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20141017実践マーケティング勉強会 実践マーケティング勉強会 2010 港南実学研究所”Zero1 2010118実践マーケティング勉強会 島田充啓 Mitsuhiro Shimada 62 イノベーションのジレンマ② 市場調査やアンケート調査 vs 「行動観察」 「ジョハリの窓」で読み解くマーケティング活動~ 2 015 年2月 20 8 00 9 30
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第62回 イノベーションのジレンマ②「市場調査やアンケート調査 」vs「行動観察」

Jul 22, 2015

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2014年10月17日実践マーケティング勉強会

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2010年1月18日実践マーケティング勉強会

島田充啓Mitsuhiro Shimada

第62回 イノベーションのジレンマ②「市場調査やアンケート調査 」vs「行動観察」~ 「ジョハリの窓」で読み解くマーケティング活動~2015年2月20日 8時00分〜9時30分

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■本日の勉強会の内容■

・イノベーションのジレンマ(前回のつづき)

に加えて、

・「市場調査やアンケート調査 」vs「行動観察」~ 「ジョハリの窓」で読み解くマーケティング活動~

で、進めます。

*本日の一貫した話は、“イノベーション”です。

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(前回の勉強会の繰り返しになりますが)はじめに

いまから話す内容は、

僕独自の考えでもなんでもなくいまから約15年も前にクリステンセンらが警鐘した内容です。

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だから、

「そんなの知っているよ」

っていう人がいても当然です。

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加えて、

とくに経営層の方々にとってみれば、

この有名な著書と自らの体験とを照らし合わせて

(いまさらそんな事言われなくても)「そんなことわかっているよ!」

って、言いたくなると思います。

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ある種、古典。

“常識化した”と言っても

過言ではないでしょう。

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でも、頭で分かっていても

この状況・症状から

抜け出せない。

ハマってしまう。解決出来ない。

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だから、なおさらのこと性質(タチ)が悪い。。

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もうちょっとだけ

お付き合いください。

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なにやら、不思議なことを言いましょう。

でも、これが本質なのです。

って話です。

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イノベーションを起こそう!

と思うから

イノベーションが起こせないのです。

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“ソニーらしい商品を出したい”

と思うから

ソニーらしいものが出ないのです。

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でも、その前に

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そもそも“ソニーらしい?”

って何なんでしょうかね。。。。

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企業が真面目だから?

レッド・オーシャンになる。

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この本を読んで以来そう思うようになり始めました。(詳しくは、“第8回 「ビジネスの本質」(ヤンミ・ムン コモディティのメカニズム)を考える“を参照してみてください。)

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余談ですが、重要です。この2冊は是非一度手にとってください。

製品の普及や寿命のメカニズムがイメージ出来ます。

『ビジネスで一番、大切なこと消費者のこころを学ぶ授業』ヤンミ・ムン(著)

『キャズム』ジェフリー・ムーア (著)

『キャズム2 』や『トルネード』など続編も出ているようです。読んでみて良かったら改めて紹介しますね。

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メカニズムがイメージ出来る。

ことで、

先が読める。

後手に回らない。

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これも余談ですが、

クリステンセンは、イノベーションのジレンマなどを通して何を言っているか、

何を掘り下げてきたかというと

イノベーションを起こす為のヒントを探ってきたのではなく、

既存企業がイノベーティブな企業から身を守る為の方法論を

探ってきたのです。

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本を読んでいる時間がない!って方々には、下記勉強会資料3つ

第8回 「ビジネスの本質」(ヤンミ・ムン コモディティのメカニズム)を考えると

第43回 キャズム(セグメンテーション&市場開拓)(前半)ジェフリームーア第44回 キャズム(セグメンテーション&市場開拓)(後半)ジェフリームーア

をおススメします。

製品の普及や寿命のメカニズムのイメージを自分の中に持つことは皆さんの今後の役に立つはずですから。

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真面目だから苦しくなる。

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企業の真面目さがコモディティ化を加速する。

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これ、一種の矛盾というか

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いや、まさにパラドクスです。

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でも、誤解しないでください。

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企業が不真面目になれば良い。

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そんな風に言っているつもりはありません。

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それよりも僕は、コモディティを肯定しています。

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だって、

コモディティ化は、より多くの人たちの暮らしを良くします。

幸せに出来ます。

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出所:「THE NEXT 4 BILLION(2007 World Resource Institute, International Finance Corporation)」より作成。

