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Oct 08, 2020

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【重要】 ・ 本書は海外の金融機関の一般的な口座開設方法や取引方法を解説したもので、その一例として具体的な金融機  関を紹介しているが、これらの金融機関の利用を推奨するものではない。本書で紹介した金融機関と有限会社 オルタ・インベスト・コム(以下、AIC)はなんの関係もなく、AIC は各金融機関の信用度を保証しない。口座 開設はあくまでの各自の判断で行なっていただきたい。 ・ 本書に紹介された金融機関を利用したことから仮になんらかの損害が生じたとしても、その判断はあくまでも 各自の自由な選択によるものであり、AIC はその損害に対していっさいの責任を負わない。 ・ 本書のデータは 2015 年 1 月現在のものであり、それ以降の変更に関しては各自で確認されたい。重要な変更に ついては、海外投資を楽しむ会ホームページに随時アップする。●海外投資を楽しむ会  http://www.alt-invest.com ・ リンクが切れているなど、お気づきの点がありましたらご一報ください。[email protected]

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Introduction

簡単・シンプルにアメリカ市場に投資しよう 2001年の同時多発テロ以降、各国でマネーロンダリング規制が強化されてきました。これまで比較的

自由に非居住者の口座開設が認められていたアメリカの証券会社でも、日本人の利用者が多かった TD

Ameritrade証券で 2005年に新規の口座開設が認められなくなり、International Accountで非居住者を

受け入れていた E*Tradeと Firstradeも 2013年後半に相次いで(日本に居住する)日本人顧客の受け入

れを停止しました。

 これらの措置は各証券会社のコンプライアンス(法令遵守)部門の判断によるもので、その理由は公表

されませんが、2013年から運用が始まった国外財産調書制度(5000万円相当を超える国外財産を申告す

る制度)の影響ではないかと思われます。

 いまでは国内のネット証券でも主要な米国株や ETFは取引できますが、銘柄ごとの登録制になってい

るため、新規上場したばかりのものや取引高の少ない株式・ETFは購入できず、信用取引や個別株オプショ

ンにも対応していないなどの問題がありました。こうした規制は世界でも類のないもので、オフショアの

金融機関では米国市場のすべての銘柄が取引できるのが当たり前です。株式・ETFによってはわざわざ

香港などのネット証券に口座開設せざるを得ないなど、日本の投資家は不便を強いられてきました。

 ところがここで、朗報が飛び込んできました。2014年 12月より、Firstradeが日本人顧客の受け入れ

を再開したのです(TD Ameritradeや E*Tradeも同様)。その理由もやはり推測するほかないのですが、

日米租税条約に伴う口座情報の交換制度などにより、日本人顧客の口座を開設することが日本の国内法に

抵触する恐れがなくなったと判断したのではないかと思われます。

 いずれにせよ、今回の改正で日本の個人投資家がローコストで米国市場の多様な金融商品を取引する道

がふたたび開けました。Firstradeの最大の魅力は、売買手数料一律 6.95 ドルという安さもさることな

がら、米国の個人投資家とまったく同じ口座がかんたんに開設できることです。

 読者からのご要望を受けて、この改訂版では口座開設や取引方法を最新情報に更新しています。この 1

冊で、株式・ETFだけでなく、ミューチュアルファンドや債券(米国債・社債)、個別株オプションまで、

世界最大の米国金融市場にフルアクセスできるようになるでしょう。

 なお、米国の銀行口座は原則として非居住者では開設できませんが、ハワイ州だけでは特例としてパス

ポートのみで銀行口座の開設が可能です(現地の窓口のみ)。米国の証券口座をバンク・オブ・ハワイな

どハワイの銀行口座と組み合わせれば、小切手で支払いをしたり、ATMから口座資金を引き出すなど、

資産運用の幅が大きく広がるでしょう。興味のある方は、本書の姉妹編『海外投資実践マニュアル/アメ

リカ 2』をご覧ください。

海外投資を楽しむ会

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海外投資実践マニュアルアメリカ 1

CONTENTS

Introduction

簡単・シンプルにアメリカ市場に投資しよう………………3

1.Firstrade の特徴………………12

■基本情報………………12

2.取扱商品………………14

 ① Stocks:米国株………………14

 ② ETFs(Exchange Trading Funds):上場投信………………14

 ③ Options:オプション………………14

 ④ Mutual Funds:ミューチュアルファンド………………14 ⑤ Fixed Income:債券………………15

3.サービスと手数料………………16

■口座の種類………………16

 ①名義人による口座の違い………………16   (1)Individual Account:単独口座  (2)Joint Account:共同口座

 ②信用取引口座とオプション取引口座………………17   (1)Margin Trading Account:信用取引口座  (2)Option Trading Account:オプション取引口座

■手数料と利息………………18

 ①格安な手数料………………18

 ②預り金に付く利息………………19

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■その他のサービス………………20

 ①友人紹介ボーナス………………20

 ② 1 秒約定補償………………20

 ③配当再投資プラン………………20

 ④時間外取引サービス………………21

 ⑤リアルタイム情報サービス X-Stream………………21   (1) X-Stream Watchlist:ウオッチリスト  (2) X-Stream Portfolio:ポートフォリオ

