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EKF EKF EKF EKF・Eꜳ Eꜳ Eꜳ Eꜳ の統合 統合 統合 統合 同化 同化 同化 同化実験の開 実験の開 実験の開 実験の開 折口 征二 青梨 和正 川畑 拓矢 國井 勝 (気象研究所) 1. 1. 1. 1. はじに はじに はじに はじに 現在、同化の主流になってきてい、 に基づくと変分法の統 合さた同化実験の開てい。こに 1 つの同化でと変 分法の両方の解析すことが可能とな。た、新し い観測の、位置ず補正間引きなど 解析前処理として実装す、どちの同化方法で 扱え利点持つ。EKF は、解析予報として 実装さてい NHM-LEKF (藤田 2011.11;第 1 図) 使用した。同化さてい観測は、従来型観測 のか、GPS 可降水量、動径風、衛星 輝度温度と豊富であ。1 の処理の流として は、「初期場初期摂動の準備→予報→ (観測の取込)→QC→解析→地表面解析→ 保存」とな。この解析分に対応す Eꜳ の 開し NHM-LEKF に組込という方法 でた。従って、実際は NHM-Eꜳ の開ということ にな。 第 1 図 NHM-LEKF 解析予報 2. NHM 2. NHM 2. NHM 2. NHM-Eꜳ Eꜳ Eꜳ Eꜳ の開 の開 の開 の開 基 本 な は 、 E ꜳꜳꝏꜳ Aꜳꝏ(ꜳ 2005; ꜳ ꜳ. 2008; L ꜳ. 2008)に従い、評価関数は以下の式に 表さ。ここで、 は予報平均値(第一 推定値)、 は予報()、 は解析 値、 は背景誤差共分散行列、 は観測誤差共分散 行列、 は数の次元 N 持つ制御変数で あ。摂動で背景誤差共分散行列の 2 乗 構成す。 開した NHM-Eꜳ の実際のは以下 青枠で示す。空間の評価関数とその勾 か LBFGS 法用いて行い、 最な解析値計算す。Eꜳ では勾求 時、摂動用いことにな、接線型 随伴必要としない。た、背景誤差共分散 行列は、同化時刻の予報か構成さ た ffꝏ- とな。 空間の評価関数 3. 1 3. 1 3. 1 3. 1 点観測に 点観測に 点観測に 点観測に同化 同化 同化 同化実験 実験 実験 実験と結果 と結果 と結果 と結果 NHM-Eꜳ の動作確認すた、1 点観 測に同化実験行った。2011 年台風第 12 号 (ꜳꜳ)の事例対象として、台風中心の北東側、高度 5 の 場 所 に 、 風 の 擬 似 観 測 (= - 35.54(/), =45.68(/), ꝏ=0.5(/))与えた。風速は第一 推定値の 2 倍とし、観測値取込すくすた観 測誤差は小さく設定した。領域は四国沖で解像度 10、 格子数 180140、同化時刻は 2011 年 9 月 1 日 1200 a 2 / 1 f a - w P x x f = [ ] [ ] f f N f f 2 f f 1 f N f 2 f 1 2 / 1 f , , , 1 1 , , , x x x x x x p p p P - - - - = = L L N [ ] T a N a 2 a 1 a w , , w , w L = w a w ] - ) [H( ] - ) [H( 2 1 ] - [ ] - [ 2 1 ) J( a 1 - T a f a 1 - T f a a y x R y x x x P x x x f + = ] - ) [H( ] - ) [H( 2 1 ) ( 2 1 ) J( a 1/2 f f 1 T a 1/2 f f a T a a y w P x R y w P x w w w + + + = - ] - ) [H( H J a 1/2 f f T a 1 a a y w P x w R w w + + = - ] , , , [ H H H H f N f 2 f 1 a 1/2 f a a a a a p p p x P x w x x w L = = = ) H( - ) H( H a f i a f i a x p x p x + [ ] f f i f i 1 1 x x p - - = N LBFGS LBFGS LBFGS LBFGS a a ~ w w = step f x a x f P f i x R 2 / 1 f P a 2 / 1 f a ~ ~ w P x x f + = 0 J ), J( 0 a a a = = step w w w 境界値: mfboundary+間摂動 10kmNHM4010kmNHM 初期摂動は間 6hr window (slot=7) 10kmNHMの再積分() 同化してい観測 従来型観測(地上, 高層, 航空機など) 衛星風 可降水量 GPS, TRMM/TMI, SSM/I, Aqua/AMSR-E動径風 輝度温度 解析 解析 解析 解析 解析 解析 解析 0h 6h 12h 18h
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EnKF・・・EnVarEnVarEnVarのののの統合統統合合統合ミセ ミ …€¦ · EnKF・EnKF・・・EnVarEnVarEnVarのののの統合統統合合統合ミセ ミミセセミセヅヺソ同化