言いたいのは、こういう事です。

(世界規模での)コモディティ化が実現してくれるものたとえば、BOP層の解消に繋がります。

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31出所:Save the Children Japan HP

こういうのがなくなればいい…と思いませんか

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イノベーティブだ。と評価された製品も

いずれはコモディティ化する。

それを前提に企業は行動すれば良いだけです。

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「①コモディティ化した製品を提供する企業」として広く社会貢献していくのか、

それとも

「②イノベーションで新しい提案」をし続けるのか。

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はたまた、その両方を③バランス良く継続していくのか。

いずれの企業スタイルでも社会に貢献できます。

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『イノベーションのジレンマ』で有名な

クリステンセン氏によれば、

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ソニーは「驚くべき事例」だという。

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同社は創業間もない1950年から82年までの間に、

12の破壊的イノベーションを

世に送り出した。

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トランジスタラジオや持ち運び可能な白黒テレビ、ウォークマンや3.5インチフロッピーディスク駆動装置など

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「破壊的…」とは

単に従来技術の延長線上の改良ではなく、

全く新規のコンセプトやテクノロジーで

旧来の市場秩序をひっくり返すような革新を指します。

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出所:ケイン岩谷ゆかり(著)、 外村仁(解説)『沈みゆく帝国 スティーブ・ジョブズ亡きあと、アップルは偉大な企業でいられるのか』 ”イノベーションのジレンマ”

『どのような新製品も

いつかは必ず既存製品となり

次の新製品にやられる

そんな運命にある。』

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出所:ケイン岩谷ゆかり(著)、 外村仁(解説)『沈みゆく帝国 スティーブ・ジョブズ亡きあと、アップルは偉大な企業でいられるのか』 ”イノベーションのジレンマ”

Appleを例に“その運命の過程”をみてみましょう。

『どのような新製品もいつかは必ず既存製品となり次の新製品にやられるそんな運命にある。』Apple編

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出所:ケイン岩谷ゆかり(著)、 外村仁(解説)『沈みゆく帝国 スティーブ・ジョブズ亡きあと、アップルは偉大な企業でいられるのか』 ”イノベーションのジレンマ”

Apple Ⅰ「機能も限られており、本格的な製品とは言い難いもの」だった。

だが“小さな会社”にとっては十分な成功を収めた。

『どのような新製品もいつかは必ず既存製品となり次の新製品にやられるそんな運命にある。』Apple編

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出所:ケイン岩谷ゆかり(著)、 外村仁(解説)『沈みゆく帝国 スティーブ・ジョブズ亡きあと、アップルは偉大な企業でいられるのか』 ”イノベーションのジレンマ”

AppleⅡ「いろいろな面が改善された」

『どのような新製品もいつかは必ず既存製品となり次の新製品にやられるそんな運命にある。』Apple編

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出所:ケイン岩谷ゆかり(著)、 外村仁(解説)『沈みゆく帝国 スティーブ・ジョブズ亡きあと、アップルは偉大な企業でいられるのか』 ”イノベーションのジレンマ”

Macintosh パーソナルコンピューター市場のリーダーとなった。

『どのような新製品もいつかは必ず既存製品となり次の新製品にやられるそんな運命にある。』Apple編

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出所:ケイン岩谷ゆかり(著)、 外村仁(解説)『沈みゆく帝国 スティーブ・ジョブズ亡きあと、アップルは偉大な企業でいられるのか』 ”イノベーションのジレンマ”

当初は、GUIで使えるMacは、高くても売れた。

『どのような新製品もいつかは必ず既存製品となり次の新製品にやられるそんな運命にある。』Apple編

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出所:ケイン岩谷ゆかり(著)、 外村仁(解説)『沈みゆく帝国 スティーブ・ジョブズ亡きあと、アップルは偉大な企業でいられるのか』 ”イノベーションのジレンマ”

アップルは、ここで壁にぶつかる。

『どのような新製品もいつかは必ず既存製品となり次の新製品にやられるそんな運命にある。』Apple編

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出所:ケイン岩谷ゆかり(著)、 外村仁(解説)『沈みゆく帝国 スティーブ・ジョブズ亡きあと、アップルは偉大な企業でいられるのか』 ”イノベーションのジレンマ”

しかし、同じような機能をもつマイクロソフトのウィンドウズをOSとしたPCがライバル企業(*)から続々と登場。

登場したマシンは,Macに比べると劣っている点が多々あったが何といっても安価だった。

また、どんどん改良されていった。

『どのような新製品もいつかは必ず既存製品となり次の新製品にやられるそんな運命にある。』Apple編

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出所:ケイン岩谷ゆかり(著)、 外村仁(解説)『沈みゆく帝国 スティーブ・ジョブズ亡きあと、アップルは偉大な企業でいられるのか』 ”イノベーションのジレンマ”