   (3) X-Stream Level II:レベル 2

 ⑥電話取引 BROKER ASSISTED ORDERS………………22

■ Firstrade ホームページ………………22

 各種提出書類のダウンロードができる「Form Center」………………24

4.口座の開き方………………25

■口座開設の条件………………25

■口座の選び方………………25

■口座開設時資金の入金方法………………26

 ①指定の口座宛てに電信送金する………………26

 ②小切手を郵送する………………27

■米国内の銀行= BOH 口座の意味………………27

■申込書類の提出………………28

 ①提出書類………………28   (1) パスポートのコピー

   (2) Online Service Agreement:オンラインサービス同意書

   (3) W-8BEN:米国非居住者用免税登録用紙

   (4) Option Application and Agreement:オプション取引申込書・同意書

   (5)Margin Agreement:信用取引同意書

 ②書類の提出方法………………29

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5.オンラインでの口座開設手続き方法………………30

■オンライン登録………………30

 ① Account Type and Features:口座のタイプと機能………………31

 ② Applicant Info:名義人情報………………33

 ③ Review your Information:内容確認………………38

 ④ Agreements:同意書………………38

 ⑤ Account Access Setup:口座へのアクセス設定………………40

 ⑥ Conglatulations!:完了………………41

■同意書の完成………………42

■ W-8BEN の記入………………45

■信用取引用書類の作成………………47

 ① Margin Agreement の記入方法………………47

 ② Margin Application Supplement の記入方法………………49

6.書類提出の注意点………………52

7.口座開設後の流れ………………54

■ログイン………………54

 ①ログイン方法………………54

 ②ログイン後の Home ページ………………56

■口座の確認………………59

 ①登録情報確認………………59

 ②口座のステイタス確認………………60

■小切手の入金確認………………61

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8.投資資金の入金………………62

■電信送金 Wire Transfer………………62

■小切手郵送 Check Deposit………………64

 ①小切手の注意点………………64

 ②小切手の書き方………………65

■ ACH 送金 Electronic Funds Transfer………………66

 ①設定の確認………………66

 ②入金指示の出し方………………67

■株券の入庫………………68

■口座の移管………………69

■入金の確認………………69

9.取引・売買の基本ルール………………70

■米国株………………70

 ①株式取引の種類………………70   (1) 現物株 Stocks  (2)ETF  (3)REIT  (4)ADR

 ②取引のルール………………72   (1) 取引の選択 Transaction

   (2) 注文タイプ Order Type

   (3) 注文の有効期限 Duration

   (4) 執行条件の設定 Instructions

   (5) 売買単位/刻み幅/決済(受渡)日

   (6)90 日規制

   (7) 取引時間と取引時間外取引

 ③売買手数料………………76

■デイトレード………………77

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■信用取引………………77

 ①米国信用取引のルール………………77

 ②マージンコール………………78

 ③ Federal Call / Regulation T Call………………79

 ④信用取引の条件………………79

 ⑤借入利息の計算………………79

■オプション取引………………80

 ①個別株オプションとインデックスオプション………………80

 ②オプションの取引範囲………………81   (1) Writing Covered Calls:カバード・コール

   (2)Purchasing Calls & Puts:コールとプットオプションの買い

   (3)Straddling Calls & Puts:ストラドルオプション

   (4)Spreading Calls & Puts:スプレッドオプション

   (5)Writing Uncovered Puts(Naked Equity Puts):アンカバード・プット

 ③取引のルール………………82   (1) 倍率  (2) 限月  (3) 権利行使  (4) プレミアム(価格)の照会

 ④売買手数料………………83

■ミューチュアルファンド………………83

 ①ファンドの種類と手数料………………84

 ②ファンドの価格………………85

 ③目論見書と運用報告書………………86

 ④ファンドの選び方………………86

 ⑤取引のルール………………86   (1) 注文の実行

   (2) 取扱時間

   (3) ファンドコード

   (4) 最低投資額と追加投資額

   (5) 配当の再投資

 ⑥売買手数料………………87

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■債券………………88

 ①債券の種類………………88

 ②償還価格と売買価格………………90

 ③債券の選び方………………90

 ④取引のルール………………91   (1) 注文方法  (2) 債券コード  (3) 取引単位

 ⑤売買手数料………………91

10.株式のオンライントレーディング………………92

■ X-Stream の使い方………………92

 ① X-Stream Watchlist:ウオッチリスト………………93   (1) リストの作成  (2) チャート表示

 ② X-Stream Portfolio:ポートフォリオ………………97

■情報ツールを利用する………………99

 ① Detailed Quote:詳細株価情報………………100

 ② Charts:テクニカルチャート………………103

 ③ Option Chain:オプション価格情報………………104

■株式・オプション取引をする………………105

 ① Trading ページで取引する………………105   (1) 株式・ETF を売買する

   (2) オプションを売買する

   (3) 合成オプションの注文方法

 ② Quick Bar を利用する………………113   (1) 株式を売買する

   (2) オプションを売買する

■注文の確認………………116

■配当の自動再投資設定………………117

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11.ミューチュアルファンドの   オンライントレーディング………………118