Jun 10, 2020

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EnKFEnKFEnKFEnKF・・・・EnVarEnVarEnVarEnVar のののの統合統合統合統合メソメソメソメソデータ同化データ同化データ同化データ同化実験システムの開発実験システムの開発実験システムの開発実験システムの開発

折口 征二 青梨 和正 川畑 拓矢 國井 勝 (気象研究所)

1. 1. 1. 1. はじめにはじめにはじめにはじめに

現在、データ同化システムの主流になってきている、

アンサンブルに基づくカルマンフィルターと変分法の統

合された同化実験システムの開発を進めている。これに

より 1 つのデータ同化システムでカルマンフィルターと変

分法の両方の解析をすることが可能となる。また、新し

い観測データのリトリーブ、位置ずれ補正や間引きなど

を解析前処理として実装すれば、どちらの同化方法でも

扱える利点を持つ。EnKF は、解析・予報サイクルとして

実装されている NHM-LETKF (藤田 2011.11ver;第 1 図)

を使用した。同化されている観測データは、従来型観測

データのほか、GPS 可降水量、ドップラー動径風、衛星

輝度温度と豊富である。1 サイクルの処理の流れとして

は、「初期場・初期摂動の準備→アンサンブル予報→

(観測データの取り込み)→QC→解析→地表面解析→

データ保存」となる。この解析部分に対応する EnVar の

モジュールを開発し NHM-LETKF に組み込むという方法

で進めた。従って、実際は NHM-EnVar の開発ということ

になる。

第 1 図 NHM-LETKF 解析・予報システム

2. NHM2. NHM2. NHM2. NHM----EnVarEnVarEnVarEnVar の開発の開発の開発の開発

基 本 的 な フ ォ ー ミ ュ レ ー シ ョ ン は 、 Ensemble

Variational Assimilation(Zupanski 2005; Zupanski et al.