ついに、ウィンドウズ95を発売。

『どのような新製品もいつかは必ず既存製品となり次の新製品にやられるそんな運命にある。』Apple編

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出所:ケイン岩谷ゆかり(著)、 外村仁(解説)『沈みゆく帝国 スティーブ・ジョブズ亡きあと、アップルは偉大な企業でいられるのか』 ”イノベーションのジレンマ”

殆どの機能でMacと同等のOSの登場でアップルソフトウェアのダントツだった優位はほぼ終わった。

『どのような新製品もいつかは必ず既存製品となり次の新製品にやられるそんな運命にある。』Apple編

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キャズム理論にあてはめるとこんな感じ。

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Innovatorテクノロジーマニア

Early adaptorビジョナリー

Early majority実利主義者

Late majority保守派

Laggard懐疑派

Product製品

Β版も使いこなす。新規性の高いテクノロジーに興味あり。

夢を叶えてくれると感じさせる製品。他社(者)を出し抜くアプリ。ホールプロダクトは自分で揃える。

正規品・(業界)標準品ホールプロダクトが揃っていることが重要IT製品で言うと①流通、②インフラ③UI④サポートなど。

改善品サポートも不要なくらいに誰でも迷わず使える。

Price価格

さほど重要ではない。

重要ではない。 とても気にする。 ←

Place流通

直販・専門店(需要を創造出来る販路)

← 小売・量販(需要を満足させる販路)

Promotion広告

ベンダーとの直接コミュニケーションを好む(テクノロジーを評価出来る)

テクノロジーマニアの情報をもとに新製品情報を得る。

同業者たちと互いに情報をやり取りする。

メインストリーム市場(大衆市場)

初期市場

出所:ジェフリー・ムーア(著)『キャズム』をもとに島田が作成

【まとめ】テクノロジーライフサイクロと4P

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なんかスッキリしない方のために。

マイクロソフトの成功(詳説①)

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これをマイクロソフトの立場から見てみましょう

マイクロソフトの成功(詳説①)

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マイクロソフトが成功したのはIBMとの提携のお陰。

マイクロソフトの成功(詳説①)

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ってことで、マイクロソフトの立場の前にIBMの立場からまず見てみましょう。

マイクロソフトの成功(詳説①)

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[IBMとIBM PCビジネスの歴史]

・IBMは1911年創業の歴史ある企業。・世界大戦中も米軍の防御システムなどを受注。・1960年には他社を圧倒してメインフレーム市場を独占。独禁法で幾度も訴えられるほどの独占ぶりだった。

マイクロソフトの成功(詳説①)

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[IBMとIBM PCビジネスの歴史]

・IBMは1911年創業の歴史ある企業。・世界大戦中も米軍の防御システムなどを受注。・1960年には他社を圧倒してメインフレーム市場を独占。独禁法で幾度も訴えられるほどの独占ぶりだった。

・しかし、パーソナルコンピューターの波に乗り遅れた。それを取り戻すためにIBM PC を投入。IBM時間節約のために、すべてを自社開発することをしかたなく諦め、重要なコンポーネントを社外から導入することにした。

マイクロソフトの成功(詳説①)

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[IBMとIBM PCビジネスの歴史]

・IBMは1911年創業の歴史ある企業。・世界大戦中も米軍の防御システムなどを受注。・1960年には他社を圧倒してメインフレーム市場を独占。独禁法で幾度も訴えられるほどの独占ぶりだった。

・しかし、パーソナルコンピューターの波に乗り遅れた。それを取り戻すためにIBM PC を投入。IBM時間節約のために、すべてを自社開発することをしかたなく諦め、重要なコンポーネントを社外から導入することにした。

・またIBM PCは、オープンアーキテクチャを採用し、内部仕様の多くが公開されたため、Compaq、Dellなど多くのメーカーからPC/AT互換機が発売された。(結果として収益の核となるOSとCPUは、マイクロソフトとインテルに握られた。)

マイクロソフトの成功(詳説①)