■ミューチュアルファンドを検索する………………118

 ① Fund List:ファンドリスト………………118

 ② Mutual Fund Screener:ファンド検索ツール………………120

■ファンド情報を理解する………………123

■ミューチュアルファンドを取引する………………125

 ①ファンドを購入する………………125

 ②ファンドを売却する………………127

 ③注文の確認とキャンセル………………128

12.債券のオンライントレーディング………………129

■債券を検索・購入する………………129

 ①既発債を検索・購入する………………129   (1) 事業債を購入する  (2) 米国債を購入する

 ②新発債を検索・購入する………………136

13.口座・資金の管理………………138

 ① Balances:残高………………138

 ② Positions:ポジション………………139

 ③ Portfolios:ポートフォリオ………………142

 ④ History:口座の履歴………………144

 ⑤ Profile:プロファイル………………145

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■ステイトメント・取引確認書………………147

 ①ステイトメント・取引履歴の検索………………147

 ② Statement の見方………………149

 ③ Trade Confirmation の見方………………150

■ Live Chats の利用方法………………151

■書類のアップロード方法………………152

14.名義人/口座の種類の追加・変更………………153

■名義人の追加・削除………………153

■信用・オプション取引の開始………………154

 Option Application and Agreement の記入方法………………154

15.資金の引出………………157

■電信送金 Wire Transfer………………157

 International Wire Request Form の記入方法………………158

■小切手 Check で受け取る………………160

 サイトからの発行依頼………………161

■ ACH 送金 Electronic Funds (ACH)………………162

16.口座の解約………………163

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1.Firstrade の特徴

 Firstradeは 1985年、First Flushing Securitiesの名で地元投資家向けディスカウント・ブローカーと

して設立、97年にインターネット取引をスタートさせたオンライン証券の先駆けの一社です。

 インターネットおよび電話での取引のほか、Live Chatというユニークな方法で、サポート担当者とコ

ンタクトが取れるようになっています(注文や個人情報に関する問合せには利用できません)。

 他のオンラインブローカーと比べて手数料が安価なことや最低預入額規定がないこと、米国非居住者で

も簡単に口座開設できることなどから、日本人も多く利用している証券会社です。2013年 11月より一時

日本人の新規口座開設が認められなくなりましたが、翌年 11月からふたたび可能になりました。

 Firstradeは証券投資家保護機構 The Securities Investor Protection Corporation(SIPC)に加盟し

ており、口座資産 50万ドルまで(現金については 25万ドルまで)は SIPCが保障しています。また、

Firstradeの決済会社 Apex Clearing Corpotationが加入する保険を加えると、口座総額 1億 5,000万ド

ルは保障の対象となっています(Apexの保障はMMFは対象外です)。

■基本情報

 Firstradeの基本情報は以下のとおりです。

●本店所在地                  ●ニューヨーク支店所在地

Firstrade Securities Inc. Firstrade Securities Inc.

30-50 Whitestone Expwy. 135-27 38th Avenue,

Suite A301, Suite 100,

Flushing, NY 11354 Flushing, NY 11354

U.S.A. U.S.A.

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1.Firstradeの特徴

●ホームページ

http://www.firstrade.com

※サイト内の「Live Chat」から、チャットで問い合わせも可能。

月~金曜日:AM8:00~ PM6:00

※米国東部標準時。日本では月~土曜日の PM10:00~翌 AM8:00(夏時間の場合は、月~土曜日の

PM9:00~翌 AM7:00)。

● E メールアドレス

[email protected]

※サイト内にメール専用のオンラインフォームあり。

●電話番号

+1-718-961-6600(米国外からの場合)/ 800-869-8800(米国内からの場合、通話料無料)