2008; Liu et al. 2008)に従い、評価関数は以下の式によ

り表される。ここで、 はアンサンブル予報平均値(第一

推定値)、 はアンサンブル予報(メンバーi)、 は解析

値、 は背景誤差共分散行列、 は観測誤差共分散

行列、 はアンサンブル数の次元 Nを持つ制御変数で

ある。アンサンブル摂動で背景誤差共分散行列の 2 乗

根 を構成する。

開発した NHM-EnVar の実際のアルゴリズムは以下

青枠で示す。アンサンブル空間の評価関数とその勾配

ベクトルから LBFGS 法を用いてイテレーションを行い、

最適な解析値を計算する。EnVar では勾配ベクトルを求

める時、アンサンブル摂動を用いることになり、接線型コ

ード・随伴コードを必要としない。また、背景誤差共分散

行列は、同化時刻のアンサンブル予報から構成される

ため flow-dependent となる。

アンサンブル空間の評価関数

勾配ベクトル

3. 13. 13. 13. 1 点観測による点観測による点観測による点観測による同化同化同化同化実験実験実験実験と結果と結果と結果と結果

NHM-EnVar システムの動作を確認するため、1 点観

測による同化実験を行った。2011 年台風第 12 号

(Talas)の事例を対象として、台風中心の北東側、高度

5km の 場 所 に 、 風 の 擬 似 観 測 (U= - 35.54(m/s),

V=45.68(m/s), obserr=0.5(m/s))を与えた。風速は第一

推定値の 2 倍とし、観測値を取り込みやすくするため観

測誤差は小さく設定した。領域は四国沖で解像度 10km、

格子数 180×140、同化時刻は 2011 年 9 月 1 日 1200

a2/1fa - wPxx f ⋅=

[ ] [ ]ffN

ff2

ff1

fN

f2

f1

2/1f ,,,

1

1,,, xxxxxxpppP −−−

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fxax

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a2/1fa ~~ wPxx f ⋅+=

0 J

),J(0

aa

a =∂∂

=stepw

ww

境界値: mfboundary+週間アンサンブル摂動

10kmNHMアンサンブル(40メンバー)

10kmNHMコントロール

初期摂動は週間アンサンブル

6hr window (slot=7)

10kmNHMコントロールのみ再積分(アウターループ)

同化している観測データ

・従来型観測データ(地上, 高層, 航空機など)

・衛星風

・可降水量 GPS, TRMM/TMI, SSM/I, (Aqua/AMSR-E)

・ドップラー動径風

・輝度温度

・・・

解析 解析 解析 解析解析解析解析

0h 6h 12h 18h・・・

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UTC とした。第 2 図にイテレーション数に対する評価関

数、背景項、観測項の値、第 3 図(a),(b),(c)に風ベクト

ルの第一推定値(アンサンブル平均値)、解析値、解析

インクリメントを示す。第 2 図を見ると、イテレーション数

が増えるに従い、背景項は 0 から出発して大きく、観測

項は逆に小さくなり、評価関数は 12 ステップ程度で収束

する。これより EnVar がシステムとして正常に動作して

いることを確認することができる。第 3 図(a),(b),(c)か

ら、風の擬似観測が正確に同化されて、観測点を中心

とした周辺の領域で、第一推定値を観測値に近い値に

修正していることが分かる。また、台風中心の南西側に

も極大域を持つ正のインクリメントが現れて渦を強める

flow-dependent な結果が得られた。

第 2 図 イテレーション数に対する評価関数、背景項、観測項の値

第 3 図(a) 第一推定値(アンサンブル平均) 風ベクトル (高度 5km)

第 3 図(b) 解析値 風ベクトル (高度 5km)

第 3 図(c) 解析インクリメント 風ベクトル (高度 5km)

4. 4. 4. 4. 今後今後今後今後

現状の NHM-EnVar は、サンプリング誤差を抑制する

ための局所化が実装されていない。通常、局所化は背

景誤差共分散行列に対して行うが、NHM-LETKF で実

装されている観測局所化の方法をできるだけ活用して

統合システムを設計する方針である。この方法を取り入

れようとすると評価関数の勾配ベクトルを求めるタイミン

グで局所化を行うことになる。今後は、局所化の実装と

4 次元化を進めていく予定である。

参考文献

Liu, C., Q. Xiao, and B. Wang, 2008: An ensemble-based

four-dimensional variational data assimilation scheme. Part I:

Technical formulation and preliminary test. Mon. Wea. Rev.,

136136136136, 3363–3373.

Zupanski, M., 2005: Maximum Likelihood Ensemble Filter:

Theoretical Aspects. Mon. Wea. Rev., 133133133133, 1710-1726.

Zupanski, M., I. M. Navon, and D. Zupanski, 2008: The

Maximum Likelihood Ensemble Filter as a Non-Differentiable

Minimization Algrotihm. Quart. J. Roy. Meteorol. Soc., 134134134134,

1039-1050.

謝辞

本研究は、文部科学省 HPCI 戦略プログラムの助成を受けた

ものである。

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