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Innovatorテクノロジーマニア

Early adaptorビジョナリー

Early majority実利主義者

Late majority保守派

Laggard懐疑派

Product製品

Β版も使いこなす。新規性の高いテクノロジーに興味あり。

夢を叶えてくれると感じさせる製品。他社(者)を出し抜くアプリ。ホールプロダクトは自分で揃える。

正規品・(業界)標準品ホールプロダクトが揃っていることが重要IT製品で言うと①流通、②インフラ③UI④サポートなど。

改善品サポートも不要なくらいに誰でも迷わず使える。

Price価格

さほど重要ではない。

重要ではない。 とても気にする。 ←

Place流通

直販・専門店(需要を創造出来る販路)

← 小売・量販(需要を満足させる販路)

Promotion広告

ベンダーとの直接コミュニケーションを好む(テクノロジーを評価出来る)

テクノロジーマニアの情報をもとに新製品情報を得る。

同業者たちと互いに情報をやり取りする。

メインストリーム市場(大衆市場)

初期市場

出所:ジェフリー・ムーア(著)『キャズム』をもとに島田が作成

マイクロソフトの成功(詳説②)

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Microsoftの視点で彼らのPCへのアプローチを見てみましょう。

マイクロソフトの成功(詳説①)

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マイクロソフトは、(ビジネスコンピューティングの領域での)

“マーケット・リーダー”であるIBMと組むことに成功した。

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ちなみに、IBMからすれば、

マイクロソフトと組むことでホールプロダクト(*)が入手できたことになる。

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ホールプロダクト(*)とは?

「ホールプロダクト」とは、セオドア・レビット博士(T・レビット)が1960年代に発表した論文で提唱した考え方。

「Whole(完全な・まるごと)」という意味。企業が顧客に販売する製品そのものが持つコアな機能と、その製品を購入した人や企業がその製品が発揮してくれると期待する機能の間には常に大きな差がある。

本来の製品の周辺に補助製品や補完サービスを数多く揃えることで「ホールプロダクト」つまり「完全な製品」により顧客の期待に合うものにすること。

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4

カメラ(コア・プロダクト)

“ILCビジネスにおける”ホール・プロダクトとは。

レンズ

アクセサリー

ソフトウエア編集共有

修理サポート

問い合わせコンシェルジュ

活動支援・Workshop

・撮影体験会・コミュニティ・ギャラリーなど

ハード系/

Tangible

ソフト系/

Intangible

第43回勉強会資料から抜粋

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ホールプロダクトが持つ意味をキャズム理論から見てみましょう。

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Innovatorテクノロジーマニア

Early adaptorビジョナリー

Early majority実利主義者

Late majority保守派

Laggard懐疑派

Product製品

Β版も使いこなす。新規性の高いテクノロジーに興味あり。

夢を叶えてくれると感じさせる製品。他社(者)を出し抜くアプリ。ホールプロダクトは自分で揃える。

正規品・(業界)標準品ホールプロダクトが揃っていることが重要IT製品で言うと①流通、②インフラ③UI④サポートなど。

改善品サポートも不要なくらいに誰でも迷わず使える。

Price価格

さほど重要ではない。

重要ではない。 とても気にする。 ←

Place流通

直販・専門店(需要を創造出来る販路)

← 小売・量販(需要を満足させる販路)

Promotion広告

ベンダーとの直接コミュニケーションを好む(テクノロジーを評価出来る)

テクノロジーマニアの情報をもとに新製品情報を得る。

同業者たちと互いに情報をやり取りする。

メインストリーム市場(大衆市場)

初期市場

出所:ジェフリー・ムーア(著)『キャズム』をもとに島田が作成

マイクロソフトの成功(詳説②)

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そう、実利主義者(Early Majority)を取り込むには、ホール・プロダクトを

手にしなければならない。

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というもの実利主義者はそもそも、

購入決定の際の社内手続きを気にする。そんな集団。(ユーザーと決定者が必ずしも同じではない。)

•品質上の信頼性(過去の実績)•ホールプロダクト(周辺機器・サービスなど)•(他の実利主義者の)導入実績

などの情報が社内手続きを簡単にしてくれる。

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実利主義者が気にする情報

•品質上の信頼性(過去の実績)•ホールプロダクト(周辺機器・サービスなど)•(他の実利主義者の)導入実績

これらを簡単に手に入れられるのは誰?

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実利主義者が気にする情報

•品質上の信頼性(過去の実績)•ホールプロダクト(周辺機器・サービスなど)•(他の実利主義者の)導入実績

マーケット・リーダーです!(コンピューティング

とくにビジネスユースの領域では当時はIBMでした。)

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マーケット・リーダーがなぜホール・プロダクトを手に入れやすいか?