月~金曜日:AM8:00~ PM6:00

※米国東部標準時。日本では月~土曜日の PM10:00~翌 AM8:00(夏時間の場合は、月~土曜日の

PM9:00~翌 AM7:00)。

● FAX 番号

+1-718-961-3919

※日本から電話や FAXする場合は、最初に「国際電話事業者識別番号」+「010」が必要になる(マイ

 ラインおよびマイラインプラスに登録している場合は 010のみ)。

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2.取扱商品

 Firstradeで売買できる商品は、米国証券取引所の株式 Stocks(現物・信用)、上場投信 ETFs、オプショ

ン Options、およびミューチュアルファンドMutual Fund、米国債をはじめとする債券 Bondなど。す

べてオンラインで売買が可能です。

 各商品の特徴や取引の詳細は P70~ 91「9.取引・売買の基本ルール」で説明していますので、そち

らを参照してください。

① Stocks:米国株

 ニューヨーク NYSE、ナスダック NASDAQ、アメックス AMEXの各証券取引所の上場株式はもちろ

ん、OTCブリティンボード(OTC Bulletin Board、OTCBB)やピンクシート株などの店頭 Over-the

Counter(OTC)銘柄の売買も可能。

② ETFs(Exchange Trading Funds):上場投信

 SPYや QQQなど、150種以上の上場投信の売買が可能。売買方法や手数料は株式と同じ。

③ Options:オプション

 AMEXに上場されている個別株オプションと指数オプションが取引可能。Call と Putの買いのほか、

売りも比較的簡単に認められる。その他、Spreadや Straggleなどの合成オプションも可能。口座開設後

に追加で申し込むこともできる(FAXや Eメールで送信可)。

④ Mutual Funds:ミューチュアルファンド

 1万 1,000を超えるファンドから選択が可能。ただし、米国非居住者には販売をしていないファンド会

社のもの含まれているので、個別に確認が必要。どのファンドが買えるかは、各ファンド会社が作成する

「目論見書」や「購入申込書」(各ファンド会社のサイトからダウンロードが可能)を読むか、個別にファ

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2.取扱商品

ンド会社に確認する。

⑤ Fixed Income:債券

 米国債、地方債、企業債、政府関係機関債、ゼロクーポン債、ストリップ債、譲渡性預金証券 CD(定

期預金の一種)などのオンライン取引。

 譲渡性預金証券の最低投資額は 10,000ドルが基本。それ以外は個別に設定されている(債券リストや

注文画面で確認できる)。

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3.サービスと手数料

■口座の種類

 Firstradeには、「Individual Account(単独口座)」「Joint Account(共同口座)」「Custodian Account(口

座名義人が 18歳未満で、代理人が管理する口座)」のほか、米国非居住者用に「International Accounts(イ

ンターナショナル口座)」があります。

「非居住者用」とはいっても、口座開設申込書が異なるわけではなく、申込書に加えて、IRSに提出する

米国非居住者としての税優遇措置を求める書類「W-8BEN」の提出を求められるだけです。一部利用でき

ないサービスもありますが、サービス内容に違いはありません(Individualと Jointを選択できます)。

