが必要
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かなりの パワーが必要
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体脂肪率 10%未満
(男性)
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積極的休息
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グリコーゲン ローディング
トレーニング
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○エアロビクス(有酸素運動)
○筋力トレーニング
○ストレッチング
エアロビクス (有酸素運動)
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○LSD →きつい強度30分間
○インターバルトレーニング
運動強度が重要 いかに追い込めるか
筋力トレーニング①スロートレーニング
②ダンベル筋トレ
③体幹トレーニング
!パワー = 仕事量 / 時間
= 力 × 距離 / 時間
= 力 × スピード
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スロトレ !!4s×2×8回
=64秒間 連続筋収縮
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ドローイン (draw in)
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ダンベル筋トレ
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体幹トレーニング
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3セット連続 !!セット間の
インターバルは 1分~1分半
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筋トレ後 30分以内に プロテイン
静的ストレッチング①決して無理をしない
②姿勢に気をつけてゆっくりやる
③反動やはずみをつけない
④呼吸を止めない。そのためにも話をしながら
楽な気持ちでやる
⑤笑顔で20~30秒一つの姿勢を維持する
!*伸張反射が生じないという特徴がある
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動的ストレッチング
ある姿勢から別の姿勢までゆっくり移動し、回数を重ねるごとに徐々に範囲・可動域を広げていくストレッチ法。
!拮抗筋の抑制効果が高い。 練習前に行うとパフォーマンスが向上する。
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ブラジル体操
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ひじまる 体操
中高年者の運動処方
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○エアロビクス(有酸素運動)
○筋力トレーニング
○ストレッチング
*日常生活での工夫が必要
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歩行能力は 62歳を境に 急激に衰える
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速く歩く人は長生き
自由歩行のスピードは、平均で秒速0.92メートル(時速3.3キロメートル)と1メートルを切っていたが、どの年齢層でも同じで1メートル以上で歩く人は比較的長生きで、速い人ほど余命が長く、0.6メートル以下と遅い人ほど速く亡くなることが多い。!!女性の方が顕著。
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ドローイン+頭を上に引っ張られる
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5本の指を 外に広げる 意識で
ウォーキング
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!やや大股で速歩
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1日平均8,000歩 その内速歩20分
↓ !さまざまな病気を
予防できる
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カロリー制限した猿は若々しい
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アカゲザルでカロリー制限(30%カット)を20年間行った研究結果
→老化抑止効果を確認できた。顔のしわや全身の毛並みの具合もカロリー制限群(図 C, D)の方が若々しい。
!(Caloric Restriction Delays Disease Onset and Mortality in Rhesus Monkeys. Science 325: 201-204, 2009) .
結論
レッツ エアロビ + 筋トレ + ストレッチング!
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○長寿遺伝子をオンにする
→ カロリー制限、適度な運動が有効
○サッカーのトレーニング
→ エアロビクス、筋力トレーニング、ストレッチング
= 老化を遅らせる運動