ベンダーもコンサバ。安全志向だからです。(ベンダーも社内手続きの簡単な決定をします。)

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結果として、

マーケット・リーダーの動向を見て付いていく。マーケット・リーダーの周辺機器・サービスを提供していく。

マーケット・リーダーの周りにはすべてが揃うのです。

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(他の実利主義者の)導入実績

顧客もベンダーも購入時の社内手続きを気にする。

製品やサービスを供給する立場としてのマーケットリーダーが手掛けた方式やフォーマット

もしくは購入する立場としてのマーケットリーダーが

生産供給もしくは、使用導入していれば社内での話は簡単になるのです。(その決定事項が技術的にBESTかどうかは別にして。)

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(他の実利主義者の)導入実績を見せて(実利主義者たち)Early Adaptorに猛烈にアピール

これを見事に意識したアプローチを目の当たりにしたことがあります。

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その導入実績代表として選ばれたのが

トヨタ 「トヨタフレンド」構築に関する業務提携で握手を交わすトヨタ社長の豊田章男氏(左)と、米Salesforce.com CEOのMarc Benioff氏

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あの、トヨタが導入しているのですから間違いは無いですよ。

うちも導入しましょう!

(という各社、社内での会話が想像できます)

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話がAppleから脱線しましたがApple “その運命の過程”をおさらいしてみましょう。

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IBM(model 5100)1975年6月発売

APPLEⅠ1976年4月発売666.66ドル

APPLEⅡ1977年発売

Machintosh

1984年発売2495ドル

IBM PC/AT(5150)は、

ビジネス用途を含め広く普及し、多数のアプリケーションソフトウェアや周辺機器により大ヒット1981年発売

伝説のTVCM『1984』

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伝説のTVCM 『 1984 』https://www.youtube.com/watch?v=VtvjbmoDx-I

1984は、1984年1月22日の第18回スーパーボウルのテレビコ

マーシャルとして初放映された、リドリー・スコット監督のアップルコンピュータのMacintosh用テレビCMである。ジョージ・オーウェルのSF小説『1984年』を元にしている。最初にテレビで放送されたのは、1983年12月31日に、アイダホ州のテレビ局KMVT-TVだった

出所:Wikipedia 『1984(広告)』 http://ja.wikipedia.org/wiki/1984_(%E5%BA%83%E5%91%8A)

Youtube 『1984 Apple's Macintosh Commercial (HD)』https://www.youtube.com/watch?v=VtvjbmoDx-I

ご参考

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色のないディストピア的な世界。灰色の服を着た人々がテレスクリーンに向かい、全体主義的な社会の達成を称賛するビッグ・ブラザーの演説を聴いている。

出所:Wikipedia 『1984(広告)』 http://ja.wikipedia.org/wiki/1984_(%E5%BA%83%E5%91%8A)

Youtube 『1984 Apple's Macintosh Commercial (HD)』https://www.youtube.com/watch?v=VtvjbmoDx-I

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そこへ、カラフルな陸上競技のユニホームを着た若い女性が、ハンマーを持って警察に追われながら走り寄り、スクリーンに向けてハンマーを投げつけ爆発させる。 出所:Wikipedia 『1984(広告)』 http://ja.wikipedia.org/wiki/1984_(%E5%BA%83%E5%91%8A)

Youtube 『1984 Apple's Macintosh Commercial (HD)』https://www.youtube.com/watch?v=VtvjbmoDx-I

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最後は以下のようなナレーションがかぶさる。

出所:Wikipedia 『1984(広告)』 http://ja.wikipedia.org/wiki/1984_(%E5%BA%83%E5%91%8A)

Youtube 『1984 Apple's Macintosh Commercial (HD)』https://www.youtube.com/watch?v=VtvjbmoDx-I

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「1984年1月24日、アップルコンピュータはマッキントッシュを発表します。そして我々は、今年1984年が『1984年』に描かれているような年にならないことを、お目にかけましょう…」

出所:Wikipedia 『1984(広告)』 http://ja.wikipedia.org/wiki/1984_(%E5%BA%83%E5%91%8A)

Youtube 『1984 Apple's Macintosh Commercial (HD)』https://www.youtube.com/watch?v=VtvjbmoDx-I

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出所:ケイン岩谷ゆかり(著)、 外村仁(解説)『沈みゆく帝国 スティーブ・ジョブズ亡きあと、アップルは偉大な企業でいられるのか』 ”イノベーションのジレンマ”