 オンラインで口座開設手続きをする際に、「Are you a United States citizen or Green Card holder?(米

国市民か、グリーンカード保持者ですか)」および「Do you currently reside in the United States?(米

国居住者ですか?)」の質問に、「No」と応えると、自動的にインターナショナル口座と見なされます。

 口座は「Cash Trading Account(現金取引口座)」をベースに、「Margin Trading(信用取引)」と「Option

Trading (オプション取引)」機能をプラスすることができます。

①名義人による口座の違い

(1)Individual Account:単独口座

 単独(1人)で口座を開く場合。名義人が死亡した場合は、当人の遺産になる。

(2)Joint Account:共同口座

 2人以上で口座を保有する場合。口座の資産について持分を決めず、共同名義人は平等の権利を持ち、

名義人のいずれかが死亡した場合は、口座は自動的に残りの名義人に引き継がれる「Joint Tenants with

Rights of Survivorship(WROS/生存権を伴う共同所有)」と、それぞれの資産の配分をあらかじめ決

めておく「Tenants in Common(一般的な共同所有)」がある(Tenants in Commonを選択する場合は、

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3.サービスと手数料

別途、相続人と配分率を指定する書類「Joint Account Agreement(同意書)」を提出する)。ただし、非

居住者が開くことができるのはWROS口座のみ。

②信用取引口座とオプション取引口座

 基本となる決済口座は、信用取引(借入れ)はせず、口座にある資金(現金)だけで決済する「Cash

Trading Account(現金取引口座)」。これに、以下の機能をプラスできる。

(1)Margin Trading Account:信用取引口座

 米国の信用口座Margin Accountは日本のシステムとは異なり、現金口座 Cash Accountと一体化され

ている。感覚としては、通常の現金口座に借入れができる機能をプラスするイメージ(口座はひとつなの

で別途口座番号が付くことはない)。

 信用口座を開設すると、保有している現金・株式を担保に借入れ(借株)ができ(借入利息が発生する)、

空売りも可能になる。

 利用するには最低 2,000ドル相当額の資産が必要。この最低預入額規定は連邦準備制度理事会 FRB(the

Federal Reserve Board)の「T規制 Regulation T」に準じたものなので、どこのブローカーを利用して

も同じ。

 利用するには「Margin Application & Agreement Form(信用取引同意書)」を提出する(現金口座開

設後に追加申請も可能)。

 信用取引については P77~ 80を参照。

(2)Option Trading Account:オプション取引口座

 個別株オプションもしくは株式指数オプション取引ができる機能。利用するには「Options

Application & Agreement Form(オプション取引同意書)」を提出する(口座開設後に追加申請も可能)。

 申込時に、以下の 4つから自分で希望する取引の範囲を選択する。

Level Ⅰ:Write Covered Calls / Write Cash-Secured Equity Puts

Level Ⅱ:Write Covered Calls / Write Cash-Secured Equity Puts / Purchase Calls & Puts

Level Ⅲ:Write Covered Calls / Write Cash-Secured Equity Puts / Purchase Calls & Puts /

     Spreads & Straddles(最低 10,000 ドル)

Level Ⅳ:Write Covered Calls / Write Cash-Secured Equity Puts / Purchase Calls & Puts /

     Spreads & Straddles / Write Uncovered Puts(最低 25,000 ドル)

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 これと申込者の投資経験・投資目的から Firstrade側が判断して、後日、どこまでの取引が可能かの連

絡が入る。投資目的を「Speculation(投機)」、投資経験と知識レベルを「Extensive(広範囲)」にして

おけば、通常、プットの売りまで認められる(年齢等による制限はある)。

 オプション取引については P80~ 83を参照。

 なお、一般の口座とは別に、VISAデビットカードや小切手帳が付けられるワンランク上の口座「Cash

Management Account(現金管理口座)」もありますが、現在利用できるのは米国居住者に限られています。

■手数料と利息

 Firstradeの基本はインターネットを使ったオンライントレードで、米国株からミューチュアルファン

ド、債券まで、基本的にすべてオンラインで取引が可能です。オペレーターと直接話をする電話取引もあ

りますが、手数料が高いので利用することはほとんどないでしょう。

①格安な手数料

 数ある米国内のディスカントブローカー中でも、Firstradeのオンライン売買手数料は、株式・オプショ

ン・債券・ミューチュアルファンドなどすべてにおいて格安。

 次のページの表は、各種手数料を比較したもの。

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3.サービスと手数料

●手数料比較 ※Firstradeのサイトのデータをまとめたもの(2015年 1月現在)

Firstrade E*Trade TDAmeritrade Fidelity Charles Schwab

口座維持手数料 なし なし なし なし なし

配当の再投資 可(無料) 可 可 可 可

現物株売買手数料(オンラインの場合) $6.95**/trade $9.99/trade $9.99 $7.95 $8.95

オプション売買手数料(オンラインの場合)

$6.95+$0.75/contract

$9.99+$0.75/contract

$9.99+$0.75/contract

$7.95+$0.75/contract

$8.95+$0.75/contract

ミューチュアルファンド売買手数料 *

(オンラインの場合)

$9.95 $19.99 $49.99 $75 $49.95

電話取引 **(オペレーターにアシストしてもらった場合)

$19.95/trade $54.99/trade $44.99/trade $32.95/trade $33.95/trade

信用貸出レート($10,000~ 24,999の場合) 7.75% 8.14% 9% 8.575% 8.50%

最低初期預入額 規定なし $1,000 $1,000 $0 $1,000*ノーロードファンドの手数料。**オプション取引の場合はオプション契約手数料がプラスされる。

②預り金に付く利息

 口座に預り金がある場合、2015年 1月現在、残高に応じて以下のような利息が付く。

●利息現金残高 利率(年)

$25,000未満 0.01%

$25,000以上 0.01%

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■その他のサービス

 現時点での主なサービスは以下のとおりです。このほか、期間限定の「特別プロモーション・サービス

Special Offer」が用意されているので、定期的にホームページで確認するといいでしょう。

①友人紹介ボーナス

 友人を紹介し、その友人が Firstradeに口座を開設して 30日以内に 5,000ドル入金し、入金後 30日以

内に 1回取引をすると、紹介者には 50ドルが与えられ、口座を開いた人は上記の期間限定サービス(2015

年 1月 20日現在は信用レート 2.99%サービス)の対象となる。ログインサイトで[Customer Service]