Macintosh は、この時点でパーソナルコンピューター市場のリーダーとなった。

『どのような新製品もいつかは必ず既存製品となり次の新製品にやられるそんな運命にある。』Apple編

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この後、IBMの戦略と自らの変化とによってよって状況が変わっていった。

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出所:ケイン岩谷ゆかり(著)、 外村仁(解説)『沈みゆく帝国 スティーブ・ジョブズ亡きあと、アップルは偉大な企業でいられるのか』 ”イノベーションのジレンマ”

また、当時、アップルもPC以外の領域でも新たな技術革新を生み出そうとしたが、

典型的な間違いを犯してしまった①

⇒顧客の意見を取り入れようとした。

•市場調査•フォーカスグループ調査⇒各種アンケートにより消費者の望みを知ろうとした。

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出所:ケイン岩谷ゆかり(著)、 外村仁(解説)『沈みゆく帝国 スティーブ・ジョブズ亡きあと、アップルは偉大な企業でいられるのか』 ”イノベーションのジレンマ”

その一例:ニュートン(携帯情報端末)

もちろん、この製品には破壊的技術となり得るものが採用されていた。ノートPCに取って代わる可能性もあった。

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出所:ケイン岩谷ゆかり(著)、 外村仁(解説)『沈みゆく帝国 スティーブ・ジョブズ亡きあと、アップルは偉大な企業でいられるのか』 ”イノベーションのジレンマ”

その結果出来あがったのは、これ以上はない。という失敗作。

700ドルもするのに能力が不十分。

売りとなる最新技術である手書き文字認識はあまりに精度が悪かった。

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出所:ケイン岩谷ゆかり(著)、 外村仁(解説)『沈みゆく帝国 スティーブ・ジョブズ亡きあと、アップルは偉大な企業でいられるのか』 ”イノベーションのジレンマ”

Newtonの手書き文字認識ソフトの文字認識率の悪さは、GARY TRUDEAUの描く社会風刺漫画ドゥ―ンズベリーなどでも揶揄された。

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出所:ケイン岩谷ゆかり(著)、 外村仁(解説)『沈みゆく帝国 スティーブ・ジョブズ亡きあと、アップルは偉大な企業でいられるのか』 ”イノベーションのジレンマ”

また、当時、アップルもPC以外の領域でも新たな技術革新を生み出そうとしたが、

典型的な間違いを犯してしまった②

⇒何百万ドルの大規模な開発投資

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出所:ケイン岩谷ゆかり(著)、 外村仁(解説)『沈みゆく帝国 スティーブ・ジョブズ亡きあと、アップルは偉大な企業でいられるのか』 ”イノベーションのジレンマ”

だが、“それなりの製品”として発売しなかった。(出来なかった)

当時のアップルCEOジョン・スカリーはこれを“会社の中核“にすえるものだとしてしまった。

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出所:ケイン岩谷ゆかり(著)、 外村仁(解説)『沈みゆく帝国 スティーブ・ジョブズ亡きあと、アップルは偉大な企業でいられるのか』 ”イノベーションのジレンマ”

開発投資額も

市場への約束ももっと控えめにしていれば、

販売実績(2年間で14万台)も

ポジティブに評価されていたかもしれない。

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出所:ケイン岩谷ゆかり(著)、 外村仁(解説)『沈みゆく帝国 スティーブ・ジョブズ亡きあと、アップルは偉大な企業でいられるのか』 ”イノベーションのジレンマ”

これすっごいヒント!

小さな企業にとっての成功は、大企業にとっての成功にはならないことがある。(大企業病を表現する方法のひとつかもしれない。)

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成功?失敗?の評価も目標次第!

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成功?失敗?の評価も当初の目標次第!

つまりこれらの製品も“まだまだ、やりようはある”

と思うのです。

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世の中に失敗というものはない。

チャレンジしているうちは失敗はない。

諦めた時が失敗である。稲盛和夫

出所:小杉俊哉(著)『起業家のように企業で働く』インプレスコミュニケーション 2013年

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アップルの話をもう少ししましょう。

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ジョブスが、アップルに戻った時にやったこと。①

大企業病を治し、創造的破壊者に戻そうとした。

イノベーターに戻した。

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出所:ケイン岩谷ゆかり(著)、 外村仁(解説)『沈みゆく帝国 スティーブ・ジョブズ亡きあと、アップルは偉大な企業でいられるのか』 ”イノベーションのジレンマ”