-[Special Offers]-[Refer a Friend]をクリックし、紹介したい友人のメールアドレスを登録すると、

Firstradeからその友人宛てに招待メールが届く。

 そのメールに書かれている照会コード Referral Codeを口座開設時に入力する(P30【FT5-02】参照)。

② 1 秒約定補償

 インターネットを使った取引のうち、以下の条件に当てはまる注文については、1秒以内に約定しなかっ

た場合、その次の取引の売買手数料が 1回分無料になる。25回分までためることができる(ただし 6カ

月以内に使用すること)

・ 対象銘柄:S&P500インデックス銘柄

・ 発注時間:AM9:45~ PM3:59(いずれも米国東部時間)

・ 発注株数:100~ 500株まで

・ 注文タイプ:Market Orders(成行注文)

※執行時間は、注文が Firstradeに受け付けられたときから計算される。

※空売り、注文のキャンセル・変更は不可。

③配当再投資プラン

 保有している株式から配当が発生した場合に、自動的に再投資(追加購入)に回してくれるサービス

Dividend Reinvestment Plan (DRIP)。手数料は無料。オンライン上で手続きをするだけ。個別に設定す

ることも、保有する株式すべてに一括設定することも可能。方法は P117参照。

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3.サービスと手数料

④時間外取引サービス

 ナスダック市場の銘柄について、時間外取引(指値のみ)が可能。通常取引後のニュースやリサーチ・

レポートも入手できる。時間外取引はナスダックによって自動的にマッチングが行なわれる。

 条件は以下のとおり。

・サイト内に用意されている「時間外取引同意書 the Extended-Hours Disclosure Agreement」に[Accept]

しなければならない(P61【FT7-07】参照)。

・取引時間:AM8:05~ AM9:25、PM4:05~ PM5:25。月曜日~金曜日(休日を除く)。

・時間外に出した注文はそのセッション内のみで有効。

・決済は通常取引と同様に行なわれる(決済は約定日の 3営業日後)。手数料も同じ。

・注文タイプは指値 Limit Orderのみ。

・執行前にキャンセルや変更も可。執行後はキャンセル、変更は不可。時間外注文を通常注文に変更する

こともできない。

 詳しくは P75~ 76参照のこと。

⑤リアルタイム情報サービス X-Stream

 リアルタイムの市況情報にアクセスできる情報サービス。3つの種類がある。(1)(2)は手数料無料で誰

でもすぐに利用可能。

(1) X-Stream Watchlist:ウオッチリスト

 20銘柄まで登録ができリアルタイムで値動きがわかる。ここから売買も可能(サイト内の売買画面に

リンクする)。

(2) X-Stream Portfolio:ポートフォリオ

 保有している銘柄を登録すると、購入時からの損益などがリアルタイムでわかる。

(3) X-Stream Level II:レベル 2

 NASDAQリアルタイム板情報。発注者までわかるので、機関投資家の動きを知るのによいツール。利

用料月 19.95ドル。口座開設後、オンライン上で利用手続き可能(P60【FT7-06】参照)。

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⑥電話取引 BROKER ASSISTED ORDERS

 電話取引 BROKER ASSISTED ORDERSは、オペレーターに直接相談しながら、発注ができるのが特

徴。ただし、手数料は 19.95ドルと、オンラインでの売買手数料より 13ドルも高く設定されている。

■ Firstrade ホームページ

 Firstradeのホームページ(オープンサイト)には、次の情報が掲載されています。

▶ Firstrade ホームページ http://www.firstrade.com/

【FT3-01】Firstrade ホームページ(オープンサイト)