大企業病

(トップCEOは経営のプロ)利益ばかりを気にする。事業の現場を知らない。

会議や委員会がだらだらと続きなにも決まらない。

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スティーブ・ジョブスは利益の事は語らなかったそうですそれが創業者の強み。特徴の一つだとも言えます。

Newtonで大失敗をした元CEOのジョン・スカリーもそれに言及しています。

“創業者は、社内での手続きが少なくてすむ。”と

ジョン・スカリーは言う。「Apple最大のミスは私をCEOにしたことだ」と。2010.10.18 11:30

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出所:ケイン岩谷ゆかり(著)、 外村仁(解説)『沈みゆく帝国 スティーブ・ジョブズ亡きあと、アップルは偉大な企業でいられるのか』 ”イノベーションのジレンマ”

そのために、製品の種類を大胆に絞り込んだ

素晴らしい製品を作ることに軸足を置いた。

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出所:ケイン岩谷ゆかり(著)、 外村仁(解説)『沈みゆく帝国 スティーブ・ジョブズ亡きあと、アップルは偉大な企業でいられるのか』 ”イノベーションのジレンマ”

ジョブスが、アップルに戻った時にやったこと②

直接的責任者(DRI :Directly Responsible Individual)にタスクを割り当てた。

DRIは、新しい開発プロジェクトを監督、守る。

生まれたアイディアは発展させる

改良したり詳しく検討する。

しかし、最後の瞬間に捨てられた開発もある。

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DI事業部のBU長というポジション(コンセプト)もこれに似ている。

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出所:ケイン岩谷ゆかり(著)、 外村仁(解説)『沈みゆく帝国 スティーブ・ジョブズ亡きあと、アップルは偉大な企業でいられるのか』 ”イノベーションのジレンマ”

ジョブスが、アップルに戻った時にやったこと③

市場調査やアンケート調査もやめた。

ジョブスなりの理由:

「なにが欲しいかと顧客にたずねていたら『足が早い馬』と言われたはずだ」(ヘンリー・フォード)

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これを読んだ時に島田が思ったこと。

えっ、Appleも

“市場調査やアンケート” やってたんだ。

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じゃあ、Appleは

“市場調査やアンケート” やらずに

ヤマ勘でやってる?

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いえ、

Appleは、ユーザーの

“行動観察”を活用しているようです。

出所:ケイン岩谷ゆかり(著)、 外村仁(解説)『沈みゆく帝国 スティーブ・ジョブズ亡きあと、アップルは偉大な企業でいられるのか』 ”イノベーションのジレンマ”

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“市場調査やアンケート” と “行動観察”

との違いを見ていきましょう。

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出所:Haruhito Matsunami 『行動観察をイノベーションにつなげる5つのステップ』Diamond

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なぜ、行動観察なのか?

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出所:Haruhito Matsunami 『行動観察をイノベーションにつなげる5つのステップ』Diamond

Harvard Business Review Aug.2014

いまの時代に

求められるモノ、我々が獲得すべきものは、

筋のいい“仮説”です。

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出所:Haruhito Matsunami 『行動観察をイノベーションにつなげる5つのステップ』Diamond

Harvard Business Review Aug.2014

なぜ?

“これまでと同じ枠組の中での最適化”はすでに実現されている!

それが今の時代だからです。

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出所:Haruhito Matsunami 『行動観察をイノベーションにつなげる5つのステップ』Diamond

Harvard Business Review Aug.2014

だから必要となるのは、

従来のフレーム(枠組み)の再定義

それによる、ビジネスのゲームを変えてしまうこと。

つまり、イノベーションである。

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2015年2月20日実践マーケティング勉強会

実践マーケティング勉強会 2010

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116

出所:Haruhito Matsunami 『行動観察をイノベーションにつなげる5つのステップ』Diamond

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つまり、こういう事です。

「真面目な企業が土俵のなかで相撲の腕を磨いている間に、

イノベーティブな企業は新たな土俵を創って

相撲というフレームそのものを変えてしまう」

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出所:Haruhito Matsunami 『行動観察をイノベーションにつなげる5つのステップ』Diamond

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よって、

我々が行わなければならないのは、

「最適化」ではなく、「新たな土俵を生み出すこと」

そのために必要なのが「新しい仮説」なのです。

ここでの仮説:消費者のWhat。何をやりたがっているか?

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ここでの仮説とは?

消費者のWhat。何をやりたがっているか?

人間は、本質的にやりたい事は変わっていない。

やりたいことを達成する手段が

時代によって変わっているだけ。

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これまでの物事の捉え方を変えて、

前向きに新たな仮説を生むこと、

そして新たな価値を生むことを

リフレームと言います。

ブルーオーシャン戦略の時にもこんなこと言ってましたね。

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“行動観察” に関してもう少し話をしましょう。

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行動観察では、

まず “場” に足を運び、

“場”において起こっている事実を

丁寧に集める。

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その上で “場” における事実を

構造的に解釈することを試みる。

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たとえば、若者という顧客を深く理解したければ、

若者の日常の“場”に入り、彼らがどのような行動をとり

どのような「意味」を重要視しているのかを深く掘り下げて

理解しようとする。

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行動は、言葉よりも雄弁に

その人のありたい姿を映し出すからです。

(本質を見抜く。)

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様々なことを「既知」とするのではなく、

まっさらな気持ちで“場”にある事実を受け止める。

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また、この場にある事実の背景にある「なぜ」を理解することでリフレームを生む。

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行動観察は、新たな仮説を見出すことで、

変化に適応するとともに、

みずから変化を生み出す方法論でもある。

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新しい仮説とは。

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「お客様が気づいておらず」

「自社もまた気づいていない」

そんなインサイト(洞察)やソリューションのこと。

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企業は、この新しい仮説の重要性に気づいているが

最適化された現状のフレームから

なかなか抜け出せていない。

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なぜ?

そもそも自分自身が

どのようなフレームで思考しているかは、

自分の力では気づきにくい。からです。

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たとえば、

あなたが海外旅行に行ったとします。

さまざまな場面で、日本では当たり前。

と思っていたことが、旅行先の国では

当たり前ではない。

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器を持ちあげて食事する。

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「なるほど、この国ではこのような考え方なんだ」

と理解すると同時に

「(翻って考えると)日本では、こんな考え方が暗黙のルールになっているんだ!」

と気づける。

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渦中にいると

自分たちがどのようなフレームで動いているか

に気付くのが難しい。

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出所:Haruhito Matsunami 『行動観察をイノベーションにつなげる5つのステップ』Diamond

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“自分自身の囚われているフレームに気づいた上で

新しい仮説を生む為のヒント“

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出所:Haruhito Matsunami 『行動観察をイノベーションにつなげる5つのステップ』Diamond

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未来の自分に気づく方法としての

(心理学における)「ジョハリの窓」を

ビジネスで活用してみよう。

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出所:Haruhito Matsunami 『行動観察をイノベーションにつなげる5つのステップ』Diamond

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盲目の窓

未知の窓秘密の窓

解放の窓

他者が分かって

いる

他者は

分からない

自分では

分からない

自分では分かって

いる

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実践マーケティング勉強会 2010

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盲目の窓

未知の窓秘密の窓

解放の窓

一般的な

マーケティング・リサーチ(顧客の顕在価値の理解)

一般的な

マーケティング・コミュニケーション(自社が提供できる価値の告知)

行動観察による価値創造①お客様にとっての潜在価値の理解②自社の思考フレームの把握

他者が分かって

いる

他者は

分からない

自分では

分からない

自分では分かって

いる

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出所:ケイン岩谷ゆかり(著)、 外村仁(解説)『沈みゆく帝国 スティーブ・ジョブズ亡きあと、アップルは偉大な企業でいられるのか』 ”イノベーションのジレンマ”

ジョブスが、アップルに戻った時にやったこと④

ユーザーの使い方を詳しく観察して参考にする方法を推進。

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出所:ケイン岩谷ゆかり(著)、 外村仁(解説)『沈みゆく帝国 スティーブ・ジョブズ亡きあと、アップルは偉大な企業でいられるのか』 ”イノベーションのジレンマ”

ジョブスが、アップルに戻った時にやったこと⑤

破壊的イノベーションの実現

1.オールインワンのiMacは手ごろな価格でスタイリッシュ、当時としては破格のつかいやすいコンピューターだった

2.iPodとiTunesの組み合わせは、アルバム単位ではなく1曲99セントで購入する方法を普及させた⇒音楽産業界を一変させた

3.iPhoneの登場でスマホのあるべき姿が明確になった

4.iPadは、アップルが発売するまで誰も使い方をしていなかった。

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①「市場調査やアンケート調査 」vs「行動観察」の続き

②ブリコラージュ思考

を取り上げる予定です。

次回2015年3月13日(金)8時~本社@9W07-Aの勉強会では、