以下の情報にリンクできる。

① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦

 ⑩

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3.サービスと手数料

<上部タブ>① Home:現在のページ

・About Firstrade:Firstrade について・Promotions:プロモーション・サービスの内容・Products & Services:口座の種類やサービスについて・Premier Services:口座残高によって分けられる3つのグレイド(ブルー、ゴールド、プラチナ)についての説明。ゴールド、プラチナと残高が高額になるにつれ、投資相談ができたり、手数料が無料になるなどのサービスが受けられるが、基本は米国居住者向けのサービス。

・ Pricing:手数料について。取引手数料のほか、Margin Rates(信用レート)、Special Services(その他のサービス)、Broker Comparison(他社との手数料比較)など

・International Accounts:米国非居住者の口座開設方法について② Accounts:口座について。

・Balances:残高について・Positions:保有資産について・Realized Gain/Loss:利益と損失について・History:取引履歴について・Profile:プロフィールについて・E-Docs:電子ステイトメントについて・Deposit Withdraw:入出金について③ Trading:取引方法等。

・Dashboad:画面上部の表示ツール(ダッシュボード)について・Quick Bar:取引ツール(クイックバー)について・Stocks/ETFs:株式および ETF 取引について・Options:オプション取引について・Mutual Funds:ミューチュアルファンド取引について・Fixed Income:債券取引について・Mobile:モバイル取引について④ Research & Tools:情報ツール。

・Market & News:マーケット情報とニュースについて・Stocks Reports:株式レポートについて・Mutual Funds:ミューチュアルファンド情報について・Screeners:検索ツールについて(株式、EFT、ファンドのスクリーニングが可能)・Alerts:アラート機能について・X-Stream:取引ツール「W-Stream」について・Account Download:口座内容のダウンロードについて(Excel や Microsoft Money へのダウンロードが可能)⑤ Retirement & Planning:退職者プラン。⑥ Education:学習センター。

・Stocks:株式に関する基礎知識・Options:オプションに関する基礎知識・ETFs:ETF に関する基礎知識・Mutual Funds:ミューチュアルファンドに関する基礎知識・Fixed Income:債券に関する基礎知識・Margin Loans:信用ローンについて・Glossary:用語集・Upcoming IPOs:IPO 情報

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⑦ Customer Service:顧客サービス情報。・Contact Us: 問合せ先・Fund Your Account:口座への入金方法・FAQs:よくある質問・Forms Center:各種申込書などのフォームがダウンロードできるサイトへ(下【FT3-02】参照)・Online Security:インターネットのセキュリティについて・Extended-Hours:時間外取引について・Sitemap:サイトマップ⑧ Live Chat:チャットはここから(P151 参照)。口座開設手続完了後、ログインをするには、⑨「User ID」にユーザー ID、⑩「Password」にパスワードを入力し、

[Log In]をクリックする。

各種提出書類のダウンロードができる「Form Center」

 Firstradeでは、資金の移動や各種届け出の際に利用する書類はすべて、PDFファイルでダウンロード

できるようになっています。オープンサイトにある「Form Center」とログイン後のサイト内にある「Form

Center」とでダウンロードできる書類は同じ(いずれも[Customer Service]-[Form Center]で開く)

ですが、ログイン後の「Form Center」には、提出書類のアップロード機能も付いています(P152参照)。

【FT3-02】Form Center(フォームセンター)<オープンサイト>

トップページ(オープンサイト)で[Customer Service]-[Form Center]をクリックすると開く画面。

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海外投資を楽しむ会 (AIC)

「ゴミ投資家」シリーズの制作スタッフを中心に 1998年に設立。翌 99年から海外投資の情報交換サイトを運営。2015年 1月末現在で会員数約 17,500人。海外投資を楽しむ会 URL http://www.alt-invest.com/

海外投資実践マニュアル

アメリカ 1<ファーストレード証券>

2007年 11月 25日 初版第 1刷発行2012年 4月 15日 PDF版第 1刷発行

2015年 2月 10日 PDF改訂版第 1刷発行

編著者 海外投資を楽しむ会

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